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明治維新編8 対立の間で
対立の間で(6)
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馨と渋沢は、大蔵省の執務室へと戻ってきた。
「それで、司法省以外ですとどこが問題に」
「一番は工部省じゃ。なにしろ鉄道の金がかかりすぎる」
馨は率直に自分の考えを渋沢にぶつけようと考えた。
「市中に金を求めるんはどうじゃと思うちょる」
「カンパニーですか」
「そうじゃ、会社を立て、資本を民から求める。その資本をもとに鉄道を作り、開業後は利益を分配・投資するんじゃ」
「こうすることで、国庫からは支援金程度に収めることができると、言うのですな」
「運賃を担保にするんなら、このほうが自由度が高いと思うんじゃが」
「それを工部省側が理解できるでしょうか」
「工部省はあくまでも官でと言うてくるな」
「文部省はなるべく認めたいところですが」
「あぁ、教育は基本じゃ。誰もが学べねば、身を立てる機会すら無うなる。これからの時代学問はすべてのものに必要じゃ」
「学問は束縛から放たれるためのものですね」
「そうじゃな。しかし無い袖は振れぬ。辛いところじゃ」
あぁそうだったというように、声を潜めて渋沢は馨に言った。
「そう言えば山縣さんの噂お聞きになりましたか」
「何じゃ」
「陸軍省では出入りの業者に金を融通しておると。その中心に山縣有朋さんがおるという話です」
「なんと、それが事実なら公金流用は」
さすがの馨も、考えてもいない自体に素直に驚いていた。
「間違いなく問題になります」
「ただ司法省の連中がポリスなどを動かし、山縣さんの周辺を探っているとも。そうなると真の標的は井上さんではないですか。江藤さんもなかなかですが、周辺の取巻きはもっと厄介かもしれないです」
「はぁ、わしがか。茶屋で騒ぐくらいじゃが」
「その費用の出処でございましょう」
「なんとも世知辛いのう」
「御身お気をつけください」
そう言うと、渋沢は馨の部屋から出ていった。
江藤が気にしているのは、地方の行政部分か。治安対策はポリス·警察と軍とそれを指揮する県令。県令のもとにあれば、大蔵省の管轄となる。そこを取りたいのだろうと思い当たった。
それにしても遊ぶなと言われるとは。よけいに茶屋が恋しくなってしまった。
定額問題はかなりこじれていった。文部省に関して右院が調停し決めたのが、300万円の希望のところ200万円だった。大蔵省はこれに異議を唱えた。100万に抑えるべきだと主張した。それを受けて正院は130万で決着をつけようとした。
どんどん拗れていく事態に、三条太政大臣が調停をしようとしていた。
「文部省は100万超えならそこで納得すると言っておる。大蔵省もそこで手を打ってはくれまいか」
「大蔵省の意見は変わっておりませぬ。100万円以上は出せません」
「井上、そのように頑なでは何も進まぬよ」
「大蔵省は否でございます」
馨は言い切って席を立っていた。
また工部省との交渉は、大蔵省の財政の考え方に反するものとなっていた。
「いかに、鉄道敷設の資金が足りないからと言って内国公債を発行するなど言語道断です。このような債券の発行を許してしまうことは、債務の把握に支障をきたします」
「運賃をもって公債の担保とするのだから、国庫の負担とはならないだろうと存ずる」
「ならば、会社を建て、民間から資本を募る方が後の負担にはならぬ。我らはそう考えるがいかが」
「民間でと申されるのか」
「そういうことになる」
どちらも引かなかった。
定額問題の裏でもう一つ馨が主導している事が進んでいた。
「アメリカからの報告があった。2分金の外国での売却価格が100円のところ107円でいけるとの話じゃ。それで、これを密かに買い占めようと思っておる。その売却益を貨幣の準備金とするのじゃ。そのためには資金調達の方法じゃが」
「事前に大輔により、方法を考えるようご指示を頂いておりました。兌換証券を発行するのが理にかなっているかとおもいます」
「そうなってくると発行手続きは、大蔵省でしていると時間が掛かるの」
「三井にまるごと委託するのも手ですな」
「その方針で正院提出の建議書を作成してくれ」
こうして、兌換証券を発行することになった。右院での話し合いの中で、この証券のことが話題になった。
「大蔵省は証券を発行する事になったのか」
江藤新平が発言をしてきた。
「あたらしい証券を発行することに決めたが」
馨が受けて答えた。
「そうやって価値の下がる物を発行して意味があるのか」
「必要だからやっている。それにこれは下がることはない。兌換証券つまり金と交換できるものだ」
「下がったらどうする」
「首をかけても良い」
「そうか、楽しみだ」
この話の後、馨はため息を付いていた。
そうは言っても、地方でこの証券を使って、2分金を買い占めようというのだから、下がるよなぁ。まずは相場を確認して、買い支えるか。
馨は太政官札、兌換証券、2分金を持って街に出た。いろいろな両替商をまわって、それぞれの交換比率を確認していった。違法な比率の店は江藤に報告して、取り締まりをさせた。
さて、下調べは上々。買い支えを実行するかと、馨は横浜に向かった。
ある茶屋に行くと、一人の男を呼び出した。
「おう、糸平よう参ったの。どうじゃまず一献」
「どうなすったのです、井上さん。なにか企みでもお持ちのようですな」
「企みじゃと。よう分かったの。その通りじゃ」
馨は笑いながら言った。
「私のようなものにどのような御用で」
「三井が発行しておる兌換証券を買い占めてほしいのじゃ」
「はぁ、そのようなことならば承りましょう」
「よいか、わしや大蔵省が裏にいることを知られるでないぞ。それで、いかほどできるかの」
「70万ほどならば」
「わかった。それで頼む」
糸平はよく名のしれた相場師だった。その相場師を利用して兌換証券を買い支えて、下がらないようにしようと考えたのだ。
数日後、馨はまた糸平の元を訪ねた。
「首尾はどうじゃ」
「70万でこれほど買い占めに成功しました。それでかかった費用のことですが」
「あぁ費用か。費用じゃの」
少しやることを焦っていた馨には、資金のことが頭になかった。費用と聞いて思わず眼が泳いでいた。その様子を見てとった糸平は驚きながら言った。
「井上さんまさか。あの、このかかりには信用借りも入っております。早くお支払いいただかないと差し押さえられてしまいます」
糸平は必死な表情で訴えた。
「大丈夫じゃ。大蔵省がついておるんだからな」
馨は苦笑いをしながら、早々にその場を離れて、大蔵省に戻った。
電信を使って造幣寮に大至急20円硬貨を作って東京に送れと命じた。一番効率良くできる貨幣だと考えたからだった。どうにか70万円分揃えて糸平に渡すことができた。
こうして作った金の他に、昨年執行した国庫金の余剰金などをあわせて、2000万円を金銀貨にして、準備金として保管することに決した。国家100年の財政の安泰のため約定するとしていた。これには現職の卿・輔すべてが署名押印して封印の上紅葉山の金蔵に収められた。
しかしその約定も安泰なものではなかった。この金を江藤が狙っていたのだ。
「司法省の定額を希望通りにできぬというのなら、紅葉山に眠っとる金を使うべきだろう」
「そのようなことはできぬ。あれは国家100年の安泰のために必要なものじゃ。そもそも我らは経済のありかたを我らは考えて」
「経済とは経世済民と申して世を治め民を救う意味である。おぬしらはただの算段にすぎんではないか」
「我らはポリティカルエコノミーの意を持つ言葉として経済を使っとる」
「蟹になど興味はなか」
「準備金には触れさせぬ」
「司法省は裁判所だけでなく、刑務所にも不足が生じておる。定額はそのまま受け入れられねばやって行けぬ」
「善人ですら金をかけられぬのが現状だ」
どちらも一歩もひこうとしなかった。
問題解決に至りそうもないと考えた司法省側は、司法卿江藤新平を始め大輔らが辞任願を提出する事態になった。
これには調整に回っている三条実美らは慌てて、司法省の意見を受け入れることにしてしまった。そうなると、大蔵省側も黙ってはいられず混乱に拍車をかけることになった。
「それで、司法省以外ですとどこが問題に」
「一番は工部省じゃ。なにしろ鉄道の金がかかりすぎる」
馨は率直に自分の考えを渋沢にぶつけようと考えた。
「市中に金を求めるんはどうじゃと思うちょる」
「カンパニーですか」
「そうじゃ、会社を立て、資本を民から求める。その資本をもとに鉄道を作り、開業後は利益を分配・投資するんじゃ」
「こうすることで、国庫からは支援金程度に収めることができると、言うのですな」
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「それを工部省側が理解できるでしょうか」
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「あぁ、教育は基本じゃ。誰もが学べねば、身を立てる機会すら無うなる。これからの時代学問はすべてのものに必要じゃ」
「学問は束縛から放たれるためのものですね」
「そうじゃな。しかし無い袖は振れぬ。辛いところじゃ」
あぁそうだったというように、声を潜めて渋沢は馨に言った。
「そう言えば山縣さんの噂お聞きになりましたか」
「何じゃ」
「陸軍省では出入りの業者に金を融通しておると。その中心に山縣有朋さんがおるという話です」
「なんと、それが事実なら公金流用は」
さすがの馨も、考えてもいない自体に素直に驚いていた。
「間違いなく問題になります」
「ただ司法省の連中がポリスなどを動かし、山縣さんの周辺を探っているとも。そうなると真の標的は井上さんではないですか。江藤さんもなかなかですが、周辺の取巻きはもっと厄介かもしれないです」
「はぁ、わしがか。茶屋で騒ぐくらいじゃが」
「その費用の出処でございましょう」
「なんとも世知辛いのう」
「御身お気をつけください」
そう言うと、渋沢は馨の部屋から出ていった。
江藤が気にしているのは、地方の行政部分か。治安対策はポリス·警察と軍とそれを指揮する県令。県令のもとにあれば、大蔵省の管轄となる。そこを取りたいのだろうと思い当たった。
それにしても遊ぶなと言われるとは。よけいに茶屋が恋しくなってしまった。
定額問題はかなりこじれていった。文部省に関して右院が調停し決めたのが、300万円の希望のところ200万円だった。大蔵省はこれに異議を唱えた。100万に抑えるべきだと主張した。それを受けて正院は130万で決着をつけようとした。
どんどん拗れていく事態に、三条太政大臣が調停をしようとしていた。
「文部省は100万超えならそこで納得すると言っておる。大蔵省もそこで手を打ってはくれまいか」
「大蔵省の意見は変わっておりませぬ。100万円以上は出せません」
「井上、そのように頑なでは何も進まぬよ」
「大蔵省は否でございます」
馨は言い切って席を立っていた。
また工部省との交渉は、大蔵省の財政の考え方に反するものとなっていた。
「いかに、鉄道敷設の資金が足りないからと言って内国公債を発行するなど言語道断です。このような債券の発行を許してしまうことは、債務の把握に支障をきたします」
「運賃をもって公債の担保とするのだから、国庫の負担とはならないだろうと存ずる」
「ならば、会社を建て、民間から資本を募る方が後の負担にはならぬ。我らはそう考えるがいかが」
「民間でと申されるのか」
「そういうことになる」
どちらも引かなかった。
定額問題の裏でもう一つ馨が主導している事が進んでいた。
「アメリカからの報告があった。2分金の外国での売却価格が100円のところ107円でいけるとの話じゃ。それで、これを密かに買い占めようと思っておる。その売却益を貨幣の準備金とするのじゃ。そのためには資金調達の方法じゃが」
「事前に大輔により、方法を考えるようご指示を頂いておりました。兌換証券を発行するのが理にかなっているかとおもいます」
「そうなってくると発行手続きは、大蔵省でしていると時間が掛かるの」
「三井にまるごと委託するのも手ですな」
「その方針で正院提出の建議書を作成してくれ」
こうして、兌換証券を発行することになった。右院での話し合いの中で、この証券のことが話題になった。
「大蔵省は証券を発行する事になったのか」
江藤新平が発言をしてきた。
「あたらしい証券を発行することに決めたが」
馨が受けて答えた。
「そうやって価値の下がる物を発行して意味があるのか」
「必要だからやっている。それにこれは下がることはない。兌換証券つまり金と交換できるものだ」
「下がったらどうする」
「首をかけても良い」
「そうか、楽しみだ」
この話の後、馨はため息を付いていた。
そうは言っても、地方でこの証券を使って、2分金を買い占めようというのだから、下がるよなぁ。まずは相場を確認して、買い支えるか。
馨は太政官札、兌換証券、2分金を持って街に出た。いろいろな両替商をまわって、それぞれの交換比率を確認していった。違法な比率の店は江藤に報告して、取り締まりをさせた。
さて、下調べは上々。買い支えを実行するかと、馨は横浜に向かった。
ある茶屋に行くと、一人の男を呼び出した。
「おう、糸平よう参ったの。どうじゃまず一献」
「どうなすったのです、井上さん。なにか企みでもお持ちのようですな」
「企みじゃと。よう分かったの。その通りじゃ」
馨は笑いながら言った。
「私のようなものにどのような御用で」
「三井が発行しておる兌換証券を買い占めてほしいのじゃ」
「はぁ、そのようなことならば承りましょう」
「よいか、わしや大蔵省が裏にいることを知られるでないぞ。それで、いかほどできるかの」
「70万ほどならば」
「わかった。それで頼む」
糸平はよく名のしれた相場師だった。その相場師を利用して兌換証券を買い支えて、下がらないようにしようと考えたのだ。
数日後、馨はまた糸平の元を訪ねた。
「首尾はどうじゃ」
「70万でこれほど買い占めに成功しました。それでかかった費用のことですが」
「あぁ費用か。費用じゃの」
少しやることを焦っていた馨には、資金のことが頭になかった。費用と聞いて思わず眼が泳いでいた。その様子を見てとった糸平は驚きながら言った。
「井上さんまさか。あの、このかかりには信用借りも入っております。早くお支払いいただかないと差し押さえられてしまいます」
糸平は必死な表情で訴えた。
「大丈夫じゃ。大蔵省がついておるんだからな」
馨は苦笑いをしながら、早々にその場を離れて、大蔵省に戻った。
電信を使って造幣寮に大至急20円硬貨を作って東京に送れと命じた。一番効率良くできる貨幣だと考えたからだった。どうにか70万円分揃えて糸平に渡すことができた。
こうして作った金の他に、昨年執行した国庫金の余剰金などをあわせて、2000万円を金銀貨にして、準備金として保管することに決した。国家100年の財政の安泰のため約定するとしていた。これには現職の卿・輔すべてが署名押印して封印の上紅葉山の金蔵に収められた。
しかしその約定も安泰なものではなかった。この金を江藤が狙っていたのだ。
「司法省の定額を希望通りにできぬというのなら、紅葉山に眠っとる金を使うべきだろう」
「そのようなことはできぬ。あれは国家100年の安泰のために必要なものじゃ。そもそも我らは経済のありかたを我らは考えて」
「経済とは経世済民と申して世を治め民を救う意味である。おぬしらはただの算段にすぎんではないか」
「我らはポリティカルエコノミーの意を持つ言葉として経済を使っとる」
「蟹になど興味はなか」
「準備金には触れさせぬ」
「司法省は裁判所だけでなく、刑務所にも不足が生じておる。定額はそのまま受け入れられねばやって行けぬ」
「善人ですら金をかけられぬのが現状だ」
どちらも一歩もひこうとしなかった。
問題解決に至りそうもないと考えた司法省側は、司法卿江藤新平を始め大輔らが辞任願を提出する事態になった。
これには調整に回っている三条実美らは慌てて、司法省の意見を受け入れることにしてしまった。そうなると、大蔵省側も黙ってはいられず混乱に拍車をかけることになった。
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