22 / 31
タイムスリップ
不思議な洞窟
しおりを挟む
オタマイは毎日のようにレラの元を訪れ、腹の大きさや形を見て触診していた。彼女は村では唯一の助産婦として何人もの子どもを取りあげている。
その日、いつものようにレラの状況を見ていたオタマイが、少し顔を傾けた。
「オタマイ? どうしたの?」
レラの問いに笑顔を向けると「うん、大丈夫だ」とひと言告げて家を出ると、ジュンジに耳打ちした。
「レラのことじゃが、少し胸の音が気になるのぅ。何か普段の生活で気になることはないか?」
ジュンジは、胸の音と聞いて身を硬くした。
「いや……特に気になることはないが――」
「そうか、それなら良い」
オタマイは「取り越し苦労かのぅ……。じゃあ明日」と言って手を上げた。
「ありがとう……いつもすまんね」
ジュンジは、レラがそれほど丈夫な体じゃないことが気になった。大きな病気はしていないが、少し動いただけで息が上がったり胸を抑えていたりしたことは何度かあった。
「オタマイ、レラはお産に耐えられるのか?」
ジュンジが帰って行くオタマイの背中に声をかけた。
オタマイは、振り返って「そりゃわからん。神のみぞ知ることじゃ」と笑った。
ジュンジは家の中に入ると、木の切り株で作った作業台の前に座って、チパパが死ぬ間際にポケットの中で割れた小さな木片を取り出した。
──イルシカ……レラを守ってくれ。
ジュンジは、半分に割れた木片に細工して麻糸を器用に取りつけた。
レラはジュンジの脇で樹皮を織り込む作業をしている。
「レラ、何を作ってるんだ?」
「うん。赤ちゃん用のかごを作ってる」
レラは半分出来上がったかごを手で押さえて強度を確認している。
「そうか……。レラ、これを持っていなさい」
ジュンジは麻糸がついた小さな木片をレラに渡した。
「これは……あのときの?」
「そうだ。松前に行ったときにもらったやつだ。文様が入ってるだろ? きっとお前を守ってくれる」
「お守りってわけ?」
ジュンジは静かにうなずいた。
「ふうん……でも、半分に割れてるよ?」
レラは不思議そうな顔をして目の高さに麻糸をつるした。
春樹は、ジュンジに場所を教えてもらって「イルファの洞窟」に来ていた。
集落より沙流川を少し上流まで行くと川渕に小さな入り江があり、周囲を囲む切り立った岩が陽の光を遮っている。
入り江を奥に入ると、川の水で濡れた大きな二つの岩があり、その奥に岩壁に囲まれるようにして、ひっそりと洞窟の暗闇が口を開けていた。
──ここか……。
春樹は一つ息をすると、二つの岩の間に足を入れた。人が一人ようやく入れる隙間がある。洞窟の前は川水で濡れていた。山からの湧き水や雪解け水も混ざっているようだ。
春樹は持ってきた小さなたいまつに火をつけると、洞窟の入り口にかざしてみた。
それほど深くはない。恐る恐る中に入ると一斉にコウモリが羽ばたいた。思わず身がすくむ。
「なんだ、十メートルもないじゃないか」
洞窟は、数メートル先で行き止まりになっていて、奥に小さな祠がある。
たいまつの火で岩肌を照らしてみた。表面はごつごつとしていて、湧き水が少し流れている。
春樹が用心深く洞窟内を見ているとき、背中に暖かい風が当たり誰かの視線を感じた。
「誰だ!」と、後ろを振り向くが誰もいない。
──あれ? おかしいな。確かに人の気配がしたんだけど……。
思い直して足場を注意深く観察すると、たいまつの火に照らされて細長く光るものがある。かがんで近くからよく見ると、どうやら刃のようだ。
──江戸時代の武士の持ち物か?
表面は所々赤くさびていたが明らかに日本刀だった。武士がここに入り込んだとしてもおかしくない。刀は折れ、刃はボロボロになっていた。
また、人の気配がした。
春樹は洞窟の外まで出てきて、注意深く周囲を見たが、人影はない。
──誰かに見られているように感じる。
そのとき、春樹を激しい頭痛が襲った。思わずうずくまってこめかみを押さえる。
女の声が聞こえた。
「私はイルファ」
──イルファ?
目を閉じて瞼の裏に神経を集中するが何も浮かんでこない。声だけが春樹の頭の中でこだました。
「イルファ! ここにいるのか?」
春樹の声が響く。
大きな声を出し、頭を押さえながら洞窟の内部を照らしたが気配はない。
その日の夕方、囲炉裏(いろり)の周りで食後のお茶を飲んでいるとき、春樹がイルファの洞窟の話を始めた。
「行ってみたか? どうだった? 不思議な感じがしただろう」
ジュンジはチパパが遺した手帳を見ている。
「ああ、思ったより浅い洞窟なんだな? もっと深くてトンネルのようだと思ってた。反対側に出れば他の世界が待っている……見たいな」
「そんな昔話に出てくるようなもんじゃない。村の人には洞窟に近寄らないように言ってるんだ『イルファの呪い』で不幸なことが起こるって言ってね」
「ふうん」
春樹はゆっくりお茶を飲んだ。
レラが食後の後片づけを終えて囲炉裏に座った。ジュンジがレラの顔をじっと見る。
「レラ、身体の調子はどうだい? 何か変わったことはないか?」
数日前に、オタマイが話したことが気になっている。
「ううん。どこも悪くないよ。ときどき胸が痛くなるけどすぐに治まるし……」
「胸?」ジュンジはタバコを消してレラに向き直る。
「胸が痛いのか?」
胸の痛みは、肺結核などの肺病や、心臓病などの予兆として現れる。春樹の生きる時代では処置さえ早ければ命を落とすようなことは少ないが、この時代は直接死に至る病だ。
「ジュンジ、心配しないで。ほんのちょっと痛くなるだけで、すぐ治まるよ」
レラは明るく笑った。
ジュンジは一息ついて春樹を見た。
「チパパは、未来でいう急性心筋梗塞で亡くなった。胸が痛いのは一番危険なんだ。しかもレラはお産を控えている。春樹も注意してレラを見ておいてくれ」
春樹は無言でうなずいた。
レラは二人の会話を聞きながら、動物の干物で安産のお守りを作っている。
「これは魔除けにもなるから、大丈夫よ。ジュンジ」
春樹はそこまで心配していなかった。レラが出産を迎えるころには、未来の時代に戻っている。
「父さん……。もうすぐ令和の時代に戻れる。レラも一緒だ。未来の医療技術なら心配ないよ」
「そう……だな」と言いながら、ジュンジはチパパの言葉を思い出していた。
『時空を超えても、同じ場所、同じ時代に戻れない』
嫌な胸騒ぎがした。
レラが「先に休むね」と言って立ち上がった。
ジュンジはレラを横目で見ながら春樹に問いかけた。
「春樹、お前の住んでいた令和って、そんなに安心できる時代なのか?」
「ああ、いろいろとあるけどね。でも医学や科学は父さんのいた時代からは格段に進歩してるよ」
春樹はお茶を飲み干した。表情は明るい。
その日、いつものようにレラの状況を見ていたオタマイが、少し顔を傾けた。
「オタマイ? どうしたの?」
レラの問いに笑顔を向けると「うん、大丈夫だ」とひと言告げて家を出ると、ジュンジに耳打ちした。
「レラのことじゃが、少し胸の音が気になるのぅ。何か普段の生活で気になることはないか?」
ジュンジは、胸の音と聞いて身を硬くした。
「いや……特に気になることはないが――」
「そうか、それなら良い」
オタマイは「取り越し苦労かのぅ……。じゃあ明日」と言って手を上げた。
「ありがとう……いつもすまんね」
ジュンジは、レラがそれほど丈夫な体じゃないことが気になった。大きな病気はしていないが、少し動いただけで息が上がったり胸を抑えていたりしたことは何度かあった。
「オタマイ、レラはお産に耐えられるのか?」
ジュンジが帰って行くオタマイの背中に声をかけた。
オタマイは、振り返って「そりゃわからん。神のみぞ知ることじゃ」と笑った。
ジュンジは家の中に入ると、木の切り株で作った作業台の前に座って、チパパが死ぬ間際にポケットの中で割れた小さな木片を取り出した。
──イルシカ……レラを守ってくれ。
ジュンジは、半分に割れた木片に細工して麻糸を器用に取りつけた。
レラはジュンジの脇で樹皮を織り込む作業をしている。
「レラ、何を作ってるんだ?」
「うん。赤ちゃん用のかごを作ってる」
レラは半分出来上がったかごを手で押さえて強度を確認している。
「そうか……。レラ、これを持っていなさい」
ジュンジは麻糸がついた小さな木片をレラに渡した。
「これは……あのときの?」
「そうだ。松前に行ったときにもらったやつだ。文様が入ってるだろ? きっとお前を守ってくれる」
「お守りってわけ?」
ジュンジは静かにうなずいた。
「ふうん……でも、半分に割れてるよ?」
レラは不思議そうな顔をして目の高さに麻糸をつるした。
春樹は、ジュンジに場所を教えてもらって「イルファの洞窟」に来ていた。
集落より沙流川を少し上流まで行くと川渕に小さな入り江があり、周囲を囲む切り立った岩が陽の光を遮っている。
入り江を奥に入ると、川の水で濡れた大きな二つの岩があり、その奥に岩壁に囲まれるようにして、ひっそりと洞窟の暗闇が口を開けていた。
──ここか……。
春樹は一つ息をすると、二つの岩の間に足を入れた。人が一人ようやく入れる隙間がある。洞窟の前は川水で濡れていた。山からの湧き水や雪解け水も混ざっているようだ。
春樹は持ってきた小さなたいまつに火をつけると、洞窟の入り口にかざしてみた。
それほど深くはない。恐る恐る中に入ると一斉にコウモリが羽ばたいた。思わず身がすくむ。
「なんだ、十メートルもないじゃないか」
洞窟は、数メートル先で行き止まりになっていて、奥に小さな祠がある。
たいまつの火で岩肌を照らしてみた。表面はごつごつとしていて、湧き水が少し流れている。
春樹が用心深く洞窟内を見ているとき、背中に暖かい風が当たり誰かの視線を感じた。
「誰だ!」と、後ろを振り向くが誰もいない。
──あれ? おかしいな。確かに人の気配がしたんだけど……。
思い直して足場を注意深く観察すると、たいまつの火に照らされて細長く光るものがある。かがんで近くからよく見ると、どうやら刃のようだ。
──江戸時代の武士の持ち物か?
表面は所々赤くさびていたが明らかに日本刀だった。武士がここに入り込んだとしてもおかしくない。刀は折れ、刃はボロボロになっていた。
また、人の気配がした。
春樹は洞窟の外まで出てきて、注意深く周囲を見たが、人影はない。
──誰かに見られているように感じる。
そのとき、春樹を激しい頭痛が襲った。思わずうずくまってこめかみを押さえる。
女の声が聞こえた。
「私はイルファ」
──イルファ?
目を閉じて瞼の裏に神経を集中するが何も浮かんでこない。声だけが春樹の頭の中でこだました。
「イルファ! ここにいるのか?」
春樹の声が響く。
大きな声を出し、頭を押さえながら洞窟の内部を照らしたが気配はない。
その日の夕方、囲炉裏(いろり)の周りで食後のお茶を飲んでいるとき、春樹がイルファの洞窟の話を始めた。
「行ってみたか? どうだった? 不思議な感じがしただろう」
ジュンジはチパパが遺した手帳を見ている。
「ああ、思ったより浅い洞窟なんだな? もっと深くてトンネルのようだと思ってた。反対側に出れば他の世界が待っている……見たいな」
「そんな昔話に出てくるようなもんじゃない。村の人には洞窟に近寄らないように言ってるんだ『イルファの呪い』で不幸なことが起こるって言ってね」
「ふうん」
春樹はゆっくりお茶を飲んだ。
レラが食後の後片づけを終えて囲炉裏に座った。ジュンジがレラの顔をじっと見る。
「レラ、身体の調子はどうだい? 何か変わったことはないか?」
数日前に、オタマイが話したことが気になっている。
「ううん。どこも悪くないよ。ときどき胸が痛くなるけどすぐに治まるし……」
「胸?」ジュンジはタバコを消してレラに向き直る。
「胸が痛いのか?」
胸の痛みは、肺結核などの肺病や、心臓病などの予兆として現れる。春樹の生きる時代では処置さえ早ければ命を落とすようなことは少ないが、この時代は直接死に至る病だ。
「ジュンジ、心配しないで。ほんのちょっと痛くなるだけで、すぐ治まるよ」
レラは明るく笑った。
ジュンジは一息ついて春樹を見た。
「チパパは、未来でいう急性心筋梗塞で亡くなった。胸が痛いのは一番危険なんだ。しかもレラはお産を控えている。春樹も注意してレラを見ておいてくれ」
春樹は無言でうなずいた。
レラは二人の会話を聞きながら、動物の干物で安産のお守りを作っている。
「これは魔除けにもなるから、大丈夫よ。ジュンジ」
春樹はそこまで心配していなかった。レラが出産を迎えるころには、未来の時代に戻っている。
「父さん……。もうすぐ令和の時代に戻れる。レラも一緒だ。未来の医療技術なら心配ないよ」
「そう……だな」と言いながら、ジュンジはチパパの言葉を思い出していた。
『時空を超えても、同じ場所、同じ時代に戻れない』
嫌な胸騒ぎがした。
レラが「先に休むね」と言って立ち上がった。
ジュンジはレラを横目で見ながら春樹に問いかけた。
「春樹、お前の住んでいた令和って、そんなに安心できる時代なのか?」
「ああ、いろいろとあるけどね。でも医学や科学は父さんのいた時代からは格段に進歩してるよ」
春樹はお茶を飲み干した。表情は明るい。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
INNER NAUTS(インナーノーツ) 〜精神と異界の航海者〜
SunYoh
SF
ーー22世紀半ばーー
魂の源とされる精神世界「インナースペース」……その次元から無尽蔵のエネルギーを得ることを可能にした代償に、さまざまな災害や心身への未知の脅威が発生していた。
「インナーノーツ」は、時空を超越する船<アマテラス>を駆り、脅威の解消に「インナースペース」へ挑む。
<第一章 「誘い」>
粗筋
余剰次元活動艇<アマテラス>の最終試験となった有人起動試験は、原因不明のトラブルに見舞われ、中断を余儀なくされたが、同じ頃、「インナーノーツ」が所属する研究機関で保護していた少女「亜夢」にもまた異変が起こっていた……5年もの間、眠り続けていた彼女の深層無意識の中で何かが目覚めようとしている。
「インナースペース」のエネルギーを解放する特異な能力を秘めた亜夢の目覚めは、即ち、「インナースペース」のみならず、物質世界である「現象界(この世)」にも甚大な被害をもたらす可能性がある。
ーー亜夢が目覚める前に、この脅威を解消するーー
「インナーノーツ」は、この使命を胸に<アマテラス>を駆り、未知なる世界「インナースペース」へと旅立つ!
そこで彼らを待ち受けていたものとは……
※この物語はフィクションです。実際の国や団体などとは関係ありません。
※SFジャンルですが殆ど空想科学です。
※セルフレイティングに関して、若干抵触する可能性がある表現が含まれます。
※「小説家になろう」、「ノベルアップ+」でも連載中
※スピリチュアル系の内容を含みますが、特定の宗教団体等とは一切関係無く、布教、勧誘等を目的とした作品ではありません。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【R15】いなか、の、じけん~ハートは意外と頑丈だった
あおみなみ
現代文学
1979年春。
小学5年生になったばかりの「久美」は、
母親にないがしろにされることを少し気に病みつつも、
平々凡々とした毎日を送っていたが、ある日突然、事件に巻き込まれる。
(軽い性的表現がありますので、閲覧にはご注意を)
都市伝説
鉄幹
エッセイ・ノンフィクション
信じようが信じまいが無意味です。なぜならこれは私たちの計画に沿って実行されるからです。あなたがどこで何をしようと、どんなに犠牲を払おうと、戦争を止めることは不可能です。
凪の始まり
Shigeru_Kimoto
ライト文芸
佐藤健太郎28歳。場末の風俗店の店長をしている。そんな俺の前に16年前の小学校6年生の時の担任だった満島先生が訪ねてやってきた。
俺はその前の5年生の暮れから学校に行っていなかった。不登校っていう括りだ。
先生は、今年で定年になる。
教師人生、唯一の心残りだという俺の不登校の1年を今の俺が登校することで、後悔が無くなるらしい。そして、もう一度、やり直そうと誘ってくれた。
当時の俺は、毎日、家に宿題を届けてくれていた先生の気持ちなど、考えてもいなかったのだと思う。
でも、あれから16年、俺は手を差し伸べてくれる人がいることが、どれほど、ありがたいかを知っている。
16年たった大人の俺は、そうしてやり直しの小学校6年生をすることになった。
こうして動き出した俺の人生は、新しい世界に飛び込んだことで、別の分かれ道を自ら作り出し、歩き出したのだと思う。
今にして思えば……
さあ、良かったら、俺の動き出した人生の話に付き合ってもらえないだろうか?
長編、1年間連載。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
カラダから、はじまる。
佐倉 蘭
現代文学
世の中には、どんなに願っても、どんなに努力しても、絶対に実らない恋がある……
そんなこと、能天気にしあわせに浸っている、あの二人には、一生、わからないだろう……
わたしがこの世で唯一愛した男は——妹の夫になる。
※「あなたの運命の人に逢わせてあげます」「常務の愛娘の『田中さん』を探せ!」「もう一度、愛してくれないか」「政略結婚はせつない恋の予感⁉︎」「お見合いだけど、恋することからはじめよう」のネタバレを含みます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる