214 / 789
三章 王都オリーブ編2 周辺地域道中
205 仮登録
しおりを挟む
子供の鳥を背に乗せたマイヒメは、大きな翼を広げ空高く舞い上がる。
マイヒメが大空で一度羽ばたくだけで、飛ぶ速度が一気に上がり、あとは滑空するだけでカズから離されることはなかった。
カズが王都の手前まで来ると、空を見上げてマイヒメに合図を送った。
少しすると子供の鳥だけが、カズの元に飛んできた。
地上に下りた子供の鳥は、カズの背中にピッタリとくっ付く。
カズは第5ギルドに行き、子供の鳥と一緒に第2ギルドまで転移できるかとギルド職員に聞いた。
しかしギルドに登録されてないモンスターを、転移させることはできない言われ、仕方なく走って第2ギルドまで戻ることにした。
カズが王都中心部に向かい大通りを行こうとするが、人と露店が多く移動に時間が掛かりそうだった。
カズは裏路地の人が少ない道を選んで、遠回りをして第2ギルドに向かった。
第5ギルドを出たのが昼前だったのにも関わらず、第2ギルドに着いたのは完全に暗くなってからだった。
受付にまだトレニアが居たので、カズはそこへ行く。
「トレニアさん。フローラさんはまだ居ますか?」
「新年そうそう依頼ですか? せっかくのお祭りなんですから、休まれたらいいのに」
「報告が終わったら、明日一日くらいはのんびりしますよ」
「一日だけですか?」
「ええ。四日の朝に用事がありますから」
「……? あ、フローラ様でしたね。それならギルドマスターの部屋に居ますよ(今日から四日後のことかしら? そうよね)」
「分かりました。ありがとうございます」
「それはそうと、その大きな鳥はどうしたんですか?」
「まぁ色々ありまして。その報告もあるので」
「そうですか」
「トレニアさんも、新年の初日から仕事なんて大変ですね」
「はい?」
トレニアは不思議そうな顔をしていたが、カズは特に気にも留めず受付を離れて行く。
カズは階段を上がり、ギルドマスターの部屋まで行くと、ノックをして中に入る。
「失礼します」
カズは扉をゆっくりと開け、隙間から部屋の中を覗き込む。
「そんなに警戒しなくても、イキシアなら居ないわよ」
「それは良かった。……あ」
「カズさんに対する態度は良いとは言えないけど、そうはっきり言うと、イキシアがかわいそうよ」
「すいません(でもここにイキシアさんが居たら『フローラに何か用なの!』だからなぁ)」
「迎えがあると言ってたけど、今日はどうしたの? ダンジョンにはまだ入ってないんでしょう。だったら報告に来るのは早いと思うけど」
「いえ、それが…」
「あと後ろで、何か動いてるのが見えるけど、いったい何かしら?」
「ひょんな事から、テイムすることになってしまって」
子供の鳥は、カズの後ろからひょこっと顔を出してフローラを見る。
「あら、かわいい鳥ね。大きいけど雛鳥かしら?」
「ええ。そうだと思います」
「どういう経緯で、その子(雛鳥)をテイムすることになったのかしら?」
「実はテイムしたのはこの雛鳥じゃなくて、親鳥の方なんです」
カズは砂漠でダンジョンの入口を見つけてからの出来事を話した。
ダンジョン入口の扉に近づくと砂嵐が起き、様子見で入ったら扉が閉まって開かなくなり、ゲートでも出ることができなかったこと。
ダンジョン内で見た多くの猛毒サソリの死骸と、盗賊だと思われる大量の骨。
その骨の一つが持っていた、短剣が収まっていたであろう箱。
石室にあった三つのアイテムと、それを守る二体のゴーレムと戦い、大量の魔鉄鉱石を入手したこと。
雑な罠に隠された通路を通りダンジョンを脱出して、入口の扉まで戻り砂嵐が起きなくなった事を確認したこと。
一夜たった翌日の朝に、空から巨大な鳥が落ちて、瀕死になっていたこと。
傷付いていたのを助け、巨大な鳥を追ってきたワームの群れを倒したこと。
そしてその巨大な鳥をテイムすることになり、王都に戻って今に至ったと。
「カズさんなら教えなくても、報告にあったワームの群れを討伐してきてくれると思ってたわ。でもそれだけじゃなくて、モンスターをテイムしてくるなんて」
「すいませ……報告にあったワームの群れ? 知ってたんですか」
「ええ。ちょっと言うのを忘れてただけよ」
カズはじっとフローラを見ると、フローラゆっくりと顔を背ける。
「終わった事でしょ。男が細かい事を気にしないの」
「フローラさん」
「……分かったわよ。お詫びにカズさんがテイムしたモンスターを、私がギルドに登録しといてあげるから」
「ならいいです」
「カズさんも、ちゃっかりするようになったわね」
「それはど~も」
「褒めてませんよ! それで回収してきたアイテムと魔鉄鉱石は、アイテムボックスに入ってるんでしょ? それはギルドが引き取ることで良いかしら?」
「う~ん……気になるアイテムが一つあるので、ちょっと考えさせてください」
「分かったわ。でも一旦ギルドに預けてちょうだい。調べてみたいから」
「分かりました」
「とりあえず見つけたアイテムは、私が預かるわ。魔鉄鉱石は倉庫にお願いするわね。別に後日でも構わないから」
「ええ、分かりました」
カズはダンジョンの石室に入っていた三つのアイテムを【アイテムボックス】から出してフローラに渡した。
「確かに預かりました。それにしても、よくモンスターをテイムする方法を知ってたわね」
「テイムした相手に聞きました(というか、契約する事になったから、教えられたんだけど)」
「ハァー……モンスターの言葉まで分かるなんて、カズさんはなんなのかしらね」
「なんなのって……」
「まぁ良いわ。それで親鳥は、どんなモンスターなの? ステータスを見てからテイムしたんでしょ?」
「見ました……テイムした後に」
「テイムした後? する前じゃないの?」
「いや、なんというか……」
「……もういいわ。それでその親鳥は、どんなモンスターなの? この雛鳥を見ただけじゃ、大きさや種族は分からないわ。親鳥より雛鳥の方が、大きいこともあるから」
「えーっと、確か『ライジングホーク』って表示されました。親鳥の固有名はマイヒメです」
「ライ……ホーク? その名前どこかで……!? ライジングホーク! ロックバードに匹敵すると言われてる鳥のモンスターじゃないの!!」
「そ、そうみたいですね」
「カズさんはどうやったら、そんな珍しいモンスターに毎回遭遇するの? (疲れるわ)」
「そう言われましても……ライジングホークって、そんなに珍しいんですか?」
「この国の周辺で見ることは、まずないわ(そんなモンスターをテイムしたって……)」
「そういえば海を越えて来たとか言ってました」
「そのテイムした親鳥のライジングホークは、今どこに居るの?」
「王都の上空か王都の外で、人に見つからないようにしてると思います。さすがにあの巨体で、人の多い場所はまずいと思って、来ないように言ってあります」
「……そう、それならまぁいいわ。とりあえず雛鳥の登録だけでも、先にしておきましょう。そうすればモンスターを連れていても、王都で変に思われることは少ないでしょうから(ハァ……頭痛いわ)」
フローラは頭を抱えたあと、眉間を押さえてタメ息をつく。
「毎度お手数かけます(俺は頭痛の種なのか?)」
「じゃあその雛鳥の名前を教えて。登録するには固有名が必要だから」
「名前ですか(マイヒメにも言われたっけなぁ。名前…なまえ…ナマエ……)」
「決まってないの?」
「……はい」
「それなら今日は仮登録だけにするから、次までに名前を考えておいて」
「分かりました(名前かぁ……どうしよう)」
「これに必要な事を記入して」
フローラが登録用紙を渡すと、カズはその場で必要事項を記入した。
「書けました」
「カズさんの名前と、テイムしたモンスターの大きさと特徴と……まぁこれで良いわ。あとは私の方でやっておくから(また仕事が増えたわ)」
「ありがとうございます」
「それじゃあ仮登録するから、ギルドカードを貸してちょうだい」
「どーぞ」
カズはフローラにギルドカードを渡した。
するとフローラは記入した登録用紙と、カズのギルドカードを持って部屋を出ていった。
数分で戻ってきたフローラは、ギルドカードをカズに返すと、手に収まる程度のリングとベルトを見せた。
「好きな方を選んで」
「これは?」
「それにカズさんの魔力を加えると、登録者の名前が刻まれるわ。それをその雛鳥の足に付けて終わりよ。仮登録だから」
「それじゃあ、ベルトにします」
フローラからベルト受け取り、カズは魔力を加えながら雛鳥の足に巻いた。
「キツくないか?」
「『大丈夫。だけどこれなぁに?』」
「これはテイムした証で、俺と一緒なら、街に居ても良いよってしるし。これは仮の物だけどね」
「『ふ~ん。よく分からないけど、分かった』」
「フローラさん、これで良いですか」
「ええ。他の物に変えたければ、本登録の時に持ってきて。ギルドの物を使うより、その方が良いでしょ(疲れたし……眠いわ)」
「分かりました」
マイヒメが大空で一度羽ばたくだけで、飛ぶ速度が一気に上がり、あとは滑空するだけでカズから離されることはなかった。
カズが王都の手前まで来ると、空を見上げてマイヒメに合図を送った。
少しすると子供の鳥だけが、カズの元に飛んできた。
地上に下りた子供の鳥は、カズの背中にピッタリとくっ付く。
カズは第5ギルドに行き、子供の鳥と一緒に第2ギルドまで転移できるかとギルド職員に聞いた。
しかしギルドに登録されてないモンスターを、転移させることはできない言われ、仕方なく走って第2ギルドまで戻ることにした。
カズが王都中心部に向かい大通りを行こうとするが、人と露店が多く移動に時間が掛かりそうだった。
カズは裏路地の人が少ない道を選んで、遠回りをして第2ギルドに向かった。
第5ギルドを出たのが昼前だったのにも関わらず、第2ギルドに着いたのは完全に暗くなってからだった。
受付にまだトレニアが居たので、カズはそこへ行く。
「トレニアさん。フローラさんはまだ居ますか?」
「新年そうそう依頼ですか? せっかくのお祭りなんですから、休まれたらいいのに」
「報告が終わったら、明日一日くらいはのんびりしますよ」
「一日だけですか?」
「ええ。四日の朝に用事がありますから」
「……? あ、フローラ様でしたね。それならギルドマスターの部屋に居ますよ(今日から四日後のことかしら? そうよね)」
「分かりました。ありがとうございます」
「それはそうと、その大きな鳥はどうしたんですか?」
「まぁ色々ありまして。その報告もあるので」
「そうですか」
「トレニアさんも、新年の初日から仕事なんて大変ですね」
「はい?」
トレニアは不思議そうな顔をしていたが、カズは特に気にも留めず受付を離れて行く。
カズは階段を上がり、ギルドマスターの部屋まで行くと、ノックをして中に入る。
「失礼します」
カズは扉をゆっくりと開け、隙間から部屋の中を覗き込む。
「そんなに警戒しなくても、イキシアなら居ないわよ」
「それは良かった。……あ」
「カズさんに対する態度は良いとは言えないけど、そうはっきり言うと、イキシアがかわいそうよ」
「すいません(でもここにイキシアさんが居たら『フローラに何か用なの!』だからなぁ)」
「迎えがあると言ってたけど、今日はどうしたの? ダンジョンにはまだ入ってないんでしょう。だったら報告に来るのは早いと思うけど」
「いえ、それが…」
「あと後ろで、何か動いてるのが見えるけど、いったい何かしら?」
「ひょんな事から、テイムすることになってしまって」
子供の鳥は、カズの後ろからひょこっと顔を出してフローラを見る。
「あら、かわいい鳥ね。大きいけど雛鳥かしら?」
「ええ。そうだと思います」
「どういう経緯で、その子(雛鳥)をテイムすることになったのかしら?」
「実はテイムしたのはこの雛鳥じゃなくて、親鳥の方なんです」
カズは砂漠でダンジョンの入口を見つけてからの出来事を話した。
ダンジョン入口の扉に近づくと砂嵐が起き、様子見で入ったら扉が閉まって開かなくなり、ゲートでも出ることができなかったこと。
ダンジョン内で見た多くの猛毒サソリの死骸と、盗賊だと思われる大量の骨。
その骨の一つが持っていた、短剣が収まっていたであろう箱。
石室にあった三つのアイテムと、それを守る二体のゴーレムと戦い、大量の魔鉄鉱石を入手したこと。
雑な罠に隠された通路を通りダンジョンを脱出して、入口の扉まで戻り砂嵐が起きなくなった事を確認したこと。
一夜たった翌日の朝に、空から巨大な鳥が落ちて、瀕死になっていたこと。
傷付いていたのを助け、巨大な鳥を追ってきたワームの群れを倒したこと。
そしてその巨大な鳥をテイムすることになり、王都に戻って今に至ったと。
「カズさんなら教えなくても、報告にあったワームの群れを討伐してきてくれると思ってたわ。でもそれだけじゃなくて、モンスターをテイムしてくるなんて」
「すいませ……報告にあったワームの群れ? 知ってたんですか」
「ええ。ちょっと言うのを忘れてただけよ」
カズはじっとフローラを見ると、フローラゆっくりと顔を背ける。
「終わった事でしょ。男が細かい事を気にしないの」
「フローラさん」
「……分かったわよ。お詫びにカズさんがテイムしたモンスターを、私がギルドに登録しといてあげるから」
「ならいいです」
「カズさんも、ちゃっかりするようになったわね」
「それはど~も」
「褒めてませんよ! それで回収してきたアイテムと魔鉄鉱石は、アイテムボックスに入ってるんでしょ? それはギルドが引き取ることで良いかしら?」
「う~ん……気になるアイテムが一つあるので、ちょっと考えさせてください」
「分かったわ。でも一旦ギルドに預けてちょうだい。調べてみたいから」
「分かりました」
「とりあえず見つけたアイテムは、私が預かるわ。魔鉄鉱石は倉庫にお願いするわね。別に後日でも構わないから」
「ええ、分かりました」
カズはダンジョンの石室に入っていた三つのアイテムを【アイテムボックス】から出してフローラに渡した。
「確かに預かりました。それにしても、よくモンスターをテイムする方法を知ってたわね」
「テイムした相手に聞きました(というか、契約する事になったから、教えられたんだけど)」
「ハァー……モンスターの言葉まで分かるなんて、カズさんはなんなのかしらね」
「なんなのって……」
「まぁ良いわ。それで親鳥は、どんなモンスターなの? ステータスを見てからテイムしたんでしょ?」
「見ました……テイムした後に」
「テイムした後? する前じゃないの?」
「いや、なんというか……」
「……もういいわ。それでその親鳥は、どんなモンスターなの? この雛鳥を見ただけじゃ、大きさや種族は分からないわ。親鳥より雛鳥の方が、大きいこともあるから」
「えーっと、確か『ライジングホーク』って表示されました。親鳥の固有名はマイヒメです」
「ライ……ホーク? その名前どこかで……!? ライジングホーク! ロックバードに匹敵すると言われてる鳥のモンスターじゃないの!!」
「そ、そうみたいですね」
「カズさんはどうやったら、そんな珍しいモンスターに毎回遭遇するの? (疲れるわ)」
「そう言われましても……ライジングホークって、そんなに珍しいんですか?」
「この国の周辺で見ることは、まずないわ(そんなモンスターをテイムしたって……)」
「そういえば海を越えて来たとか言ってました」
「そのテイムした親鳥のライジングホークは、今どこに居るの?」
「王都の上空か王都の外で、人に見つからないようにしてると思います。さすがにあの巨体で、人の多い場所はまずいと思って、来ないように言ってあります」
「……そう、それならまぁいいわ。とりあえず雛鳥の登録だけでも、先にしておきましょう。そうすればモンスターを連れていても、王都で変に思われることは少ないでしょうから(ハァ……頭痛いわ)」
フローラは頭を抱えたあと、眉間を押さえてタメ息をつく。
「毎度お手数かけます(俺は頭痛の種なのか?)」
「じゃあその雛鳥の名前を教えて。登録するには固有名が必要だから」
「名前ですか(マイヒメにも言われたっけなぁ。名前…なまえ…ナマエ……)」
「決まってないの?」
「……はい」
「それなら今日は仮登録だけにするから、次までに名前を考えておいて」
「分かりました(名前かぁ……どうしよう)」
「これに必要な事を記入して」
フローラが登録用紙を渡すと、カズはその場で必要事項を記入した。
「書けました」
「カズさんの名前と、テイムしたモンスターの大きさと特徴と……まぁこれで良いわ。あとは私の方でやっておくから(また仕事が増えたわ)」
「ありがとうございます」
「それじゃあ仮登録するから、ギルドカードを貸してちょうだい」
「どーぞ」
カズはフローラにギルドカードを渡した。
するとフローラは記入した登録用紙と、カズのギルドカードを持って部屋を出ていった。
数分で戻ってきたフローラは、ギルドカードをカズに返すと、手に収まる程度のリングとベルトを見せた。
「好きな方を選んで」
「これは?」
「それにカズさんの魔力を加えると、登録者の名前が刻まれるわ。それをその雛鳥の足に付けて終わりよ。仮登録だから」
「それじゃあ、ベルトにします」
フローラからベルト受け取り、カズは魔力を加えながら雛鳥の足に巻いた。
「キツくないか?」
「『大丈夫。だけどこれなぁに?』」
「これはテイムした証で、俺と一緒なら、街に居ても良いよってしるし。これは仮の物だけどね」
「『ふ~ん。よく分からないけど、分かった』」
「フローラさん、これで良いですか」
「ええ。他の物に変えたければ、本登録の時に持ってきて。ギルドの物を使うより、その方が良いでしょ(疲れたし……眠いわ)」
「分かりました」
36
お気に入りに追加
634
あなたにおすすめの小説
碧天のノアズアーク
世良シンア
ファンタジー
両親の顔を知らない双子の兄弟。
あらゆる害悪から双子を守る二人の従者。
かけがえのない仲間を失った若き女冒険者。
病に苦しむ母を救うために懸命に生きる少女。
幼い頃から血にまみれた世界で生きる幼い暗殺者。
両親に売られ生きる意味を失くした女盗賊。
一族を殺され激しい復讐心に囚われた隻眼の女剣士。
Sランク冒険者の一人として活躍する亜人国家の第二王子。
自分という存在を心底嫌悪する龍人の男。
俗世とは隔絶して生きる最強の一族族長の息子。
強い自責の念に蝕まれ自分を見失った青年。
性別も年齢も性格も違う十三人。決して交わることのなかった者たちが、ノア=オーガストの不思議な引力により一つの方舟へと乗り込んでいく。そして方舟はいくつもの荒波を越えて、飽くなき探究心を原動力に世界中を冒険する。この方舟の終着点は果たして……
※『side〇〇』という風に、それぞれのキャラ視点を通して物語が進んでいきます。そのため主人公だけでなく様々なキャラの視点が入り混じります。視点がコロコロと変わりますがご容赦いただけると幸いです。
※一話ごとの字数がまちまちとなっています。ご了承ください。
※物語が進んでいく中で、投稿済みの話を修正する場合があります。ご了承ください。
※初執筆の作品です。誤字脱字など至らぬ点が多々あると思いますが、温かい目で見守ってくださると大変ありがたいです。
おっさん、勇者召喚されるがつま弾き...だから、のんびりと冒険する事にした
あおアンドあお
ファンタジー
ギガン城と呼ばれる城の第一王女であるリコット王女が、他の世界に住む四人の男女を
自分の世界へと召喚した。
召喚された四人の事をリコット王女は勇者と呼び、この世界を魔王の手から救ってくれと
願いを託す。
しかしよく見ると、皆の希望の目線は、この俺...城川練矢(しろかわれんや)には、
全く向けられていなかった。
何故ならば、他の三人は若くてハリもある、十代半ばの少年と少女達であり、
将来性も期待性もバッチリであったが...
この城川練矢はどう見ても、しがないただの『おっさん』だったからである。
でもさ、いくらおっさんだからっていって、これはひどくないか?
だって、俺を召喚したリコット王女様、全く俺に目線を合わせてこないし...
周りの兵士や神官達も蔑視の目線は勿論のこと、隠しもしない罵詈雑言な言葉を
俺に投げてくる始末。
そして挙げ句の果てには、ニヤニヤと下卑た顔をして俺の事を『ニセ勇者』と
罵って蔑ろにしてきやがる...。
元の世界に帰りたくても、ある一定の魔力が必要らしく、その魔力が貯まるまで
最低、一年はかかるとの事だ。
こんな城に一年間も居たくない俺は、町の方でのんびり待とうと決め、この城から
出ようとした瞬間...
「ぐふふふ...残念だが、そういう訳にはいかないんだよ、おっさんっ!」
...と、蔑視し嘲笑ってくる兵士達から止められてしまうのだった。
※小説家になろう様でも掲載しています。
虐殺者の称号を持つ戦士が元公爵令嬢に雇われました
オオノギ
ファンタジー
【虐殺者《スレイヤー》】の汚名を着せられた王国戦士エリクと、
【才姫《プリンセス》】と帝国内で謳われる公爵令嬢アリア。
互いに理由は違いながらも国から追われた先で出会い、
戦士エリクはアリアの護衛として雇われる事となった。
そして安寧の地を求めて二人で旅を繰り広げる。
暴走気味の前向き美少女アリアに振り回される戦士エリクと、
不器用で愚直なエリクに呆れながらも付き合う元公爵令嬢アリア。
凸凹コンビが織り成し紡ぐ異世界を巡るファンタジー作品です。
『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています
こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
巻き込まれて気づけば異世界 ~その配達員器用貧乏にて~
細波
ファンタジー
(3月27日変更)
仕事中に異世界転移へ巻き込まれたオッサン。神様からチートもらってやりたいように生きる…
と思ってたけど、人から頼まれる。神から頼まれる。自分から首をつっこむ!
「前の世界より黒くないし、社畜感無いから余裕っすね」
周りの人も神も黒い!
「人なんてそんなもんでしょ? 俺だって黒い方だと思うし」
そんな元オッサンは今日も行く!
異世界に行ったら才能に満ち溢れていました
みずうし
ファンタジー
銀行に勤めるそこそこ頭はイイところ以外に取り柄のない23歳青山 零 は突如、自称神からの死亡宣言を受けた。そして気がついたら異世界。
異世界ではまるで別人のような体になった零だが、その体には類い稀なる才能が隠されていて....
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる