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揺り起こされて
しおりを挟むヨルの影の中で気持ち良く寝ていると急に起こされた。
ヨルの感情は珍しく荒れていた。いつも凪いだ海のように穏やかで静かで凛としているのに。
覗いてみるとヨルがリュカの顔を見て珍しく動揺していて、その波紋で影の中も揺れていてそれで起こされたらしい。
初めはリュカの顔を影の中から見ていて僕も凄く驚いた。
二人がキスをし始めて悠太との思い出が蘇った。
でも不思議と傷付いたりはしなかった。
同じ声、同じ顔や姿をしているけれど彼は『悠太』じゃない。
僕は悠太のことはもう自分の中で『大切な思い出』として区切りをつけていたから。
それに僕にはもう別の大切な人がいる。
そして、悠太にも………。
ヨルが戸惑いながらも気持ち良くなっているのがわかった。
罪悪感を感じたのか僕に必死に謝っていたけど、そうなってしまうのはきっとヨルが本当はリュカを求めているからなんじゃないか、と思って僕はお手伝いをすることにした。
こんな風に影を重ねながら身体を入れ替えるのは初めてだったけど、うまく出来た。……と思う。正直自分でもどうやったのか覚えてない。ただ、ヨルに声を届けたくて、ヨルに一番気持ち良くなって欲しくて無我夢中だった。
首輪はヨルの方に残ってしまったけど。
初めての体験と罪悪感に動揺して怯えているヨルにずっと寄り添って優しく抱き締めた。
ヨルから温かい感情が伝わって、やって良かったと思った。
僕はヨルがリュカと身体を重ねたことが、ヨルがリュカに惹かれていることが自分でも不思議なくらい凄く凄く嬉しかった。
リュカが帰った後、僕とヨルは再び入れ替わった。大切な首輪もちゃんと僕の身体へ戻ってきた。
ヨルはそれから無言のままだ。
…疲れちゃったのかな?
結界を戻してご主人様の元へ帰り、石を隠してベッドに潜り込んだ。
さっきまでの出来事を思い出す。
凄かったなぁ…、2人共あんな気持ち良さそうに…。
ぎこちなくて、初々しくて付き合いたてのカップルみたいな…。
ヨルを抱き締めつつ、ヨルの感覚が僕にも少しずつ伝わってきて…まるで3人でセックスしているみたいだった…。
思い出すと身体がじんわりと熱を持って疼いてきたのがわかる。
やっぱり僕は変態で淫乱だ…。
2人の情事に煽られてお腹の奥がムズムズして、寝ているご主人様にぎゅうっと強く抱きつくとご主人様の硬いモノが脚に当たった。
僕も…、欲しい……。
布団に潜ってご主人様の寝衣のズボンを下着ごと下にずらすと逞しく反り返ったおちんちんが現れた。
久しぶりの…ご主人様のおちんちん…。
竿の部分をそっと握って唇を押し当ててキスをするとおちんちんが照れたようにピクッと反応して、その可愛さに僕の胸がきゅん、と切なく鳴いた。
そのまま竿を手でゆっくり擦りながら亀頭を口の中に含んで雁首や先の穴を舌を這わせてちゅうちゅう吸い上げる。
「……んっ」
じゅるっ、じゅるっ、じゅぷっ
自分の口が出す卑猥な音に興奮した。
ご主人様のおちんちんは最初よりどんどん硬くなってきて、それと同時に僕も身体の奥が火を宿したように熱くなって下半身が疼いてくる。
僕は自分の指を咥えてたっぷりと唾液で濡らし、すでに愛液が溢れてきている膣口やアナルをぐちゅぐちゅと弄りながら夢中でご主人様のおちんちんにしゃぶりついた。
「…んっ、んんっ、んんぅ…♡」
ヨルとリュカのセックスを思い出しながら指をアナルに挿し入れる。
……ああ、僕、凄く変態だ…。
このおちんちんが欲しくて堪らない。
指なんかじゃ足りない…!
もっと…、もっと奥に欲しい。
ヨルみたいにいっぱい気持ち良くなりたいよぅ……っ!!
2人のセックスに興奮して、こんな卑猥でいやらしい事をしてしまっている自分。そう思うと更に興奮が加速した。
「……っ、んん…っ、ん…??」
ご主人様がもぞもぞと動き出して、目を覚ました。
「…っ、ルーシェ…っ!!??」
「んっ♡、お…はよっ、あんっ♡」
「何を……っ!?……んっ!!?」
言い切る前に僕が唇でご主人様の口を塞いだ。ゆっくりと絡み合う舌が僕の奥に燻る熱にさらに火をつけて燃え上がる。
「……んっ、う…、はぁ…あ、ん」
「…ルーシェ?…どうした?急に」
くちゅくちゅと舌を絡ませながらご主人様が僕の身体を弄ってくる。その手の感触が甘い快感に代わって、僕はピクピクと反応してしまう。
「あ…っ♡んぅっ、や…っ、お願い…♡」
ご主人様の硬く反り返ったおちんちんにそっと手を添えて"おねだり"をする。
「……ね、…もう、欲しい…っ」
「ふふ、いやらしくて可愛い。しょうがないやつだ…。」
どうした、と聞きつつもご主人様はこんないやらしい僕を受け入れてくれる。
ご主人様と大勢を入れ替えて正常位の形になり、前戯もそこそこに深いキスをしながら我慢できない僕の濡れそぼった膣奥に一気に肉棒を突き入れられた。
「あ゛あ…っ!!」
ぱん、ぱん、ぱん、ぱん、ぱん
ゆっくり、そして激しく、強弱を付けながらおちんちんが僕の子宮を攻めて肉体のぶつかる音が響き渡る。
「はぁ、はぁ、キツいな…っ、久しぶりすぎて……っ!そんなに締められたらもたない…っっ」
「あ゛ぅぅ……っ、きてっ、はぁ、奥に出して…っ、いっぱいちょうだい…ぃっ」
久しぶりの挿入できつく締まった僕の膣壁はぎゅうぎゅうとご主人様のおちんちんを締め付ける。
脳裏に焼き付いたヨルの初体験を思い出して胸が熱くなった。
その思いとご主人様の沢山の熱い精液を飲み込みながら僕もペニスから潮を吹いてイッてしまった。
陸に打ち上げられた魚のように身体がビクビクと跳ねる僕の髪を優しく撫でてくれた。唾液を交換しながら深いキスをする。
このねっとりとした後戯の甘い時間も堪らなく好き…。
「今更だが…大丈夫だったのか?」
あがった息を整えながら、ご主人様が僕の横で仰向けになって不安そうに聞いてくる。
「大丈夫。…ねぇ、2人目つくろ?」
僕が言うとご主人様が驚いた顔をして勢いよく振り向く。その顔に向かって僕はペロッと舌を出して笑った。
「…エッチな子にはお仕置きだっ!」
ご主人様が笑って僕をくすぐった。
「きゃははっ!やぁ!!だ、だめ!!」
僕がくすぐったくて笑いながら身を捩ると、ご主人様とお互いの額がぶつかった。
「イテッ!」「痛っ!」
全く同時に言って、ご主人様と視線がぶつかる。笑いながらも、どちらからともなくゆっくりと吸い込まれるように唇を重ねた。
僕をくすぐっていた手が乳首を捉えて、手のひら全体でクニクニと弄んだ。
ピリピリとした甘い刺激に酔わされる。
「はぁ……♡…んっ、あ……っん♡」
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