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魔法と精霊
しおりを挟む「さぁ、食べよう」
ご主人様に促されてサンドイッチを手にした。美味しい。モグモグしている僕を目を細めながらご主人様が優しく話しかけてきた。
「お前、名前は?」
「…………な、まえ……?」
何も思い出せない。
頭の中が靄のようなものに包まれて真っ白だ。
「お前はどこから来たんだ?もう薬も完全に抜けてきただろう。」
「………。」
僕の記憶には何もない。
何も思い出せない。さっき見た夢が『記憶』なのかいまいち確信が持てず、呼ばれていたはずの僕の名前も何故か思い出せない。あまりにも内容が曖昧過ぎて、僕は黙っている事にした。
「何も…思い出せないんです」
ご主人様は僕を見つめながら少し考えて「そうか。」と、一言だけ返した。
「では、私が名付けよう。……そうだな。お前の名前は『ルーシェ』だ。」
『ルーシェ』
それが僕の名前…。新しい名前。
なんだか少し嬉しいような。
気恥ずかしくてむず痒い。
そして、何も思い出せない僕にご主人様は色々な事を教えてくれた。
この世界には『魔法』があること。
さっき僕の髪を一瞬にして乾かしてしまったのも魔法だという。生まれた時から皆魔力を持っていて、その魔力の量によって使える魔法やその種類も多岐にわたるらしい。魔力量は個人差があるという。
さっきは⦅結界⦆という魔法を使い、お風呂に誰も入って来れないようにする魔法だという。それの応用で外と中を見えなく出来るんだって。
そして『精霊』のこと。
「神がこの世界が作られた際に生まれた最初の生命と言い伝えられている。
『無』から光の精霊が生まれ、同時に闇の精霊が生まれた。
その2つの精霊を軸として火・水・風・地の四大精霊が生まれ……、まぁ、その、だいたい末端くらいに私達生命が存在している。
精霊に呼びかける"声"が魔力で、 その声の影響力が魔法の強さに繋がるんだ。
精霊が居なくては私達は魔法も使えず、生きていくことは出来ない」
末端……。途中、絶対説明省いたな。
僕は心の中で呟いた。
その繋がりで『長い夜』と『世界の夜明け』についてもご主人様はざっくりと話した。
「お前の歳くらいなら絶対に経験しているはずだが。それも思い出せないか?」
「………何も。」
僕はうーん、と考えてはみたがやはり何も思い出せなかった。
他にも、ご主人様はカリス王国と呼ばれる、世界でも大きな大陸のうちの半分を占める国の伯爵位を戴いており、エイデンという領地を治める領主だということ。
僕はエイデン領の外れにある町の奴隷商人に拾われ、高値でご主人様に買われたこと。
僕の黒髪、黒眼はとても珍しく、かなり顔の広いご主人様や奴隷商人が知る限りでは全く居なかったこと。
「もしかしたら突然変異かもしれんが、とても美しい。奴隷としては破格だったが、安いくらいだったかもしれんな。」とご主人様は笑った。
奴隷制度も当たり前にあって、基本的には奴隷は家の家事や雑用係などとして売買されているが、奴隷の中には僕のように性処理用として売買される者もいる。
男女問わず美しければ美しい程、高値で取引され国王への献上品として扱われたりなどもするそうだ。
でも跡継ぎ問題などに支障が出る場合もあるため身分が高ければ高い者ほど妊娠しない男を買うんだって。
「大丈夫。お前は絶対誰にも渡さない」
ご主人様はニッコリ笑って、ちょうど食事を終えた僕を膝の上に乗せた。
「こんなにも愛らしいお前を絶対に渡すものか。」
ご主人様が後ろから僕の耳にキスをする。顎を掴んで後ろを向かせると、ご主人様の唇が僕の唇と重なった。
ゆっくりと舌が僕の口に挿し込まれ、僕は自分の胸が高鳴っていくのを感じながら口を少し開いてその舌を受け入れた。
お互いの舌が絡まり合い、くちゅくちゅと音を鳴らす。
ご主人様の手が僕のバスローブの胸元に挿し込まれ、掌で乳首をゆっくり撫でられる。
「あ……っ」
ゾクゾクした甘い刺激が気持ちよくて、キスをしながら声が漏れてしまう。
身体の力が抜けていく。
僕の行き場のない手は、ご主人様の乳首を捏ねたりつまんだりと弄ぶ手の方のバスローブの袖をぎゅっと掴んでいた。
キスとその手に蕩けていると、ご主人様のもう片方の手が僕のはだけたバスローブの隙間に挿し込まれ、内腿を撫でてきた。撫でながらゆっくりと上に上がってきて、僕のペニスにそっと触れた。
「…あっ♡」
声が漏れて、唇が離れる。
「ルーシェのここはもう気持ち良くなっているようだ。」
「や…っ、恥ずかしい…。」
いつの間にか芯をもったそれをご主人様は手で包み、上下にゆっくり擦り始めた。
「あんっ♡…あぁ、だ、だめっ♡」
「んー?もう先っぽからエッチな汁が溢れてヌルヌルになってるぞ。」
耳元で囁きながら、ペニスの皮が剥かれ露わになった先の穴を親指で擦ってきた。グチュグチュといやらしい音がする。身体が痙攣して、無意識のうちに腰が揺れてしまう。お尻の下にご主人様の熱くて硬いモノを感じて更に胸の高鳴りが増していく。
「あっ♡はぁ、だ…めっ♡さっき綺麗にしたばかりなのに……っ!……んんっ♡」
「また綺麗にすればいい」
そのまま、ご主人様に愛撫され続けて昇りつめた快感が弾けとぶ。ペニスから吐き出した熱い液をご主人様はその大きな掌で受け止めた。
「はぁ、はぁ、…ご、ごめんなさい…」
ご主人様はぐったりと脱力した僕をベッドに寝かせて「いいんだよ」と優しく微笑んでキスをした。
ご主人様は食事用に用意してあったであろうおしぼりで、汚れた自分の手と僕の股間を丁寧に拭いて綺麗にしてくれた。
拭きながら僕のアナルを指で優しく解すように刺激される。
ご主人様はバスローブのポケットから小瓶を取り出して、ピンク色の中身を手のひらに出した。ピンポン玉サイズのそれは手の上でぷるぷると揺れた。
「これはスライムと言って、お腹の中のものを綺麗にしてくれるんだよ」
「え?」
聞き返す間もなく、ご主人様は躊躇いなくスライムを僕のアナルに捩じ込んだ。
「あっ!まっ……!って!!やっ!!」
ほ抵抗したものの、硬さを持たないそれは、形を自在に変えて僕のアナルに吸い込まれるようにすんなり入ってしまった。ヌルヌルしたものがお腹の中で蠢いてるのを感じる。
そして素早くアナルプラグというもので蓋をされてしまった。
「ああん!!やだ!!とって!!」
「私が帰ってくるまで出してはいけないよ。」
引き留めようと手を伸ばしたが、ご主人様がスッと立ち上がって僕の手は虚しく空をかいて、絶望と孤独感に襲われた。
ご主人様は食器類の乗ったトレーを持って呆気なく鉄の扉の向こうに消えた。ガチャガチャと音が聞こえる。扉の鍵をかけられているんだろう。
なすすべもなく置き去りにされた僕はそっとお腹の下の方に手を当ててみた。僅かにスライムがナカでウネウネと蠢いているのがわかる。
はぁ、気持ち悪い…。
僕は横になったままベッドの布団を引っ張り、身体に被せてそっと目を閉じた。
いつしか異物感が快感に変わっていく。
でもイける程の快感ではない。
ジワジワとゆっくりとろ火で炙り続けられるような感覚。
時々凄く敏感な所をちゅうちゅう吸われてその度に身体がピクピクと反応し、沸騰しきれない甘い快楽に嬲られ続け、その微熱に身を委ねるしかなかった。
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