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一章 リアーデ編
15 依頼をこなしてランクを上げよう 1 目標ランク
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「ほら、これでも飲んで目を覚ましな。ハーブティーだよ」
「ありがとうございます」
女将のココットが出してくれたハーブティーは、ほんのりミントに似た香りがした。
「スッとして目が覚める」
カズがハーブティーを飲んでいると、食堂の入口から、クリスパと起こしに行ったキッシュが入ってきた。
「カズさんおはよう。昨日は話の途中で寝ちゃってごめんなさい。ベットまで使わせてもらって」
「そうだよクリ姉ぇ。カズさんここで寝てたんだから」
「いいよ別に(クリスパさん昨夜の話、夢だと思ってくれればいいんだけど)」
「さあ座わりな朝食だよ! なんの変哲もないけど」
「久しぶりに食べる義母さんの朝食だもん、私には特別よ」
「あはははっ。何を言ってるんだい。こんなだったら毎日来れば良いさ。いくらだって食べせてやるよ」
「フフッ、それもそうね。これからいつでも来れるからね。さてと、朝食を食べたらギルドに行かないと。カズさん一緒に行くでしょ」
「そうですね、俺も依頼を受けたいですし」
朝食を済ませたカズとクリスパは、ココット亭を出でギルドに向かった。
「カズさん、昨夜の話なんだけど、ギルマスには話しておきたいわ」
「そうですか。やっぱりそうなりますか(覚えてたか)」
「でもね、ギルドに登録したばかりの新人のことを話しても、信じてもらえないと思うの、だから『Dランク』まで上がってから話そうと思うわ。それまでは、何となくで話をしておくから」
「Dランク……俺まだFランクですよ」
「大丈夫。Eランクにはあと七件から八件依頼をこなせばすぐに上がれますし、その後は私が良さそうな依頼を回すから安心して。だからガンガン依頼をこなしていって!」
「ガンガン…ですか……(スパルタですか。そのガンガンが、何だかよく分からない依頼を回されそうで、怖いんですけどって言いたい)」
「さあ着いたわ。暫くの間ギルド内では、ただの顔見知りってことで。お互いね」
「分かりました(ハァー……とりあえず混む前に、依頼書見に行くか)」
ーーーーーーーーーー
・薬草採集 十本一束 銀貨一枚 期限なし
・毒消草採取 十本一束 銀貨一枚 期限なし
・ジャンピングラビットの毛皮五匹分『ただし状態良好のみ』銀貨七枚
・木材配達 街中の指定した場所への配達『急ぎ』 銀貨五枚
・北の村から荷物の運搬 イノボアの毛皮を街の服屋工場へ配達 銀貨八枚
・北の村から荷物の運搬 イノボアの肉を街の肉屋へ配達 銀貨八枚
ーーーーーーーーーー
う~ん、低ランクの依頼はこんなもんか。
北の村からの荷物は、先日の依頼で倒したイノボアだろうし、入れ違いになった冒険者と鉢合わせになって『一日でどうやって大量のイノボアを倒した?』とか聞かれたら面倒だし、それ以外の依頼を受けるか。
ジャンピングラビットって生き物も気になるし、魔法の練習もしたいからこの依頼と、木材配達は最初にやった所だから行きやすいからこれにするかな。
街の道を覚えるにはちょうどしな。
薬草採取は依頼継続中だから『ジャンピングラビットの毛皮』『木材配達』『毒消草採取』の依頼書を持って、受付のクリスパさんの所に行くか。
「こんにちは。今日もいろいろな依頼を受けますね。頑張ってください」
クリスパはにっこりと微笑んだ。
「はい。ありがとうございます(営業スマイル! プロだな)」
「あ、ちょっと」
クリスパが手招きして、カズに小声で話す。
「街の外で魔法の練習するのは良いですが、くれぐれも魔力を加減して、気を付けてよ!」(小声)
「分かってますって。騒ぎになるような事は、したくないですから」
「訓練のときみたいに魔法はイメージが大事だから、威力を押さえるイメージで、魔力も押さえて使いなさいよ」
「分かってます。分かりましたから(なんか子供にしつけしてるみたいだな)」
急ぎと書いてあったので、カズはギルドを出て木材屋に向かった。
「こんにちは。配達の依頼を受けて来ました」
「あれ!? この前来てくれた人か」
「はい。先日はどうも」
「いやぁ、あのときは助かったよ。またあんたが来てくれたなら、こっちも有難い。街の中だけでやる依頼だと、ギルドカード更新のために、雑にやる奴も多いからさ。特に俺の所みたいに力仕事だと、なおさらなんだ。それでさっそくだが、配達頼む」
「分かりました。今日はどこへ運びましょうか?」
「建築中の所にこっちの木材を、修理中の家にはこの木材で、この前行った家具屋には木材とこの金具を持って行ってくれ。建築中の所は、量が多いが大丈夫か?」
けっこう数が多いな……アイテムボックスに入れてくか。
場所場所で容量が少ないって言って使えば、最初だけでその内目立たなくなるだろう。
以前商人とかは、持ってる人も居るって言ってたからな。
それにいつかミスって、ココット亭のときみたいに、バレるかもしれないし。
「大丈夫です。容量少ないですが、アイテムボックス使えますから。これくらいならギリギリ入ります」
「アイテムボックス! 良いもん持ってるんだな」
「容量少ないですがね」
カズは置いてあった各種木材を【アイテムボックス】に入れた。
ステータス画面みたいに、中に入ってる物のリスト出るかな?
う~ん……アイテムボックス確認…かな?
カズが思うと半透明のアクリル板のようなものが出て、アイテムボック内のリストが表示された。
お、出た! やってみるもんだな。
『家具屋と修理用に建築資材』届ける場所別に分けられてるな。
これは便利だ! さてと順番的には建築資材に修理用で、家具屋が最後だな。
よし、早く済ませるか。
「こんにちは。建築の木材運んできました。ここに置けば良いですか?」
カズは一件目の配達を済ませて次へ行く。
「こんにちは。修理用の材料運んできました」
それをも済ませて、最後の家具屋へ配達に行く。
「この前どうも。木材と金具を運んできました」
カズは二時間もかからず配達を終わらせた。
木材屋に戻ったカズは、依頼書にサインをしてもらう。
「配達終りましたので、依頼書にサインお願いします」
「アイテムボックス使えるにしても早いな! まあこっちは助かるからいいが。また頼むよ」
「はい。あ、俺ガズって言います。よろしくお願いします」
カズは一度ギルドへ報告に戻った。
「あらカズさん。依頼はどうしたんですか?」
「木材屋の依頼が終わったので報告と、ジャンピングラビットが出現する場所を聞こうかと」
「……ちょっとこっちへ」
クリスパに手招きされて、カズは受付を覗き込むようにした。
「あのう、何か?」
「何かじゃないでしょ。終わるの早過ぎるのよ。目立つわよ」
「木材屋で、アイテムボックスを使えること言いましたから。凡ミスして、アイテムボックス持ちだと目立つより、先に容量が少ないって言って使ってった方が、後々面倒にならないかと」
「う~ん……そうかも知れないけど、先に言ってよ。それこそ面倒になったら……もういいわ。今度から気を付けてよ!」
「は、はい。なんかすいません。クリスパさんに全部話してから、あんまり隠して過ごしていてもしんどいですし、それに他に使える人も居るって聞いてたもんですから、別に良いかと」
「ハァー。ジャンピングラビットだったわね。西門を出たら少し南の方に見える長い草があるから、その草原辺りにいますから。くれぐれも魔法は、気を付けて使ってくださいね。はいこれ、木材配達の報酬」
「わ、分かってますって。そんなキツく言わなくても……行ってきます」
クリスパの素性知ってから、急にあたりが厳しくなったとカズは思った。
女性の接し方が、余計に分からないと思ったカズだった。
昼飯用に広場の露店で、何か買ってから、カズは西門から出て、言われた長い草のある草原に移動した。
さてと、どこにいるかな? マップで探せるか、どれどれ……。
【マップ】には、黒い点が幾つか動いてるのが分かる。
黒い点……なんだ? 獣なら灰色のはずじゃあ。
ジャンピングラビットじゃないのかなぁ?
草が長過ぎで、ぜんぜん見えないや。
どうするか……魔法の練習がてら、草を刈ればいいか。
ファイヤーボールだと焼け野原になってしまうし、ジャンピングラビットだったら、丸焼きになっちゃうから駄目だ。
そう言えばこの世界で使える、他の魔法名知らないや。
う~ん……アニメやゲームに出てきた魔法をイメージしながら使ってみるかな。
魔法はイメージが大事って、言ってたからな。
「ありがとうございます」
女将のココットが出してくれたハーブティーは、ほんのりミントに似た香りがした。
「スッとして目が覚める」
カズがハーブティーを飲んでいると、食堂の入口から、クリスパと起こしに行ったキッシュが入ってきた。
「カズさんおはよう。昨日は話の途中で寝ちゃってごめんなさい。ベットまで使わせてもらって」
「そうだよクリ姉ぇ。カズさんここで寝てたんだから」
「いいよ別に(クリスパさん昨夜の話、夢だと思ってくれればいいんだけど)」
「さあ座わりな朝食だよ! なんの変哲もないけど」
「久しぶりに食べる義母さんの朝食だもん、私には特別よ」
「あはははっ。何を言ってるんだい。こんなだったら毎日来れば良いさ。いくらだって食べせてやるよ」
「フフッ、それもそうね。これからいつでも来れるからね。さてと、朝食を食べたらギルドに行かないと。カズさん一緒に行くでしょ」
「そうですね、俺も依頼を受けたいですし」
朝食を済ませたカズとクリスパは、ココット亭を出でギルドに向かった。
「カズさん、昨夜の話なんだけど、ギルマスには話しておきたいわ」
「そうですか。やっぱりそうなりますか(覚えてたか)」
「でもね、ギルドに登録したばかりの新人のことを話しても、信じてもらえないと思うの、だから『Dランク』まで上がってから話そうと思うわ。それまでは、何となくで話をしておくから」
「Dランク……俺まだFランクですよ」
「大丈夫。Eランクにはあと七件から八件依頼をこなせばすぐに上がれますし、その後は私が良さそうな依頼を回すから安心して。だからガンガン依頼をこなしていって!」
「ガンガン…ですか……(スパルタですか。そのガンガンが、何だかよく分からない依頼を回されそうで、怖いんですけどって言いたい)」
「さあ着いたわ。暫くの間ギルド内では、ただの顔見知りってことで。お互いね」
「分かりました(ハァー……とりあえず混む前に、依頼書見に行くか)」
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・薬草採集 十本一束 銀貨一枚 期限なし
・毒消草採取 十本一束 銀貨一枚 期限なし
・ジャンピングラビットの毛皮五匹分『ただし状態良好のみ』銀貨七枚
・木材配達 街中の指定した場所への配達『急ぎ』 銀貨五枚
・北の村から荷物の運搬 イノボアの毛皮を街の服屋工場へ配達 銀貨八枚
・北の村から荷物の運搬 イノボアの肉を街の肉屋へ配達 銀貨八枚
ーーーーーーーーーー
う~ん、低ランクの依頼はこんなもんか。
北の村からの荷物は、先日の依頼で倒したイノボアだろうし、入れ違いになった冒険者と鉢合わせになって『一日でどうやって大量のイノボアを倒した?』とか聞かれたら面倒だし、それ以外の依頼を受けるか。
ジャンピングラビットって生き物も気になるし、魔法の練習もしたいからこの依頼と、木材配達は最初にやった所だから行きやすいからこれにするかな。
街の道を覚えるにはちょうどしな。
薬草採取は依頼継続中だから『ジャンピングラビットの毛皮』『木材配達』『毒消草採取』の依頼書を持って、受付のクリスパさんの所に行くか。
「こんにちは。今日もいろいろな依頼を受けますね。頑張ってください」
クリスパはにっこりと微笑んだ。
「はい。ありがとうございます(営業スマイル! プロだな)」
「あ、ちょっと」
クリスパが手招きして、カズに小声で話す。
「街の外で魔法の練習するのは良いですが、くれぐれも魔力を加減して、気を付けてよ!」(小声)
「分かってますって。騒ぎになるような事は、したくないですから」
「訓練のときみたいに魔法はイメージが大事だから、威力を押さえるイメージで、魔力も押さえて使いなさいよ」
「分かってます。分かりましたから(なんか子供にしつけしてるみたいだな)」
急ぎと書いてあったので、カズはギルドを出て木材屋に向かった。
「こんにちは。配達の依頼を受けて来ました」
「あれ!? この前来てくれた人か」
「はい。先日はどうも」
「いやぁ、あのときは助かったよ。またあんたが来てくれたなら、こっちも有難い。街の中だけでやる依頼だと、ギルドカード更新のために、雑にやる奴も多いからさ。特に俺の所みたいに力仕事だと、なおさらなんだ。それでさっそくだが、配達頼む」
「分かりました。今日はどこへ運びましょうか?」
「建築中の所にこっちの木材を、修理中の家にはこの木材で、この前行った家具屋には木材とこの金具を持って行ってくれ。建築中の所は、量が多いが大丈夫か?」
けっこう数が多いな……アイテムボックスに入れてくか。
場所場所で容量が少ないって言って使えば、最初だけでその内目立たなくなるだろう。
以前商人とかは、持ってる人も居るって言ってたからな。
それにいつかミスって、ココット亭のときみたいに、バレるかもしれないし。
「大丈夫です。容量少ないですが、アイテムボックス使えますから。これくらいならギリギリ入ります」
「アイテムボックス! 良いもん持ってるんだな」
「容量少ないですがね」
カズは置いてあった各種木材を【アイテムボックス】に入れた。
ステータス画面みたいに、中に入ってる物のリスト出るかな?
う~ん……アイテムボックス確認…かな?
カズが思うと半透明のアクリル板のようなものが出て、アイテムボック内のリストが表示された。
お、出た! やってみるもんだな。
『家具屋と修理用に建築資材』届ける場所別に分けられてるな。
これは便利だ! さてと順番的には建築資材に修理用で、家具屋が最後だな。
よし、早く済ませるか。
「こんにちは。建築の木材運んできました。ここに置けば良いですか?」
カズは一件目の配達を済ませて次へ行く。
「こんにちは。修理用の材料運んできました」
それをも済ませて、最後の家具屋へ配達に行く。
「この前どうも。木材と金具を運んできました」
カズは二時間もかからず配達を終わらせた。
木材屋に戻ったカズは、依頼書にサインをしてもらう。
「配達終りましたので、依頼書にサインお願いします」
「アイテムボックス使えるにしても早いな! まあこっちは助かるからいいが。また頼むよ」
「はい。あ、俺ガズって言います。よろしくお願いします」
カズは一度ギルドへ報告に戻った。
「あらカズさん。依頼はどうしたんですか?」
「木材屋の依頼が終わったので報告と、ジャンピングラビットが出現する場所を聞こうかと」
「……ちょっとこっちへ」
クリスパに手招きされて、カズは受付を覗き込むようにした。
「あのう、何か?」
「何かじゃないでしょ。終わるの早過ぎるのよ。目立つわよ」
「木材屋で、アイテムボックスを使えること言いましたから。凡ミスして、アイテムボックス持ちだと目立つより、先に容量が少ないって言って使ってった方が、後々面倒にならないかと」
「う~ん……そうかも知れないけど、先に言ってよ。それこそ面倒になったら……もういいわ。今度から気を付けてよ!」
「は、はい。なんかすいません。クリスパさんに全部話してから、あんまり隠して過ごしていてもしんどいですし、それに他に使える人も居るって聞いてたもんですから、別に良いかと」
「ハァー。ジャンピングラビットだったわね。西門を出たら少し南の方に見える長い草があるから、その草原辺りにいますから。くれぐれも魔法は、気を付けて使ってくださいね。はいこれ、木材配達の報酬」
「わ、分かってますって。そんなキツく言わなくても……行ってきます」
クリスパの素性知ってから、急にあたりが厳しくなったとカズは思った。
女性の接し方が、余計に分からないと思ったカズだった。
昼飯用に広場の露店で、何か買ってから、カズは西門から出て、言われた長い草のある草原に移動した。
さてと、どこにいるかな? マップで探せるか、どれどれ……。
【マップ】には、黒い点が幾つか動いてるのが分かる。
黒い点……なんだ? 獣なら灰色のはずじゃあ。
ジャンピングラビットじゃないのかなぁ?
草が長過ぎで、ぜんぜん見えないや。
どうするか……魔法の練習がてら、草を刈ればいいか。
ファイヤーボールだと焼け野原になってしまうし、ジャンピングラビットだったら、丸焼きになっちゃうから駄目だ。
そう言えばこの世界で使える、他の魔法名知らないや。
う~ん……アニメやゲームに出てきた魔法をイメージしながら使ってみるかな。
魔法はイメージが大事って、言ってたからな。
応援ありがとうございます!
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