359 / 789
四章 異世界旅行編 2 トカ国
344 観光案内所
しおりを挟む
貴族や豪商が集まる観光地なだけあり、様々な店が軒を並べていた。
服屋は主に女性ものを扱ってるところが多かった。
ファッションセンスがないカズは一人店の外で待つ。
一軒目はカズも店に入ったが、そこで恥ずかしい事があり、二軒目からは店の外で待つことにしたのだった。
一軒目の服屋で従業員の女性が寝る時(夜伽)用の服だとビワに勧め、一緒に来たカズに感想を聞く、なんて事があった。
なので女性ものが多い服屋に行ったら、カズは入らないようにした。
ちなみに一軒目で従業員の女性がビワに勧めたのは、特殊な素材で作った透け透けのネグリジェのようなものだった。
そのあと数軒の服屋を回り、アレナリアとビワは思い思いの衣類を買い揃えた。
レラの服を作るように、生地や道具なども少し買った。
人が多い場所でアイテムボックスや、アイテムポケットを付与した手提げ袋を使わず、買った荷物は全てカズが一人で持っていた。
ちょうど良い息抜きにもなり、あとはギルドに寄ってから食料の買い出しをして宿屋に戻るだけ。
しかし多くの荷物を持ってはギルドに行くのはどうかと……。
ありがちだと、女連れで来るんじゃねぇとか、冒険者は遊びじゃねぇんだ、なんて言われるのが目に見えていた。
荷物だけでもと、一時的に路地裏へと入り、周囲に人気のないことを確かめ、買った物をアイテムポケットが付与された手提げ袋に入れ、なに食わぬ顔で大通りへと戻り、冒険者ギルドに向かった。
女性の下着を自分が預かるのは……と、カズは二人の買った物をアイテムボックスにしまうのを躊躇い、ビワに渡してあるアイテムポケット付与の手提げ袋に入れてもらうことにした。(下着らしきものを手に取っているのを、カズは店の外からたまたま見てしまっていた)
「お昼も近いから、ギルドも空いてるでしょう」
「ならいいんだけど」
「先に昼食にする? それとも先にギルドに行く?」
「俺はどちらでも構わないけど。ビワはお腹空いてる?」
「私はまだそれほど空いてないので、先にギルドに行っても大丈夫ですよ」
「レラはどう? 一番騒ぎそうだけど」
ビワは自身が持つ肩掛け鞄を開け、中に居るレラの様子を伺う。
「寝てますね」
「起きそう?」
「たぶん、まだ起きないですね」
「そう。なら先にギルドに行って、それからお昼にしましょう。お店も今よりは空くでしょうから」
カズ達は街の中心部から、少し外れた場所にある冒険者ギルドに向かった。
国境の街だけあって冒険者ギルドの建物も大きく、変わったところと言えば貴族や豪商専用の入口が設けられていた。
そちらには煌びやかな服装をした紳士が、お付きの者を連れて訪れていた。
一方冒険者や依頼を出しに来る一般の入口は、ピークの時間が過ぎたにも関わらず人の出入りは多い。
「混んでるわね」
「今日はやめて、昼飯買って宿に戻るか。この時間にこれじゃ、朝夕はもっと混んでんだろう」
「カズさん一人なら、それほど時間は掛からないのでは?」
「そうね。私達は、えっと……あっちに座れる所があるから、そこで待ってるわ」
「別に無理する必要は」
「二、三十分くらいなら待ってられる。レラも寝てるみたいだしね。ビワもいい?」
「はい」
「……分かった」
「依頼が貼ってある掲示板は近いから、私が見ておくわね」
「大丈夫か?」
「ビワから離れないようにするわよ」
「なら頼むよ。俺は受付に頼まれた書類を渡して話を聞いてくる」
一旦ギルド内で二手に別れた。
アレナリアとビワは依頼が貼ってある掲示板近くの休憩場所に、カズは受付に並び順番を待つ。
受付は六ヶ所あるものの、どこも三人以上が列をなしていた。
幸い並んだ受付の女性職員が手際がいいらしく、十分程待っただけでカズの番になった。
「はい、次のか…」
「おいどうなってる! なんで先に並んでたオレより、後から来た隣の奴の方が早いんだ!」
待ちきれずに騒ぎだす冒険者。
「そう言われましても、お聞きする内容は人それぞれですので」
「クソが!」
周りにいた人達は一瞬だけチラリと目線を向けただけで、気にする様子もなかった。
うわ、イラついてるよ。
でも、受付の人もサラッと流したし、これはいつもの事なのか? 隣の受付に並んでた人災難だ……って俺じゃん! なんか睨まれてるし、目を合わさないで関わらないようにしよう。
「次の方どうぞ」
「あ、はい」
「本日はどのようなご用件で?」
騒いでいた冒険者の視線を背後に感じながら、カズは運んできた書類を受付職員に渡した。
「配達の依頼ですか」
受付の女性職員は手元の書類を見る。
「連絡は……まだ来てないようですね」
「そうですか」
「……こちらの確認が取れてないだけかも知れませんので、とりあえず書類は預からせてもらえますか?」
「あ、はい(あー良かった。これで頼まれ事は終った)」
「確かにお受け取りしました。確認が取れましたら報酬をお支払しますので、明日以降また来てください」
「分かりました」
「他に何かご用件はありますか?」
「この街に着いたばかりなので、周辺のことなど教えてもらえませんか? あとは、パーティーで依頼を受けてランクを上げたいので、そういった依頼があるかを」
「低ランクの冒険者でしたか。更新するための簡単な依頼でしたら、あちらの掲示板にCランク以下の依頼書が貼ってあります。依頼を受けていただき依頼完了しましたら更新いたしますので、ギルドカードと一緒の提示してください。パーティーはもちろん、個々で受けてもらっても構いませんので」
「あの…」
「それと周辺の情報でしたね。それでしたら掲示板の所に、周辺の簡単な地理と出現するモンスター情報などが書かれた無料の資料がありますので、どうぞお持ちください。街中のことでしたら、大通りの数ヶ所に観光案内所がありますので、そちらで聞かれた方が見て回る場所を教えてくれますし、危険な場所も注意してくれますよ。こちらには依頼ついでに観光で来られる冒険者の方もよくいますので」
「は、はあ……」
「そろそろ五分経ちますので、以上でよろしいですね。依頼を受けるようでしたら、掲示板正面の受付でお願いいたします。配達お疲れ様でした。はい、次の方どうぞ」
書類を渡して用件を言ったあと、尋ねた内容を早口で説明され終わらされた。
返事をする間もなく終ってしまった。
せっかちな人だな。
確かにこれなら順番が回ってくるのが早いわけだ。
とりあえず聞いたことは教えてもらったし、頼まれた書類も渡したからいいか。
報酬は明日以降って言ってたから、近くまで来たら中の様子を見て、空いてるようなら入ろう。
掲示板の依頼書はアレナリアが見てくれてるはずだから、無料の資料をもらって観光案内所に向かいながら昼飯にしよう。
書類の配達を終えたカズは、掲示板側にある休憩場所に移動し、アレナリアとビワに声を掛けてギルドを出る。
そのまま近くにある店で昼食を済ませて観光案内所に行った。
特に頼んだわけでもないのに、観光案内所の溌剌とした若い兎人族の女性が笑顔で話し始めた。
ここはかつてトカ国の首都だった街です。
街の名前はトンネルが造られてから変わりました。
トンネルが造られる切っ掛けになったのは、二百年以上前に起きた大戦です。
トカ国とフギ国が帝国傘下に入ったのも、大戦が切っ掛けと言われています。
トンネルは当時物質運搬用に用いられてたのですが、大戦後は大きく広げて、帝国本土へと向かう近道と観光目的に使用されています。
トンネルの大きさですが、高さが50m幅が120mあります。
造られた当初は、現在の半分程の大きさだと言われてます。
トンネルには見ての通り門が設置されており、明るくなると開門し日が落ちると閉門します。
なのでトンネルに入れるのは昼間だけとなります。
これはあちら側でも同じように閉門してしまいますので、その際はトンネル内で過ごしてもらうことになります。
そのため、通行する方は大抵は馬車になりますね。
もちろん歩きでも構いませんが、徒歩だと八時間は掛かります。
トンネル内に三ヶ所休憩場所がありますが、宿は無いので通行する際には注意してください。
トンネルには修理する方もおりますので、通行の際にはその方の指示にしたがってください。
修理してるということは、崩れる危険があるということなので。
トンネルを抜けた先は湖が広がっており、湖から吹き付ける風が強いため、あちら側の出入口には、中と外で二ヶ所の門が設置されております。
出入りの際は、どちらか片方の門が必ず閉まっております。
両方の門を開けてしまうと、こちら側に向けて強い風が吹き込んでしまうからです。
昔あちら側からこちらには運搬する際は、船を陸用に造り変えて、帆に風を受けて運んだと言われてます。
帆を立てて物質を運搬したことから、この街の名前がホタテになったと言われているのが一説です。
他にはホタテ貝の殻を帆の変わりに使ったからだとか、変質した巨大なホタテ貝のモンスターの殻をトンネルの門として付けられていたとかもあります。
不鮮明であるのは、当時の事を覚えてる年長者のエルフの方などがこの地から去ってしまったからだとのことです。
これらの様々な説は、この地に昔から住まう方や、当時のトンネル造りに携わった子孫の方からの言い伝えからきたものなんです。
明確にさせなかった事で、今の観光業が成り立っているので、各国もその辺りには黙認してくれてるんです。
何せ多くの税収が得られますからね。
おっと、これは言わなくていいことでした。
あとはトンネルの通行料ですが、基本お一人様が金貨三十枚(300,000GL)となっております。
見物だけでしたら銀貨五枚(5,000GL)と通行料に比べてお手頃です。
以上で観光名所である『ホタテトンネル』に関する説明を終わります。
街で押さえておく場所は、こちらのガイド本に書かれております。
載っているお店で使える割引券が五枚付いて、銀貨三枚(3,000GL)ですよ。
割引券をうまく使うと、ガイド本の金額以上の値引きが受けられる、かも知れませんよ。
街の危険な場所なども載っていますので、ぜひ観光の際は一冊お買い求めください。
服屋は主に女性ものを扱ってるところが多かった。
ファッションセンスがないカズは一人店の外で待つ。
一軒目はカズも店に入ったが、そこで恥ずかしい事があり、二軒目からは店の外で待つことにしたのだった。
一軒目の服屋で従業員の女性が寝る時(夜伽)用の服だとビワに勧め、一緒に来たカズに感想を聞く、なんて事があった。
なので女性ものが多い服屋に行ったら、カズは入らないようにした。
ちなみに一軒目で従業員の女性がビワに勧めたのは、特殊な素材で作った透け透けのネグリジェのようなものだった。
そのあと数軒の服屋を回り、アレナリアとビワは思い思いの衣類を買い揃えた。
レラの服を作るように、生地や道具なども少し買った。
人が多い場所でアイテムボックスや、アイテムポケットを付与した手提げ袋を使わず、買った荷物は全てカズが一人で持っていた。
ちょうど良い息抜きにもなり、あとはギルドに寄ってから食料の買い出しをして宿屋に戻るだけ。
しかし多くの荷物を持ってはギルドに行くのはどうかと……。
ありがちだと、女連れで来るんじゃねぇとか、冒険者は遊びじゃねぇんだ、なんて言われるのが目に見えていた。
荷物だけでもと、一時的に路地裏へと入り、周囲に人気のないことを確かめ、買った物をアイテムポケットが付与された手提げ袋に入れ、なに食わぬ顔で大通りへと戻り、冒険者ギルドに向かった。
女性の下着を自分が預かるのは……と、カズは二人の買った物をアイテムボックスにしまうのを躊躇い、ビワに渡してあるアイテムポケット付与の手提げ袋に入れてもらうことにした。(下着らしきものを手に取っているのを、カズは店の外からたまたま見てしまっていた)
「お昼も近いから、ギルドも空いてるでしょう」
「ならいいんだけど」
「先に昼食にする? それとも先にギルドに行く?」
「俺はどちらでも構わないけど。ビワはお腹空いてる?」
「私はまだそれほど空いてないので、先にギルドに行っても大丈夫ですよ」
「レラはどう? 一番騒ぎそうだけど」
ビワは自身が持つ肩掛け鞄を開け、中に居るレラの様子を伺う。
「寝てますね」
「起きそう?」
「たぶん、まだ起きないですね」
「そう。なら先にギルドに行って、それからお昼にしましょう。お店も今よりは空くでしょうから」
カズ達は街の中心部から、少し外れた場所にある冒険者ギルドに向かった。
国境の街だけあって冒険者ギルドの建物も大きく、変わったところと言えば貴族や豪商専用の入口が設けられていた。
そちらには煌びやかな服装をした紳士が、お付きの者を連れて訪れていた。
一方冒険者や依頼を出しに来る一般の入口は、ピークの時間が過ぎたにも関わらず人の出入りは多い。
「混んでるわね」
「今日はやめて、昼飯買って宿に戻るか。この時間にこれじゃ、朝夕はもっと混んでんだろう」
「カズさん一人なら、それほど時間は掛からないのでは?」
「そうね。私達は、えっと……あっちに座れる所があるから、そこで待ってるわ」
「別に無理する必要は」
「二、三十分くらいなら待ってられる。レラも寝てるみたいだしね。ビワもいい?」
「はい」
「……分かった」
「依頼が貼ってある掲示板は近いから、私が見ておくわね」
「大丈夫か?」
「ビワから離れないようにするわよ」
「なら頼むよ。俺は受付に頼まれた書類を渡して話を聞いてくる」
一旦ギルド内で二手に別れた。
アレナリアとビワは依頼が貼ってある掲示板近くの休憩場所に、カズは受付に並び順番を待つ。
受付は六ヶ所あるものの、どこも三人以上が列をなしていた。
幸い並んだ受付の女性職員が手際がいいらしく、十分程待っただけでカズの番になった。
「はい、次のか…」
「おいどうなってる! なんで先に並んでたオレより、後から来た隣の奴の方が早いんだ!」
待ちきれずに騒ぎだす冒険者。
「そう言われましても、お聞きする内容は人それぞれですので」
「クソが!」
周りにいた人達は一瞬だけチラリと目線を向けただけで、気にする様子もなかった。
うわ、イラついてるよ。
でも、受付の人もサラッと流したし、これはいつもの事なのか? 隣の受付に並んでた人災難だ……って俺じゃん! なんか睨まれてるし、目を合わさないで関わらないようにしよう。
「次の方どうぞ」
「あ、はい」
「本日はどのようなご用件で?」
騒いでいた冒険者の視線を背後に感じながら、カズは運んできた書類を受付職員に渡した。
「配達の依頼ですか」
受付の女性職員は手元の書類を見る。
「連絡は……まだ来てないようですね」
「そうですか」
「……こちらの確認が取れてないだけかも知れませんので、とりあえず書類は預からせてもらえますか?」
「あ、はい(あー良かった。これで頼まれ事は終った)」
「確かにお受け取りしました。確認が取れましたら報酬をお支払しますので、明日以降また来てください」
「分かりました」
「他に何かご用件はありますか?」
「この街に着いたばかりなので、周辺のことなど教えてもらえませんか? あとは、パーティーで依頼を受けてランクを上げたいので、そういった依頼があるかを」
「低ランクの冒険者でしたか。更新するための簡単な依頼でしたら、あちらの掲示板にCランク以下の依頼書が貼ってあります。依頼を受けていただき依頼完了しましたら更新いたしますので、ギルドカードと一緒の提示してください。パーティーはもちろん、個々で受けてもらっても構いませんので」
「あの…」
「それと周辺の情報でしたね。それでしたら掲示板の所に、周辺の簡単な地理と出現するモンスター情報などが書かれた無料の資料がありますので、どうぞお持ちください。街中のことでしたら、大通りの数ヶ所に観光案内所がありますので、そちらで聞かれた方が見て回る場所を教えてくれますし、危険な場所も注意してくれますよ。こちらには依頼ついでに観光で来られる冒険者の方もよくいますので」
「は、はあ……」
「そろそろ五分経ちますので、以上でよろしいですね。依頼を受けるようでしたら、掲示板正面の受付でお願いいたします。配達お疲れ様でした。はい、次の方どうぞ」
書類を渡して用件を言ったあと、尋ねた内容を早口で説明され終わらされた。
返事をする間もなく終ってしまった。
せっかちな人だな。
確かにこれなら順番が回ってくるのが早いわけだ。
とりあえず聞いたことは教えてもらったし、頼まれた書類も渡したからいいか。
報酬は明日以降って言ってたから、近くまで来たら中の様子を見て、空いてるようなら入ろう。
掲示板の依頼書はアレナリアが見てくれてるはずだから、無料の資料をもらって観光案内所に向かいながら昼飯にしよう。
書類の配達を終えたカズは、掲示板側にある休憩場所に移動し、アレナリアとビワに声を掛けてギルドを出る。
そのまま近くにある店で昼食を済ませて観光案内所に行った。
特に頼んだわけでもないのに、観光案内所の溌剌とした若い兎人族の女性が笑顔で話し始めた。
ここはかつてトカ国の首都だった街です。
街の名前はトンネルが造られてから変わりました。
トンネルが造られる切っ掛けになったのは、二百年以上前に起きた大戦です。
トカ国とフギ国が帝国傘下に入ったのも、大戦が切っ掛けと言われています。
トンネルは当時物質運搬用に用いられてたのですが、大戦後は大きく広げて、帝国本土へと向かう近道と観光目的に使用されています。
トンネルの大きさですが、高さが50m幅が120mあります。
造られた当初は、現在の半分程の大きさだと言われてます。
トンネルには見ての通り門が設置されており、明るくなると開門し日が落ちると閉門します。
なのでトンネルに入れるのは昼間だけとなります。
これはあちら側でも同じように閉門してしまいますので、その際はトンネル内で過ごしてもらうことになります。
そのため、通行する方は大抵は馬車になりますね。
もちろん歩きでも構いませんが、徒歩だと八時間は掛かります。
トンネル内に三ヶ所休憩場所がありますが、宿は無いので通行する際には注意してください。
トンネルには修理する方もおりますので、通行の際にはその方の指示にしたがってください。
修理してるということは、崩れる危険があるということなので。
トンネルを抜けた先は湖が広がっており、湖から吹き付ける風が強いため、あちら側の出入口には、中と外で二ヶ所の門が設置されております。
出入りの際は、どちらか片方の門が必ず閉まっております。
両方の門を開けてしまうと、こちら側に向けて強い風が吹き込んでしまうからです。
昔あちら側からこちらには運搬する際は、船を陸用に造り変えて、帆に風を受けて運んだと言われてます。
帆を立てて物質を運搬したことから、この街の名前がホタテになったと言われているのが一説です。
他にはホタテ貝の殻を帆の変わりに使ったからだとか、変質した巨大なホタテ貝のモンスターの殻をトンネルの門として付けられていたとかもあります。
不鮮明であるのは、当時の事を覚えてる年長者のエルフの方などがこの地から去ってしまったからだとのことです。
これらの様々な説は、この地に昔から住まう方や、当時のトンネル造りに携わった子孫の方からの言い伝えからきたものなんです。
明確にさせなかった事で、今の観光業が成り立っているので、各国もその辺りには黙認してくれてるんです。
何せ多くの税収が得られますからね。
おっと、これは言わなくていいことでした。
あとはトンネルの通行料ですが、基本お一人様が金貨三十枚(300,000GL)となっております。
見物だけでしたら銀貨五枚(5,000GL)と通行料に比べてお手頃です。
以上で観光名所である『ホタテトンネル』に関する説明を終わります。
街で押さえておく場所は、こちらのガイド本に書かれております。
載っているお店で使える割引券が五枚付いて、銀貨三枚(3,000GL)ですよ。
割引券をうまく使うと、ガイド本の金額以上の値引きが受けられる、かも知れませんよ。
街の危険な場所なども載っていますので、ぜひ観光の際は一冊お買い求めください。
13
お気に入りに追加
634
あなたにおすすめの小説
碧天のノアズアーク
世良シンア
ファンタジー
両親の顔を知らない双子の兄弟。
あらゆる害悪から双子を守る二人の従者。
かけがえのない仲間を失った若き女冒険者。
病に苦しむ母を救うために懸命に生きる少女。
幼い頃から血にまみれた世界で生きる幼い暗殺者。
両親に売られ生きる意味を失くした女盗賊。
一族を殺され激しい復讐心に囚われた隻眼の女剣士。
Sランク冒険者の一人として活躍する亜人国家の第二王子。
自分という存在を心底嫌悪する龍人の男。
俗世とは隔絶して生きる最強の一族族長の息子。
強い自責の念に蝕まれ自分を見失った青年。
性別も年齢も性格も違う十三人。決して交わることのなかった者たちが、ノア=オーガストの不思議な引力により一つの方舟へと乗り込んでいく。そして方舟はいくつもの荒波を越えて、飽くなき探究心を原動力に世界中を冒険する。この方舟の終着点は果たして……
※『side〇〇』という風に、それぞれのキャラ視点を通して物語が進んでいきます。そのため主人公だけでなく様々なキャラの視点が入り混じります。視点がコロコロと変わりますがご容赦いただけると幸いです。
※一話ごとの字数がまちまちとなっています。ご了承ください。
※物語が進んでいく中で、投稿済みの話を修正する場合があります。ご了承ください。
※初執筆の作品です。誤字脱字など至らぬ点が多々あると思いますが、温かい目で見守ってくださると大変ありがたいです。
異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。
虐殺者の称号を持つ戦士が元公爵令嬢に雇われました
オオノギ
ファンタジー
【虐殺者《スレイヤー》】の汚名を着せられた王国戦士エリクと、
【才姫《プリンセス》】と帝国内で謳われる公爵令嬢アリア。
互いに理由は違いながらも国から追われた先で出会い、
戦士エリクはアリアの護衛として雇われる事となった。
そして安寧の地を求めて二人で旅を繰り広げる。
暴走気味の前向き美少女アリアに振り回される戦士エリクと、
不器用で愚直なエリクに呆れながらも付き合う元公爵令嬢アリア。
凸凹コンビが織り成し紡ぐ異世界を巡るファンタジー作品です。
『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています
巻き込まれて気づけば異世界 ~その配達員器用貧乏にて~
細波
ファンタジー
(3月27日変更)
仕事中に異世界転移へ巻き込まれたオッサン。神様からチートもらってやりたいように生きる…
と思ってたけど、人から頼まれる。神から頼まれる。自分から首をつっこむ!
「前の世界より黒くないし、社畜感無いから余裕っすね」
周りの人も神も黒い!
「人なんてそんなもんでしょ? 俺だって黒い方だと思うし」
そんな元オッサンは今日も行く!
異世界に行ったら才能に満ち溢れていました
みずうし
ファンタジー
銀行に勤めるそこそこ頭はイイところ以外に取り柄のない23歳青山 零 は突如、自称神からの死亡宣言を受けた。そして気がついたら異世界。
異世界ではまるで別人のような体になった零だが、その体には類い稀なる才能が隠されていて....
おばあちゃん(28)は自由ですヨ
美緒
ファンタジー
異世界召喚されちゃったあたし、梅木里子(28)。
その場には王子らしき人も居たけれど、その他大勢と共にもう一人の召喚者ばかりに話し掛け、あたしの事は無視。
どうしろっていうのよ……とか考えていたら、あたしに気付いた王子らしき人は、あたしの事を鼻で笑い。
「おまけのババアは引っ込んでろ」
そんな暴言と共に足蹴にされ、あたしは切れた。
その途端、響く悲鳴。
突然、年寄りになった王子らしき人。
そして気付く。
あれ、あたし……おばあちゃんになってない!?
ちょっと待ってよ! あたし、28歳だよ!?
魔法というものがあり、魔力が最も充実している年齢で老化が一時的に止まるという、謎な法則のある世界。
召喚の魔法陣に、『最も力――魔力――が充実している年齢の姿』で召喚されるという呪が込められていた事から、おばあちゃんな姿で召喚されてしまった。
普通の人間は、年を取ると力が弱くなるのに、里子は逆。年を重ねれば重ねるほど力が強大になっていくチートだった――けど、本人は知らず。
自分を召喚した国が酷かったものだからとっとと出て行き(迷惑料をしっかり頂く)
元の姿に戻る為、元の世界に帰る為。
外見・おばあちゃんな性格のよろしくない最強主人公が自由気ままに旅をする。
※気分で書いているので、1話1話の長短がバラバラです。
※基本的に主人公、性格よくないです。言葉遣いも余りよろしくないです。(これ重要)
※いつか恋愛もさせたいけど、主人公が「え? 熟女萌え? というか、ババ專!?」とか考えちゃうので進まない様な気もします。
※こちらは、小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる