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第3章

45.5人で嬲って全部出す

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また、僕は油断していたのだろう。

ミカに尾行されたことも、マナ着いてきてしまったことも、ケニーに読心術がバレている事も。アサシンウルフとの戦闘も・・・地頭の悪さか、想定し対策をしても、現実はすべてその上を行く。
必死であることが嫌になる。努力することを諦めそうになる。

だが、そういうのは全部後だ。こいつの強さは、かつての森の王より確実に上。幸せ草は無い。マナを守り、こいつを倒す。出来ればケニー団長は推挙の為に生き残らせる。残り2人はどっちでもいい。

「ダー」『いい感じね。そういう発想大好き♡協力するわよ♡』

『5対1か。君が指揮をしてくれっ』団長はがんがん心の中で喋ってくる。クソッ。

「ミカ、レン君の指示に従え!サンド君!いつまで傷ついている!命がけでマナちゃんを守れ!」

ケニーが前線へと走り出す。仕方がない。

「サンド!後ろに下がれ!石全部消費してもマナを守れ!好きなんだろゴミロリコン!ミカビッチは隠密使いながら隙をついて叩け!背くと殺す!」

「えっぼっくは別に好きとか・・・」「こっころすとか言っちゃ、だめっs」

「いけぇ!!!」

「はいぃ!」「はいぃ!」

『なるほど。上から強く言えばいいのか。見習おう。出来そうにないけど』団長の心の声がウザくなってきた。

「ケニーは自由!あくまでマナの無事が最優先で行動を!」

「私もたたか」「まっマナちゃん、今は落ち着こうね。土魔法 土壁矢倉!」

土の壁が2人を覆う。これでマナは当面大丈夫か・・・。あとは力で押し切る・・・か。

『土の精霊よ風の精霊よ。力を与え賜え。私は着飾りたい。愛するあの人の為に。あの服を着たい。その服で自分を着飾り、彼を魅了しよう。夫婦円満魔法 ドレス!』

土の精霊が補助する形で、風の精霊ガルフが僕の体を纏う。

嘘だろ??レン君・・・それって・・・

「あー私のー!」

「隠密を解くなビッチ。使わせてもらうぞ。疑似風の鎧!」

夫婦円満魔法ドレスは本来精霊の力を借りて、普段変えないおしゃれな服で自分を着飾る魔法。土や草木を張り付けて疑似的な衣服を作る。ベッドシーンで一時的にセクシードレスを身に纏う為に作られた技だ。

風の力を体に張り付ければどうなるだろうと実践してみたが、意外な程上手くいった。風刃を体の周りに着飾りコントロール。操作しきれない風で傷づく体は土でガードしていく。ミカの風の鎧も衣服として認識された結果だろう。

「ケニー、一時的でいい動きを制限、ミカ隠密で追い打ちだ。」

何をしたいのか2人ともわかったようだ。

「騎士道 剣技百花繚乱!!!」

剣が舞う。アサシンウルフは短刀で剣を叩き落し続ける。

「騎士道 剣技 大王剣気!!!」

剣が気と魔力で大きくなる。ケニーは全霊でウルフに叩きつける。ウルフは初めて回避を選択。

「左で当たってた。運が良い」

僕は足にためた風の力で相手との距離を詰め、

「風破!!!」

魔力のほぼ全てをアサシンウルフに叩き込んだ。

「ガバァあぁぁぁああぁぁ!!!」

風破の威力はすさまじい。ウオッシュの時の要領で土の鎧部分も巻き込んでの攻撃にしたからだろう。魔法攻撃であり物理攻撃に属するこの攻撃は、アサシンウルフの体の半分を消失させた。

それでもまだ生きてる。アサシンウルフすげぇ。でも・・・

「風破!!!」

ミカの後方からの隠密風破が決まり、アサシンウルフは消し飛んだ。

僕は尻もちをつく。これは疲れる。風の鎧は、というか練度の低い、ましてや人の技を真似するなんてMPが異常消費される。魔法制御もかなりぶれた。思い付きで行動するもんじゃない。勉強になった。

「すごいね。レンくん。簡単に倒しちゃったよー」

「簡単じゃないよマナ。さっさと押し切らないと死人が出てたんだ。ごり押しで勝てたのは運が良かったんだ」

「ははっ全くその通り。いやぁHPほとんど持っていかれたよ。」

駆け寄るケニーもフラついている。ミカは、あっ倒れてる。マナとサンドは、ファイアーバードに連れていかれている。

・・・・・

ファイアーバードニツレテイカレテイル???

土魔法で作られた矢倉をファイアーバードが持ち上げ、そして飛んで行っている。

「なっやっ魔法っ・・・MPが、もう」

ここで小さい魔法を使っても魔力欠乏症になりそう。予想以上にMPがギリだ。

「剣技 刃飛ばし!!!!」

ケニーの刃が飛んでいくが、

「ぺぐろぉぉぉ!」

守るように入ってきた別のファイアーバードに押さえつけられた。

「れっレン君・・・」

ケニーが僕を不安そうな目で見ている。満身創痍2名と、フラフラな騎士1名が立ち尽くす。

僕たちはこのまま山頂を目指す事になる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

眠いです。プロ野球開幕して、それ見てから仕事片づけるのたるいです。

さあ3章も大きく動いてきました。本当にうれしいです。

次は5人の中の誰を亡きものにしようかとずっと考えながら書いてた記憶があります。

猟奇的な感情で書くとプロット無視して主人公たちが危険に導かれる不思議。

お気に入り登録待ってます。感想もお待ちしてますね。   

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