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四章 異世界旅行編 2 トカ国
354 重傷な依頼主
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この日から呼び出しがある度に、街に出るヒューケラの護衛をした。
相変わらずカズに対する態度は変わらない。
トンネル内の休憩場所での二の舞いにならないようにと、ヒューケラの言動にアレナリアは注意を払った。
外に出掛け宿屋に戻る頃には、アレナリアの疲れは見てとれた。
レラは外に出ると生き生きとして、宿屋に戻る頃になると、元気がなくなっていた。
部屋ではレラもヒューケラの相手をさせられているのだろう。
一緒に来たジョキーはというと、バルヤールが引く荷馬車と共に運搬船に乗り既に出港した。
街に滞在する間に、カズは三人のオーバーコートに幾つかの付与をしておいた。
アコヤ街に到着してから五日後の昼、行きつけ店で昼食を終えたヒューケラの元に、仕事を終えたヒューケラの父親が宿屋に到着したと連絡がきた。
ただ、それを伝えに来たブロンディ家の使用人の様子がおかしい。
息は荒れて顔には痣や傷がある。
そして使用人の次の言葉を聞いたヒューケラの顔から笑顔は消え、みるみる色が変わり青ざめる。
一行は昼食と取った店を出て、使用人と共に急ぎ宿屋に戻った。
息を切らして部屋に飛び込むヒューケラの目に、服を赤黒く染めた父親の姿が映った。
続いて使用人とアレナリアも部屋の中に入り、カズとレラとビワは外で待った。
「お父様!」
「ヒュー…ケラ……」
「こんなお怪我を! 何があったんですの?」
「旦那様は熱があります、安静にしてないといけません。宿の者に薬を調達するよう頼んであります。事情は自分から」
父親に付いていたもう一人の使用人が、ここまで来る道中トンネル内で起きた出来事について話した。
ホタテ街からアコヤ街に向かいトンネルを走っていると、故意に馬車を接触させて休憩場所に入るよう合図をしてきて、そこで破損した馬車を弁償しろと難癖をつけてきたです。
旦那様はそんな脅しに屈せずに、責任者と話をつけるからどこの運搬業者かと尋ねたら、いきなり短剣を取り出して旦那様を。
すぐに旦那様を馬車に乗せて、常備していた回復薬を使ったのですが、傷が深く全快できず。
急ぎ街に入り治療をと、しかし襲ってきた者達に囲まれ動けずに。
そこでたまたま居た他の運搬業者の人達が助けてくださり、馬車を走らせることができたんです。
街に入り医者に行ったのですが、数日前の落石で大勢が怪我をして、薬が足りないのだとか。
新しい薬が出来てもすぐに使ってしまい、ホタテ街から運ばれても、まだ十分な量がなく不足しているのだと。
常備していた回復薬を使用したことで、一命は取り止めたのですが、今の状態が長引くと……。
あとは回復魔法で治療してもらうのが、今となっては一番早いかと探してはいるのですが。
「お姉さまッ! お父様をお父様を……」
ヒューケラはアレナリアにすがり付き、父親の治してくれるよう頼む。
近寄り状態を確認したアレナリアは、ヒューケラに隠さず話す。
「怪我をしてから時間が経ち、血を流し過ぎてる。すぐに回復薬を使ったから致命傷にはならなかったみたいだけど、回復魔法で深い傷を治すとなると、その魔力に本人が耐えられるか」
「では旦那様は……」
「ここまで弱ってると、薬を使い時間を掛けて治す方が安全なんだけど……薬が無いのよね」
「はい。次の運搬船が来れば多くの薬を積んでるはずなのですが、まだ数日は掛かるかと」
「魔法で傷の治療は出来るけど、体力がないと悪化する恐れも」
「旦那様は連日のお仕事で、疲れが溜まっておりました。今回の取り引きを終えたら休暇を取ると仰ってました。その前に残っている仕事をやってしまうのだと昼夜働き詰めでした」
なぜ主人の体のことを考えて、使用人の自分達が行動できなかったのか。
例え主人に逆らったとしても、止めるべきだったと後悔する二人の使用人。
「なんとかしてください。なんでもします。お願いします。お姉さま、お姉…さまあぁぁ」
大量の涙を流し膝から崩れ落ちるヒューケラを、アレナリアは優しく抱きしめる。
「……そこのあなた、カズを呼んで来て」
「カズ……?」
「私達と一緒に護衛をしていた男の人。早く!」
アレナリアに急かされて、ヒューケラを呼びに行った使用人が、外で待つカズの元に向かった。
使用人に連れられ、外に居たカズ達が部屋に入ってきた。
「カズお願い」
ベッドに寝かされてるヒューケラの父親と、アレナリアの一言でカズは状況を把握した。
ヒューケラの父親に近付き《分析》して状態を確認すると、毒に犯されているのが分かった。
獣を捕獲するのに狩人が使うことがある毒、毒草を使って作られ珍しい物ではない。
「熱が出てるのは怪我だけじゃなく、軽い毒のせいでもあるみたいだ」
「毒!」
使用人の二人が驚きカズを見る。
泣き止んだヒューケラは、アレナリアにしがみついたまま顔をカズに向け目を離さない。
「毒と言っても、それほど強くはないから」
「カズ、治せる?」
「ああ、大丈夫。先ずは毒を取り除いて、体力を回復させよう〈キュア〉」
カズのキュアによって体内から毒が消える。
次に回復薬を取り出し、少量口に流し込み飲ませた。
すると熱が少し下がり、荒かった息が落ち着く。
「あとはこの傷を」
カズはヒューケラの父親に触れ《魔力譲渡》のスキルで体内の魔力を増やしてから回復魔法を使う。
かつてグレープとナツメの父親の欠損した足の指を治した〈ハイヒール〉を使用すると、深かった傷は何もなかったかのように塞がった。
「失った血までは戻らないから、目を覚ましたら増血薬を飲ませてください。増血薬はありますか?」
「す、すぐに用意します」
「あ…あの、お父様は……?」
「治ったよ」
「あ…ありがと……ありがとうございます。ありがとう……」
大粒を涙を流しながら、ヒューケラはカズに感謝した。
その後使用人の怪我も治したカズは、アレナリアとレラを連れて系列の宿屋に移った。
◇◆◇◆◇
一夜明け宿屋で待機しているカズ達の元に、使用人が呼びにやって来た。
四人は系列の宿屋を出て使用人に付いて行き、ブロンディ親子の待つ高級な宿屋へ向かう。
移動中呼びに来た使用人が、カズに何度も感謝の言葉を口にする。
旦那様だけではなく、自分達の怪我も治してくれてありがとう、と。
誉められることが苦手なカズは「依頼主の関係者なら助けるは当然です」と、依頼を受けた冒険者らしい返事をして済ませた。
カズとビワが高級宿屋の部屋に入るのはこれで二度目、手持ち無沙汰にならぬよう、ビワには小人の姿に見えるレラを抱えさせた。
部屋に付いた昨日の血は拭き取られ、ベッドではヒューケラの父親が起き上がりヒューケラと話をしていた。
カズ達が部屋に入って来るのを見ると、ヒューケラとの会話を一時止め、身体の向きを変える。
ベッドの傍らに座っていたヒューケラが立ち上った。
「カズさん、おね…アレナリアさん、こちらへどうぞ。お父様からお話があります」
ヒューケラがベッドの近くに来るよう二人に言う。
カズとアレナリアは、ゆっくりとベッドの近くに歩を進める。
「よく来てくれた。こんな格好ですまない。先ずは礼をさせてくれ。この身を救ってくれてありがとう。娘のわがままを聞いて、予定以上の護衛をしてけれてありがとう」
ヒューケラの父親は深々と頭を下げる。
「今回は俺に出来たからしたまでです。傷が治っても、まだ安静にしてた方が」
「そうよお父様。もっと楽な姿勢して」
カズの言葉を聞いて、ヒューケラも父親の容態を心配する。
「そうだな。でも大丈夫だヒューケラ」
父親は娘の頭を撫でて安心させる。
「娘さんの言う通り楽にしてください。俺達は、ただの旅をしてる冒険者ですから。無作法で申し訳ないです」
「こちらは命を助けられた身です。そんなこと気にしません。それと申し遅れました。私しは『コーラル・ブロンディ』セテロンで宝石商を営んでいます」
「俺は冒険者をしてるカズです」
「あなた方のことは娘から聞きました。私しと使用人の二人を治してくれたカズさん。娘の相手をしてくれていた、アレナリアさんとレラさん。それとカズさんの愛人ビワさん」
「ん?」
「は?」
「え?」
「いいひと? (ビワがカズの! にっちっち。これはまた、からかいがいが)」
「ちょっと待って、カズはビワだけのものじゃ…あ、ヒューケラね」
コーラルの言ったことをアレナリアが否定し、その原因がヒューケラだと気付いた。
「お姉さまには、わたくしがいるではありませんか。カズさんはこの数日間ビワさんと、一緒の部屋で二人っきりで過ごしてたんですから、強ち間違えではないと思います」
「父親が無事になった途端またそれなの。いいこと、依頼はこの街まで護衛だったのに、それを大幅に伸ばして一緒に居たのよ。もう父親と合流したんだから。この意味分かるわね」
大人気なく少しキツい言い方するアレナリア。
「え!? お姉さまと、もう……」
父親の怪我が治り安心していたヒューケラは、アレナリアとレラが今まで一緒に居たのは、護衛依頼だからだったと思い出した。
相変わらずカズに対する態度は変わらない。
トンネル内の休憩場所での二の舞いにならないようにと、ヒューケラの言動にアレナリアは注意を払った。
外に出掛け宿屋に戻る頃には、アレナリアの疲れは見てとれた。
レラは外に出ると生き生きとして、宿屋に戻る頃になると、元気がなくなっていた。
部屋ではレラもヒューケラの相手をさせられているのだろう。
一緒に来たジョキーはというと、バルヤールが引く荷馬車と共に運搬船に乗り既に出港した。
街に滞在する間に、カズは三人のオーバーコートに幾つかの付与をしておいた。
アコヤ街に到着してから五日後の昼、行きつけ店で昼食を終えたヒューケラの元に、仕事を終えたヒューケラの父親が宿屋に到着したと連絡がきた。
ただ、それを伝えに来たブロンディ家の使用人の様子がおかしい。
息は荒れて顔には痣や傷がある。
そして使用人の次の言葉を聞いたヒューケラの顔から笑顔は消え、みるみる色が変わり青ざめる。
一行は昼食と取った店を出て、使用人と共に急ぎ宿屋に戻った。
息を切らして部屋に飛び込むヒューケラの目に、服を赤黒く染めた父親の姿が映った。
続いて使用人とアレナリアも部屋の中に入り、カズとレラとビワは外で待った。
「お父様!」
「ヒュー…ケラ……」
「こんなお怪我を! 何があったんですの?」
「旦那様は熱があります、安静にしてないといけません。宿の者に薬を調達するよう頼んであります。事情は自分から」
父親に付いていたもう一人の使用人が、ここまで来る道中トンネル内で起きた出来事について話した。
ホタテ街からアコヤ街に向かいトンネルを走っていると、故意に馬車を接触させて休憩場所に入るよう合図をしてきて、そこで破損した馬車を弁償しろと難癖をつけてきたです。
旦那様はそんな脅しに屈せずに、責任者と話をつけるからどこの運搬業者かと尋ねたら、いきなり短剣を取り出して旦那様を。
すぐに旦那様を馬車に乗せて、常備していた回復薬を使ったのですが、傷が深く全快できず。
急ぎ街に入り治療をと、しかし襲ってきた者達に囲まれ動けずに。
そこでたまたま居た他の運搬業者の人達が助けてくださり、馬車を走らせることができたんです。
街に入り医者に行ったのですが、数日前の落石で大勢が怪我をして、薬が足りないのだとか。
新しい薬が出来てもすぐに使ってしまい、ホタテ街から運ばれても、まだ十分な量がなく不足しているのだと。
常備していた回復薬を使用したことで、一命は取り止めたのですが、今の状態が長引くと……。
あとは回復魔法で治療してもらうのが、今となっては一番早いかと探してはいるのですが。
「お姉さまッ! お父様をお父様を……」
ヒューケラはアレナリアにすがり付き、父親の治してくれるよう頼む。
近寄り状態を確認したアレナリアは、ヒューケラに隠さず話す。
「怪我をしてから時間が経ち、血を流し過ぎてる。すぐに回復薬を使ったから致命傷にはならなかったみたいだけど、回復魔法で深い傷を治すとなると、その魔力に本人が耐えられるか」
「では旦那様は……」
「ここまで弱ってると、薬を使い時間を掛けて治す方が安全なんだけど……薬が無いのよね」
「はい。次の運搬船が来れば多くの薬を積んでるはずなのですが、まだ数日は掛かるかと」
「魔法で傷の治療は出来るけど、体力がないと悪化する恐れも」
「旦那様は連日のお仕事で、疲れが溜まっておりました。今回の取り引きを終えたら休暇を取ると仰ってました。その前に残っている仕事をやってしまうのだと昼夜働き詰めでした」
なぜ主人の体のことを考えて、使用人の自分達が行動できなかったのか。
例え主人に逆らったとしても、止めるべきだったと後悔する二人の使用人。
「なんとかしてください。なんでもします。お願いします。お姉さま、お姉…さまあぁぁ」
大量の涙を流し膝から崩れ落ちるヒューケラを、アレナリアは優しく抱きしめる。
「……そこのあなた、カズを呼んで来て」
「カズ……?」
「私達と一緒に護衛をしていた男の人。早く!」
アレナリアに急かされて、ヒューケラを呼びに行った使用人が、外で待つカズの元に向かった。
使用人に連れられ、外に居たカズ達が部屋に入ってきた。
「カズお願い」
ベッドに寝かされてるヒューケラの父親と、アレナリアの一言でカズは状況を把握した。
ヒューケラの父親に近付き《分析》して状態を確認すると、毒に犯されているのが分かった。
獣を捕獲するのに狩人が使うことがある毒、毒草を使って作られ珍しい物ではない。
「熱が出てるのは怪我だけじゃなく、軽い毒のせいでもあるみたいだ」
「毒!」
使用人の二人が驚きカズを見る。
泣き止んだヒューケラは、アレナリアにしがみついたまま顔をカズに向け目を離さない。
「毒と言っても、それほど強くはないから」
「カズ、治せる?」
「ああ、大丈夫。先ずは毒を取り除いて、体力を回復させよう〈キュア〉」
カズのキュアによって体内から毒が消える。
次に回復薬を取り出し、少量口に流し込み飲ませた。
すると熱が少し下がり、荒かった息が落ち着く。
「あとはこの傷を」
カズはヒューケラの父親に触れ《魔力譲渡》のスキルで体内の魔力を増やしてから回復魔法を使う。
かつてグレープとナツメの父親の欠損した足の指を治した〈ハイヒール〉を使用すると、深かった傷は何もなかったかのように塞がった。
「失った血までは戻らないから、目を覚ましたら増血薬を飲ませてください。増血薬はありますか?」
「す、すぐに用意します」
「あ…あの、お父様は……?」
「治ったよ」
「あ…ありがと……ありがとうございます。ありがとう……」
大粒を涙を流しながら、ヒューケラはカズに感謝した。
その後使用人の怪我も治したカズは、アレナリアとレラを連れて系列の宿屋に移った。
◇◆◇◆◇
一夜明け宿屋で待機しているカズ達の元に、使用人が呼びにやって来た。
四人は系列の宿屋を出て使用人に付いて行き、ブロンディ親子の待つ高級な宿屋へ向かう。
移動中呼びに来た使用人が、カズに何度も感謝の言葉を口にする。
旦那様だけではなく、自分達の怪我も治してくれてありがとう、と。
誉められることが苦手なカズは「依頼主の関係者なら助けるは当然です」と、依頼を受けた冒険者らしい返事をして済ませた。
カズとビワが高級宿屋の部屋に入るのはこれで二度目、手持ち無沙汰にならぬよう、ビワには小人の姿に見えるレラを抱えさせた。
部屋に付いた昨日の血は拭き取られ、ベッドではヒューケラの父親が起き上がりヒューケラと話をしていた。
カズ達が部屋に入って来るのを見ると、ヒューケラとの会話を一時止め、身体の向きを変える。
ベッドの傍らに座っていたヒューケラが立ち上った。
「カズさん、おね…アレナリアさん、こちらへどうぞ。お父様からお話があります」
ヒューケラがベッドの近くに来るよう二人に言う。
カズとアレナリアは、ゆっくりとベッドの近くに歩を進める。
「よく来てくれた。こんな格好ですまない。先ずは礼をさせてくれ。この身を救ってくれてありがとう。娘のわがままを聞いて、予定以上の護衛をしてけれてありがとう」
ヒューケラの父親は深々と頭を下げる。
「今回は俺に出来たからしたまでです。傷が治っても、まだ安静にしてた方が」
「そうよお父様。もっと楽な姿勢して」
カズの言葉を聞いて、ヒューケラも父親の容態を心配する。
「そうだな。でも大丈夫だヒューケラ」
父親は娘の頭を撫でて安心させる。
「娘さんの言う通り楽にしてください。俺達は、ただの旅をしてる冒険者ですから。無作法で申し訳ないです」
「こちらは命を助けられた身です。そんなこと気にしません。それと申し遅れました。私しは『コーラル・ブロンディ』セテロンで宝石商を営んでいます」
「俺は冒険者をしてるカズです」
「あなた方のことは娘から聞きました。私しと使用人の二人を治してくれたカズさん。娘の相手をしてくれていた、アレナリアさんとレラさん。それとカズさんの愛人ビワさん」
「ん?」
「は?」
「え?」
「いいひと? (ビワがカズの! にっちっち。これはまた、からかいがいが)」
「ちょっと待って、カズはビワだけのものじゃ…あ、ヒューケラね」
コーラルの言ったことをアレナリアが否定し、その原因がヒューケラだと気付いた。
「お姉さまには、わたくしがいるではありませんか。カズさんはこの数日間ビワさんと、一緒の部屋で二人っきりで過ごしてたんですから、強ち間違えではないと思います」
「父親が無事になった途端またそれなの。いいこと、依頼はこの街まで護衛だったのに、それを大幅に伸ばして一緒に居たのよ。もう父親と合流したんだから。この意味分かるわね」
大人気なく少しキツい言い方するアレナリア。
「え!? お姉さまと、もう……」
父親の怪我が治り安心していたヒューケラは、アレナリアとレラが今まで一緒に居たのは、護衛依頼だからだったと思い出した。
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