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深い眠り

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 はあ。
 好きな人が画面から出てこない。

 リアルな誰かを写したスマホの画面の話ではない。乙女ゲームの中のキャラの話だ。聞く人がきけばドン引きだろうが僕はゲームのキャラに本気で恋をしている。

 そう、恋だ。

 乙女ゲームを嗜む僕が恋したのは男性キャラだった。このゲームをするまでは特別誰かに好意を寄せたりしたことがなかった。
 ある時に綺麗な絵に惹き付けられてずっぽりとハマってしまったのである。
 結構人気が出た乙女ゲームだったらしく、何回も繰り返し彼のルートをやりまくっていた僕はついにはそのゲームの同人誌にも手を伸ばしていた。
 今日は届いたばかりのシナリオライターの人が書いた本を読もうと本に手を伸ばすと、

「……あ、、れ?」

 くらり、と異常な眠気がやってきて頭がくらくらとしてきた。
 こんなに酷い眠気は生まれてから体験したことなくて驚いたが倒れこむようにベッドに入った。そして重たくてたまらない瞼を閉じた。

 眠る直前読もうとしていた本がテーブルの上で勝手にパラパラとページが捲られていた。捲られたページから文字が消えていき表紙に戻ると表紙には、

(NEW GAME)

 と書かれていた。

◇◇◇◇◇◇ 

「…………、、、」

「……メリル、、おい、メリル?」

「……っ、すみません!アダン様」

「お前がぼんやりするなんて珍しいな?悩みごとか?」

 そう、僕に話しかけるのはこの国の第二王子のアダン様だ。王立アガータ学園に僕は通っていて、アダン様の学友に選ばれて友人として側に置いて貰っている。

 あの日眠りについた僕はこの世界にそう、あの乙女ゲームの世界に気がついたら転生していた。最初は気が付かなかったが学園のことを知り、ここがあのゲームの世界であることを知った。だけど、ゲームの中に僕の名前であるメリル・ショコラは存在してなかった。
 たぶん、スチルにちょっぴりだけ書かれていたモブキャラが僕なのではないのだろうかと僕は思っている。

 まあ、そんなことはどうでもいいか。

 なにせ好きな人が側にいるのだから。
 学園に入った僕はあの乙女ゲームの攻略であるアダン様の学友になれたのだ。これ以上なく、僕は今幸せを感じている。

 たとえ、ヒロインにこの幸せが奪われたとしても。
 今は、幸せだ。

 目の前にいるアダン様が覗きこむように僕を見つめる。青色の瞳が僕だけを見つめてくれる。僕は頭を横に振りながら微かに唇に笑みを作った。

「……大丈夫です、心配してくれてありがとう」

「……あ、ああっ。……そうか。ならいいんだ」

 何故か照れたような表情をするアダン様を不思議に思ったがわざわざ聞くことでもないし、そのままアダン様と僕以外の学友達とで会話をしていった。

◇◇◇◇◇◇

 そんな時間を過ごしてから放課後、生徒会室に
いるアダン様と僕。生徒会室には休憩用としてのベッドがある鍵付きの小さな部屋がある。

ぐちゅ♡ぐちゅ♡パンパンパン!!!♡

「っ、アダン様っ、ああっ♡」

「はっ、気持ちいいか?」

「んんっ♡はいっ♡いいっ、ですっ♡きもちいいですっっ♡♡♡」

 アダン様の激しい息づかいが聞こえる。汗ばんだ肌、僕を犯す硬くなった肉棒、肌を優しく愛撫する指先。

 いつの頃だっただろうか、僕の恋情にまみれた心を見透かされたのかアダン様は僕を求めるようになった。僕に拒絶という選択肢を選べる筈はない。

「メリルっ、くちゅっ」

 アダン様の唇が僕の唇に触れる。いや、触れるというよりも奪うといった方がいいかも。激しいキスに多幸感が募る。
 舌を絡ませあいアダン様から与えられる快楽にとろとろに蕩けそうだ。きっと今の僕の顔は発情しきったメスの顔をしているんだろうな。

 ごくりとたまったどちらのものかわからない唾液を飲み込むとまるで媚薬を飲んだかのように身体がまた熱くなる。
 ぽっーとしている僕を見つめるアダン様。

「メリルはほんとにキス好きだな♡エッチしながらキスすると中がきゅんきゅんよくしまる♡あー♡たまんない♡」

どちゅん!♡どちゅん!♡パンパンパン!♡♡

「んひぃっ♡だめぇっ♡おまんこ、そんなにいじめないでぇっ♡♡♡ああっ、またイっちゃうっ、から、だめぇっっっ!!!♡♡♡♡」

「だめじゃなくて、いいっだろっ!!♡」

どちゅん!!!♡♡♡♡

「あひぃっ♡ああぁああああっ!!!♡♡♡あああああ~~~~~♡♡♡♡」

 ぼたぼたと僕の肉棒から白濁がこぼれていく。身体がふるふると震えながら体の中に快楽が行き渡る。頭がぱちぱちと感電したかのようになり、ショートしそうだ。
 あまりの快楽に頭がおかしくなりそう。

「はあ、はあ♡アダンさまぁ♡ぎゅってしてぇっ♡♡♡だきしめてっ♡」

「っ、メリルっ、お前はっっ……」

 アダン様は僕を激しく抱き締めてくれた。僕も手を回して足を絡めた。
 ああ、これって前世でいうところのだいしゅきホールドだなあ、なんて馬鹿になった頭で考えていた僕をアダン様はより激しく求めてきた。

ばちゅん!♡ばちゅん!♡どちゅ!どちゅ!♡

「ああぁああああ~~~~!!♡♡♡ひゃあああああぁぁああああ!!!♡♡♡」

「メリルっ、メリルっ!」

 最早、激しい快楽で獣のような喘ぎ声しか出すことができない。身体はびくびくとただ与えられる悦楽に震えている。
 完全に頭は馬鹿になっていた。

「メリル、好きだ!メリルっ!」

 アダン様が何かをいっているようだけど僕はうまく聞き取ることができない。でも、アダン様が僕を求めていることは身体全体で感じている。多幸感に溢れかえった心。僕はきっと今は幸せそうな顔をしているんじゃないかな。

「あひぁあああああ~~♡♡♡もう、だめっ♡ああぁああああ~~~~!!!♡♡♡♡」

「っ、んんっ」

 びゅる、びゅる♡♡♡

 お腹の奥がアダン様の精液で満たされていく。叩きつけられるように奥の奥に精液が出されていく。
 アダン様の、はあはあという息づかいが聞こえる。僕の頭を優しく手で撫でてくれた。

 ああ、駄目なのに。
 幸せすぎて、このまま眠りにつきたい。

 そんな僕をとんとんと撫でてくれる。
 エッチした後、僕は毎回疲れて眠りについてしまう。僕が起きた時には後始末が綺麗にいつもされている。

「……アダン、さま、…………♡♡」

「……おやすみ、メリル」

 ……どうか、まだ、少しだけ。
 僕のアダン様でいて欲しい。 
 
 そんなことを願いながら僕は眠りについた。
 
 アダン様が僕を撫でながら切なそうに愛を告げていたことを僕は知らない。


 

 



 
 





 











  
 

 






 

 
 
 
 
 
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