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三章 王都オリーブ編3 王国に潜むの影
247 短かったかりそめ夫婦
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ビワは追い掛けて来た衛兵をまくために、何度も細い路地を曲がっていると、大柄な衛兵と鉢合わせしてしまった。
追い掛けて来た衛兵が、ビワの近くに居る衛兵に大声で話す。
「そいつが最近街に来た者の一人だ。捕まえてくれ!」
大柄な衛兵から伸びた手がマントを掴み、ビワの姿があらわになる。
「情報にあった獣人と似てるぞ」
「連れ去られた獣人なら、我々衛兵から逃げるのは変だ」
「多少乱暴にしてもかまわん。捕まえろ」
マントを剥ぎ取られたビワは、王都で冒険者に捕まった時の事を思い出し、全身が震えて思うように動けなくなってしまった。
「ビワに触るんじゃない!」
隠れていたレラが飛び出し、大柄な衛兵の回りを飛び翻弄する。
「なんだこいつ。虫か? 邪魔だ!」
大柄な衛兵が手を振り回すと、それがレラに直撃する。
レラは勢いよく飛ばされ気絶した。
「何やってる」
「変な虫がいたから」
「虫? バカッ! あれは保護対象のフェアリーだぞ」
「虫だと思って、思い切り叩いちまった」
「死んでないと思うが。倒れてるフェアリーと、この獣人を連れて行くぞ」
衛兵の一人が、地面に倒れてるレラに近づこうとする。
だか先にレラを拾い上げたのは、ビワを追い掛けて到着したカズだった。
カズはレラに〈ヒーリング〉を使い傷を癒す。
「誰だお前。そのフェアリーは我々衛兵が保護する。素直に渡しなさい」
「保護するだぁ? 怪我をさせた連中が何を言ってる」
「それは不幸な事故だ。ちゃんと治療すらから渡しなさい」
「断る。それに怪我はもう治した」
「治したただと? 怪しいな。フードを外して顔を見せろ。これ以上逆らうなら連行する」
「だ…ダメです」
カズがフードに手を掛けると、震える声で、ビワが止めようとする。
しかしカズは手を止めず、フードを外して顔を見せる。
「お前は! 手配書の冒険者だな。大人しくしろ」
「さっきも言ったが、断る」
「全員で取り押さえろ」
その場に居た三人の衛兵が、カズに飛び掛かった。
カズは羽織っていたマントを外し、衛兵に投げ視界を奪った。
気絶しているレラをビワに持たせ、カズはビワを抱えて〈フライ〉で一気に建物の屋根に上がった。
そこから屋根づたいに移動して、借家に戻った。
幸いカズ達が住んでいる借家には、まだ衛兵が来た様子はなかった。
「どうして顔を見せたんですか? 私なら保護されるから」
「保護と言っていたが、実際どうか分からない。先に顔を見せたのは、街の門を封鎖して大人数で捜索してるから、見つかるのも時間の問題だと思ってのこと。でないと、さっきキッシュ達がやられたような事が、また起きるかもしれないか。一気に仕掛けて来るなんて。少し考えが甘かったよ」
「私が…逃げれなかったから……ごめんなさい」
「ビワは何も悪くない。ずっと付き合ってくれてるんだから。もうこれ以上俺と居たら、ビワが共犯にされかねない。今ならまだお屋敷に戻れば、マーガレットさん達が守ってくれるよ」
「そんな」
「ごめんビワ。引き止めたり、戻れと言ったり(偽りの夫婦生活もここまでか)」
「……良いんです。私のことを思ってのことだと、分かってますから」
「んぁ? ここは……」
気絶していたレラが目を覚ます。
「レラ! 大丈夫? どこも痛くない?」
「あッ! ビワ大丈夫? あれ、衛兵は?」
「カズさんが来たから。庇ってくれてありがとう」
「起きたところすまないが、ここを出るよ。レラ」
「仕方ないわね。で、今度はどこに行くの?」
「ビワをお屋敷に送ってく」
「良いのビワ?」
「……うん」
「そう……」
「衛兵がいつ来るかも知れないから、すぐに行くよ」
「あ…待ってカズさん。その前に」
ビワが棚から紙とペンを取り出し、何かを書き始めた。
「何書いてるのビワ?」
「ウールさんにお礼とお詫び。もう会えないと思うから」
ビワが手紙を書き上げると、ウールから借りていた裁縫道具の箱を開け、中身を一度取り出し、底に入れてから中身を戻した。
カズは【マップ】を見て、走って来る数人の者に気付き、すぐに借家を出ることをビワに伝える。
「ビワ。行くよ」
「はい……ありがとう。楽しかった」
借家を見渡しお礼を言い、ビワは名残惜しそうにする。
カズは〈ゲート〉をオリーブ・モチヅキ家へと繋ぎ、三人はリアーデの借家から王都へと転移した。
オリーブ・モチヅキ家にある一室に転移した三人は、マーガレットの自室へと向かった。
カズは【マップ】で、部屋の中にマーガレットが一人なのを確認した。
「部屋にはマーガレットさんしか居ないから、先にビワが入って」
「はい。あの……居なくならないでください」
「大丈夫。あちしもマーガレットと会いたいから。少ししたら部屋には入るよ」
ビワは部屋の扉をノックする。
「アキレア? 夕食の時間にしては早いわね。どうしたの入って来なさい」
「失礼します」
「……ビワ?」
「奥様。ただいま戻りました。長い間留守にして申し訳ございませ…」
マーガレットはビワに抱き付き喜んだ。
「いいのよ、いいの。ビワが無事で戻って来てくれたなら。フリートさんが連れてきてくれたのね」
「フリー…ト?」
「違うの? では一人で戻ってきたの?」
「あの……」
「勝手にお邪魔します」
「誰? どうやってここに……もしかして、洗脳されてるのビワ」
「ち、違います」
「すぐにジルバを呼ぶから」
「カズはビワを洗脳なんかしてないもん」
「レラさん!?」
「久しぶり。あちしのことは覚えてるんだね」
「と言うことは、あなたが……カズさん」
「はい。初めましてと言った方がいいですかね」
「初めて……そんな気はしないわね。ビワを返してくれた事には感謝するわ。でも手配されてるあなたを警戒せずにはいられないわ」
「もうッ。なんで忘れちゃってるのよ! 瀕死のマーガレットを治してくれたのカズなんでしょ」
「……あなたが? そんな……だって私の恩人は、子供達に頼まれて、アヴァランチェから貴重な花を届けてくれた……あの…」
「ほら思い出せないでしょ。それがカズなの」
「で、でも、あなたとは初めて……?」
「奥様。レラの言った通り、全て本当の事です」
「本当なのビワ? 洗脳もされてないの?」
「カズさんは、そんなことしません」
「……良いわ。ビワを信じる。でもそれには一つ。カズさんに会ってもらいたい人がいます」
「誰ですか?」
「フリートと言う者です」
「フリート……! 第3ギルドのギルドマスターですか?」
「御存知のようね」
「一度会ってます。でもどうして第3ギルドのフリートさんなんですか? (俺の事を聞いてるのなら、所属してた第2ギルドのフローラさんだと思うけど)」
「第2ギルドの方は、貴族区に入るのを禁止されてるのよ。あなたが第2ギルドの冒険者だったということで」
「なるほど。それでフリートさんに会わせたい理由は、ビワが洗脳されてるか調べるためですか? (それとも俺を捕まえるためか)」
「私からは詳しく説明できません。でも悪いようにはしないから」
マーガレットは視線を反らさず、カズを正面からじっと見る。
「……分かりました(ここで退いても手掛かりはないし、捕まったらそれはそれだ)」
「では部屋を用意するわ」
「いえ。お屋敷内に、手配されてる俺が居たら落ち着かないでしょう。日時を指定してくれたら来ます」
「……」
「約束は守ります。ビワを連れて行ったりもしません」
「では明後日の昼に」
「分かりました」
「じゃあねビワ。長く付き合わせてごめん。レラもここに」
「なんであちしを置いてくの?」
「明後日には来るんだから『ビワに付いていてくれ。何かあれば、こうやって念話で知らせてくれ』」
「分かった……もん『絶対来なさいよ』」
「突然来てしまい、申し訳ありませんでした。では失礼します」
部屋を出ると、カズはすぐに〈ゲート〉で転移した。
「良かったビワ。皆心配してたのよ。辛くなかった? 食事はしっかり取ってた? 寂しくなかった」
マーガレットはビワに強く抱きしめる。
「大丈夫よマーガレット。寂しくどころか、随分楽しそうにしてたから」
「そうなの?」
「そうそう。あと少し見つからなければ……ムフフフっ」
「なになに!? どういう事なの?」
「どういう事だろうねぇ。ビ~ワ」
何かを思い出したビワは、顔を赤くしてうつ向き黙る。
レラがからかい続け、場の雰囲気を明るくしようとする。
「ほ~らッ。満更でもない」
「……レラのいじわる」
ビワは更に赤くなかった顔を、両手で隠す。
そんなビワの様子を見て、マーガレットは安堵する。
「ねぇビワ。今までのあった事を、全部話してくれる。レラさんも」
「はい。もちろんです」
「良いよ~。ビワのあんな事やこんな事をね」
「あらぁ~楽しみね」
ビワは休みをもらい、カズの所に行った日からの事を話し始め、リアーデの街で借家に住む事になったところで、アキレアが部屋にやって来た。
「失礼します。夕食の用意が……ビワっ!」
「ただいま。アキレア」
「話の続きは後にしましょう。アキレア、広間に皆を呼んでちょうだい。夕食の前にビワから聞いた話をするわ」
「畏まりました」
「皆もだけど、キウイがとても心配してたから、ビワが戻ってきたことを、教えてあげないと」
「ねぇマーガレット。話すのはいいけど」
「分かってるわ。悪いようには話さないから」
マーガレットとビワとレラの三人は、食事する広間に向かい部屋を出た。
そこでビワとレラから聞いたカズの事を、屋敷に居る全員に話をしたのだった。
追い掛けて来た衛兵が、ビワの近くに居る衛兵に大声で話す。
「そいつが最近街に来た者の一人だ。捕まえてくれ!」
大柄な衛兵から伸びた手がマントを掴み、ビワの姿があらわになる。
「情報にあった獣人と似てるぞ」
「連れ去られた獣人なら、我々衛兵から逃げるのは変だ」
「多少乱暴にしてもかまわん。捕まえろ」
マントを剥ぎ取られたビワは、王都で冒険者に捕まった時の事を思い出し、全身が震えて思うように動けなくなってしまった。
「ビワに触るんじゃない!」
隠れていたレラが飛び出し、大柄な衛兵の回りを飛び翻弄する。
「なんだこいつ。虫か? 邪魔だ!」
大柄な衛兵が手を振り回すと、それがレラに直撃する。
レラは勢いよく飛ばされ気絶した。
「何やってる」
「変な虫がいたから」
「虫? バカッ! あれは保護対象のフェアリーだぞ」
「虫だと思って、思い切り叩いちまった」
「死んでないと思うが。倒れてるフェアリーと、この獣人を連れて行くぞ」
衛兵の一人が、地面に倒れてるレラに近づこうとする。
だか先にレラを拾い上げたのは、ビワを追い掛けて到着したカズだった。
カズはレラに〈ヒーリング〉を使い傷を癒す。
「誰だお前。そのフェアリーは我々衛兵が保護する。素直に渡しなさい」
「保護するだぁ? 怪我をさせた連中が何を言ってる」
「それは不幸な事故だ。ちゃんと治療すらから渡しなさい」
「断る。それに怪我はもう治した」
「治したただと? 怪しいな。フードを外して顔を見せろ。これ以上逆らうなら連行する」
「だ…ダメです」
カズがフードに手を掛けると、震える声で、ビワが止めようとする。
しかしカズは手を止めず、フードを外して顔を見せる。
「お前は! 手配書の冒険者だな。大人しくしろ」
「さっきも言ったが、断る」
「全員で取り押さえろ」
その場に居た三人の衛兵が、カズに飛び掛かった。
カズは羽織っていたマントを外し、衛兵に投げ視界を奪った。
気絶しているレラをビワに持たせ、カズはビワを抱えて〈フライ〉で一気に建物の屋根に上がった。
そこから屋根づたいに移動して、借家に戻った。
幸いカズ達が住んでいる借家には、まだ衛兵が来た様子はなかった。
「どうして顔を見せたんですか? 私なら保護されるから」
「保護と言っていたが、実際どうか分からない。先に顔を見せたのは、街の門を封鎖して大人数で捜索してるから、見つかるのも時間の問題だと思ってのこと。でないと、さっきキッシュ達がやられたような事が、また起きるかもしれないか。一気に仕掛けて来るなんて。少し考えが甘かったよ」
「私が…逃げれなかったから……ごめんなさい」
「ビワは何も悪くない。ずっと付き合ってくれてるんだから。もうこれ以上俺と居たら、ビワが共犯にされかねない。今ならまだお屋敷に戻れば、マーガレットさん達が守ってくれるよ」
「そんな」
「ごめんビワ。引き止めたり、戻れと言ったり(偽りの夫婦生活もここまでか)」
「……良いんです。私のことを思ってのことだと、分かってますから」
「んぁ? ここは……」
気絶していたレラが目を覚ます。
「レラ! 大丈夫? どこも痛くない?」
「あッ! ビワ大丈夫? あれ、衛兵は?」
「カズさんが来たから。庇ってくれてありがとう」
「起きたところすまないが、ここを出るよ。レラ」
「仕方ないわね。で、今度はどこに行くの?」
「ビワをお屋敷に送ってく」
「良いのビワ?」
「……うん」
「そう……」
「衛兵がいつ来るかも知れないから、すぐに行くよ」
「あ…待ってカズさん。その前に」
ビワが棚から紙とペンを取り出し、何かを書き始めた。
「何書いてるのビワ?」
「ウールさんにお礼とお詫び。もう会えないと思うから」
ビワが手紙を書き上げると、ウールから借りていた裁縫道具の箱を開け、中身を一度取り出し、底に入れてから中身を戻した。
カズは【マップ】を見て、走って来る数人の者に気付き、すぐに借家を出ることをビワに伝える。
「ビワ。行くよ」
「はい……ありがとう。楽しかった」
借家を見渡しお礼を言い、ビワは名残惜しそうにする。
カズは〈ゲート〉をオリーブ・モチヅキ家へと繋ぎ、三人はリアーデの借家から王都へと転移した。
オリーブ・モチヅキ家にある一室に転移した三人は、マーガレットの自室へと向かった。
カズは【マップ】で、部屋の中にマーガレットが一人なのを確認した。
「部屋にはマーガレットさんしか居ないから、先にビワが入って」
「はい。あの……居なくならないでください」
「大丈夫。あちしもマーガレットと会いたいから。少ししたら部屋には入るよ」
ビワは部屋の扉をノックする。
「アキレア? 夕食の時間にしては早いわね。どうしたの入って来なさい」
「失礼します」
「……ビワ?」
「奥様。ただいま戻りました。長い間留守にして申し訳ございませ…」
マーガレットはビワに抱き付き喜んだ。
「いいのよ、いいの。ビワが無事で戻って来てくれたなら。フリートさんが連れてきてくれたのね」
「フリー…ト?」
「違うの? では一人で戻ってきたの?」
「あの……」
「勝手にお邪魔します」
「誰? どうやってここに……もしかして、洗脳されてるのビワ」
「ち、違います」
「すぐにジルバを呼ぶから」
「カズはビワを洗脳なんかしてないもん」
「レラさん!?」
「久しぶり。あちしのことは覚えてるんだね」
「と言うことは、あなたが……カズさん」
「はい。初めましてと言った方がいいですかね」
「初めて……そんな気はしないわね。ビワを返してくれた事には感謝するわ。でも手配されてるあなたを警戒せずにはいられないわ」
「もうッ。なんで忘れちゃってるのよ! 瀕死のマーガレットを治してくれたのカズなんでしょ」
「……あなたが? そんな……だって私の恩人は、子供達に頼まれて、アヴァランチェから貴重な花を届けてくれた……あの…」
「ほら思い出せないでしょ。それがカズなの」
「で、でも、あなたとは初めて……?」
「奥様。レラの言った通り、全て本当の事です」
「本当なのビワ? 洗脳もされてないの?」
「カズさんは、そんなことしません」
「……良いわ。ビワを信じる。でもそれには一つ。カズさんに会ってもらいたい人がいます」
「誰ですか?」
「フリートと言う者です」
「フリート……! 第3ギルドのギルドマスターですか?」
「御存知のようね」
「一度会ってます。でもどうして第3ギルドのフリートさんなんですか? (俺の事を聞いてるのなら、所属してた第2ギルドのフローラさんだと思うけど)」
「第2ギルドの方は、貴族区に入るのを禁止されてるのよ。あなたが第2ギルドの冒険者だったということで」
「なるほど。それでフリートさんに会わせたい理由は、ビワが洗脳されてるか調べるためですか? (それとも俺を捕まえるためか)」
「私からは詳しく説明できません。でも悪いようにはしないから」
マーガレットは視線を反らさず、カズを正面からじっと見る。
「……分かりました(ここで退いても手掛かりはないし、捕まったらそれはそれだ)」
「では部屋を用意するわ」
「いえ。お屋敷内に、手配されてる俺が居たら落ち着かないでしょう。日時を指定してくれたら来ます」
「……」
「約束は守ります。ビワを連れて行ったりもしません」
「では明後日の昼に」
「分かりました」
「じゃあねビワ。長く付き合わせてごめん。レラもここに」
「なんであちしを置いてくの?」
「明後日には来るんだから『ビワに付いていてくれ。何かあれば、こうやって念話で知らせてくれ』」
「分かった……もん『絶対来なさいよ』」
「突然来てしまい、申し訳ありませんでした。では失礼します」
部屋を出ると、カズはすぐに〈ゲート〉で転移した。
「良かったビワ。皆心配してたのよ。辛くなかった? 食事はしっかり取ってた? 寂しくなかった」
マーガレットはビワに強く抱きしめる。
「大丈夫よマーガレット。寂しくどころか、随分楽しそうにしてたから」
「そうなの?」
「そうそう。あと少し見つからなければ……ムフフフっ」
「なになに!? どういう事なの?」
「どういう事だろうねぇ。ビ~ワ」
何かを思い出したビワは、顔を赤くしてうつ向き黙る。
レラがからかい続け、場の雰囲気を明るくしようとする。
「ほ~らッ。満更でもない」
「……レラのいじわる」
ビワは更に赤くなかった顔を、両手で隠す。
そんなビワの様子を見て、マーガレットは安堵する。
「ねぇビワ。今までのあった事を、全部話してくれる。レラさんも」
「はい。もちろんです」
「良いよ~。ビワのあんな事やこんな事をね」
「あらぁ~楽しみね」
ビワは休みをもらい、カズの所に行った日からの事を話し始め、リアーデの街で借家に住む事になったところで、アキレアが部屋にやって来た。
「失礼します。夕食の用意が……ビワっ!」
「ただいま。アキレア」
「話の続きは後にしましょう。アキレア、広間に皆を呼んでちょうだい。夕食の前にビワから聞いた話をするわ」
「畏まりました」
「皆もだけど、キウイがとても心配してたから、ビワが戻ってきたことを、教えてあげないと」
「ねぇマーガレット。話すのはいいけど」
「分かってるわ。悪いようには話さないから」
マーガレットとビワとレラの三人は、食事する広間に向かい部屋を出た。
そこでビワとレラから聞いたカズの事を、屋敷に居る全員に話をしたのだった。
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