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第1章

【閑話】 アルカな夜 

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体が火照っている。


アルカは寝巻に着替え、髪をクシで梳いている。クリーム色の髪はいつの間にか、肩口まで伸びている。そういえばあの人が出兵してから、切っていない。窓に反射する自分の顔は、なるほど少し疲れて見える。


レンが何者か、たぶん家に侵入したスライムに襲われた日から2日経った。寝ずに看病し続けた甲斐もあり、レンの体調は落ち着き、明日にも目覚めると村長に言われている。

「だからこそアルカ、お前は家に帰り休むのじゃ。今日はこちらで面倒を見る」

「で、でも!」

「幸い同い年の孫もおるし世話は娘がやる。ずっと寝ていない状態のお前に、回復もして間もないお前の息子を任せる方が不安じゃ」

命の恩人にこう言われてうまく返せるほど頭の良くない私は、スゴスゴと家に帰り眠りに着こうとした。


でも眠れない。


久々の1人きりの家はどこか落ち着きがなく、レンの寝顔が見れない状態では、夫と離れ離れでいる事を思い出してしまう。

「あの人の腕に抱かれたい」

口走った言葉に顔が真っ赤になり辺りを見渡す。良かった一人だった。

あの人との思いでばかりが頭を駆け巡る。

考えれば色んな人から求婚された。大きな目が素敵だとか。華奢な体つきが魅力だとか。少しロリって感じ、合格です!と言った男が街から追放された事もまだ記憶に新しい。

でも好きになったのは、夫だけだった。夫に一目ぼれし、追いかけまわし、純潔を捧げ、もうそこからは意識のある限り繋がっていた。

想像に顔が真っ赤になり辺りを見渡す。良かった一人だった。

1人か・・・

久々に・・・・・・

夫の事を想いながら体に指を這わせる。久々すぎるのか上手くいかない。

「彼はもっとこう、不器用で力強かった」

服を脱ぎ、生まれたままの姿になる。柔肌が月夜に光る。付けているのは夫からもらったペンダント付きのネックレスのみ。

「うーん。すこし太った。いや胸が増えたしセーフ?でも徐々に戻るって言うし、まあ彼が帰ってくるまでには何とか。」

お腹と胸を交互に擦る。他の事にばかり気を取られる。

体中に指を這わせる。夫の指使いを真似しながら…少し気分がノッテきた。

指をOOしてOOの中で上下させる。しかしピンと来ない

「だめだ。細すぎる」

夫に慣れてしまった私では、1年以上ご無沙汰でも自分の指ではこう、ピンとこないのだ。

キッチンに向かい買い物かごを物色する。

「何か、うーん」

一番太いダイコンモドキを手に取る。そして呟く。

「ダメだ。いくら何でも小さすぎる」

アルカは服を着なおして、残念そうにシーツにくるまった。夫と、夫のアレに想いを馳せながら、彼女は目を閉じ眠りに着いた。

夫のソレが規格外である事を、夫以外のモノを知らないアルカは、これからもずっとずっと、知らない。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
プロフィール設定にも書いたのですが、古いパソコンから投稿すると一部文字化けするようで、今回から別のパソコンから投稿するようにしました。今一部書き直しをしながら再投稿してます。一度見た人はごめんなさい。新作第2章は予定通り夜の21時に投稿します。

お気に入り登録していただけると有難いです。是非とも。是非とも。
感想を頂けるとさらに有難いです。シチュエーション希望もあれば特別篇で書いたりします。
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