最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職

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第75話 止まるなっ!

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「よし! 次行くぞ!」

「がああああああっ!」


 最下層での戦いの後、俺はのびて動けなくなった橘伸二を抱えて階層を駆け上がっていた。


 因みに今乗っているのは49階層にいた野良で小鳥遊君と戦っていたドラゴンなんだけど、こいつがやたらと速い。

 何か小鳥遊君が苦戦してたみたいだから適当にテイムしただけなんだけど、かなりの当たりだったみたい。


 一応49階層にはこれ以外に生き残っていた何匹かのドラゴンをテイムしておいたから小鳥遊君とコボルトは大丈夫。

 他のフロアでも強そうで『橘フーズ』のテイムしてない個体を俺がテイムして置いてきてはいるからフロアの支配っていうのは問題ないと思う。


 ただ、今心配なのは未だにコボの姿が見えないってこと。

 まさかだけど坂本に殺られた?

 でも坂本の姿も見えなかった。

 そうなると考えられるのは他の誰か、又は何かに殺された。

 死体が残ってなかった事を考えると……ドラゴンに食われた可能性もあるか。


「コボも坂本も強さはそこそこ。それを食っちまうドラゴンって事なら相当強い個体ってことになるけど――ってなんか熱いな」


 次が細江君達の待つ階層、のはず。

 それなのに入ってきたときには感じなかった熱気が階段上から雪崩れ込んでる。

 上で一体何が起こってるんだ?


「悪いけどもう少しスピード上げてくれ!」

「があああああああっ!」


 ドラゴンの、がスピードを上げて階段通路を抜けていく。

 そういえば通路がいびつになって広くなってるからこんな事も出来るんだよな。

 最初はそんなに意識して見てなかったから、違いに中々気付けなかったけど……この熱気、コボ達の不在、いびつな階段、その答えは――


「さあ逃げてっ!」


 階段通路を出ると焦る男性?の声が耳に響いた。

 地面には倒れるコボと細江君と坂本と誰か。

 そして宙でこの熱気を生み出している原因が俺の目に飛び込んできた。


 今まで見てきたドラゴンとは大きさも雰囲気も比較にならない。

 こいつが元凶か……。


 初めてドラゴンに攻撃した時、俺はダメージを負った。

 このクラスのドラゴンに対して俺のステータスが足りない場合素手で攻撃したらどうなるのだろう?


 もしかしたら骨折……いや、その熱で焼き切られる可能性だってある。


 だけど逃げる細江君達と何故か倒れているイベントの参加者達を目の前にして、止まるわけには行かない!


「お前はもう逃げていいぞ! ここからは俺に任せ、ろっ!」


 俺はテイムしたドラゴンの上から力を溜めているドラゴンに向かって思い切り飛び込む。

 ドラゴンは俺の存在に気付いたのか、熱風を起こすが溜め行動中のせいで俺を吹き飛ばすには至らない。


 この熱気から察するに火耐性があるはずだから【ファイアボール】は使えない。

 お決まりのやつだけど、やっぱり最後に頼る事が出来るのはこの拳だけなんだよな。


「喰らえ……これが最弱だったおっさんのげんこつじゃああああああいっ!!!」


 振り上げた拳はドラゴンの額に吸い込まれるようにして打ち出されたのだった。
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