270 / 789
三章 王都オリーブ編3 王国に潜むの影
259 衛兵の階級 と 隠された資料
しおりを挟む
◇◆◇◆◇
枷を増やされうえ、少しの水さえもくれないのか。
そろそろ動くか……かなり腹も減ったしな。
昨日の一等兵が話していた内容が本当なら、あと十日はこのままの状態のはず、その間に抜け出して、衛兵本部内を調べることは出来そうだな。
しかしどう考えても、半月も飲まず食わずだと死んでしまうぞ。
衛兵本部の連中は俺をここで餓死させる気かよ! まぁ食べ物なら持ってるから、餓死する気はないど。
昼頃になれば見張りの衛兵が交代に来るはずだから、色々と魔法を使って抜け出すかな、衛兵本部内に昼間どれだけの衛兵が居るかも気になるし。
新しく付けられた枷は、今まで付けてた弱体化の拘束錠と、魔力封じの枷と同じ物のようだが、どうも効果が半減してるみたいなんだよな。
同じ物は効果が重複しないか、2個目以降は弱まるとかかな? まぁ俺にとってはラッキーな状態だけど。
これで見張りの衛兵は、俺がまったく動けまいと油断するだろうからな。
さてと、交代の衛兵が来るまで、使う魔力を少しずつ溜めて魔法の準備をしておくか……あぁ腹減った。
「交代の時間だ」
「やっとか。楽な仕事でいいんだが、暇でアクビが出る」
「それは分かるが、そんなとこを特等に見られたら、何言われるか分からないぞ」
「分かってるさ」
「一応聞くが、何か変わったことはあったか?」
「あると思うか? 何もない。奴も暴れる元気なんてないさ。なんせ枷が倍に増えてんだから」
「生きてるだろうな」
「動きはするから一応生きる」
「おれ達が見張りの時に死んだりしたら、たまったもんじゃねぇぞ」
「分からねぇぞ。しぶといと思って、気付いたらポックリなんてことになってるかも知れないぜ」
「おいおい、やなこと言うな。見張りをしてるおれ達の責任にはならないだろうな」
「さぁな。だか大丈夫じゃないのか。おれ達は命令に従ってるだけだから」
「そうだよな」
「じゃあ、あとはよろしく」
「交代任務引き受けた」
三人の衛兵が地下から上がると、二人の衛兵は特等兵に報告に行き、無口な一人は資料室へと向かった 。
資料室には誰も居らず、衛兵本部の中でも人があまり来ない場所のようだった。
一人になった衛兵は、魔法を解除して元の姿に戻った。
衛兵に〈イリュージョン〉で幻を見せて牢のカギを開けさせて〈メタモルフォーゼ〉で衛兵の姿になり〈ドッペルゲンガー〉を身代わりにして、交代する衛兵と共に地下から脱出。
うまく抜け出せた。
監視カメラみたいな物がなくてよかった。
まぁこの世界にそんな物あるわけないか。
とりあえず今回はここを調べてよう。
おっと、その前に腹ごしらえを。
しかし邪魔な枷だな。
壊せはするけど外せないから付けたままにしてるけど、ギルドだったらイリュージョンで誤魔化すことは無理だったろうな。
誰かしらに気付かれるだろうから、衛兵がBランク以下の実力しかなくてよかった。
スキルも魔法も、大して使えないみたいだしな。
部屋にある資料をあさりながら【アイテムボックス】から出した小さなパンを食べるカズ。
ホコリが積もった資料を見るが、王都で起きた事件や事故の記録が載っているだけだった。
中には衛兵に関する資料もあり、そこには衛兵の階級が書かれていた。
衛兵の頂点に『司令』が存在し、次に『準司令』そして『特等兵』がいて、その下に『一等兵』から『五等兵(見習い)』までが階級になってるようだ。
司令に命令を出せるのは、王直属のロイヤルガードのようだ。
しかしそれは王の命で実行するだけで、ロイヤルガード自らが衛兵司令の元に行き、命令をすることはないらしい。
貴族区内を警らするのは、特等兵だけで、貴族区に入る門を警備してるのは、一等兵がしているようだ。
一等兵で大丈夫なのかと、カズは思っていた。
街を巡回するのが、主に二等兵以下の衛兵と書いてある。
王都以外の街で衛兵をまとめあげてるのが、準司令のようだ。
司令は一人しか居ないが、準司令は各街に一人いるようだ。
衛兵のことを知ったカズは、他の情報を得るために資料室内を更に物色する。
するとここ最近動かしたような痕跡がある資料を見つけた。
それを手に取り内容を確認すると、王都の地形に関することが書いてある資料だった。
パラパラとページをめくっていると、貴族区が高台にあることが書かれていたのを見つけ、そこからカズは読んだ。
かつては王国が管理していたダンジョンが、貴族区地下に存在していたらしい。
しかしそのダンジョンは、百年以上前に最深部まで攻略され、現在は入ることができないように塞がれたと書いてあった。
ダンジョンの上を貴族区にして大丈夫だったのか? こういうのって、モンスターが発生したりするとか、魔素があふれでるってことは……でもまあ、今はなんともないから大丈夫なのか。
カズは疑問に思いながら資料を読み進めると、その答えがあった。
ダンジョンから発見されたアーティファクトで結界を張り、ドワーフが作ったミスリルを織り込んだ魔鉄製の格子と扉で、出入口を完全に閉じたと書いてある。
カズはさらに資料を読み進めると、その場所が何処にあるかも記載されていた。
以後ダンジョンの扉は開かれることはなく、出入口は埋め立てられ、現在その上には重要機密保管所が建てられている。
外装内装と共に他の建物より頑丈に作られ重要機密保管所は、埋め立てられたダンジョンを隠すには打ってつ─────街を広げ、国は発展を続ける。
「ん?」
ページをめくると前後の辻褄が合わず、背表紙をよくよく見ると、資料を縛っている紐を緩めた痕跡があり、数枚抜き取られていることが分かった。
抜き取られたページが処分されず何処かにあるかも知れないと、確かめるためカズは資料を持ったまま〈サーチ〉を使う。
しかし反応はなかった。
試しにと今度は、スキルの《探索》を使用した。
するとに上の階に反応があった。
カズは先程見ていた衛兵のことが書いてある資料に、衛兵本部の見取図が書いてあるのを思いだし、探索で反応のあった場所を確認した。
えーっと、反応のあった部屋、ここは……司令室!? 司令自らが資料を抜き取ったのか? さすがに今から行って調べるのは無理だな。
深夜になって衛兵の数が減ってから抜け出して、司令室に忍び込むことにするか。
衛兵に変装して資料室を出たカズは、牢のある地下に移動して、見張りの衛兵に向けて〈フォグスリープ〉を使用し、眠りの効果がある薄い霧を発生させた。
衛兵が寝たのを確認すると、牢の中に戻りドッペルゲンガーを解除して入れ替る。
牢から抜け出す時と同様に、鎖は《錬金術》と《加工》のスキルを使い形を変えて、壊すことなく腕や足に取り付けた。
元の拘束された状態に戻ると、カズはフォグスリープの効果を解いた。
地下を漂ってた薄い霧が消えると、見張りの衛兵はゆっくりと目を覚ました。
「おい、何寝てるんだ」
「お前もだろ」
「……お互い疲れが溜まってるんだろうな」
「……そうだな。ここは薄暗くて静かだから、眠気が来たんだろ」
「まぁ特に異常もないから、お互い黙ってればいいさ」
「そう言って報告するなよ」
「しねーよ」
見張りの衛兵は魔法の効果で寝かされたのにも気付いておらず、疑いもしてはいなかった。
カズは牢の中では殆ど動かずに弱ってるふりを続ける。
時折、衛兵が声をかけて生きているかを確かめる時だけ、唸るような低い声を小さく出して体を動かし応えた。
深夜になり衛兵の数が減り、カズは行動に移そうとするが、司令室に人の反応があるのを【マップ】を見て分かったので、この日は深夜に抜け出すのを中止した。
しかし次の日もその次の日も、司令室には誰かしらの反応が昼夜問わずあり、潜入することは難しかった。
そのため情報収集は、もっぱら資料室か衛兵が話している雑談だけになっていた。
そして衛兵本部の牢に投獄されてから十日目の夕方、司令を訪ねて誰かが来ていた。
暫くすると、訪ねて来た人物と一緒に、司令は衛兵本部を出ていった。
司令室は無人となり、潜入するには絶好の機会だった。
カズは見張りの衛兵に幻を見せて、その間にドッペルゲンガーと入れ替り〈ゲート〉で二階にある資料室に移動した。
そこから〈メタモルフォーゼ〉で衛兵に姿を変え《隠密》と《隠蔽》を使用して司令室へと向かった。
夜になり衛兵の姿は減り、誰ともすれ違う事なく司令室の前に着く。
カズは警戒をしつつ部屋の中に入る。
部屋の中は真っ暗で、明かりを付けなければ殆ど見えない状態だ。
カズは《暗視》のスキルがあるため、真っ暗な部屋でも難なく行動ができた。
早速《探索》を使い、資料室で見た資料の抜き取られたページを探した。
反応のあった場所は、司令が使っているであろう机の引き出しからだ。
カズはすぐに引き出しを開け目的の物を探す、が肝心の物は見つからない。
すると一ヶ所の引き出しが、二重底になっているのに気付き、そこを開けると探していた数枚の資料をそこで見つけた。
その場ですぐに内容を確かめると、ある人物の名前が書かれていた。
カズは読み終わると、それを二重底の引き出しに戻し、司令室から出て資料室へと戻った。
今見てきた内容をフローラとフリート宛に手紙を書き、いつものようにフローラが使う資料室に〈ゲート〉を使って置いた。
あとは手紙がフリートさんに届けば。
状況が状況だけに、俺からの一方的な連絡になってるから、手紙が届いて動いてくれるかが分からないんだよなあ。
衛兵が話してた十日まで残り数日、フリートさんが手紙を読んで、何かしらの行動を起こしてくれるかどうかだ。
枷を増やされうえ、少しの水さえもくれないのか。
そろそろ動くか……かなり腹も減ったしな。
昨日の一等兵が話していた内容が本当なら、あと十日はこのままの状態のはず、その間に抜け出して、衛兵本部内を調べることは出来そうだな。
しかしどう考えても、半月も飲まず食わずだと死んでしまうぞ。
衛兵本部の連中は俺をここで餓死させる気かよ! まぁ食べ物なら持ってるから、餓死する気はないど。
昼頃になれば見張りの衛兵が交代に来るはずだから、色々と魔法を使って抜け出すかな、衛兵本部内に昼間どれだけの衛兵が居るかも気になるし。
新しく付けられた枷は、今まで付けてた弱体化の拘束錠と、魔力封じの枷と同じ物のようだが、どうも効果が半減してるみたいなんだよな。
同じ物は効果が重複しないか、2個目以降は弱まるとかかな? まぁ俺にとってはラッキーな状態だけど。
これで見張りの衛兵は、俺がまったく動けまいと油断するだろうからな。
さてと、交代の衛兵が来るまで、使う魔力を少しずつ溜めて魔法の準備をしておくか……あぁ腹減った。
「交代の時間だ」
「やっとか。楽な仕事でいいんだが、暇でアクビが出る」
「それは分かるが、そんなとこを特等に見られたら、何言われるか分からないぞ」
「分かってるさ」
「一応聞くが、何か変わったことはあったか?」
「あると思うか? 何もない。奴も暴れる元気なんてないさ。なんせ枷が倍に増えてんだから」
「生きてるだろうな」
「動きはするから一応生きる」
「おれ達が見張りの時に死んだりしたら、たまったもんじゃねぇぞ」
「分からねぇぞ。しぶといと思って、気付いたらポックリなんてことになってるかも知れないぜ」
「おいおい、やなこと言うな。見張りをしてるおれ達の責任にはならないだろうな」
「さぁな。だか大丈夫じゃないのか。おれ達は命令に従ってるだけだから」
「そうだよな」
「じゃあ、あとはよろしく」
「交代任務引き受けた」
三人の衛兵が地下から上がると、二人の衛兵は特等兵に報告に行き、無口な一人は資料室へと向かった 。
資料室には誰も居らず、衛兵本部の中でも人があまり来ない場所のようだった。
一人になった衛兵は、魔法を解除して元の姿に戻った。
衛兵に〈イリュージョン〉で幻を見せて牢のカギを開けさせて〈メタモルフォーゼ〉で衛兵の姿になり〈ドッペルゲンガー〉を身代わりにして、交代する衛兵と共に地下から脱出。
うまく抜け出せた。
監視カメラみたいな物がなくてよかった。
まぁこの世界にそんな物あるわけないか。
とりあえず今回はここを調べてよう。
おっと、その前に腹ごしらえを。
しかし邪魔な枷だな。
壊せはするけど外せないから付けたままにしてるけど、ギルドだったらイリュージョンで誤魔化すことは無理だったろうな。
誰かしらに気付かれるだろうから、衛兵がBランク以下の実力しかなくてよかった。
スキルも魔法も、大して使えないみたいだしな。
部屋にある資料をあさりながら【アイテムボックス】から出した小さなパンを食べるカズ。
ホコリが積もった資料を見るが、王都で起きた事件や事故の記録が載っているだけだった。
中には衛兵に関する資料もあり、そこには衛兵の階級が書かれていた。
衛兵の頂点に『司令』が存在し、次に『準司令』そして『特等兵』がいて、その下に『一等兵』から『五等兵(見習い)』までが階級になってるようだ。
司令に命令を出せるのは、王直属のロイヤルガードのようだ。
しかしそれは王の命で実行するだけで、ロイヤルガード自らが衛兵司令の元に行き、命令をすることはないらしい。
貴族区内を警らするのは、特等兵だけで、貴族区に入る門を警備してるのは、一等兵がしているようだ。
一等兵で大丈夫なのかと、カズは思っていた。
街を巡回するのが、主に二等兵以下の衛兵と書いてある。
王都以外の街で衛兵をまとめあげてるのが、準司令のようだ。
司令は一人しか居ないが、準司令は各街に一人いるようだ。
衛兵のことを知ったカズは、他の情報を得るために資料室内を更に物色する。
するとここ最近動かしたような痕跡がある資料を見つけた。
それを手に取り内容を確認すると、王都の地形に関することが書いてある資料だった。
パラパラとページをめくっていると、貴族区が高台にあることが書かれていたのを見つけ、そこからカズは読んだ。
かつては王国が管理していたダンジョンが、貴族区地下に存在していたらしい。
しかしそのダンジョンは、百年以上前に最深部まで攻略され、現在は入ることができないように塞がれたと書いてあった。
ダンジョンの上を貴族区にして大丈夫だったのか? こういうのって、モンスターが発生したりするとか、魔素があふれでるってことは……でもまあ、今はなんともないから大丈夫なのか。
カズは疑問に思いながら資料を読み進めると、その答えがあった。
ダンジョンから発見されたアーティファクトで結界を張り、ドワーフが作ったミスリルを織り込んだ魔鉄製の格子と扉で、出入口を完全に閉じたと書いてある。
カズはさらに資料を読み進めると、その場所が何処にあるかも記載されていた。
以後ダンジョンの扉は開かれることはなく、出入口は埋め立てられ、現在その上には重要機密保管所が建てられている。
外装内装と共に他の建物より頑丈に作られ重要機密保管所は、埋め立てられたダンジョンを隠すには打ってつ─────街を広げ、国は発展を続ける。
「ん?」
ページをめくると前後の辻褄が合わず、背表紙をよくよく見ると、資料を縛っている紐を緩めた痕跡があり、数枚抜き取られていることが分かった。
抜き取られたページが処分されず何処かにあるかも知れないと、確かめるためカズは資料を持ったまま〈サーチ〉を使う。
しかし反応はなかった。
試しにと今度は、スキルの《探索》を使用した。
するとに上の階に反応があった。
カズは先程見ていた衛兵のことが書いてある資料に、衛兵本部の見取図が書いてあるのを思いだし、探索で反応のあった場所を確認した。
えーっと、反応のあった部屋、ここは……司令室!? 司令自らが資料を抜き取ったのか? さすがに今から行って調べるのは無理だな。
深夜になって衛兵の数が減ってから抜け出して、司令室に忍び込むことにするか。
衛兵に変装して資料室を出たカズは、牢のある地下に移動して、見張りの衛兵に向けて〈フォグスリープ〉を使用し、眠りの効果がある薄い霧を発生させた。
衛兵が寝たのを確認すると、牢の中に戻りドッペルゲンガーを解除して入れ替る。
牢から抜け出す時と同様に、鎖は《錬金術》と《加工》のスキルを使い形を変えて、壊すことなく腕や足に取り付けた。
元の拘束された状態に戻ると、カズはフォグスリープの効果を解いた。
地下を漂ってた薄い霧が消えると、見張りの衛兵はゆっくりと目を覚ました。
「おい、何寝てるんだ」
「お前もだろ」
「……お互い疲れが溜まってるんだろうな」
「……そうだな。ここは薄暗くて静かだから、眠気が来たんだろ」
「まぁ特に異常もないから、お互い黙ってればいいさ」
「そう言って報告するなよ」
「しねーよ」
見張りの衛兵は魔法の効果で寝かされたのにも気付いておらず、疑いもしてはいなかった。
カズは牢の中では殆ど動かずに弱ってるふりを続ける。
時折、衛兵が声をかけて生きているかを確かめる時だけ、唸るような低い声を小さく出して体を動かし応えた。
深夜になり衛兵の数が減り、カズは行動に移そうとするが、司令室に人の反応があるのを【マップ】を見て分かったので、この日は深夜に抜け出すのを中止した。
しかし次の日もその次の日も、司令室には誰かしらの反応が昼夜問わずあり、潜入することは難しかった。
そのため情報収集は、もっぱら資料室か衛兵が話している雑談だけになっていた。
そして衛兵本部の牢に投獄されてから十日目の夕方、司令を訪ねて誰かが来ていた。
暫くすると、訪ねて来た人物と一緒に、司令は衛兵本部を出ていった。
司令室は無人となり、潜入するには絶好の機会だった。
カズは見張りの衛兵に幻を見せて、その間にドッペルゲンガーと入れ替り〈ゲート〉で二階にある資料室に移動した。
そこから〈メタモルフォーゼ〉で衛兵に姿を変え《隠密》と《隠蔽》を使用して司令室へと向かった。
夜になり衛兵の姿は減り、誰ともすれ違う事なく司令室の前に着く。
カズは警戒をしつつ部屋の中に入る。
部屋の中は真っ暗で、明かりを付けなければ殆ど見えない状態だ。
カズは《暗視》のスキルがあるため、真っ暗な部屋でも難なく行動ができた。
早速《探索》を使い、資料室で見た資料の抜き取られたページを探した。
反応のあった場所は、司令が使っているであろう机の引き出しからだ。
カズはすぐに引き出しを開け目的の物を探す、が肝心の物は見つからない。
すると一ヶ所の引き出しが、二重底になっているのに気付き、そこを開けると探していた数枚の資料をそこで見つけた。
その場ですぐに内容を確かめると、ある人物の名前が書かれていた。
カズは読み終わると、それを二重底の引き出しに戻し、司令室から出て資料室へと戻った。
今見てきた内容をフローラとフリート宛に手紙を書き、いつものようにフローラが使う資料室に〈ゲート〉を使って置いた。
あとは手紙がフリートさんに届けば。
状況が状況だけに、俺からの一方的な連絡になってるから、手紙が届いて動いてくれるかが分からないんだよなあ。
衛兵が話してた十日まで残り数日、フリートさんが手紙を読んで、何かしらの行動を起こしてくれるかどうかだ。
23
お気に入りに追加
634
あなたにおすすめの小説
碧天のノアズアーク
世良シンア
ファンタジー
両親の顔を知らない双子の兄弟。
あらゆる害悪から双子を守る二人の従者。
かけがえのない仲間を失った若き女冒険者。
病に苦しむ母を救うために懸命に生きる少女。
幼い頃から血にまみれた世界で生きる幼い暗殺者。
両親に売られ生きる意味を失くした女盗賊。
一族を殺され激しい復讐心に囚われた隻眼の女剣士。
Sランク冒険者の一人として活躍する亜人国家の第二王子。
自分という存在を心底嫌悪する龍人の男。
俗世とは隔絶して生きる最強の一族族長の息子。
強い自責の念に蝕まれ自分を見失った青年。
性別も年齢も性格も違う十三人。決して交わることのなかった者たちが、ノア=オーガストの不思議な引力により一つの方舟へと乗り込んでいく。そして方舟はいくつもの荒波を越えて、飽くなき探究心を原動力に世界中を冒険する。この方舟の終着点は果たして……
※『side〇〇』という風に、それぞれのキャラ視点を通して物語が進んでいきます。そのため主人公だけでなく様々なキャラの視点が入り混じります。視点がコロコロと変わりますがご容赦いただけると幸いです。
※一話ごとの字数がまちまちとなっています。ご了承ください。
※物語が進んでいく中で、投稿済みの話を修正する場合があります。ご了承ください。
※初執筆の作品です。誤字脱字など至らぬ点が多々あると思いますが、温かい目で見守ってくださると大変ありがたいです。
虐殺者の称号を持つ戦士が元公爵令嬢に雇われました
オオノギ
ファンタジー
【虐殺者《スレイヤー》】の汚名を着せられた王国戦士エリクと、
【才姫《プリンセス》】と帝国内で謳われる公爵令嬢アリア。
互いに理由は違いながらも国から追われた先で出会い、
戦士エリクはアリアの護衛として雇われる事となった。
そして安寧の地を求めて二人で旅を繰り広げる。
暴走気味の前向き美少女アリアに振り回される戦士エリクと、
不器用で愚直なエリクに呆れながらも付き合う元公爵令嬢アリア。
凸凹コンビが織り成し紡ぐ異世界を巡るファンタジー作品です。
ボッチの少女は、精霊の加護をもらいました
星名 七緒
ファンタジー
身寄りのない少女が、異世界に飛ばされてしまいます。異世界でいろいろな人と出会い、料理を通して交流していくお話です。異世界で幸せを探して、がんばって生きていきます。
異世界で『魔法使い』になった私は一人自由気ままに生きていきたい
哀村圭一
ファンタジー
人や社会のしがらみが嫌になって命を絶ったOL、天音美亜(25歳)。薄れゆく意識の中で、謎の声の問いかけに答える。
「魔法使いになりたい」と。
そして目を覚ますと、そこは異世界。美亜は、13歳くらいの少女になっていた。
魔法があれば、なんでもできる! だから、今度の人生は誰にもかかわらず一人で生きていく!!
異世界で一人自由気ままに生きていくことを決意する美亜。だけど、そんな美亜をこの世界はなかなか一人にしてくれない。そして、美亜の魔法はこの世界にあるまじき、とんでもなく無茶苦茶なものであった。
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています
こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる