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二章 アヴァランチェ編
87 謎の魔法古書 と 空間を繋ぐ魔法
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あの後、空間を繋げて移動出来る魔法『ゲート』を、人に見られないようにしながら、どの程度使えるか、何度も試した。
今の場所から、依頼で水晶の採掘に行った山へ移動してみた。
そして次は、氷結花を採取した、北の山脈にある森の中へ。
最後に、この世界に初めて来た、森の入口に移動した。
それで分かったことは、アヴァランチェとリアーデ程の距離なら、問題なく移動出来ると言うことだ。
これだけ何度もゲートを使ったのだから、魔力の消費も多いと思い、調べてみた。
ステータス確認(魔力)
【魔力】: 4418/4500
大して、魔力は減っていなかった。
ゲートを使ったのが、10回だから、一度の使用で、8程度しか消費していない。
これは距離や、移動する際の、人や物量によって変わるか、また調べておこう。
この魔法が使えることは、黙っていた方が良さそうだな。
この本には、他に役に立つ魔法が書いてあるか、今度じっくり読んでみることにする。
今は【アイテムボックス】に、入れておく。
あっ、アヴァランチェから離れることを、アレナリア達に話すんだった!
人が来ないから、もう少しこの森で、考えてから戻ろう。
今度は、イノボアが出てきても、逃げる必要もないからな。
そのまま俺は、最初に来た森で、話す内容を考えてから、アレナリアの家に帰ることにした。
アヴァランチェに戻る時に、試しに無詠唱で使ってみる。
〈ゲート〉
目前の空間が歪み、通り抜けると、元居た廃屋に出た。
どうやら無詠唱での発動も、問題なさそうだ。
アヴァランチェに戻った俺は【マップ】を頼りに、入り組んだ裏路地を抜けて、いつもの、見なれた大通りへと出て、帰路に就く。
「ただいま」
家に入ったが、まだ誰も帰って来てなかった。
俺は自分の寝部屋に行き、誰かが戻って来るまで、さっきの本を読むことにした。
転移の魔法が書いてあったのは、本の中程あたりだった。
たまたま開いたページの内容が、違っていたら、この本を持ち帰っては、いなかっただろう。
本を読んでいくと、最初の数ページは、魔法の基本や、属性について書かれていた。
これはクリスパさんと、アレナリアに聞いた内容と、ほぼ同じだった。
そして幾つかの魔法が出てきたが、始めの方は、初級魔法のファイヤーボール等がのっていて、知っている魔法ばかりだった。
そして本をめくっていると、重力と飛翔と書いてあるページを見つけて、そこを読んでみることにした。
すると重力魔法は、この世界の魔法とは異なり『異世界から来た者が、創造して創り出した魔法』で、この世界で使える者は、現在極わずかと書いてある。
飛翔が書いてあるページには、風魔法を使い、風をまとい体を浮かせ、風を放出することによって、飛翔出来る。
ただし、魔力消費が多い。
なお、重力魔力と組み合わせることにより、魔力消費は、格段少なくなると、書いてあった。
重力に飛翔も気になるが『異世界から来た者』と書いてあるのが重要だ!
この本は、俺と同じ世界から来た人が書いたのか、関係のある人が、書いた可能性が高い本だと分かった。
ただこの本を持っていた店主の老人は、本があることさえ忘れていたと言っていたから、入手元は不明だろうな。
やはり王都に行って調べた方が、異世界から来た人のことが、分かるかもしれないな。
それまでは取りあえず、この本に書いてある魔法を、使えるようになっていこう。
すると、玄関の扉が開き、誰かが戻ってきた。
「ただいま」
「たっだいま~!」
「キッシュはいつも元気ね」
三人が帰って来たようだ。
「おかえり」
「カズ兄ぃ帰ったたんだ!」
「今日は、早いのね。あの後、依頼を受けなかったの?」
「うんちょっとね。アレナリアも、二人と一緒に出掛けたって聞いたから、どこに行ってたの?」
「収穫祭の下見と、買い物よ」
「明日はの夕方から、前夜祭が始まるから、キッシュとアレナリアをつれて、三人で見て回る店に、目星をつけといたのよ」
「それよりカズ兄ぃ、教えてもらったソースを作ってみたから、味見して!」
「ああ。マヨネーズ出来たの? 凄いね」
キッシュが、小ビンを三つ出した。
見た目はそれっぽいが、味はどうなんだろう?
さっそく少しずつ舐めて、味を確めてみることにする。
一つ目は柔らか過ぎで、二つ目は油が分離しているところごある。
三つ目の物は、酸味が少し弱いが、お酢を使ったマヨネーズに、近い物だと思った。
「これが近いかな味かな。少し酸味が弱いけどね」
「それじゃあキッシュ、今度はその近い物を基準に、作ってみましょうか」
「そうだね」
「なら夕食は、その試作品を使った料理しましょうよ」
「アレナリアさん、それいいね」
いつものアレナリアとキッシュだ。
王都に行く話は、食後にしよう。
せっかく、マヨネーズに近い物が出来て喜んでるのに、水を差したら悪いからな。
夕食の支度は、買い物をしてきたキッシュとクリスパが二人で作っていた。
アレナリアは、食後にお風呂に入りたいから、湯船にお湯を入れてくれと、俺に言ってきた。
お風呂に行き、湯船にお湯を入れてたら、アレナリアが乾燥させた花ビラを持ってきた。
以前に、いいに香りのするお湯が気に入ったようで、今度は自分で買ってきたようだ。
湯船にお湯を入れた後、出来た夕食を皆で食べた。
食後に、アヴァランチェを出る話をしようかと思ったら、アレナリアとキッシュが直ぐにお風呂へと入っていった。
仕方がないので、後片付けをして、寝る前に話をしようと思って考えていたら、クリスパが話し掛けてきた。
「洗い物なら、私がやりますよ」
「クリスパさんも、お風呂へ入りに行ったかと……」
「今日は、キッシュとアレナリアの二人で、入るように言ったの。三人だと少し狭いから」
「それもそうですね。三人だと、ちょっと狭いですかね」
「二人なら狭くなくて、入れそうなら、キッシュ達が出たら、私とカズさんで入りましょうか」
「そうですね……」
「(あれ? いつもと反応が違うわ)カズさん、何かあったんですか?」
「えっ、何ですか?」
「ボーッとして、何か私達に、言いたいことが、あるんですかる?」
「え、あ……クリスパさんは、いつも鋭いですね」
「今回は、カズさんの反応が、いつもと違うからです!」
「反応?」
「今言ったことですよ」
「何か言いました?」
「私と一緒に、お風呂入りましょうかって」
「なっ、何を言ってるんですか! またそうやってからかって!」
「そうそう。その反応をしてくれないと、つまらないじゃないの」
「つまらないって、俺が真に受けたらどうするの?」
「それはそれで、別にいいわ」
「……」
「ちょっと黙らないでよ。言ってる私が恥ずかしいわ。それで私達に、何を話したいのかしら?」
「隠すつもりはないので、皆がお風呂から出て、寝る前になった話しますよ」
「そう。それじゃあ、早い方が良さそうだから、私もキッシュ達と一緒に、入ってこようかしら。少し狭いけど」
クリスパは後片付けの手伝いを終えて、キッシュとアレナリアが入っているお風呂に、入りにいった。
「あれ? やっぱりクリ姉も一緒に入るの?」
「ええ。今日のお風呂は、いい香りがするから、入ってきちゃった」
「三人だとまた狭いわね」
「アレナリアが小さいから、大丈夫よ」
「余計なお世話よ! クリスパのそれ(胸)が邪魔なのよ!」
「そうね。アレナリアは、そのあたり(胸)が、スッキリしてて良いわよね。肩もこらないでしょうし」
「ムキィー! 何よこんなの!」
またやってるよ。
一応、男の俺も居るんだけどな。
聞こえるように、わざとやってるんじゃないのか?
台所に居ても聞こえてくるから、部屋に居ることにした。
部屋に居て暫くしていたら、三人がお風呂から出てきたので、今度は俺が入ることにした。
三人は椅子に座り、ほてった体を冷ましている。
お風呂場は、ほのかに甘い花の香りがした。
そして覚悟を決め、お風呂から出て、俺が依頼で、王都に行くことになったと、三人に話すことにする。
今の場所から、依頼で水晶の採掘に行った山へ移動してみた。
そして次は、氷結花を採取した、北の山脈にある森の中へ。
最後に、この世界に初めて来た、森の入口に移動した。
それで分かったことは、アヴァランチェとリアーデ程の距離なら、問題なく移動出来ると言うことだ。
これだけ何度もゲートを使ったのだから、魔力の消費も多いと思い、調べてみた。
ステータス確認(魔力)
【魔力】: 4418/4500
大して、魔力は減っていなかった。
ゲートを使ったのが、10回だから、一度の使用で、8程度しか消費していない。
これは距離や、移動する際の、人や物量によって変わるか、また調べておこう。
この魔法が使えることは、黙っていた方が良さそうだな。
この本には、他に役に立つ魔法が書いてあるか、今度じっくり読んでみることにする。
今は【アイテムボックス】に、入れておく。
あっ、アヴァランチェから離れることを、アレナリア達に話すんだった!
人が来ないから、もう少しこの森で、考えてから戻ろう。
今度は、イノボアが出てきても、逃げる必要もないからな。
そのまま俺は、最初に来た森で、話す内容を考えてから、アレナリアの家に帰ることにした。
アヴァランチェに戻る時に、試しに無詠唱で使ってみる。
〈ゲート〉
目前の空間が歪み、通り抜けると、元居た廃屋に出た。
どうやら無詠唱での発動も、問題なさそうだ。
アヴァランチェに戻った俺は【マップ】を頼りに、入り組んだ裏路地を抜けて、いつもの、見なれた大通りへと出て、帰路に就く。
「ただいま」
家に入ったが、まだ誰も帰って来てなかった。
俺は自分の寝部屋に行き、誰かが戻って来るまで、さっきの本を読むことにした。
転移の魔法が書いてあったのは、本の中程あたりだった。
たまたま開いたページの内容が、違っていたら、この本を持ち帰っては、いなかっただろう。
本を読んでいくと、最初の数ページは、魔法の基本や、属性について書かれていた。
これはクリスパさんと、アレナリアに聞いた内容と、ほぼ同じだった。
そして幾つかの魔法が出てきたが、始めの方は、初級魔法のファイヤーボール等がのっていて、知っている魔法ばかりだった。
そして本をめくっていると、重力と飛翔と書いてあるページを見つけて、そこを読んでみることにした。
すると重力魔法は、この世界の魔法とは異なり『異世界から来た者が、創造して創り出した魔法』で、この世界で使える者は、現在極わずかと書いてある。
飛翔が書いてあるページには、風魔法を使い、風をまとい体を浮かせ、風を放出することによって、飛翔出来る。
ただし、魔力消費が多い。
なお、重力魔力と組み合わせることにより、魔力消費は、格段少なくなると、書いてあった。
重力に飛翔も気になるが『異世界から来た者』と書いてあるのが重要だ!
この本は、俺と同じ世界から来た人が書いたのか、関係のある人が、書いた可能性が高い本だと分かった。
ただこの本を持っていた店主の老人は、本があることさえ忘れていたと言っていたから、入手元は不明だろうな。
やはり王都に行って調べた方が、異世界から来た人のことが、分かるかもしれないな。
それまでは取りあえず、この本に書いてある魔法を、使えるようになっていこう。
すると、玄関の扉が開き、誰かが戻ってきた。
「ただいま」
「たっだいま~!」
「キッシュはいつも元気ね」
三人が帰って来たようだ。
「おかえり」
「カズ兄ぃ帰ったたんだ!」
「今日は、早いのね。あの後、依頼を受けなかったの?」
「うんちょっとね。アレナリアも、二人と一緒に出掛けたって聞いたから、どこに行ってたの?」
「収穫祭の下見と、買い物よ」
「明日はの夕方から、前夜祭が始まるから、キッシュとアレナリアをつれて、三人で見て回る店に、目星をつけといたのよ」
「それよりカズ兄ぃ、教えてもらったソースを作ってみたから、味見して!」
「ああ。マヨネーズ出来たの? 凄いね」
キッシュが、小ビンを三つ出した。
見た目はそれっぽいが、味はどうなんだろう?
さっそく少しずつ舐めて、味を確めてみることにする。
一つ目は柔らか過ぎで、二つ目は油が分離しているところごある。
三つ目の物は、酸味が少し弱いが、お酢を使ったマヨネーズに、近い物だと思った。
「これが近いかな味かな。少し酸味が弱いけどね」
「それじゃあキッシュ、今度はその近い物を基準に、作ってみましょうか」
「そうだね」
「なら夕食は、その試作品を使った料理しましょうよ」
「アレナリアさん、それいいね」
いつものアレナリアとキッシュだ。
王都に行く話は、食後にしよう。
せっかく、マヨネーズに近い物が出来て喜んでるのに、水を差したら悪いからな。
夕食の支度は、買い物をしてきたキッシュとクリスパが二人で作っていた。
アレナリアは、食後にお風呂に入りたいから、湯船にお湯を入れてくれと、俺に言ってきた。
お風呂に行き、湯船にお湯を入れてたら、アレナリアが乾燥させた花ビラを持ってきた。
以前に、いいに香りのするお湯が気に入ったようで、今度は自分で買ってきたようだ。
湯船にお湯を入れた後、出来た夕食を皆で食べた。
食後に、アヴァランチェを出る話をしようかと思ったら、アレナリアとキッシュが直ぐにお風呂へと入っていった。
仕方がないので、後片付けをして、寝る前に話をしようと思って考えていたら、クリスパが話し掛けてきた。
「洗い物なら、私がやりますよ」
「クリスパさんも、お風呂へ入りに行ったかと……」
「今日は、キッシュとアレナリアの二人で、入るように言ったの。三人だと少し狭いから」
「それもそうですね。三人だと、ちょっと狭いですかね」
「二人なら狭くなくて、入れそうなら、キッシュ達が出たら、私とカズさんで入りましょうか」
「そうですね……」
「(あれ? いつもと反応が違うわ)カズさん、何かあったんですか?」
「えっ、何ですか?」
「ボーッとして、何か私達に、言いたいことが、あるんですかる?」
「え、あ……クリスパさんは、いつも鋭いですね」
「今回は、カズさんの反応が、いつもと違うからです!」
「反応?」
「今言ったことですよ」
「何か言いました?」
「私と一緒に、お風呂入りましょうかって」
「なっ、何を言ってるんですか! またそうやってからかって!」
「そうそう。その反応をしてくれないと、つまらないじゃないの」
「つまらないって、俺が真に受けたらどうするの?」
「それはそれで、別にいいわ」
「……」
「ちょっと黙らないでよ。言ってる私が恥ずかしいわ。それで私達に、何を話したいのかしら?」
「隠すつもりはないので、皆がお風呂から出て、寝る前になった話しますよ」
「そう。それじゃあ、早い方が良さそうだから、私もキッシュ達と一緒に、入ってこようかしら。少し狭いけど」
クリスパは後片付けの手伝いを終えて、キッシュとアレナリアが入っているお風呂に、入りにいった。
「あれ? やっぱりクリ姉も一緒に入るの?」
「ええ。今日のお風呂は、いい香りがするから、入ってきちゃった」
「三人だとまた狭いわね」
「アレナリアが小さいから、大丈夫よ」
「余計なお世話よ! クリスパのそれ(胸)が邪魔なのよ!」
「そうね。アレナリアは、そのあたり(胸)が、スッキリしてて良いわよね。肩もこらないでしょうし」
「ムキィー! 何よこんなの!」
またやってるよ。
一応、男の俺も居るんだけどな。
聞こえるように、わざとやってるんじゃないのか?
台所に居ても聞こえてくるから、部屋に居ることにした。
部屋に居て暫くしていたら、三人がお風呂から出てきたので、今度は俺が入ることにした。
三人は椅子に座り、ほてった体を冷ましている。
お風呂場は、ほのかに甘い花の香りがした。
そして覚悟を決め、お風呂から出て、俺が依頼で、王都に行くことになったと、三人に話すことにする。
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