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三色おにぎり
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一つ目のおにぎりは今日活躍した、たけのこご飯を使おうと思う。
本当は私の夜ご飯だったんだけど仕方ない。
たけのこがいっぱい入るように少しだけ、たけのこをおひつからひろい集め三角に握って完成。
二つ目のおにぎりも今日活躍した、ふきの辛味噌を使う。
手のひらにご飯をのせ真中にふきの辛味噌をのっけて、三角に握って完成。
三つ目は少し味を変えていこうと思う。
二つとも味噌味だと飽きもくるので、さっぱりしたおにぎりを作りたい。
そういえば、下のツボの中に梅干しがあったのを思い出す。
よしさんには昨日好きに使っていいと言われているし、これを使おう。
ただの梅干しお握りだとつまらないので朝少し採れたみょうがとうわばみそうを使うことにした。
梅干しの種をとり、果肉だけにする。
次にみょうがを細切りにする、みょうがの匂いが鼻をくすぐるいい匂いだ。
みょうがの誘惑に負け、一つだけつまみ食い。
そのままみょうがに味噌をつけてかじると口と鼻の中にみょうがの風味が広がっていく。
もう一つ食べたいのを我慢し、次の作業に取りかかる。
うわばみそうはとても食べやすい味らしい、これをみょうが同様に細切りにする。
少し大きな器にさっき切った具材を入れて混ぜる。
このままでも美味しそうだけど、最後にご飯と少し塩をいれてしゃもじで混ぜていく。
ある程度混ざったら、手のひらに混ぜたご飯をのせて三角に握っていき、これで三色おにぎりりの完成。
すごく美味しそう、特に梅のおにぎり。
早くあの人に渡して、自分のも握ろう。
少し多めに作ったから梅おにぎりは作れるはず。
笹におにぎり三つをくるんで急いで井戸に向かう。
「お待たせしました。おにぎりです、どうぞ。」
その人は井戸に腰掛けていた体をおこした。
「あぁ、ありがと。」
私からおにぎりを受け取って、その人はクスクス笑う。
何がそんなに面白いのだろうとむっとしてその人を睨んだ。
「料理に夢中になるのはいいけど、ここ見えてるよ。」
その人が自分の胸をトントンとたたいていた。
私は自分の胸を見た、えりを緩めていた事を思い出す。
しまったと、急いでえりを正した。
胸全てが見えてはないだろうが、間違いなく胸の谷間ぐらいは見えたであろう。
顔が赤くなるのが自分でもよく分かった。
恥ずかしすぎる、そのことに気付かない自分も自分だ。
というかこの人最初からわかっていたなら言えばいいのに!
その人はそんな私を面白そうに見て、私の作ったおにぎりを持って去っていった。
おにぎりを食べて驚く姿をこの目でみたかったが仕方ないな。
早く居なくなってくれて良かったかも、ちょっと怖かったし。
井戸の周りを見渡すと死んだ狼の死体は既になくなっていた。
一体、誰が片付けたか気になるけど、きっとさっきの人が片付けたのかもしれないと思いそれ以上考えなかった。
さっきあんなことがあり怖かったが、体を拭くのが途中だったのでビクビクしながら体を拭いた。
その後はお待ちかねのおにぎりタイムだ。
梅おにぎりを二つ作ることができた。
一つはよしさんにあげて、美味しさを分け合うつもりだ。
あの人に作ったのと同じ三色おにぎりをよしさんに渡す。
私のたけのこおにぎりはあげてしまい、二つになってしまったがまぁいいとしよう。
よしさんには不審がられたが、今日はお腹があまり空いていないからと誤魔化した。
最初は、ふき辛味噌おにぎりからたべる。
ふきにしっかり辛味噌味が染みている、ピリッと辛いのがまた食欲をかきたてられる。
本当にご飯との相性が抜群だ。
ぺろりと平らげてしまった。
最後にお待ちかねの梅ごはんだ。
梅とみょうがの相性はいかほどに…。
一口かぶりつく。
これは、うますぎでは…。
みょうが好きの私には幸せすぎる味だ。
梅のすっぱさとみょうがのあの独特な味がマッチしている。
これは梅好きとみょうが好きが好きなおにぎりだ。
うわばみそうは味に癖がないので梅とみょうがの邪魔をしていない。
全体的にさっぱりしていて夏にはもってこいの一品。
またしてもぺろりと食べ終わってしまった。
ちょうどよしさんも梅おにぎりを食べていた。
よく味わいながら食べている感じだ。
よしさんの感想が気になりそわそわする。
「二つ目おにぎりでお腹いっぱいだったんだけど、このおにぎりさっぱりしてるから全部食べちゃったわ。」
よしさんはいいわね、このおにぎりと言って気に入ってくれたみたいだ。
あの人も今頃このおにぎりを食べているだろうか。
夕方会った美少年を思い出す。
驚いた顔を見て見たかったと思う反面、もう会いたくはないかもとも思うのだった。
この時作った梅おにぎりのせいで私は名も知らない彼に振り回されることになる。
本当は私の夜ご飯だったんだけど仕方ない。
たけのこがいっぱい入るように少しだけ、たけのこをおひつからひろい集め三角に握って完成。
二つ目のおにぎりも今日活躍した、ふきの辛味噌を使う。
手のひらにご飯をのせ真中にふきの辛味噌をのっけて、三角に握って完成。
三つ目は少し味を変えていこうと思う。
二つとも味噌味だと飽きもくるので、さっぱりしたおにぎりを作りたい。
そういえば、下のツボの中に梅干しがあったのを思い出す。
よしさんには昨日好きに使っていいと言われているし、これを使おう。
ただの梅干しお握りだとつまらないので朝少し採れたみょうがとうわばみそうを使うことにした。
梅干しの種をとり、果肉だけにする。
次にみょうがを細切りにする、みょうがの匂いが鼻をくすぐるいい匂いだ。
みょうがの誘惑に負け、一つだけつまみ食い。
そのままみょうがに味噌をつけてかじると口と鼻の中にみょうがの風味が広がっていく。
もう一つ食べたいのを我慢し、次の作業に取りかかる。
うわばみそうはとても食べやすい味らしい、これをみょうが同様に細切りにする。
少し大きな器にさっき切った具材を入れて混ぜる。
このままでも美味しそうだけど、最後にご飯と少し塩をいれてしゃもじで混ぜていく。
ある程度混ざったら、手のひらに混ぜたご飯をのせて三角に握っていき、これで三色おにぎりりの完成。
すごく美味しそう、特に梅のおにぎり。
早くあの人に渡して、自分のも握ろう。
少し多めに作ったから梅おにぎりは作れるはず。
笹におにぎり三つをくるんで急いで井戸に向かう。
「お待たせしました。おにぎりです、どうぞ。」
その人は井戸に腰掛けていた体をおこした。
「あぁ、ありがと。」
私からおにぎりを受け取って、その人はクスクス笑う。
何がそんなに面白いのだろうとむっとしてその人を睨んだ。
「料理に夢中になるのはいいけど、ここ見えてるよ。」
その人が自分の胸をトントンとたたいていた。
私は自分の胸を見た、えりを緩めていた事を思い出す。
しまったと、急いでえりを正した。
胸全てが見えてはないだろうが、間違いなく胸の谷間ぐらいは見えたであろう。
顔が赤くなるのが自分でもよく分かった。
恥ずかしすぎる、そのことに気付かない自分も自分だ。
というかこの人最初からわかっていたなら言えばいいのに!
その人はそんな私を面白そうに見て、私の作ったおにぎりを持って去っていった。
おにぎりを食べて驚く姿をこの目でみたかったが仕方ないな。
早く居なくなってくれて良かったかも、ちょっと怖かったし。
井戸の周りを見渡すと死んだ狼の死体は既になくなっていた。
一体、誰が片付けたか気になるけど、きっとさっきの人が片付けたのかもしれないと思いそれ以上考えなかった。
さっきあんなことがあり怖かったが、体を拭くのが途中だったのでビクビクしながら体を拭いた。
その後はお待ちかねのおにぎりタイムだ。
梅おにぎりを二つ作ることができた。
一つはよしさんにあげて、美味しさを分け合うつもりだ。
あの人に作ったのと同じ三色おにぎりをよしさんに渡す。
私のたけのこおにぎりはあげてしまい、二つになってしまったがまぁいいとしよう。
よしさんには不審がられたが、今日はお腹があまり空いていないからと誤魔化した。
最初は、ふき辛味噌おにぎりからたべる。
ふきにしっかり辛味噌味が染みている、ピリッと辛いのがまた食欲をかきたてられる。
本当にご飯との相性が抜群だ。
ぺろりと平らげてしまった。
最後にお待ちかねの梅ごはんだ。
梅とみょうがの相性はいかほどに…。
一口かぶりつく。
これは、うますぎでは…。
みょうが好きの私には幸せすぎる味だ。
梅のすっぱさとみょうがのあの独特な味がマッチしている。
これは梅好きとみょうが好きが好きなおにぎりだ。
うわばみそうは味に癖がないので梅とみょうがの邪魔をしていない。
全体的にさっぱりしていて夏にはもってこいの一品。
またしてもぺろりと食べ終わってしまった。
ちょうどよしさんも梅おにぎりを食べていた。
よく味わいながら食べている感じだ。
よしさんの感想が気になりそわそわする。
「二つ目おにぎりでお腹いっぱいだったんだけど、このおにぎりさっぱりしてるから全部食べちゃったわ。」
よしさんはいいわね、このおにぎりと言って気に入ってくれたみたいだ。
あの人も今頃このおにぎりを食べているだろうか。
夕方会った美少年を思い出す。
驚いた顔を見て見たかったと思う反面、もう会いたくはないかもとも思うのだった。
この時作った梅おにぎりのせいで私は名も知らない彼に振り回されることになる。
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