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二章 アヴァランチェ編
32 盗賊退治 と 各区画
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廃屋は三階建てで、一階には誰も居なく、静かに気配を消して中に入る。
すると上から話し声がしたので、二階に盗賊が居るのがわかった。
捕まっている人の状態を確かめる為に、一度外に出て、スキル《筋力強化》を使い外壁を登って行く。
三階の窓から薄暗い中を覗き【万物ノ眼】で、盗賊がいないか確認する。
居ない事を確かめ静かに窓を開けて中に入り、捕まっている人達の所へ行き、一人に話し掛ける。
よく見ると両手両足を縛られていて、口も塞がれて、話せないでいた。
手前に居た人の、口を縛っている縄を外し、喋れるようにする。
小声で話を聞くと、捕まっているのが他に子供が二人いると言うので、さっき助けた子供達の話をすると、ここに居るので全員だと分かり、皆の縄を外しながら、ここで待機するように話しす。
すると【気配感知】で、盗賊の一人が三階に上がって来るのが分かった。
その時、捕まっていた一人の男性が怒り、上がってきた盗賊に殴りかかる。
「この盗賊がぁぁ!」
「お前何で動け、ぐはっ」
盗賊を一発殴ることは出来たが、意識を失なわせることは出来ず、騒がれて他の盗賊達に、気付かれてしまった。
「ちょっと、大人しく待機しててって言ったでしょ」
殴りかかった男性は我に帰り、三階に次々と上がって来た盗賊達から、逃げて皆の所に戻ってきた。
「すまねぇ。つい盗賊を見たら我を忘れて」
盗賊達が、怒りながらカズに向かって怒鳴り付けてくる。
「誰だテメェは!」
「どっから入って来やがった!」
もう暗さに目がなれて、一人一人を認識出来るようになり、リーダーらしき男が、一人落ち着いた状態で前に出てきた。
「テメェ勝手にアジトに入ってきやがって、誰かの差し金か」
「お前らに話すことは無い。皆さんは解放してもらう」
「逃げられると思ってんのか!」
「ここに居るので全員だろ。だったら全て倒せば終わるな」
「ふざけた野郎だ。とっとと殺っちまえ」
リーダー以外の七人が、一斉にカズに襲い掛かる。
「皆さんは後ろに下がっていてください」
人質を壁際まで下げて、最小限の威力で〈ライトニングショット〉と思い、言葉には出さず 魔法を使う。(訓練しただけあって、無詠唱で同じ魔法を、複数出すことも簡単に出来る)
かざした手から青白い電撃が放たれて、襲い掛かってきた七人の盗賊に、次々と命中し、倒れて気を失う。
「あとはあんた一人だ」
「テメェ何しやがった!」
「どうする降伏するか?」
「するわけねーだろ。死ねや!」
盗賊のリーダーが、剣で斬りかかってきた。
今度は剣を避けて、盗賊の腹に一発殴ってやった。
軽く殴ったつもりだったが、スキル筋力強化したことを忘れていて、盗賊のリーダーは、吹っ飛び壁にぶつかって気を失った。
息はしているから、死んではいないようで安心した。
「さぁ皆さん、ここから出ていきましょう」
そう言って捕まっていた人達と、廃屋を出て行く。
助かった内の一人が、衛兵を呼びに行ってくると走っていった。
するとその時、隠れていた子供達が出て来た。
「お父さん、お母さん」
「父ちゃん、母ちゃん」
「二人共無事だったか! 良かった」
【マップ】に、幾つかの白い点がこちらに近づいて来るのが分かり、衛兵を呼びに行った人が、戻って来たのが見えたので、目立つのは御免だと、その場を離れる。
「あれ? ねぇお兄ちゃん、助けてくれた人が、居なくなっちゃった」
「本当だ。どこ行ったんだ?」
「そう言えば、父さん達を助けてくれた人も居なくなってる」
親子が、辺りを見回しカズを探していると、衛兵の一人が子供達の父親に話し掛けてきた。
「どうかされましたか?」
「盗賊から皆を助けてくれた人が、居なくなってしまったんです」
「どんな人だったんですか?」
「う~ん、それが建物の中は薄暗くてよく見えなかったし、解放された時は、子供達のことで頭がいっぱいだったので、ハッキリとは覚えてないんです」
「分かりました。他の方々にも聞いてみます。君達も何か思い出したら教えてくれ」
衛兵が子供達に話していた時、男の子が思い出したことがあったと衛兵に伝えた。
「あ、そうだ! あと二人盗賊が家に居るんだ。そいつらも捕まえて。案内するから」
男の子が父親と一緒に、衛兵を家まで案内して行った。
俺は物陰から様子を見ていて、大丈夫そうなので、住宅区を離れて、野宿が出来そうな所を探して休むことにした。(こんなことなら、シャルヴィネさんに宿を紹介してもらえば良かった)
◇◆◇◆◇
アヴァランチェは、リアーデより北に位置していて、雪積もる山脈の麓近くにあるので、朝晩は余計に冷える。
そんな冷えるなか、風が来ない建物の片隅で一晩を過ごしていた俺は、翌朝明るくなってきた頃、冷えた体を温める為に、軽く走りながらギルドに向かうことにした。
【マップ】を頼りに走り始めて、二十分程でギルドに到着した。
朝早いだけあって、ギルドには数人しかおらず、受付の女性職員も一人だけで、暇そうにしている。
せっかく人が少ないので、アヴァランチェのことを、聞いてみることにした。
「あの~。今お時間よろしいですか?」
「はい?」
「俺、昨日アヴァランチェに着いたばかりで、この都市のことを、よく分からないので、もしお暇なら分かる範囲で良いので、教えてもらえませんか?」
「ああ! そういうことですか。ギルドが混み始めるまで、まだ時間がありますから、それまででしたら良いですよ」
「ありがとうございます。俺、カズと言います」
「私はギルドで受付を担当している者の一人で『スカレッタ』です。よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
お互いに自己紹介をした後、受付嬢のスカレッタが、アヴァランチェの全体地図持ってきて、それを見せながら各区画と、都市の周囲を簡単に説明してくれた。
アヴァランチェ全体は東西に長い楕円形をしていて、山脈の麓近くに造られたので、南から北にかけてなだらかに登っていて、傾斜がある。
アヴァランチェの北には、一年中雪が積もる高い山脈があり、その為に北側の外壁は、雪崩に備えて、他の所より頑丈に造ってあると。
北西の山脈から、南東の方向に川がながれていて、そちら側の外壁は川沿いに造ってあり、アヴァランチェへの出入口は、跳ね橋を使うことになっている。
東側は、辺りの街や村へと続く街道に、山脈へ行く道もあると言う。
次はアヴァランチェ内部で、中央には広場があり、さらにその中央には、川から引き込んだ水を使った噴水がある。
広場から『北へ』続く一本大通りの先は、外壁で行き止まりになっていて、広場から『東と西、南西と南東』に続く四本の大通りの先は、出入口がある門へと続く道だそうだ。
この五本の大通りを境に、大体の区画が分けられている。
大通りは楕円の中に、漢字の『大』を書いたように通っていた。
中央広場と、広場から各大通り沿いの数百mは、区画関係無しに路地裏まで色々な商店が並んでいると言う。
広場に面している所と大通り沿いは、オシャレな店に、高級そうな料理屋など、一般庶民には、行きづらそうな店が多く並び、裏路地には食料品に酒場など、庶民向けの小さな店が、多種多様ところ狭しと連ねていると。
南西と南東の大通りに挟まれたのが『職人区』で、各種色々な物を作る仕事をしてる人達が働いている区画。
東と南東の大通りに挟まれたのが『生産区』で、ここでは野菜などの、食べ物を主に作っている区画だと。
そして、西と南西に延びる大通りに挟まれたのが『多種族区』で、人以外の種族が数多く暮らしている区画になる。
これは差別しているのではなく、各種族に合った暮らしが出来るよう、頻繁に作り替えていたりする為に、職人区の近くに多種族が暮らす区画を作ったらしい。(ちなみに、リアーデで『他種族』と言っていたのは、アヴァランチェに比べて、多くなく数種族しか住んでいない為である)
次に北へと続く大通り沿いの両側には、貴族が暮らす館があり、その裏手には、大手の商会が貴族相手に付き合う為の、屋敷を持っていて、更に衛兵の宿舎も同じような場所に建っている。
日々昼夜交代で、貴族の館を常に警備しているみたいだ。
貴族の館と、一般庶民の住宅を分ける意味もあって、間に商会の屋敷と衛兵の宿舎を建てて、境界線の役割にしているようだ。
最後に一般庶民が住む住宅区は、衛兵の宿舎と、東と西に延びる大通りに挟まれた、北西と北東側の区画になるそうだ。
アヴァランチェの大まかな説明を聞いて、気になったことを質問をしてみた。
「北の大通りの区画だけ、違和感があるように思えるんですけど……気のせいですかね?」
「分かりますか……大きな声では言えないんですけど、それはおそらく、貴族の館が出来たからだと思いますよ」
「どういうことですか?」
「私は詳しくは知らないんですけど、以前のアヴァランチェに貴族は住んでなくて、良い領主様が治めていたと、聞いたことがあります」
「今はその領主様は、いないんですか?」
「そこは私も知りませんが、多分いないと思います」
「そうですか」
「それに領主様がいた頃は、東と西に延びる大通りから北側は、全て住宅区になっていて、路地も今のように、入り組んでいなかったと聞いたことがあります」
「なるほど」
「ちなみに、今見ていただいたアヴァランチェの地図なんですが、これより簡易なものが、依頼書が貼り出されてる横に貼ってありますから、いつでも見てください」
依頼書が貼り出されてる方を見る。
と、その時。
「おい! そこのお前昨日の奴だな!」
すると上から話し声がしたので、二階に盗賊が居るのがわかった。
捕まっている人の状態を確かめる為に、一度外に出て、スキル《筋力強化》を使い外壁を登って行く。
三階の窓から薄暗い中を覗き【万物ノ眼】で、盗賊がいないか確認する。
居ない事を確かめ静かに窓を開けて中に入り、捕まっている人達の所へ行き、一人に話し掛ける。
よく見ると両手両足を縛られていて、口も塞がれて、話せないでいた。
手前に居た人の、口を縛っている縄を外し、喋れるようにする。
小声で話を聞くと、捕まっているのが他に子供が二人いると言うので、さっき助けた子供達の話をすると、ここに居るので全員だと分かり、皆の縄を外しながら、ここで待機するように話しす。
すると【気配感知】で、盗賊の一人が三階に上がって来るのが分かった。
その時、捕まっていた一人の男性が怒り、上がってきた盗賊に殴りかかる。
「この盗賊がぁぁ!」
「お前何で動け、ぐはっ」
盗賊を一発殴ることは出来たが、意識を失なわせることは出来ず、騒がれて他の盗賊達に、気付かれてしまった。
「ちょっと、大人しく待機しててって言ったでしょ」
殴りかかった男性は我に帰り、三階に次々と上がって来た盗賊達から、逃げて皆の所に戻ってきた。
「すまねぇ。つい盗賊を見たら我を忘れて」
盗賊達が、怒りながらカズに向かって怒鳴り付けてくる。
「誰だテメェは!」
「どっから入って来やがった!」
もう暗さに目がなれて、一人一人を認識出来るようになり、リーダーらしき男が、一人落ち着いた状態で前に出てきた。
「テメェ勝手にアジトに入ってきやがって、誰かの差し金か」
「お前らに話すことは無い。皆さんは解放してもらう」
「逃げられると思ってんのか!」
「ここに居るので全員だろ。だったら全て倒せば終わるな」
「ふざけた野郎だ。とっとと殺っちまえ」
リーダー以外の七人が、一斉にカズに襲い掛かる。
「皆さんは後ろに下がっていてください」
人質を壁際まで下げて、最小限の威力で〈ライトニングショット〉と思い、言葉には出さず 魔法を使う。(訓練しただけあって、無詠唱で同じ魔法を、複数出すことも簡単に出来る)
かざした手から青白い電撃が放たれて、襲い掛かってきた七人の盗賊に、次々と命中し、倒れて気を失う。
「あとはあんた一人だ」
「テメェ何しやがった!」
「どうする降伏するか?」
「するわけねーだろ。死ねや!」
盗賊のリーダーが、剣で斬りかかってきた。
今度は剣を避けて、盗賊の腹に一発殴ってやった。
軽く殴ったつもりだったが、スキル筋力強化したことを忘れていて、盗賊のリーダーは、吹っ飛び壁にぶつかって気を失った。
息はしているから、死んではいないようで安心した。
「さぁ皆さん、ここから出ていきましょう」
そう言って捕まっていた人達と、廃屋を出て行く。
助かった内の一人が、衛兵を呼びに行ってくると走っていった。
するとその時、隠れていた子供達が出て来た。
「お父さん、お母さん」
「父ちゃん、母ちゃん」
「二人共無事だったか! 良かった」
【マップ】に、幾つかの白い点がこちらに近づいて来るのが分かり、衛兵を呼びに行った人が、戻って来たのが見えたので、目立つのは御免だと、その場を離れる。
「あれ? ねぇお兄ちゃん、助けてくれた人が、居なくなっちゃった」
「本当だ。どこ行ったんだ?」
「そう言えば、父さん達を助けてくれた人も居なくなってる」
親子が、辺りを見回しカズを探していると、衛兵の一人が子供達の父親に話し掛けてきた。
「どうかされましたか?」
「盗賊から皆を助けてくれた人が、居なくなってしまったんです」
「どんな人だったんですか?」
「う~ん、それが建物の中は薄暗くてよく見えなかったし、解放された時は、子供達のことで頭がいっぱいだったので、ハッキリとは覚えてないんです」
「分かりました。他の方々にも聞いてみます。君達も何か思い出したら教えてくれ」
衛兵が子供達に話していた時、男の子が思い出したことがあったと衛兵に伝えた。
「あ、そうだ! あと二人盗賊が家に居るんだ。そいつらも捕まえて。案内するから」
男の子が父親と一緒に、衛兵を家まで案内して行った。
俺は物陰から様子を見ていて、大丈夫そうなので、住宅区を離れて、野宿が出来そうな所を探して休むことにした。(こんなことなら、シャルヴィネさんに宿を紹介してもらえば良かった)
◇◆◇◆◇
アヴァランチェは、リアーデより北に位置していて、雪積もる山脈の麓近くにあるので、朝晩は余計に冷える。
そんな冷えるなか、風が来ない建物の片隅で一晩を過ごしていた俺は、翌朝明るくなってきた頃、冷えた体を温める為に、軽く走りながらギルドに向かうことにした。
【マップ】を頼りに走り始めて、二十分程でギルドに到着した。
朝早いだけあって、ギルドには数人しかおらず、受付の女性職員も一人だけで、暇そうにしている。
せっかく人が少ないので、アヴァランチェのことを、聞いてみることにした。
「あの~。今お時間よろしいですか?」
「はい?」
「俺、昨日アヴァランチェに着いたばかりで、この都市のことを、よく分からないので、もしお暇なら分かる範囲で良いので、教えてもらえませんか?」
「ああ! そういうことですか。ギルドが混み始めるまで、まだ時間がありますから、それまででしたら良いですよ」
「ありがとうございます。俺、カズと言います」
「私はギルドで受付を担当している者の一人で『スカレッタ』です。よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
お互いに自己紹介をした後、受付嬢のスカレッタが、アヴァランチェの全体地図持ってきて、それを見せながら各区画と、都市の周囲を簡単に説明してくれた。
アヴァランチェ全体は東西に長い楕円形をしていて、山脈の麓近くに造られたので、南から北にかけてなだらかに登っていて、傾斜がある。
アヴァランチェの北には、一年中雪が積もる高い山脈があり、その為に北側の外壁は、雪崩に備えて、他の所より頑丈に造ってあると。
北西の山脈から、南東の方向に川がながれていて、そちら側の外壁は川沿いに造ってあり、アヴァランチェへの出入口は、跳ね橋を使うことになっている。
東側は、辺りの街や村へと続く街道に、山脈へ行く道もあると言う。
次はアヴァランチェ内部で、中央には広場があり、さらにその中央には、川から引き込んだ水を使った噴水がある。
広場から『北へ』続く一本大通りの先は、外壁で行き止まりになっていて、広場から『東と西、南西と南東』に続く四本の大通りの先は、出入口がある門へと続く道だそうだ。
この五本の大通りを境に、大体の区画が分けられている。
大通りは楕円の中に、漢字の『大』を書いたように通っていた。
中央広場と、広場から各大通り沿いの数百mは、区画関係無しに路地裏まで色々な商店が並んでいると言う。
広場に面している所と大通り沿いは、オシャレな店に、高級そうな料理屋など、一般庶民には、行きづらそうな店が多く並び、裏路地には食料品に酒場など、庶民向けの小さな店が、多種多様ところ狭しと連ねていると。
南西と南東の大通りに挟まれたのが『職人区』で、各種色々な物を作る仕事をしてる人達が働いている区画。
東と南東の大通りに挟まれたのが『生産区』で、ここでは野菜などの、食べ物を主に作っている区画だと。
そして、西と南西に延びる大通りに挟まれたのが『多種族区』で、人以外の種族が数多く暮らしている区画になる。
これは差別しているのではなく、各種族に合った暮らしが出来るよう、頻繁に作り替えていたりする為に、職人区の近くに多種族が暮らす区画を作ったらしい。(ちなみに、リアーデで『他種族』と言っていたのは、アヴァランチェに比べて、多くなく数種族しか住んでいない為である)
次に北へと続く大通り沿いの両側には、貴族が暮らす館があり、その裏手には、大手の商会が貴族相手に付き合う為の、屋敷を持っていて、更に衛兵の宿舎も同じような場所に建っている。
日々昼夜交代で、貴族の館を常に警備しているみたいだ。
貴族の館と、一般庶民の住宅を分ける意味もあって、間に商会の屋敷と衛兵の宿舎を建てて、境界線の役割にしているようだ。
最後に一般庶民が住む住宅区は、衛兵の宿舎と、東と西に延びる大通りに挟まれた、北西と北東側の区画になるそうだ。
アヴァランチェの大まかな説明を聞いて、気になったことを質問をしてみた。
「北の大通りの区画だけ、違和感があるように思えるんですけど……気のせいですかね?」
「分かりますか……大きな声では言えないんですけど、それはおそらく、貴族の館が出来たからだと思いますよ」
「どういうことですか?」
「私は詳しくは知らないんですけど、以前のアヴァランチェに貴族は住んでなくて、良い領主様が治めていたと、聞いたことがあります」
「今はその領主様は、いないんですか?」
「そこは私も知りませんが、多分いないと思います」
「そうですか」
「それに領主様がいた頃は、東と西に延びる大通りから北側は、全て住宅区になっていて、路地も今のように、入り組んでいなかったと聞いたことがあります」
「なるほど」
「ちなみに、今見ていただいたアヴァランチェの地図なんですが、これより簡易なものが、依頼書が貼り出されてる横に貼ってありますから、いつでも見てください」
依頼書が貼り出されてる方を見る。
と、その時。
「おい! そこのお前昨日の奴だな!」
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