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第2話
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深夜1時過ぎ。女子小学生と男子中学生が2人きりで夜道を歩いている様は、傍から見ると、どう目に映るのだろう?そんな事を考えながら僕は歩いてた。予定を台無しにされて、若干不機嫌な僕に対して、隣を歩く少女は満面の笑みである。今から向かう場所は、家から歩いて15分程の場所にある部品工場だ。
なんだってこんな時間に、そんな場所に向かなわきゃいけないんだ。そこら辺に転がっていた石ころを、投げやりに蹴りながら歩いていた僕だが、あまりにも退屈なので、彼女にいろいろ聞いてみることにした。
「そういえば、君の名前は?なんて呼べばいいの?」
「んー。私はりさだよ。」
「ふーん。」
こちらから話しかけたものの、これといって話題がないことに気づいてしまった。ふと、りさの方を見ると、何やら彼女は首から下げているメダルのようなものを、小さな手でいじくっている。
「ちゃんと前見て歩かないと危ないよ。」
そう注意しつつ、彼女の手にあるものを横目で眺めた。
「なに、それ?」
「金メダルだよ!」
食い気味にりさが答える。
「ママはいつも私のためにお仕事を頑張ってくれてるの!だからね、これはママに、いつもありがとうって言うための金メダルなんだよ!」
金色の折り紙で作られ、真ん中にあまり上手いとは言えない文字で"ありがとう"と書かれたそれは、何度も折り直されたのだろう、少ししわくちゃになっており、マジックのインクのせいか、少し黒く汚れていた。
「あ~、はやくママにあげたいな~。ママ絶対喜んでくれるよ!」
スキップをするりさを見ながら、やれやれと呆れつつ、石ころをマンホールの穴にシュートさせた僕は、彼女のあとをゆっくり追いかけた。
あれから5分程歩いて、目的の部品工場に着いた。見た感じ、工場は照明もついておらず、人がいるような気配は無い。おかしいな、そう思いながら、りさと工場の入り口まで様子を見に行く事にした。
工場の入り口の門は閉まっていたが、門の右の方に小さな扉がついており、ドアノブを回してみると、鍵は掛かっていないようで、すんなりと中に入ることができた。そのまま少し歩くと長方形の建物がある。正面はシャッターが付いているようだが、何故か閉まっておらず、中の様子が見て取れる。
「ねぇ、本当にお母さんここで働いてるの?」
「うん。前に1回、ママに連れてきてもらったもん!」
「うーん。でも、誰もいないみたいだよ?」
「でも、ママここにいるって言ってたもん。」
あの時間に母親を待っているというから、てっきり夜中に働いているのかと思ったが、違ったのだろうか?
「どうする?ママ居ないみたいだし、やっぱり家で待ってた方が良いんじゃないかな?」
りさは少し泣きそうな顔になりながらポソッと呟いた。
「中見たい。」
「え!?見たいの?誰もいないよ?」
「いるもん!」
そう叫んで、彼女はシャッターの方に走っていってしまった。
なんだってこんな時間に、そんな場所に向かなわきゃいけないんだ。そこら辺に転がっていた石ころを、投げやりに蹴りながら歩いていた僕だが、あまりにも退屈なので、彼女にいろいろ聞いてみることにした。
「そういえば、君の名前は?なんて呼べばいいの?」
「んー。私はりさだよ。」
「ふーん。」
こちらから話しかけたものの、これといって話題がないことに気づいてしまった。ふと、りさの方を見ると、何やら彼女は首から下げているメダルのようなものを、小さな手でいじくっている。
「ちゃんと前見て歩かないと危ないよ。」
そう注意しつつ、彼女の手にあるものを横目で眺めた。
「なに、それ?」
「金メダルだよ!」
食い気味にりさが答える。
「ママはいつも私のためにお仕事を頑張ってくれてるの!だからね、これはママに、いつもありがとうって言うための金メダルなんだよ!」
金色の折り紙で作られ、真ん中にあまり上手いとは言えない文字で"ありがとう"と書かれたそれは、何度も折り直されたのだろう、少ししわくちゃになっており、マジックのインクのせいか、少し黒く汚れていた。
「あ~、はやくママにあげたいな~。ママ絶対喜んでくれるよ!」
スキップをするりさを見ながら、やれやれと呆れつつ、石ころをマンホールの穴にシュートさせた僕は、彼女のあとをゆっくり追いかけた。
あれから5分程歩いて、目的の部品工場に着いた。見た感じ、工場は照明もついておらず、人がいるような気配は無い。おかしいな、そう思いながら、りさと工場の入り口まで様子を見に行く事にした。
工場の入り口の門は閉まっていたが、門の右の方に小さな扉がついており、ドアノブを回してみると、鍵は掛かっていないようで、すんなりと中に入ることができた。そのまま少し歩くと長方形の建物がある。正面はシャッターが付いているようだが、何故か閉まっておらず、中の様子が見て取れる。
「ねぇ、本当にお母さんここで働いてるの?」
「うん。前に1回、ママに連れてきてもらったもん!」
「うーん。でも、誰もいないみたいだよ?」
「でも、ママここにいるって言ってたもん。」
あの時間に母親を待っているというから、てっきり夜中に働いているのかと思ったが、違ったのだろうか?
「どうする?ママ居ないみたいだし、やっぱり家で待ってた方が良いんじゃないかな?」
りさは少し泣きそうな顔になりながらポソッと呟いた。
「中見たい。」
「え!?見たいの?誰もいないよ?」
「いるもん!」
そう叫んで、彼女はシャッターの方に走っていってしまった。
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