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三章 王都オリーブ編3 王国に潜むの影
276 使い捨てられた二人
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他のモンスターはロイヤルガードの者達が、苦戦しつつも倒していた。
「召喚されたモンスターも片付きましたから、俺もフローラさん達の後を追います」
「待て!」
「お前が王を襲撃した者なら、行かせるわけにはいかない」
「ロイヤルガードの諸君─」
「ジーク隊長の弟といえども、ここは我々が任されている所です」
「それに貴方が洗脳を受けてないとも言い切れません」
「大人しくしろ。カズ」
「はぁ(またこのくだりか。もう構ってられないのに面倒臭い)」
「なんだその態度は」
「さっきも言ったが時間が無いんだ。あんたらに構ってる暇はもうない〈ダークミスト〉」
「うわっ」
「なんだ」
カズはロイヤルガードの者達に向けて、黒く濃い霧を出し視界を奪った。
「すいませんけど、あとはフリートさんに任せます」
「ロイヤルガード相手に無茶をする」
「どうせもう追われる身ですから(脱獄犯だしさ)」
「ボクに任せてと言っておきながら、こんな事になるまで真相を探れなくてすまないと思ってる」
「見ず知らずの俺に手を貸してくれただけで十分です。レラとビワのことも見守ってくれたみたいですし」
「しかしレラさんは危険な目に」
「ぁぁ……まあ、あれはおてんばなレラが悪いんで、気にしないでください。それに今はもう大丈夫ですから」
「ロイヤルガードにはボクが話をしておきます。カズさんは行ってください」
ロイヤルガードのことはフリートに任せ、カズは先に向かったフローラ達を追う。
見失なわないようにイキシアの魔力を感知しながら追い掛けるフローラは、地中へ続く穴の入口を見つける。
それはカズがルマンチーニを追い掛けて入った、ストーンワームイーターが作り通った穴だった。
フローラは暗い穴の奥に、イキシアの魔力を微かにだが感じとっていた。
そこに少し遅れてジークとドセトナが到着する。
「この穴の先か」
「イキシアの魔力を感じるのでおそらく」
「では行こう。先頭はオレが、ドセトナは後方を警戒。フローラは間に入り戦闘の際は援護してくれ」
「分かりました。それでは行きましょう。角度が急な場所もあるかも知れないですので、足元には気を付けて〈ライト〉」
フローラは光の玉を出し、地中へと続く穴の中を照らしながら、三人は慎重に奥へと進む。
モンスターの現れる気配はなく、暫く下ると穴は横に続ていた。
三人は更に奥へと入って行く。
横穴の最奥部を光の玉が照らすと、壁には一枚岩の岩盤があり、そこには大きな亀裂か入っていた。
その前に横たわる影を光の玉が照すと、それは今回の元凶ルマンチーニだった。
周りを見渡してもイキシアの姿はない。
ドセトナは駆け寄り、父親の状態を確認する。
続いてフローラもルマンチーニの側に寄り容態を見る。
「父は?」
「かなり衰弱してるわね〈キュアヒール〉」
「フローラ様……」
「回復魔法をかけたけど、このままでは危険です」
「どういうことだドセトナ。ルマンチーニ卿が元凶ではなかったのか?」
「父には得体の知れない何かが取り付いてたんです。パラサスペクとかなんとか」
「パラサイトスペクターLv8だとカズさんは言ってたわ」
「そう、それです。隊長」
「パラサイトスペクター?」
「ずっと前に文献で見た覚えがあります。確かアイテムなどに寄生させて、それを手にした者に取り付き操るとか。寄生したアイテムの効果を使用しするとか。昔に一部の魔族が、敵対する相手を内部から崩壊させるために使った手だと」
「オレが偶然見つけたアイテムです。それに……」
「お前がかドセトナ」
「……はい。初めはオレが操られ、その後父に。オレが正気に戻ると、檻に閉じ込められてしまい、助けも呼べず」
「仕方ないわ。現在の者で、アイテムが寄生されてるなんて、気付く人なんて滅多にいないわよ」
改めて自分のせいだと塞ぎこむドセトナ。
「後悔するなら後にしろ。それよりイキシアはどこに行った?」
「ワタシならここよ」
岩盤に入る亀裂の隙間からイキシアの声がした。
ジークが剣を抜き岩盤の亀裂を攻撃すると、岩が崩れ人が通れる程の隙間が出来た。
「かっかしちゃって。せっかく埋めた隙間が開いちゃったじゃないの」
イキシアが土魔法で、岩盤の亀裂を塞いでたようだった。
「宝玉を返して大人しくしろ」
「残念でした。宝玉はもうアソートエンジンに組み込んじゃったわ。服従の刻印が起動するまで待ってくれないかしら」
「するわけないだろ!」
「あらそう。どうしましょう」
亀裂の奥から黒い靄が塊となって姿を現す。
「ダッタラ邪魔ナコイツラヲ始末シロ。回復シタ全テノ魔力ヲ使イ、ゴーレムヲ作リ叩キ潰セ」
「はい。畏まりました」
「イキシアに何をさせるの」
「ヤレ」
イキシアは全魔力を右手首に嵌めている腕輪に込め、周囲の岩盤で巨大なゴーレムを生成しようとする。
壁や天井には亀裂が入り、穴は崩れる始める。
「まずいぞ走れ! 外に出るんだ」
「イキシアっ!」
「フローラ走れッ!」
ジークは入ってきた穴の入口に向かって先に走り、落下した石を排除して進む。
それを追いドセトナが父ルマンチーニを背負い運び、フローラは唇を噛みながら二人の後を追う。
地面が揺れ穴が崩れ始めていた頃、カズは穴の側まで来ていた。
間一髪のところで、穴に入っていたフローラ達は地上へと出てきた。
「危なかった。二人共無事か?」
「はい。なんとか」
「ええ」
「穴が崩れましたけど、どうしたんですか?」
カズか三人に合流する。
「すぐに分かる。ドセトナはルマンチーニ卿を連れてここを離れろ」
「カズさん気を付けて。ゴーレムが出て来るわよ」
「ゴーレム!? さっき使用したばかりなのに、またイキシアが使ったんですか!」
「今度のは、さっきまでとまるで違うぞ」
地面には無数の亀裂が入り、そこから出てきたゴーレムは、四本腕の人型をした20m以上の巨大な人形のゴーレムだった。
カズは透かさず《分析》でゴーレムのステータスを見た。
名前 : マナストーンゴーレム
種族 : マジカルゴーレム
ランク: A
レベル: 62
力 : 1364 → 1773
魔力 : 2728 → 3566
敏捷 : 930 → 1209
スキル: 自動魔法強化
全長 : 22m60㎝
補足 : コアにはアソートエンジンが使われている。
・服従の刻印に寄生していたパラサイトスペクターLv8が、マナストーンゴーレムを動かしている。
・コアとなったアソートエンジンの影響で、マナストーンゴーレムのステータスが30%上昇している。
・スキルによりマナストーンゴーレムから放たれる魔法は全て強化される。
・コアのアソートエンジンの影響で、マナストーンゴーレムは周囲からマナを取り込み続ける。
現れたマナストーンゴーレムの手には、ぐったりとして意識のないイキシアが倒れていた。
「イキシアっ!」
「ソラ返シテヤル」
イキシアはマナストーンゴーレムに放り投げられて、地面をごろごろと転がる。
フローラは倒れているイキシアの元に駆け寄り、所持していた魔力回復薬を振りかけ回復魔法を使う。
しかし外傷は治るものの意識は戻らない。
カズとジークは倒れているイキシアの元に駆け寄ったフローラを守りつつ、マナストーンゴーレムの動きに警戒する。
「ゴーレムが喋るだと!」
ジークは目の前に立つ巨大なゴーレムが言葉を発したので驚愕した。
「あの低く気味の悪い声は、ルマンチーニに取り憑いていたパラサイトスペクターLv8です」
「なんだと! 今度はゴーレムに取り憑くのか!」
「内部にある服従の刻印が本体で、ゴーレムを作り出した腕輪で、ゴーレムを操ってるんだと思います」
「服従の…ドセトナが言っていたあれか! カズはどうしてそんなことが分かる?」
「あのゴーレムを分析して調べたら分かったんです。しかも悪いことに、ゴーレムのコアにアソートエンジンが使われてます」
「このあと起こそうとしてる洗脳を止めるは、服従の刻印を破壊するか、アーティファクトを取り出して停めるしかないのか」
「そういうことになりますね。念のために言っておきますと、ステータスが三割増しで使う魔法は強化されて、更に魔力切れを待つのは難しいかと」
「おいおい冗談だろ」
「フローラさん。イキシアの様子はどうですか?」
「怪我は治したけど、意識が戻らないの。私がイキシアに冷たく当たるようになったから…こんなことに……」
倒れてるイキシアを見て動揺するフローラ。
「フローラさんもイキシアを連れてここを離れてください(あの様子じゃ冷静に戦うのは無理だな)」
「ギルドマスターの力を欠くのは惜しいが、仕方あるまい」
「ジークさんも城に戻ってください」
「! カズが一人であのゴーレムをなんとかするとでも言うのか」
「ええ」
「オレはこれでもロイヤルガードの隊長だ。国に仇なすものを、たった一人の冒険者に任せてなどおけるか!」
「ロイヤルガードの隊長なら、王の側に付いていた方が良いんじゃないですか?」
「それならオレの仲間がいるから大丈夫だ。敵を前に逃げるなんてしたら、隊長失格だ」
「討ち死にする事が立派とは思えませんが」
「無論死ぬつもりなんてないさ」
「何か作戦でも?」
「そんなのはない」
「言い切りますか」
「あんなデカイ奴の相手をしたことがあると思うか? カズならどうする」
「デカいなら足元から切り崩せばいいんじゃないですか(場所が場合だけに、威力の高い魔法は使えないしな)」
「確かにな。このまま見下げられてるのも、気分の良いものじゃない。地に頭をつけさせてやるか」
「私もやります」
怒りをあらわにしたフローラが実体化させたユグドラシルの枝杖を構える。
「召喚されたモンスターも片付きましたから、俺もフローラさん達の後を追います」
「待て!」
「お前が王を襲撃した者なら、行かせるわけにはいかない」
「ロイヤルガードの諸君─」
「ジーク隊長の弟といえども、ここは我々が任されている所です」
「それに貴方が洗脳を受けてないとも言い切れません」
「大人しくしろ。カズ」
「はぁ(またこのくだりか。もう構ってられないのに面倒臭い)」
「なんだその態度は」
「さっきも言ったが時間が無いんだ。あんたらに構ってる暇はもうない〈ダークミスト〉」
「うわっ」
「なんだ」
カズはロイヤルガードの者達に向けて、黒く濃い霧を出し視界を奪った。
「すいませんけど、あとはフリートさんに任せます」
「ロイヤルガード相手に無茶をする」
「どうせもう追われる身ですから(脱獄犯だしさ)」
「ボクに任せてと言っておきながら、こんな事になるまで真相を探れなくてすまないと思ってる」
「見ず知らずの俺に手を貸してくれただけで十分です。レラとビワのことも見守ってくれたみたいですし」
「しかしレラさんは危険な目に」
「ぁぁ……まあ、あれはおてんばなレラが悪いんで、気にしないでください。それに今はもう大丈夫ですから」
「ロイヤルガードにはボクが話をしておきます。カズさんは行ってください」
ロイヤルガードのことはフリートに任せ、カズは先に向かったフローラ達を追う。
見失なわないようにイキシアの魔力を感知しながら追い掛けるフローラは、地中へ続く穴の入口を見つける。
それはカズがルマンチーニを追い掛けて入った、ストーンワームイーターが作り通った穴だった。
フローラは暗い穴の奥に、イキシアの魔力を微かにだが感じとっていた。
そこに少し遅れてジークとドセトナが到着する。
「この穴の先か」
「イキシアの魔力を感じるのでおそらく」
「では行こう。先頭はオレが、ドセトナは後方を警戒。フローラは間に入り戦闘の際は援護してくれ」
「分かりました。それでは行きましょう。角度が急な場所もあるかも知れないですので、足元には気を付けて〈ライト〉」
フローラは光の玉を出し、地中へと続く穴の中を照らしながら、三人は慎重に奥へと進む。
モンスターの現れる気配はなく、暫く下ると穴は横に続ていた。
三人は更に奥へと入って行く。
横穴の最奥部を光の玉が照らすと、壁には一枚岩の岩盤があり、そこには大きな亀裂か入っていた。
その前に横たわる影を光の玉が照すと、それは今回の元凶ルマンチーニだった。
周りを見渡してもイキシアの姿はない。
ドセトナは駆け寄り、父親の状態を確認する。
続いてフローラもルマンチーニの側に寄り容態を見る。
「父は?」
「かなり衰弱してるわね〈キュアヒール〉」
「フローラ様……」
「回復魔法をかけたけど、このままでは危険です」
「どういうことだドセトナ。ルマンチーニ卿が元凶ではなかったのか?」
「父には得体の知れない何かが取り付いてたんです。パラサスペクとかなんとか」
「パラサイトスペクターLv8だとカズさんは言ってたわ」
「そう、それです。隊長」
「パラサイトスペクター?」
「ずっと前に文献で見た覚えがあります。確かアイテムなどに寄生させて、それを手にした者に取り付き操るとか。寄生したアイテムの効果を使用しするとか。昔に一部の魔族が、敵対する相手を内部から崩壊させるために使った手だと」
「オレが偶然見つけたアイテムです。それに……」
「お前がかドセトナ」
「……はい。初めはオレが操られ、その後父に。オレが正気に戻ると、檻に閉じ込められてしまい、助けも呼べず」
「仕方ないわ。現在の者で、アイテムが寄生されてるなんて、気付く人なんて滅多にいないわよ」
改めて自分のせいだと塞ぎこむドセトナ。
「後悔するなら後にしろ。それよりイキシアはどこに行った?」
「ワタシならここよ」
岩盤に入る亀裂の隙間からイキシアの声がした。
ジークが剣を抜き岩盤の亀裂を攻撃すると、岩が崩れ人が通れる程の隙間が出来た。
「かっかしちゃって。せっかく埋めた隙間が開いちゃったじゃないの」
イキシアが土魔法で、岩盤の亀裂を塞いでたようだった。
「宝玉を返して大人しくしろ」
「残念でした。宝玉はもうアソートエンジンに組み込んじゃったわ。服従の刻印が起動するまで待ってくれないかしら」
「するわけないだろ!」
「あらそう。どうしましょう」
亀裂の奥から黒い靄が塊となって姿を現す。
「ダッタラ邪魔ナコイツラヲ始末シロ。回復シタ全テノ魔力ヲ使イ、ゴーレムヲ作リ叩キ潰セ」
「はい。畏まりました」
「イキシアに何をさせるの」
「ヤレ」
イキシアは全魔力を右手首に嵌めている腕輪に込め、周囲の岩盤で巨大なゴーレムを生成しようとする。
壁や天井には亀裂が入り、穴は崩れる始める。
「まずいぞ走れ! 外に出るんだ」
「イキシアっ!」
「フローラ走れッ!」
ジークは入ってきた穴の入口に向かって先に走り、落下した石を排除して進む。
それを追いドセトナが父ルマンチーニを背負い運び、フローラは唇を噛みながら二人の後を追う。
地面が揺れ穴が崩れ始めていた頃、カズは穴の側まで来ていた。
間一髪のところで、穴に入っていたフローラ達は地上へと出てきた。
「危なかった。二人共無事か?」
「はい。なんとか」
「ええ」
「穴が崩れましたけど、どうしたんですか?」
カズか三人に合流する。
「すぐに分かる。ドセトナはルマンチーニ卿を連れてここを離れろ」
「カズさん気を付けて。ゴーレムが出て来るわよ」
「ゴーレム!? さっき使用したばかりなのに、またイキシアが使ったんですか!」
「今度のは、さっきまでとまるで違うぞ」
地面には無数の亀裂が入り、そこから出てきたゴーレムは、四本腕の人型をした20m以上の巨大な人形のゴーレムだった。
カズは透かさず《分析》でゴーレムのステータスを見た。
名前 : マナストーンゴーレム
種族 : マジカルゴーレム
ランク: A
レベル: 62
力 : 1364 → 1773
魔力 : 2728 → 3566
敏捷 : 930 → 1209
スキル: 自動魔法強化
全長 : 22m60㎝
補足 : コアにはアソートエンジンが使われている。
・服従の刻印に寄生していたパラサイトスペクターLv8が、マナストーンゴーレムを動かしている。
・コアとなったアソートエンジンの影響で、マナストーンゴーレムのステータスが30%上昇している。
・スキルによりマナストーンゴーレムから放たれる魔法は全て強化される。
・コアのアソートエンジンの影響で、マナストーンゴーレムは周囲からマナを取り込み続ける。
現れたマナストーンゴーレムの手には、ぐったりとして意識のないイキシアが倒れていた。
「イキシアっ!」
「ソラ返シテヤル」
イキシアはマナストーンゴーレムに放り投げられて、地面をごろごろと転がる。
フローラは倒れているイキシアの元に駆け寄り、所持していた魔力回復薬を振りかけ回復魔法を使う。
しかし外傷は治るものの意識は戻らない。
カズとジークは倒れているイキシアの元に駆け寄ったフローラを守りつつ、マナストーンゴーレムの動きに警戒する。
「ゴーレムが喋るだと!」
ジークは目の前に立つ巨大なゴーレムが言葉を発したので驚愕した。
「あの低く気味の悪い声は、ルマンチーニに取り憑いていたパラサイトスペクターLv8です」
「なんだと! 今度はゴーレムに取り憑くのか!」
「内部にある服従の刻印が本体で、ゴーレムを作り出した腕輪で、ゴーレムを操ってるんだと思います」
「服従の…ドセトナが言っていたあれか! カズはどうしてそんなことが分かる?」
「あのゴーレムを分析して調べたら分かったんです。しかも悪いことに、ゴーレムのコアにアソートエンジンが使われてます」
「このあと起こそうとしてる洗脳を止めるは、服従の刻印を破壊するか、アーティファクトを取り出して停めるしかないのか」
「そういうことになりますね。念のために言っておきますと、ステータスが三割増しで使う魔法は強化されて、更に魔力切れを待つのは難しいかと」
「おいおい冗談だろ」
「フローラさん。イキシアの様子はどうですか?」
「怪我は治したけど、意識が戻らないの。私がイキシアに冷たく当たるようになったから…こんなことに……」
倒れてるイキシアを見て動揺するフローラ。
「フローラさんもイキシアを連れてここを離れてください(あの様子じゃ冷静に戦うのは無理だな)」
「ギルドマスターの力を欠くのは惜しいが、仕方あるまい」
「ジークさんも城に戻ってください」
「! カズが一人であのゴーレムをなんとかするとでも言うのか」
「ええ」
「オレはこれでもロイヤルガードの隊長だ。国に仇なすものを、たった一人の冒険者に任せてなどおけるか!」
「ロイヤルガードの隊長なら、王の側に付いていた方が良いんじゃないですか?」
「それならオレの仲間がいるから大丈夫だ。敵を前に逃げるなんてしたら、隊長失格だ」
「討ち死にする事が立派とは思えませんが」
「無論死ぬつもりなんてないさ」
「何か作戦でも?」
「そんなのはない」
「言い切りますか」
「あんなデカイ奴の相手をしたことがあると思うか? カズならどうする」
「デカいなら足元から切り崩せばいいんじゃないですか(場所が場合だけに、威力の高い魔法は使えないしな)」
「確かにな。このまま見下げられてるのも、気分の良いものじゃない。地に頭をつけさせてやるか」
「私もやります」
怒りをあらわにしたフローラが実体化させたユグドラシルの枝杖を構える。
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