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「改めまして、戌亥蒼くん。おはようございます。」
わざとらしく真人は蒼に敬礼付きの挨拶をした。
本人には言わないがこういう茶目っ気も可愛いと思ってしまう蒼だった。
「丁寧にありがとうございます。犬飼真人くん。では学校に行きましょうか。」
真人の調子に合わせて蒼が返す。
「うわ、敬語の蒼ってなんか変だね…ふふ」
「なんだよ、せっかく真人に合わせてやったのに。もっと感謝しろよ。」
「わーい、ありがとー」
「棒読み過ぎだろ。」
「バレたか。やるな~」
ふざけながら登校していると、二人が通う高校が見えてきた。高校の名前は逢宮高校。そこそこの進学校である。
この高校は進学校ながらも校則が緩いことで生徒からの人気を集めており、具体的にはピアスや派手過ぎない髪染めも許可されているといったかんじだ。
その校則を蒼は活用してピアス穴をあけている。
『蒼の黒髪にはシルバーのとか似合うよ…あっ!やっぱりこっちがいい!』
『真人、それ紫じゃん。シルバーはどこいったんだよ。』
蒼は真人の気の変わりやすい性格に思わず苦笑する。
『と、思うじゃん?耳に近付けてみろよ~!』
『あ…めっちゃいいかも。』
真人に勧められたピアスはシンプルな紫の石が付いたものだったが、どのピアスよりも蒼に似合っていた。
それ以来彼はそのピアスを愛用している。
そんな高校だから、頭はいいがそれだけで終わらない個性的な生徒が多い。
高校に着くと、真人は1組、蒼は2組なのでそれぞれの教室に向かう。
「じゃあ、次会うのは日本史のときか?」
「うん、たぶんそう。またね~。」
パンッとハイタッチの音が廊下に響いた。
わざとらしく真人は蒼に敬礼付きの挨拶をした。
本人には言わないがこういう茶目っ気も可愛いと思ってしまう蒼だった。
「丁寧にありがとうございます。犬飼真人くん。では学校に行きましょうか。」
真人の調子に合わせて蒼が返す。
「うわ、敬語の蒼ってなんか変だね…ふふ」
「なんだよ、せっかく真人に合わせてやったのに。もっと感謝しろよ。」
「わーい、ありがとー」
「棒読み過ぎだろ。」
「バレたか。やるな~」
ふざけながら登校していると、二人が通う高校が見えてきた。高校の名前は逢宮高校。そこそこの進学校である。
この高校は進学校ながらも校則が緩いことで生徒からの人気を集めており、具体的にはピアスや派手過ぎない髪染めも許可されているといったかんじだ。
その校則を蒼は活用してピアス穴をあけている。
『蒼の黒髪にはシルバーのとか似合うよ…あっ!やっぱりこっちがいい!』
『真人、それ紫じゃん。シルバーはどこいったんだよ。』
蒼は真人の気の変わりやすい性格に思わず苦笑する。
『と、思うじゃん?耳に近付けてみろよ~!』
『あ…めっちゃいいかも。』
真人に勧められたピアスはシンプルな紫の石が付いたものだったが、どのピアスよりも蒼に似合っていた。
それ以来彼はそのピアスを愛用している。
そんな高校だから、頭はいいがそれだけで終わらない個性的な生徒が多い。
高校に着くと、真人は1組、蒼は2組なのでそれぞれの教室に向かう。
「じゃあ、次会うのは日本史のときか?」
「うん、たぶんそう。またね~。」
パンッとハイタッチの音が廊下に響いた。
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