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僕の幼馴染みは勉強もスポーツも出来る。
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「おーいっ!佐野ーっ!ボールこっちパース!!!」
「おー!!」
佐野翔太。
前にも言ったようにこいつの生活能力は皆無だ。
しかし、こいつは顔が良いだけでなく、スポーツも出来る。
今は体育の授業でサッカーの練習試合中だ。
身長も僕よりも十一センチも高い百七十九センチだ。
・・・別に僕が小さいわけではない。
長身で顔が良くてスポーツも出来る。
オマケに・・・、
「佐野、ここの答えは?」
「√13です。」
「・・そうだ、座って良いぞ。」
そう、こいつは頭もいいのだ。
定期テストがある度にひいひい言いながらテスト勉強をしている僕の隣で、こいつはいつもお菓子をバリバリと食べているのだ、とてもうっとうしいしイライラする。
なぜ神様はこいつに二も三も能力を与えてしまったんだ、僕にもわけてくれたらいいのに。
こんなんだからこいつはすっごくオモテになる。凄くだ。
今だって、
「あれ?森口一人?佐野はー?」
「ああ、山本か。あいつは今呼び出され中だよ、二組の、えーっと、風見さん?」
「えぇっ!?はあ、風見さんって美人で頭が良いあの?・・・うっわぁ、あいつばっかり本当に狡いよなあ」
毎日のように昼休みになると誰かしらに呼び出されているこの状況。
そばにいる僕は完全なる引き立て役だ。
もしかしたら視界にすら入ってないかもしれないな。
「しーんっ!おまたせ~、あれ?山本、真とナニ話してたの?俺にも教えて?」
「いや、たいした話じゃないし、なっ森口!」
「・・・そうだよ、また翔太が呼び出されてるって話。それよりお昼食べようよ。」
「・・・ふーん、そっか。・・・そうだね!今日のお弁当のおかずは何かなあー」
翔太はもう山本に興味がないのか僕が出したお弁当箱の包みを開けている。
山本はというと翔太が目をそらすと安堵したようにほっと息をつき、横目で僕をみるとそそくさと逃げていった。
何がそんなに不安だったんだろう・・、風見さんのことそんなに気になってたのかな。
「・・・ずっと山本のことみてるけど。他にも話したいことあったの?」
「ううん、別に。ただ翔太が無事に帰ってきたようで安心してたから。」
「俺が誰かと付き合うわけないだろ。」
「あぁ、好きな子が居るんだっけ?進展はあった?」
「うーん、そう聞いてくるって事は進展はないかなぁ。」
「ふーん?」
よく分からないが翔太には幼稚園のときからずっと好きな人がいるらしい。
だから誰とも付き合う気はないのだと前に宣言された。
きっとやっかみがあるとめんどくさいからこういっているのだろうな。
「ん~、真の卵焼きが一番おいしいよ、三食これでもいいぐらい!」
「何言ってるんだよ、ただ単に飯食うのがめんどくさいだけだろ。」
中学の時、こいつは自分のお弁当があるにもかかわらずいつも僕のお弁当を取ってくるので、高校からは僕がこいつの分も作ることにした。
実はこいつが僕のお弁当を食べてニコニコしているのをみるのが結構好きだったりする。
絶対本人にはいってやらないけど、ね。
「で、話って何かな。」
「あっ、えっと、私二組の風見ころあって言うんだけど・・、」
「うん、風見さんのことは知ってるよ。クラス一桁の子だよね。」
「う、嬉しいな・・、知っててくれたんだね。あ、それでね・・・」
あぁ、煩わしい。
なんで俺が真以外とここにいるんだろう。この子が呼ばなければ今頃真のお弁当を食べてるはずだったのに。
すごい時間の無駄だと感じながらもここに居るのは真のため。
もし俺が真以外の全ての人間を断ち切ってしまえば一緒にいる真が悪く言われてしまうかもしれない。
もしくはお人好しな誰かに真を連れていかれてしまうかもしれない。
これは俺の中で出した最適解なのだ。
「・・んだ。それでね、付き合ってほしいんだけど。・・・どうかな?」
「・・・・。」
「ええっと、佐野君?」
「あぁ、えっと・・・ごめんね、俺好きな子がいるんだ。だから、」
「それでもいい、二番目でもいいから私と、」
「・・・二番目とかありえないから。」
「え?・・ぁ、ごめん、怒ってる?」
二番目?笑わしてくれるな。
一番目も二番目もなにも俺には真だけだ。
順位にかけられる物なんて他にない。
「・・・ううん、怒ってないよ。でもやっぱりごめんね。俺、好きな子以外は眼中にないんだ。」
「ぁ、そうな、んだ。」
「うん。だから風見さんのことも名前は聞いたことあるけど正直興味ないからもう俺に話しかけるのも辞めて貰えるかな。」
「え・・・、そ、そこまで言わなくても、いいんじゃないかな・・っ、」
「さっき二番目とかいってたでしょう?はっきり言ってそう言うのうざいから、もう話したくもないんだよね。」
じゃあね、とだけ声をかけてその場を立ち去る。
後ろからすすり泣くような声が聞こえるけど全くもって興味ない。
それより早く真のお弁当が食べたいなあ。
「おー!!」
佐野翔太。
前にも言ったようにこいつの生活能力は皆無だ。
しかし、こいつは顔が良いだけでなく、スポーツも出来る。
今は体育の授業でサッカーの練習試合中だ。
身長も僕よりも十一センチも高い百七十九センチだ。
・・・別に僕が小さいわけではない。
長身で顔が良くてスポーツも出来る。
オマケに・・・、
「佐野、ここの答えは?」
「√13です。」
「・・そうだ、座って良いぞ。」
そう、こいつは頭もいいのだ。
定期テストがある度にひいひい言いながらテスト勉強をしている僕の隣で、こいつはいつもお菓子をバリバリと食べているのだ、とてもうっとうしいしイライラする。
なぜ神様はこいつに二も三も能力を与えてしまったんだ、僕にもわけてくれたらいいのに。
こんなんだからこいつはすっごくオモテになる。凄くだ。
今だって、
「あれ?森口一人?佐野はー?」
「ああ、山本か。あいつは今呼び出され中だよ、二組の、えーっと、風見さん?」
「えぇっ!?はあ、風見さんって美人で頭が良いあの?・・・うっわぁ、あいつばっかり本当に狡いよなあ」
毎日のように昼休みになると誰かしらに呼び出されているこの状況。
そばにいる僕は完全なる引き立て役だ。
もしかしたら視界にすら入ってないかもしれないな。
「しーんっ!おまたせ~、あれ?山本、真とナニ話してたの?俺にも教えて?」
「いや、たいした話じゃないし、なっ森口!」
「・・・そうだよ、また翔太が呼び出されてるって話。それよりお昼食べようよ。」
「・・・ふーん、そっか。・・・そうだね!今日のお弁当のおかずは何かなあー」
翔太はもう山本に興味がないのか僕が出したお弁当箱の包みを開けている。
山本はというと翔太が目をそらすと安堵したようにほっと息をつき、横目で僕をみるとそそくさと逃げていった。
何がそんなに不安だったんだろう・・、風見さんのことそんなに気になってたのかな。
「・・・ずっと山本のことみてるけど。他にも話したいことあったの?」
「ううん、別に。ただ翔太が無事に帰ってきたようで安心してたから。」
「俺が誰かと付き合うわけないだろ。」
「あぁ、好きな子が居るんだっけ?進展はあった?」
「うーん、そう聞いてくるって事は進展はないかなぁ。」
「ふーん?」
よく分からないが翔太には幼稚園のときからずっと好きな人がいるらしい。
だから誰とも付き合う気はないのだと前に宣言された。
きっとやっかみがあるとめんどくさいからこういっているのだろうな。
「ん~、真の卵焼きが一番おいしいよ、三食これでもいいぐらい!」
「何言ってるんだよ、ただ単に飯食うのがめんどくさいだけだろ。」
中学の時、こいつは自分のお弁当があるにもかかわらずいつも僕のお弁当を取ってくるので、高校からは僕がこいつの分も作ることにした。
実はこいつが僕のお弁当を食べてニコニコしているのをみるのが結構好きだったりする。
絶対本人にはいってやらないけど、ね。
「で、話って何かな。」
「あっ、えっと、私二組の風見ころあって言うんだけど・・、」
「うん、風見さんのことは知ってるよ。クラス一桁の子だよね。」
「う、嬉しいな・・、知っててくれたんだね。あ、それでね・・・」
あぁ、煩わしい。
なんで俺が真以外とここにいるんだろう。この子が呼ばなければ今頃真のお弁当を食べてるはずだったのに。
すごい時間の無駄だと感じながらもここに居るのは真のため。
もし俺が真以外の全ての人間を断ち切ってしまえば一緒にいる真が悪く言われてしまうかもしれない。
もしくはお人好しな誰かに真を連れていかれてしまうかもしれない。
これは俺の中で出した最適解なのだ。
「・・んだ。それでね、付き合ってほしいんだけど。・・・どうかな?」
「・・・・。」
「ええっと、佐野君?」
「あぁ、えっと・・・ごめんね、俺好きな子がいるんだ。だから、」
「それでもいい、二番目でもいいから私と、」
「・・・二番目とかありえないから。」
「え?・・ぁ、ごめん、怒ってる?」
二番目?笑わしてくれるな。
一番目も二番目もなにも俺には真だけだ。
順位にかけられる物なんて他にない。
「・・・ううん、怒ってないよ。でもやっぱりごめんね。俺、好きな子以外は眼中にないんだ。」
「ぁ、そうな、んだ。」
「うん。だから風見さんのことも名前は聞いたことあるけど正直興味ないからもう俺に話しかけるのも辞めて貰えるかな。」
「え・・・、そ、そこまで言わなくても、いいんじゃないかな・・っ、」
「さっき二番目とかいってたでしょう?はっきり言ってそう言うのうざいから、もう話したくもないんだよね。」
じゃあね、とだけ声をかけてその場を立ち去る。
後ろからすすり泣くような声が聞こえるけど全くもって興味ない。
それより早く真のお弁当が食べたいなあ。
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