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僕の幼馴染みはおにぎりののりも巻けない。
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「あぁあー、今日は真のお弁当じゃないのかあ。テンション下がるわー・・・。」
「はぁ?君どの口でそれ言ってるの?」
昨日図書室で翔太が起きるのを待っていたところから記憶がない僕は、朝起きて時計を見ると午前七時半だった。
つまるところ、お風呂にも入ってなければお弁当の準備も終わってないのに七時半。
しかも制服は着っぱなしだし、僕のベッドにはなぜか翔太も寝転がっていたのだ。
「~っ!?しょ、翔太!?何やってんの??!!!いや、もう本当に起きて・・・。」
朝一で絶望することになった。
翔太のせいで、翔太のせいで!!
「起こさなかったのはごめんってば!!でも昨日寝てた真をちゃんとおうちまで届けてあげたでしょ?」
「そのあとなんで君まで僕のベッドで寝てるの?可笑しいでしょ?」
「ほらほら、痴話喧嘩はそこまでにしなよ。俺らからしたらゲロ甘だよ?」
「・・・痴話喧嘩なんてしてないし。こいつが僕を起こさなかったのが悪いんだよ。」
山本がお弁当を持って僕の隣に座る。
誰が痴話喧嘩なんかしてるんだよ。
「まずさ、起こす起こさないの前に一緒に寝てることが重大だよな。」
「・・・?いや、そこはみんなやってるだろう?僕たちも幼稚園の時からだし、今に始まった話じゃないというか。」
「いや・・・だからね?」
「おーい、森口!!お前担任に呼ばれてるぞ~」
「あ、うん。今行く!!・・・っと、その前に、翔太。おにぎり貸して。」
貸してと言いつつも翔太から半ば奪い取る感じでおにぎりを受け取る。
完璧翔太君は前にも言ったとおり生活能力が皆無なのでコンビニのおにぎりでさえも上手に開けられない。
開ける順番が書かれているのも関わらず、なぜかいつもぼろぼろで、のりなんて半分も残っていない状態になる。
だから翔太がおにぎりを食べるときは僕がおにぎりののりを巻いてから手渡すのだ。
「はい。こぼさず食べろよ。僕は職員室行ってくるから。」
「うん、ありがとう真。いってらっしゃい。」
「ごめん、山本。残りの翔太のおにぎり巻いてあげて。こいつにやらしたら海苔さんに失礼だからな。」
山本に残りを託し僕は職員室へと向かった。
「・・・え、お前ら本当にどうなってんの?もう入籍してたりする?」
「まだしてないけど、同窓会までにはするつもり。真には秘密ね。」
山本が驚愕したと言わんばかりに目を見開いて俺を二度見する。
まぁ友人の同性同士の結婚を宣言されれば誰でもこうなるだろう。
「あーっと、うん。了解・・・。」
「うん。あとさ、真に余計な知識与えようとするの辞めて貰えるかな。」
「よけいなちしき・・・。」
「そう、さっきのような勝手な常識を植え付けようとすることとかね。」
こいつは今まで俺が作り上げてきた俺たちの常識を覆そうとしたのだ。
せっかくここまで来たっていうのにそんな勝手なことさせるわけないだろう。
山本はまだ言われていることが理解出来てないのかさっきから一回も瞬きせずに俺を見ている。
幼馴染みが一緒に寝るのは当たり前。
俺たちの中ではそれが当たり前なのだ、俺がそう教えたから。
「・・・肝に免じておくよ。森口には何も口を出さない、でいいんだろ?」
「あぁ、手も出すなよ?」
「っ・・・!出さねぇし!!それよりほら!残りのおにぎり巻いてやるからだせよ。」
山本は一つ大きなため息をつくとこちらに手を出してきた。
が、その必要はない。
「大丈夫だよ、俺おにぎりくらい自分で巻けるから。」
「は・・・・?だって森口がさっき・・・」
「そんなの真に巻いて貰うための口実に決まってるだろ。おにぎりの海苔が巻けない高校生なんているはずがない。」
「えぇ・・・?じゃあ、お前森口の気を引くためだけにそんなことしてるのか??」
「あぁ、勿論。このことも真には言うなよ。」
「えぇ・・・。てかお前いつもとキャラ違くないか?」
そんなの、
「「真/森口の気を引くためだよ。/なのか。」」
ちょっとひいたような顔をした山本は残りの弁当をかきこむと急いで席を立ち、「俺もう行くな!だ、誰にも言わないから安心しろよ!!」と言い残すとさっさと逃げていった。
「あれ?翔太。山本に巻いて貰わなかったのか?」
「あぁ、おかえり真。なんか用事思い出したってさ。」
「ふうん・・・。はい、どうぞ。もー、君おにぎりも巻けなくてどうするんだよ。」
からかったように笑う真は昔も今も変わらず天使だ。
「真が居てくれるから大丈夫だよ、おにぎりありがとう。」
あー、真が巻いてくれたおにぎりってなんでこんなにも美味しいんだろう。
「はぁ?君どの口でそれ言ってるの?」
昨日図書室で翔太が起きるのを待っていたところから記憶がない僕は、朝起きて時計を見ると午前七時半だった。
つまるところ、お風呂にも入ってなければお弁当の準備も終わってないのに七時半。
しかも制服は着っぱなしだし、僕のベッドにはなぜか翔太も寝転がっていたのだ。
「~っ!?しょ、翔太!?何やってんの??!!!いや、もう本当に起きて・・・。」
朝一で絶望することになった。
翔太のせいで、翔太のせいで!!
「起こさなかったのはごめんってば!!でも昨日寝てた真をちゃんとおうちまで届けてあげたでしょ?」
「そのあとなんで君まで僕のベッドで寝てるの?可笑しいでしょ?」
「ほらほら、痴話喧嘩はそこまでにしなよ。俺らからしたらゲロ甘だよ?」
「・・・痴話喧嘩なんてしてないし。こいつが僕を起こさなかったのが悪いんだよ。」
山本がお弁当を持って僕の隣に座る。
誰が痴話喧嘩なんかしてるんだよ。
「まずさ、起こす起こさないの前に一緒に寝てることが重大だよな。」
「・・・?いや、そこはみんなやってるだろう?僕たちも幼稚園の時からだし、今に始まった話じゃないというか。」
「いや・・・だからね?」
「おーい、森口!!お前担任に呼ばれてるぞ~」
「あ、うん。今行く!!・・・っと、その前に、翔太。おにぎり貸して。」
貸してと言いつつも翔太から半ば奪い取る感じでおにぎりを受け取る。
完璧翔太君は前にも言ったとおり生活能力が皆無なのでコンビニのおにぎりでさえも上手に開けられない。
開ける順番が書かれているのも関わらず、なぜかいつもぼろぼろで、のりなんて半分も残っていない状態になる。
だから翔太がおにぎりを食べるときは僕がおにぎりののりを巻いてから手渡すのだ。
「はい。こぼさず食べろよ。僕は職員室行ってくるから。」
「うん、ありがとう真。いってらっしゃい。」
「ごめん、山本。残りの翔太のおにぎり巻いてあげて。こいつにやらしたら海苔さんに失礼だからな。」
山本に残りを託し僕は職員室へと向かった。
「・・・え、お前ら本当にどうなってんの?もう入籍してたりする?」
「まだしてないけど、同窓会までにはするつもり。真には秘密ね。」
山本が驚愕したと言わんばかりに目を見開いて俺を二度見する。
まぁ友人の同性同士の結婚を宣言されれば誰でもこうなるだろう。
「あーっと、うん。了解・・・。」
「うん。あとさ、真に余計な知識与えようとするの辞めて貰えるかな。」
「よけいなちしき・・・。」
「そう、さっきのような勝手な常識を植え付けようとすることとかね。」
こいつは今まで俺が作り上げてきた俺たちの常識を覆そうとしたのだ。
せっかくここまで来たっていうのにそんな勝手なことさせるわけないだろう。
山本はまだ言われていることが理解出来てないのかさっきから一回も瞬きせずに俺を見ている。
幼馴染みが一緒に寝るのは当たり前。
俺たちの中ではそれが当たり前なのだ、俺がそう教えたから。
「・・・肝に免じておくよ。森口には何も口を出さない、でいいんだろ?」
「あぁ、手も出すなよ?」
「っ・・・!出さねぇし!!それよりほら!残りのおにぎり巻いてやるからだせよ。」
山本は一つ大きなため息をつくとこちらに手を出してきた。
が、その必要はない。
「大丈夫だよ、俺おにぎりくらい自分で巻けるから。」
「は・・・・?だって森口がさっき・・・」
「そんなの真に巻いて貰うための口実に決まってるだろ。おにぎりの海苔が巻けない高校生なんているはずがない。」
「えぇ・・・?じゃあ、お前森口の気を引くためだけにそんなことしてるのか??」
「あぁ、勿論。このことも真には言うなよ。」
「えぇ・・・。てかお前いつもとキャラ違くないか?」
そんなの、
「「真/森口の気を引くためだよ。/なのか。」」
ちょっとひいたような顔をした山本は残りの弁当をかきこむと急いで席を立ち、「俺もう行くな!だ、誰にも言わないから安心しろよ!!」と言い残すとさっさと逃げていった。
「あれ?翔太。山本に巻いて貰わなかったのか?」
「あぁ、おかえり真。なんか用事思い出したってさ。」
「ふうん・・・。はい、どうぞ。もー、君おにぎりも巻けなくてどうするんだよ。」
からかったように笑う真は昔も今も変わらず天使だ。
「真が居てくれるから大丈夫だよ、おにぎりありがとう。」
あー、真が巻いてくれたおにぎりってなんでこんなにも美味しいんだろう。
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