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出会いは突然…
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「えぇー、もうこんな時間。オール確定じゃんかぁ。」
優子は貯めに貯めた大量の課題を今日の朝からずっと消費し続けている。なぜなら、明日は高校3年生になってから初めての登校日だからだ。時刻は午前2時。やっと課題の3分の2まで終わらせた。
「よし、休憩!!みんな遊んでたんだろうなー。」
優子はスマホを開いた。
─フフフフフ、フフフフフ─
「え?なんか声がしたような…あぁー、課題のせいで耳がおかしくなっちゃった。」
─優子さんや。フフフフフ─
「え?確かに名前呼ばれたよね、う…ん。」
優子は戸惑いながらも声がする机の引き出しを開けてみる。
そこには──
小さい仙人らしきおじいさんが座っていた。
「あっと….えっと…んっと…はじめまして、おじいさん」
優子は意外と平然な気持ちだった。なぜなら彼女は霊感を持っており、こんなことは日常茶飯事だった。
「分かっておったぞ、優子さん。そなたはワシを見ても驚かんことを。」
おじいさんは笑顔で話した。
「ところで、なんでいるのよおじいさん。ここは一応女の子の部屋よ。まぁいいけど」
「それがな、ちょっと遣いを頼まれたんじゃよ。優子さんや優子さんの家族へのな。」
「何よ。妖怪になってーとか言わないでね。私、笑っちゃうわ。」
おじいさんが私たちに何の用があるのだろう。冗談を言いつつも不安だった。
「言い難いんじゃが…そなたの父上のことでな。」
「あー、お父さん。私覚えてないの。おじいさんは何か知ってるの?」
「それがな…これなんじゃよ」
そういうとおじいさんは優子に数枚の紙束を渡した。
「何これ、信じられない」
紙には画家が書いたであろう優子たち家族3人の似顔絵が…
「そなたの父上とちと知り合いでな。頼まれてきたんじゃよ。俺のような中年野郎が行くより、お前みたいな爺さんが行った方が怖がらねぇから行って少しだけ家族と過ごして来てくれとな。」
「そうなんだ…お父さん、私たちのことずっと忘れずに心配してくれてたんだね。」
優子が2歳の時父は病気で他界した。だから、顔は写真で見て覚えてるが実際どんな声でどんな人だったのかは分からなかった。ただ、母からは優しくて強い人であったことは聞いていた。
「じゃあ、ここに住むってこと?」
「そうじゃな。」
「どれくらい?」
「ワシがそちの父上に言われた約束事を達成するまでかの」
「どんな約束事?」
「それは言えんわい。漢同士の約束と言うものじゃ」
優子はまだ気になっていたが自分が立たされている境地に気づいた。
「あ!課題!!って、もう5時じゃん!あと1時間でできるかな」
「仕方ないのう、ほれ、ワシが何とかするわい。じゃから、優子さんは寝るが良い。夜更かしは健康に悪いぞよ。」
「そうね。夜更かしは危ないわよね。じゃあ、お言葉に甘えてお願いします。」
「なんのなんの。」
優子はぐっすりと眠った。
優子は貯めに貯めた大量の課題を今日の朝からずっと消費し続けている。なぜなら、明日は高校3年生になってから初めての登校日だからだ。時刻は午前2時。やっと課題の3分の2まで終わらせた。
「よし、休憩!!みんな遊んでたんだろうなー。」
優子はスマホを開いた。
─フフフフフ、フフフフフ─
「え?なんか声がしたような…あぁー、課題のせいで耳がおかしくなっちゃった。」
─優子さんや。フフフフフ─
「え?確かに名前呼ばれたよね、う…ん。」
優子は戸惑いながらも声がする机の引き出しを開けてみる。
そこには──
小さい仙人らしきおじいさんが座っていた。
「あっと….えっと…んっと…はじめまして、おじいさん」
優子は意外と平然な気持ちだった。なぜなら彼女は霊感を持っており、こんなことは日常茶飯事だった。
「分かっておったぞ、優子さん。そなたはワシを見ても驚かんことを。」
おじいさんは笑顔で話した。
「ところで、なんでいるのよおじいさん。ここは一応女の子の部屋よ。まぁいいけど」
「それがな、ちょっと遣いを頼まれたんじゃよ。優子さんや優子さんの家族へのな。」
「何よ。妖怪になってーとか言わないでね。私、笑っちゃうわ。」
おじいさんが私たちに何の用があるのだろう。冗談を言いつつも不安だった。
「言い難いんじゃが…そなたの父上のことでな。」
「あー、お父さん。私覚えてないの。おじいさんは何か知ってるの?」
「それがな…これなんじゃよ」
そういうとおじいさんは優子に数枚の紙束を渡した。
「何これ、信じられない」
紙には画家が書いたであろう優子たち家族3人の似顔絵が…
「そなたの父上とちと知り合いでな。頼まれてきたんじゃよ。俺のような中年野郎が行くより、お前みたいな爺さんが行った方が怖がらねぇから行って少しだけ家族と過ごして来てくれとな。」
「そうなんだ…お父さん、私たちのことずっと忘れずに心配してくれてたんだね。」
優子が2歳の時父は病気で他界した。だから、顔は写真で見て覚えてるが実際どんな声でどんな人だったのかは分からなかった。ただ、母からは優しくて強い人であったことは聞いていた。
「じゃあ、ここに住むってこと?」
「そうじゃな。」
「どれくらい?」
「ワシがそちの父上に言われた約束事を達成するまでかの」
「どんな約束事?」
「それは言えんわい。漢同士の約束と言うものじゃ」
優子はまだ気になっていたが自分が立たされている境地に気づいた。
「あ!課題!!って、もう5時じゃん!あと1時間でできるかな」
「仕方ないのう、ほれ、ワシが何とかするわい。じゃから、優子さんは寝るが良い。夜更かしは健康に悪いぞよ。」
「そうね。夜更かしは危ないわよね。じゃあ、お言葉に甘えてお願いします。」
「なんのなんの。」
優子はぐっすりと眠った。
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