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44話 本格戦闘開始

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「ゴブリンウォリアー、ゴブリンソーサラー、ゴブリンナイト、それでもって近づいてくるこいつがタンク……ゴブリンシールダーねっ! 残念だけど私とは相性が最悪よ!」
「ミーク姉さん! 私も続くぜ! っとその前に武器チェックだけ……」
――――――――――
【武器】
グラデビーパの剣(タルワール型)【C+】
与ダメ(敵防御力0の場合):装備者攻撃力+500
装備者攻撃力補正(武器登録後):500(最大値1000)
装備者防御力補正(武器登録後):300(最大値1000 )
エンチャント:水属性(効果は魔法攻撃力から算出)
武器ユニークスキル【生成武器限定】:弱多段(ヒットした攻撃の3分の1ダメージを相手に与える)
武器種別スキル:打撃ダメージ追加(切断効果の影響を受けない与ダメージを500追加)
レベル:1
進化後スキル:6段攻撃(2段攻撃+1のセットダメージを更にもう一度重ねる)【生成武器限定】
――――――――――
 防御貫通ダメージを持ったミークが前線で無双を開始。
 その隙に朝比奈さんは武器登録を済ませ、武器のステータスを表示させた。

 ミークよりも防御力が高く、でも攻撃力は程々の朝比奈さんにとって多少攻撃を受けても手数を増やさないといけない戦闘方法が必須かと思っていたが、この武器があればそこまで無理に攻めなくても良さそう――

「ミーク姉さんの崩してくれたところから奥に攻めるぜ! ってあぶねえ! これ、魔法か!」

 後方から放たれるファイアボールやウォーターボールといった魔法をギリギリで避け、それでも後退はせず突っ込んでいく朝比奈さん。

 あくまでも特攻隊長というスタイルは崩すつもりはないらしい。

 なら俺は2人をサポートできるような立ち位置、その間に立って一番多いゴブリンウォリアーとゴブリンナイトを減らしていこうかな。

「『真空波』!」
「あっ! 助かるぜ、陽一さん!」

 ゴブリンソーサラーの魔法を真空波で打ち消しつつも、ゴブリンウォリアーとゴブリンナイトからの攻撃から目は逸らさない。

 武器を持ってるってだけで攻撃力の高さは窺えるから、これは絶対にもらうわけにはいかない。

「まぁ、動きが大したことないから適度に集中してれば……まったく問題ないけどな『飾り切り』!」
「ごぶあぁぁああぁあぁああっ!!」

 初めて飾り切りがまともに決まった。
 これの強さを今まで感じることはなかったけど、一発でかなり深い傷を負わせられるから、次の攻撃につなげやすくてなかなかに使い勝手がいい。

 しかもその傷がちょっと綺麗で、血も大量に飛び散って――

「あはははははははっ!! 楽しくなってきたわね!」

 赤い衝動が発動。
 ミークのテンションは一気に上がり、どんどんとゴブリンシールダーを殺し、俺が相手をしている奴らにまで手を出し始める。

 ミークは防御力が低いからちょっとひやひや冷やするけど、一撃必殺で相手を仕留められるみたいだからとりあえず魔法さえしっかり消しておけば問題ないかな。

 というか、敵の数は鬼のように多いけど、これなら割と楽勝?

 元々いるコボルトが減っているってのと、2階層主が見当たらないってのも結構大きいかも。

『――レベルが【75】に上がりました。ミークのレベルが――』

 さっきからひっきりなしに聞こえるレベルアップのアナウンス。
 あーこれは気持ちいいわ。

「た、すけ……」
「そうだよな……。戦闘の快感に浸るだけじゃなくて、こういうことをやる役も必要だよな。大暴れはまた次の階層に残しながら、救助も並行して――」

「ごがあああああああああああああっ!!」

「なっ!? 陽一さん! ミーク姉さん! こっちのゴブリンたちの様子が!!」

 倒れている探索者を安全な場所に移動させようとすると、ゴブリンソーサラーを中心に倒していた朝比奈さんが、驚きの声を上げたのだった。
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