ウクライナ王国の物語

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レベリア伯爵家のお家騒動

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初代レベリア伯爵ルーカスは現在83歳だ。そのためずっと決まっていなかった伯爵家の跡目をそろそろ決めようという雰囲気が出てきた。その雰囲気が明らかになるにつれて元々あったお家騒動が加熱化した。


伯爵には公式には4人の男子がいる。そして明らかにはされていないが実は外に作った4人の愛人との間に婚外子が2人いる。婚外子の二人は継承権が存在しないため気にしなくていい。しかし問題は4人の子だ。長男は正妻が産んだ子であり孫もそろそろ成人しようとしているしかし長男ユリウスはとても馬鹿だ。そしてその子供も同じだ。長男はルトワール伯爵令嬢と結婚して今年15歳になる息子と13歳になる娘がいる。息子の婚約者はリアンガーム侯爵令嬢だ。


次男ハルトは愛人の子だが聡明でかつオデッサ大公家の娘を妻に迎えている。更に秘密だが実際はミハイル王太子の子供だ。そのためオデッサ大公家を後ろ盾に持っている。よって愛人の子でありながら当主になる可能性が高い。ハルトは妻との間に6歳の長男と4歳の次男がいる。


3男リクトも愛人が産んだ子で実父はミハイル王太子だ。そしてリカウク公爵令嬢と結婚して次期公爵になったため伯爵家の継承権を放棄している。


4男リヒトも愛人が産んだ子で実父はミハイル王太子だ。そしてリアスタヤ大公令嬢と結婚してリアスタヤ大公家に入ってさらに次期リアスタヤ大公でかつ次期アスタヤ総督だ。彼も伯爵家の継承権放棄を行っている。


よって残っているユリウスとハルトの後継者争いとなった。


そして伯爵家の家臣たちも2つの派閥に別れた。またリクト次期リカウク公爵とリヒト次期リアスタヤ大公はハルト側についた。そしてリアンガーム侯爵家とルトワール伯爵家はユリウス側についた。そしてミハイル王太子は静観していたが彼の内心ではハルトに伯爵家を継いでほしかったのでムィコラーイウ公子に命じて伯爵に圧力をかけていた。何せハルトは自分の息子でユリウスは自分の遠縁でしか無い。皇太子は公人だと言えど自分の息子が可愛い気持ちは同じだ。


そんなか大事件がアスタヤ学園で起こった。
ユリウスの長男アルバートが婚約者のリアンガーム侯爵令嬢に婚約破棄を伝えた。
アルバートは
「リリカフォンリアンガーム侯爵令嬢我アルバートフォンレベリアはそなたに婚約破棄を命じる。我が祖父は公爵家の人間だ。よって私のほうがそなたより身分が上だ。更にそなたはサーシャをいじめた。アレクサンドラフォントゥルソワは母が平民で愛人だといえどとても聡明で愛らしい。私のような高貴な人間にはふさわしくない。また私はここにいる皆を証人としてアレクサンドラフォントゥルソワ準男爵令嬢との婚約をここに発表する。」


リアンガーム侯爵令嬢は何も言わずに去っていった。そしてこの出来事を父に報告した。リアンガーム侯爵は報告を聞いて激怒した。そしてアルバートがレベリア伯爵家の跡目になるべきでわないと考えて派閥を変えて
ハルトを伯爵家の後継になることを支援することに決めた。


その翌日リアンガーム侯爵夫妻とリアンガーム侯爵令嬢がレベリア伯爵とレベリア伯爵の長男であるユリウスの長男アルバートそしてアレクサンドラフォントゥルソワ準男爵令嬢そして準男爵が面会した。レベリア伯爵はあってすぐに土下座をして婚約破棄の事を謝った。しかしリアンガーム侯爵は許さなかった。そして二人は卒業パーティーという場所で発表したため婚約は解消してアルバートとアレクサンドラがはたらいていしゃりょうを払ってまた二人の結婚を認めることになった。そしてアルバートははくしゃくけのけいしょうけんを放棄することになった。


実はリアンガーム侯爵令嬢は転生者でここが乙女ゲーム花の騎士様の世界だと知っていた。そのためアレクサンドラをなるべく避けていた。また彼女はアレクサンドラと会ったときは常にアレクサンドラとアルバートが一緒だったため実際はいじめようはなかった。そしてリアンガーム侯爵令嬢はゲームでヒロインがアルバートルートを選んだ場合ヒロインの恋路を邪魔する悪役令嬢だった。そのためこの結末も予想できていた。そして父にそのことを言っていた。そのため侯爵もこうなったらこうしようと方針は決めていた。この後にリアンガーム侯爵令嬢はリクローム侯爵子息と結婚してリクローム侯爵夫人となって2人の子供に恵まれて幸せな生涯を送る。


しかしユリウスはまだ諦めなかった。今度は自分の娘にリトアルト伯爵家の次男を婚約者として自分の跡継ぎにしようとした。しかし最初はほぼ互角だった継承権争いははるとのあっとうてき優位に傾向が変わった。ハルトは優秀でかつ継承権を保持している息子がいたからだ。ただ一点だけ問題があった。それはハルトが帝位を狙っていることだ。しかしハルトは殆ど不可能だとわかっていたなぜなら今年ミハイル皇太子に正嫡の長男が生まれていたからだ。


ハルトは弟を殺してまで皇帝になりたいわけではなかった。最初は弟を憎んでいたがよく考えると父が悪かったということに気づいたからだ。もう今更文句を言っても意味が無いことは分かっていたし自分が伯爵子息として生きていられるのは父であるミハイル皇太子の計らいだと言うことも。ミハイル皇太子は認知しない代わりにある程度の待遇を自分の不義の子もしくは遊び相手に与えていた。更に弟は自分の存在自体を知らなくて弟の母も同じだそうだ。弟の母は他の国の王女でもある。どう立ち向かっても弟に勝つ事がほとんど不可能だった。そのため帝位への夢はほぼ諦めていた。その代わりに現在は伯爵位をほしいと思っていた。


ユリウスはアルバートが失脚した1週間後暗殺者を5人ハルトに送り込んできた。ハルトはミハイル王太子の子供として優れたスキルを持っていてかつとても優秀な護衛を50人ほど常に警護させていてまた妻と子供と一緒に寝ていたため家族全員ことなきことを得た。この事件により護衛が一人死んで3人が重症を追った。護衛を大切に思うハルトは激怒した。そのためこの事件により争いはエスカレートしていった。


ハルトは暗殺未遂事件を姉と弟たちに伝えた。そして4人は激怒した。ナターリア以外の人間はみんなレベリア伯爵家より格上なためレベリア伯爵にとっては彼らに圧力をかけられると困るのだ。更にオデッサ大公家にも伝えられてそれによってこの事件は皇帝や皇太子の耳にも入ってアスタヤ総督は彼らを注意するように命じられレベリア伯爵とユリウスは叱られた。しかしユリウスはまだ諦めなずに更に10回以上送り続けた。これはユリウスの形勢をさらに不利にさせた。貴族家当主を任命する権限があるのは皇帝ただ1人だ。ただ皇太子は何かあった時に摂政として代理を務められるので皇太子の意向も重要だ。彼らを怒らせることはユリウスにとって悪手だった。


それから一年経った。そして伯爵は危篤状態に陥った。その為早急に後継者を決めないといけなくなった。


そのため皇太子の最良によって決められることになった。そして皇太子はアスタヤ帝国をまだ幼い息子をつれて訪れた。そしてハルトとユリウスを帝都アスタヤに呼出してアスタヤ帝城の謁見の間にて裁定がくだされてハルトが跡継ぎになることが決まった。
皇太子は
「本来ならば正妻の子であるユリウスが継ぐべきだがユリウスは素行に問題がある。弟に暗殺者を送るなんて言語道断。それに対してハルトは第二夫人の子といえど素行には問題がなく彼の子供はまだ可能性がある。しかしユリウスは子供の教育に失敗した。よってレベリア伯爵にはふさわしくない。よって次期レベリア伯爵は僕の権限でハルトを指名する。」
といった。皮肉にもこれが1年ぶりの親子そして初めて兄弟が会った場であった。それまでハルトは弟のティムール皇子に会った事はなかった。


これによって跡継ぎ争いは終結してハルトが2代レベリア伯爵となった。その後ユリウスは領地に送られて分家を立てたが豪遊が過ぎて多額の借金をして破産した。そのため没落してその子孫は平民として暮らした。但し子孫の一部はリトアルト伯爵に成った。










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