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二章 アヴァランチェ編
51 体力無き Dランク冒険者
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「カズあの三人をよろしくね」
「分かった。俺なりにやってみる」
「あの……それで……さっきは冷たく接してごめんなさい」
「何を言ってるのさ。サブマスなんだから当然だよ」
「ここでは、カズとロウカスク以外の人に対しては、あんな感じになっちゃうのよ」
「キリッとして、いつもと違うアレナリアが見れて新鮮だった」
「お望みなら、いつでもあんな感じに接しても良いのよ」
「それは遠慮しとく」
「そ、そう……」
「俺もう行くよ。三人を待たせちゃ悪いから」
「気を付けてね。無事帰ってきたら私が優しく…」
「ハイハイ分かりました! 行ってきます」
アレナリアの話を遮り、部屋を出てギルドの入口へ行く。
三人は既に依頼書を受け取り、入口で待っていた。
「遅れてごめん」
「サブマスの話って、なんだったの?」
「アイテムボックスが使えるからって、なんでもかんでも、持ってやる必要はないってさ」
「甘ったれるなって言われたし、カズに頼って、荷物を全部持ってもらうなってことでしょ。相変わらずサブマスは厳しい」
「こんな所で話てても遅くなるだけだから、もう行こうぜ!」
「そうね。道が平坦な間は、距離を稼ぐ為に走りましょう。カズさんも良いですね」
「ああ。でも先は長いから、疲れない程度の早さでね」
こうして四人のパーティーは、西門を目指して走り移動する。
さてと、西門に向かう間に、三人のステータスを確認しておくか。
『ステータス確認』対象は、俺の前を走る三人っと。
名前 : ポピー
年齢 : 21
性別 : 女
種族 : 人
職業 : 魔法使い
ランク: D
レベル: 22
力 : 118
魔力 : 308
敏捷 : 146
運 : 35
名前 : ボルタ
年齢 : 23
性別 : 男
種族 : 人
職業 : 剣士(大剣)
ランク: D
レベル: 24
力 : 384
魔力 : 120
敏捷 : 160
運 :32
名前 : ワット
年齢 : 21
性別 : 男
種族 : 人
職業 : 剣士(盾持ち片手剣)
ランク: D
レベル: 21
力 : 264
魔力 : 168
敏捷 : 205
運 : 32
三人共に、Dランクの平均ってとこか。
スキルや魔法は、調べなくても、そのうち分かるだろう。
下手に知って、口を滑らせたら面倒だからな。
ギルドを出発してから二時間程して、ようやく西門が見えてきた。
俺以外の三人は、少し疲れてきていたのがわかり、西門に到着したら、少し休憩をとることにしようと思う。
「カズさん疲れてないの? さすがにこれだけ走り続けると、私キツイわ」
「平気だけど。みんなは強化スキルとか、行動をサポートする魔法は使えないの?」
「オイラは筋力強化は使えるが、回数制限があるから、戦闘以外ではあまり使わないな」
「私もサポート出来る魔法はあるけど、やっぱり戦闘以外では使わないわ。魔力切れが心配だから」
「ボクはまだ大丈夫。戦闘でも動き回ってるから、二人に比べても身軽な方だし」
これからの移動は体力面で、女性のポピーに合わせた方が良さそうだな。
ボルタは大剣が重荷なってるみたいだが、体を鍛える訓練になって良いだろう。
「さてと、そろそろ行けそう?」
「ええ大丈夫よ!」
「オイラも行けるぜ!」
「ボクは大丈夫だけど、二人とも本当に大丈夫なの?」
「そこまで疲れてないわよ」
「オイラだって!」
「まぁまぁ。それだけ元気なら大丈夫でしょ。それじゃあ、これから都市の外だから気を付けて行こう」
四人は西門を出て、川沿いを上流へと歩いて行く。
道中は獣やモンスターは現れず、順調に目的地へと進んで行く。
道が狭くなりって来た頃に、休憩がてら昼食を食べ、アレナリアに渡された地図を確認してから、目的地方向へと移動する。
暫くして足場が悪い山道になって来た頃、以前鉱石を採掘に来た場所に着いた。
目指す洞窟は、更に山の奥にあるらしい。
今回は一人じゃないため【気配感知】と【マップ】の範囲を広げて、常に確認して注意するようにしている。
今の所は、危険な生き物などと遭遇してないので安心だが……俺以外の三人は体力面が心配だ。
山に入ってから、すでに二度も休憩をとっているので、せっかく西門まで走って時間を稼いだのに、その意味が無くなって来ている。
「みんな大丈夫? 依頼で山とかに来たことないの?」
「ハァ~ふぅ~。私達が受ける依頼って、素材採取にしても討伐にしても、殆どが平地だから」
「ハァ~。さすがに昇格する為の依頼だけあって、キツイ場所だぜ」
「Cランクになるには、この程度の依頼を出来ないとですね。ふぅー」
三人共に息があがってるじゃないか。
これでこの先、大丈夫なのかなぁ?
それとも、Dランク冒険者の平均がこうなのか?
「もう少し休憩してから行こうか?」
「でもそれだと、日が暮れる前に、洞窟に着かないんじゃ」
「ここで無理して、このあと獣でも出て来たとき、疲れたせいで対処が遅れて、怪我でもしたら余計に大変でしょ」
「今の状況を見ると、確かにカズさんの言ってるのことの方が、安全面から考えて良いと思うわ」
「ボクもそう思う」
「分かった! 確かにオイラは疲れてるよ」
「みんなが休んでる間に、俺は少し先の様子を見てくるから」
ポピー、ボルタ、ワットの三人を休ませてる間に、俺は先の岩影まで様子を見に行き、三人から見えない位置で【マップ】の範囲を広くして、スキル【気配感知】を使い周囲1㎞に、敵対しそうなモンスターや獣がいないかを調べた。
今のところは大丈夫そうだ。
次に、スキル【探索 調査】を使い、目的地の洞窟を調べてみた。
すると探索に引っ掛かり【マップ】の一ヶ所に、洞窟入口と表示された。
距離的に、このあと休まずに移動し続ければ、日暮れには着くと思う。
三人にはギルドから渡された地図を頼りに、洞窟を見付けてもらおうと思うので、場所は内緒にしておく。
「お待たせ。少しは楽になった?」
「ええ私はもう大丈夫よ」
「オイラも、もう平気だ!」
「ボクも休んで楽になったよ」
「そうか良かった。今見てきたら、この先に少し斜面が急な所があるから、足元に気を付けて行こう」
四人は更に山の奥へと進んで行く。
先頭は身軽なワットで、次に女性のポピー、そして大剣を持ったボルタと並び、最後に俺が、辺りを警戒しながら進んで行く。
急斜面はゆっくりと確実に、滑落しないように気を付けて登って行き、目的地の洞窟と違う方向に行こうとしたら、一旦足を止め、地図を確認するようにと助言した。
変に思われないように、目的地まで誘導するのは、なかなか大変だ!
なんとか休憩することなく、進んで行くことができ、目的地まであと数百mといった所で、日が暮れてきて、辺りは薄暗くなってきた。
さて、三人はどうするかだ?
「ねぇみんな、暗くなって足元が見ずらくなって来たけど、どうする?」
最初に言い出したのは、先頭を歩いていたワットだった。
今居る場所は、大きな石がゴロゴロしているが、斜面はなだらかだ。
なので一ヶ所に集まり、今日のこれからの行動を相談することになった。
俺的には、日が暮れる少し前に、相談しといた方が良いと思ったけど、今は三人の行動を見守ることにした。
「地図を見た感じだと、そろそろ着くと思うから、ボクが持ってる〈ライト〉のソーサリーカードを使って、辺りを照らしながら進んだ方が良いと思うけど」
「オイラもそれで良いと思うぜ!」
「今日のところは、この辺りで一晩過ごして、明日の朝から行動した方が、私は良いと思うわ」
「でもさポピー、洞窟は近いと思うけど」
「いくら〈ライト〉のソーサリーカードを使って照らしても、地形が変わってたら、昼間でも見落とすかも知れないでしょ! ワット」
「オイラは出来れば、洞窟で休みたいけど、確実に場所が分からないなら、ここで一晩過ごしても良いけど」
「ボルタは、どっちでも良いと言うことね。ワットは進みたいと。カズさんはどう思います?」
「う~ん。俺は無理に進むことないと思うけど」
「ほらこれで決まり! 今日はここで一晩過ごしましょ!」
「え~。あとちょっとだから〈ライト〉のソーサリーカード使えば進めるのに」
「ワットの言ってるのことも分かるけど、ボルタとポピーが言ったように、地形が変わってたら、昼間でも見落とすかも知れないし、地図の場所が、確実に合ってるとは言いきれないから、この辺りで一晩過ごせる場所を確保して、今日はここまでにした方が良いと思うけど」
「確かに安全を考えたら、その方が良いか。わかった。ポピーにボルタ無理言ってごめん」
「別に良いわよ! さぁどこか良さそうな場所探して、早く焚き火をしましょう。さすがに寒くなってきたわ」
このあと辺りを調べて、大きな石があり、風があまり当たらない場所を見付けた。
今夜ここで焚き火をして、一晩過ごすことになった。
「分かった。俺なりにやってみる」
「あの……それで……さっきは冷たく接してごめんなさい」
「何を言ってるのさ。サブマスなんだから当然だよ」
「ここでは、カズとロウカスク以外の人に対しては、あんな感じになっちゃうのよ」
「キリッとして、いつもと違うアレナリアが見れて新鮮だった」
「お望みなら、いつでもあんな感じに接しても良いのよ」
「それは遠慮しとく」
「そ、そう……」
「俺もう行くよ。三人を待たせちゃ悪いから」
「気を付けてね。無事帰ってきたら私が優しく…」
「ハイハイ分かりました! 行ってきます」
アレナリアの話を遮り、部屋を出てギルドの入口へ行く。
三人は既に依頼書を受け取り、入口で待っていた。
「遅れてごめん」
「サブマスの話って、なんだったの?」
「アイテムボックスが使えるからって、なんでもかんでも、持ってやる必要はないってさ」
「甘ったれるなって言われたし、カズに頼って、荷物を全部持ってもらうなってことでしょ。相変わらずサブマスは厳しい」
「こんな所で話てても遅くなるだけだから、もう行こうぜ!」
「そうね。道が平坦な間は、距離を稼ぐ為に走りましょう。カズさんも良いですね」
「ああ。でも先は長いから、疲れない程度の早さでね」
こうして四人のパーティーは、西門を目指して走り移動する。
さてと、西門に向かう間に、三人のステータスを確認しておくか。
『ステータス確認』対象は、俺の前を走る三人っと。
名前 : ポピー
年齢 : 21
性別 : 女
種族 : 人
職業 : 魔法使い
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レベル: 22
力 : 118
魔力 : 308
敏捷 : 146
運 : 35
名前 : ボルタ
年齢 : 23
性別 : 男
種族 : 人
職業 : 剣士(大剣)
ランク: D
レベル: 24
力 : 384
魔力 : 120
敏捷 : 160
運 :32
名前 : ワット
年齢 : 21
性別 : 男
種族 : 人
職業 : 剣士(盾持ち片手剣)
ランク: D
レベル: 21
力 : 264
魔力 : 168
敏捷 : 205
運 : 32
三人共に、Dランクの平均ってとこか。
スキルや魔法は、調べなくても、そのうち分かるだろう。
下手に知って、口を滑らせたら面倒だからな。
ギルドを出発してから二時間程して、ようやく西門が見えてきた。
俺以外の三人は、少し疲れてきていたのがわかり、西門に到着したら、少し休憩をとることにしようと思う。
「カズさん疲れてないの? さすがにこれだけ走り続けると、私キツイわ」
「平気だけど。みんなは強化スキルとか、行動をサポートする魔法は使えないの?」
「オイラは筋力強化は使えるが、回数制限があるから、戦闘以外ではあまり使わないな」
「私もサポート出来る魔法はあるけど、やっぱり戦闘以外では使わないわ。魔力切れが心配だから」
「ボクはまだ大丈夫。戦闘でも動き回ってるから、二人に比べても身軽な方だし」
これからの移動は体力面で、女性のポピーに合わせた方が良さそうだな。
ボルタは大剣が重荷なってるみたいだが、体を鍛える訓練になって良いだろう。
「さてと、そろそろ行けそう?」
「ええ大丈夫よ!」
「オイラも行けるぜ!」
「ボクは大丈夫だけど、二人とも本当に大丈夫なの?」
「そこまで疲れてないわよ」
「オイラだって!」
「まぁまぁ。それだけ元気なら大丈夫でしょ。それじゃあ、これから都市の外だから気を付けて行こう」
四人は西門を出て、川沿いを上流へと歩いて行く。
道中は獣やモンスターは現れず、順調に目的地へと進んで行く。
道が狭くなりって来た頃に、休憩がてら昼食を食べ、アレナリアに渡された地図を確認してから、目的地方向へと移動する。
暫くして足場が悪い山道になって来た頃、以前鉱石を採掘に来た場所に着いた。
目指す洞窟は、更に山の奥にあるらしい。
今回は一人じゃないため【気配感知】と【マップ】の範囲を広げて、常に確認して注意するようにしている。
今の所は、危険な生き物などと遭遇してないので安心だが……俺以外の三人は体力面が心配だ。
山に入ってから、すでに二度も休憩をとっているので、せっかく西門まで走って時間を稼いだのに、その意味が無くなって来ている。
「みんな大丈夫? 依頼で山とかに来たことないの?」
「ハァ~ふぅ~。私達が受ける依頼って、素材採取にしても討伐にしても、殆どが平地だから」
「ハァ~。さすがに昇格する為の依頼だけあって、キツイ場所だぜ」
「Cランクになるには、この程度の依頼を出来ないとですね。ふぅー」
三人共に息があがってるじゃないか。
これでこの先、大丈夫なのかなぁ?
それとも、Dランク冒険者の平均がこうなのか?
「もう少し休憩してから行こうか?」
「でもそれだと、日が暮れる前に、洞窟に着かないんじゃ」
「ここで無理して、このあと獣でも出て来たとき、疲れたせいで対処が遅れて、怪我でもしたら余計に大変でしょ」
「今の状況を見ると、確かにカズさんの言ってるのことの方が、安全面から考えて良いと思うわ」
「ボクもそう思う」
「分かった! 確かにオイラは疲れてるよ」
「みんなが休んでる間に、俺は少し先の様子を見てくるから」
ポピー、ボルタ、ワットの三人を休ませてる間に、俺は先の岩影まで様子を見に行き、三人から見えない位置で【マップ】の範囲を広くして、スキル【気配感知】を使い周囲1㎞に、敵対しそうなモンスターや獣がいないかを調べた。
今のところは大丈夫そうだ。
次に、スキル【探索 調査】を使い、目的地の洞窟を調べてみた。
すると探索に引っ掛かり【マップ】の一ヶ所に、洞窟入口と表示された。
距離的に、このあと休まずに移動し続ければ、日暮れには着くと思う。
三人にはギルドから渡された地図を頼りに、洞窟を見付けてもらおうと思うので、場所は内緒にしておく。
「お待たせ。少しは楽になった?」
「ええ私はもう大丈夫よ」
「オイラも、もう平気だ!」
「ボクも休んで楽になったよ」
「そうか良かった。今見てきたら、この先に少し斜面が急な所があるから、足元に気を付けて行こう」
四人は更に山の奥へと進んで行く。
先頭は身軽なワットで、次に女性のポピー、そして大剣を持ったボルタと並び、最後に俺が、辺りを警戒しながら進んで行く。
急斜面はゆっくりと確実に、滑落しないように気を付けて登って行き、目的地の洞窟と違う方向に行こうとしたら、一旦足を止め、地図を確認するようにと助言した。
変に思われないように、目的地まで誘導するのは、なかなか大変だ!
なんとか休憩することなく、進んで行くことができ、目的地まであと数百mといった所で、日が暮れてきて、辺りは薄暗くなってきた。
さて、三人はどうするかだ?
「ねぇみんな、暗くなって足元が見ずらくなって来たけど、どうする?」
最初に言い出したのは、先頭を歩いていたワットだった。
今居る場所は、大きな石がゴロゴロしているが、斜面はなだらかだ。
なので一ヶ所に集まり、今日のこれからの行動を相談することになった。
俺的には、日が暮れる少し前に、相談しといた方が良いと思ったけど、今は三人の行動を見守ることにした。
「地図を見た感じだと、そろそろ着くと思うから、ボクが持ってる〈ライト〉のソーサリーカードを使って、辺りを照らしながら進んだ方が良いと思うけど」
「オイラもそれで良いと思うぜ!」
「今日のところは、この辺りで一晩過ごして、明日の朝から行動した方が、私は良いと思うわ」
「でもさポピー、洞窟は近いと思うけど」
「いくら〈ライト〉のソーサリーカードを使って照らしても、地形が変わってたら、昼間でも見落とすかも知れないでしょ! ワット」
「オイラは出来れば、洞窟で休みたいけど、確実に場所が分からないなら、ここで一晩過ごしても良いけど」
「ボルタは、どっちでも良いと言うことね。ワットは進みたいと。カズさんはどう思います?」
「う~ん。俺は無理に進むことないと思うけど」
「ほらこれで決まり! 今日はここで一晩過ごしましょ!」
「え~。あとちょっとだから〈ライト〉のソーサリーカード使えば進めるのに」
「ワットの言ってるのことも分かるけど、ボルタとポピーが言ったように、地形が変わってたら、昼間でも見落とすかも知れないし、地図の場所が、確実に合ってるとは言いきれないから、この辺りで一晩過ごせる場所を確保して、今日はここまでにした方が良いと思うけど」
「確かに安全を考えたら、その方が良いか。わかった。ポピーにボルタ無理言ってごめん」
「別に良いわよ! さぁどこか良さそうな場所探して、早く焚き火をしましょう。さすがに寒くなってきたわ」
このあと辺りを調べて、大きな石があり、風があまり当たらない場所を見付けた。
今夜ここで焚き火をして、一晩過ごすことになった。
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