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第五章 鎧騎士として
第三十三話
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両親を亡くし、周りから見放され、避けられてきた悠斗にとって、ユニはイレギュラーな存在だった。
記憶喪失も関係してると思うが、ユニは悠斗を知ってなおもいつも通りに接してくれた。彼女にとっては当たり前な事も、それだけで救われた。
哀憐、同情、嘲笑。親のいない異端児に降り注ぐ理不尽に耐える日々において、ユニの存在がどれほど希望を与えてくれたか。
最初は作り笑顔ばかり浮かべる彼女に苛立ち、荒んだ言動を取ることもあった。相手の顔色を伺って遠慮する態度が癇に障る事もあった。
だが、徐々に自然な笑顔を見せてくれるようになり、年相応な態度を取るようになった。
気付けば、ユニに惹かれていた。
学校から帰れば「おかえり」と言ってくれた。
毎日、温かい食事と笑顔で出迎えてくれた。
ラーメンばっかり食べる俺を叱ってくれた。
無茶する俺を心配してくれた。
頑張ったら、俺を褒めてくれた。
普通の家族ならば、それは当たり前な事かもしれない。しかし、両親のいない俺にとってはどれも新鮮なものだった。
ユニの何気ない行動が、俺に希望を与えていた。
両親からの愛に渇望していた俺は、ユニからの愛を欲した。
だから、鎧騎士になった。
鎧騎士となって戦えば、ユニは褒めてくれる。心配してくれる。叱ってくれる。もしかしたら……愛してくれるかもしれない。
不純だと思う。私利私欲の為に力を求めるなんて、俺が最も忌み嫌う存在と大差ない。
俺は、必死に自分の欲望を隠し続けてきた。一人でも多くの人を守り、救う事がユニの為だと思い込んで、戦ってきた。
そして今日、俺は『ユニが欲しい』と欲張った。
これは、その報いだろうか。
目の前で、愛する人が刺されたのは。
「っぁぁぁぁぁあああああ!」
ユニの絶叫が響き渡り、鮮血が迸る。
剣はユニの体を貫通し、血にまみれた刃が胸の中心から生えている。
あまりの出来事に、悠斗は放心して声すら出せない。
「悪く思わないでくれたまえ」
ユニの背後から声が聞こえる。見ると、背後の闇と同色のローブをまとい、姿を闇と同化させた一人の男が立っていた。
黒ローブの男。もしや、駒を奪った犯人か? 駒を奪い、今度はユニの命を奪うつもりなのか?
黒ローブ男が乱暴に剣を引き抜く。剣に支えられていたユニの体が倒れ伏す。床に血だまりが広がってゆく。
黒ローブ男はその背中に歩み寄り、羽織られた上着を力任せに引き裂くと、肌に刻まれた深い傷に、男は右手を突っ込んだ。
そして。
ユニの体から手を引っこ抜いた。何かを握っている。
黒ローブ男は、悠斗に見えないように取り出した物を確認して、ゆっくりと頷く。
「素晴らしい出来だ」
暗がりとローブによって見えないが、男はいま喜んでいる。ユニを殺して……。
「貴っ……様!」
ユニを殺された怒りから、護身用に渡されていたリボルバーを抜き、黒ローブ男へ発砲する。
だが、度重なる疲労と動揺と暗がりによって照準が定まらず、弾は男ではなくローブを射抜いた。ローブは射抜かれた衝撃でめくれるが、男の顔は暗がりで見えない。
「殺害を躊躇わずに頭部狙い。いい判断だ」
二発目を撃つ直前、男は言った。
「惜しむならば、不完全なメンタルコントロール。動揺から照準がズレている」
悠斗は男の言葉を無視して、トリガーを引く。今度は頭部ではなく胴体を狙う。
弾は左肩に命中するも、男は意に介さずに淡々と続けた。
「命中率の低い頭部を避け、範囲の広い胴体に狙いを変えるか。それならば照準がズレても外れる事はない」
弾は確かに命中した。左肩から出血しているのに、男は痛がらずにこちらを見下ろしている。
「くっ……‼︎」
もはや狙いすら定めずに連射する。三発中二発は胸と右足に命中したが、一発は男から大きく逸れてしまい、汚れた窓を勢いよく割った。
割れた窓から月明かりが差し込み、暗い室内を照らす。
悠斗は即座にシリンダーを開き、空薬莢を排出。腰のホルダーからスピードローダーを差し込み、ローダー後部の摘みを操作してロックを解除。シリンダーを戻し、すぐさま銃口を男に向ける。
差し込む月明かりが、男の顔を照らし出す。
そして──明らかになった素顔を見て、悠斗は動きを止めた。
「あなたは……なぜ、こんな所に」
男の顔を凝視しながら、悠斗は力なく呟く。
男は鋭い視線──壁すら射抜きそうな目力で悠斗を見据えると、わずかに口角を上げる。
「北条から受けた傷が塞がっている。そうか……君もようやく到達したのか。歓迎しよう、我が同胞よ」
問いを無視した返答を、悠斗は気にせずに問い続ける。
「答えろ! なんであんたがここにいる! なんでユニちゃんを殺した!」
両手でグリップを握り、震える銃口を男の顔に向ける。
「大事の前の小事だ。この娘のお陰で我らの悲願が叶うのだから喜べ、同胞よ」
「訳の分からない事を言うな!」
「何を言う。忘れたのか、我々の夢を?」
自分ではなく違う者と話してるかのように、会話が成立しない。
ユニを殺された怒りが更に増し、悠斗は男の胸ぐらを掴み、叫ぶ。
「いいから答えろ! なんでユニちゃんを殺したんだ! 局長!」
男──地方警察局長・中谷翼は、胸ぐらを掴まれているのに、表情を変えずに淡々と告げた。
「……直に触れて分かった。君は出来損ないのようだ」
「だから……俺の質問に答えろよ!」
ユニの命になど眼中にない、そう思わせる態度に怒鳴り、顔面に向けて拳を振るう。
拳は局長の顔に当たり、眼鏡を叩きおる。鼻からわずかに血を垂らすも、局長は気にせず続ける。
「常人を超える代謝機能と身体機能を有しながらも自我を保つ少年……変身による耐性が原因か?」
「……くそッ‼︎」
局長から手を離し、未だ血を流すユニに駆け寄る。
「しっかりしろユニ! 死んじゃ駄目だ!」
必死に呼びかけるも、身動きひとつ取らない。
傷を塞ごうにも傷口がデカすぎる。病院で手術しなければ治せない。
だがここは樹海の中で、病院まで一時間以上掛かる。救急車を呼んだとて間に合わない。
どうすればいい──そうやって悩む間にも、ユニの命は死に近づいていく。
こうなれば一か八かの賭けに出るしかない。
背中の傷口に右手を重ね、身体中にある呪力を集中させる。呪力は淡い光となって右手に宿る。
呪力の真価たる『想像を具現化』させる力を使い、傷口を塞ぐ。成功する保証のない賭けだが、今はこれにすがるしかない。
──絶対に治す! 俺の命に変えても、ユニだけは!
ユニは俺に生きる理由を与えてくれた。全てを無くした俺に愛情を注いでくれた。
「君は絶対に死なせない……。俺は……俺はまだ、君に何も返せてないんだ。だから、絶対に助ける。助けてみせる!」
光が一際強く輝く。それにつられ、傷口が少しずつだが塞がっていく。
やがて傷口が完全に塞がると光は消え、強い倦怠感が込み上げてくる。
緊張の糸が切れた途端、疲れと共に汗が出てきた。
しかし安心するのは早い。傷口は塞いだが、これで終わりじゃない。
血液が不足すれば酸素配給が行われずに死んでしまい、仮に回復しても生活が困難になる。急いで輸血しなければいけない。
幸い俺とユニの血液型は同じだ。呪力を上手く使えば輸血キットなしでも可能なはず。
自分の左手首を嚙み破るべく口に咥える。そんなことをしても足りないのは解っているが、ユニを助ける為に自分の全てを注ぎ込まずにはいられなかった。たとえそれで、自分の命が尽きようとも。
犬歯が皮膚に食い込み、肉と一緒に引きちぎりかけた、まさにその瞬間。
「無駄だ。辞めたまえ」
今の今まで静観していた局長が、悠斗の行動を止めようと肩を掴んできた。
局長の手を振り解き、悠斗は怒鳴る。
「邪魔するな! あんたの相手をしてる暇はないんだよ!」
「そうはいかない。出来損ないとはいえ、君は貴重な存在だ。傷つく姿は見たくない」
「ユニちゃんを殺したくせに何を!」
「仕方なかったんだ。怒らないでくれ」
ユニを殺した事に罪悪感を微塵も感じてない局長に、もはや怒鳴る気力すら湧かず、またもや胸ぐらに掴みかかる。すぐにリボルバーを顎に突きつけ、殺意に満ちた目で睨みつける。
「もう喋るな。本気で殺すぞ?」
この距離なら外さない。この男とて、頭を撃たれればひとたまりもないはず。
左肩と胴体を撃たれても平気な姿には驚かされたが、そんな事どうでもいい。とにかく今は、この男を黙らせる方が先決だ。
俺は不意に、視線を左肩に移す。
出血は止まっている。傷は思ったより深くなかったのだろう。
……ちょっと待て。
ここに局長がいる事に驚いて忘れていたが、なぜ銃で撃たれても痛がらないんだ? 普通ならば悶えるが、局長は何事もないかのように話し続けていた。
もう一度、左肩を見る。
そこで悠斗は、とんでもないのを目の当たりにする。
左肩に空いた傷が無くなっている。さっきまで確かにあった傷が、たった数秒目を離した隙に塞がったのだ。
不可解な言動。修復の速度。別人のような態度。理解不能な行動。
嫌な直感が脳裏をよぎり、悠斗は右目の『コンタクトディスプレイ』を起動。局長の顔を凝視する。
次々と表示される情報をスルー。最後に『呪力の有無』について表示される。
「……ッ‼︎」
信じられない結果に驚くも、すぐに軽蔑の眼差しで局長を睨む。
呪力の有無『有』。つまり、依代。
リボルバーを顎に突きつけたまま、悠斗は呟く。
「信じたくは……なかった」
「その言い方。気付いていたのかな?」
悠斗の呟きを、局長は鋭く指摘した。
「疑ってはいました。でも証拠がなかった」
初めて会った時から放つ異様な雰囲気。俺を知ったような言動。対悪鬼用の特殊部隊など、地方警察局長というだけでは説明できないほどの、手回しの良さ。
不自然なまでの動向に疑いはした。けど──。
「信じたかった。あなただけは違うって」
この人は警察官として、市民の安全を考えていた。俺の身勝手な行動を真正面から咎めてくれた。
ユニ以外で初めてだった。
信じたいと思えた。なのに……
「でも、裏切った。あなたは俺とユニちゃんを騙して、その命を奪った!」
その信頼を、愛する者を奪い、殺される形で奪われた。それが何よりも許せない。
だが、局長は悠斗の怒りなど眼中にないとばかりに淡々と告げた。
「信じてたなんて、よく言えるね。本当は信じてなかったくせに」
「なんだと……?」
「信じてなかったから、今回の作戦に私を呼ばなかったんだろ?」
嫌な所を突かれた事よりも、作戦の事がバレてる方が、悠斗にとっては衝撃だった。
「信じてると口で言うのは簡単だ。しかし本当は信じてないから、重要な場面で私に頼らない。そういう面では、君も私を裏切っているじゃないか」
「……確かに、あんたの言う通りだよ」
ここで無意味な言い訳を並べるぐらいなら、素直に認めよう。
「だから俺も、あんたの裏切りをこれ以上咎める気はない」
「なら銃を下ろしてくれないか? 顎が痛いよ」
「断る」
局長を信じきれなかった負い目はある。しかし、だからといってユニの件は許せない。
「なぜユニちゃんを殺した」
「全ては我らが悲願のため」
また同じ答えに苛立つ気持ちを抑え、続けて訊く。
「なんで止めた」
「無意味だからさ」
「……それは、助からないって意味か?」
もし肯定しようものならば、局長の頭を吹き飛ばす。そうでもしなければ、自分の中の憎しみが晴れる気がしない。
いつの間にか震えは収まっており、指はトリガーを添えられている。
ほんの少し力むだけで殺せる。普通ならば躊躇う状況なのに、不思議と落ち着いている。
自分の変貌っぷりに少し驚き、すぐに胸の奥にしまう。今は局長の返答を聞くのが先だ。
そんな悠斗の葛藤を知る由もない局長は、なぜか口角を上げ、予想に反する返答をした。
「元々死んでるからさ」
「…………はっ?」
「その娘は最初から死んでいる。今更何をしようが無駄だ」
「何言ってんだあんた」
最初からユニは死んでいる。局長が口にした衝撃の事実を、俺は微塵も信じなかった。
「信じられないなら、彼女に触れてみなよ」
「…………」
今すぐトリガーを引いて殺そうかと思ったが、局長の言葉が妙に引っかかる。
一旦局長から銃を離し、ユニの手を取る。
「……な⁉︎」
驚きのあまり、声が漏れる。
氷のように冷たく、硬い。これではまるで──。
浮かび上がる先を全力で否定しながら、手首に指を置いて脈を測ると、微弱ながら動いている。
まだ生きている。なのに体は死人のように冷たい。
何がなんだが分からず、再度局長に詰め寄る。
「これはどういう事だ。あんたは、何を知ってる」
「だから言ってるだろ。その娘は既に死んでいると」
「質問に答えろ! 何を知ってるかを聞いているんだ!」
求める答えと違った苛立ちから、局長の頭をグリップで殴りつけた。
局長は血を滴らせるも、やはり何事もなかったように続けた。
「愛する者を目の前で失えば錯乱するもの。君の苛立つ気持ちも分かる。しかし、いくら否定しても現実は変わらない」
「答えになってないんだよ!」
「既に答えは出ている。その娘……ユニは死人だとね」
厳しい現実を語られ、一瞬全身から力が抜ける。その隙に局長に突き離され、ユニの隣で力なく膝をつく。
ユニの死を受け入れ始めた自分が嫌になりつつ、すがるようにユニの手を握る。
「嘆くことはない。死人とは言え、役に立てて死ねたのだ」
「……なんだと」
「本当に感謝しているよ。この娘のお陰で、我らの悲願が叶うのだから」
そう言うと局長は、右手を開き、ユニから取り出した物を見下ろした。如何に傷つけようが眉一つ動かさなかった顔が、その時だけは笑っている。
「それは、なんだ……?」
不気味なまでに吊り上がった口角に恐怖し、俺は息を呑みながら訊く。
すると局長は、またしても予想外な返答をした。
「死体だった娘を動かしていた物だ」
握り拳から露わになった物を見て、俺は言葉を失った。
そこにあったのは駒。俺とユニが必死に集めている呪物だった。
しかもこれは、上級の駒『女王』。未だ発見されていなかった駒が、なぜユニの中に。
「いい機会だ。君には二つの真実を教えてやろう」
訳が分からず思考が停止する俺に、局長は顔を覗き込ませながら言った。
「一つ目は、ユニは駒を発見した科学者の娘だ」
「なッ……⁉︎ ユニが、科学者の娘だと……」
思わず驚きの声が漏れてしまったが、それは仕方のない事だった。
駒が発見されたのは今から五十年前。当時のユニが何歳かは知らないが、それだけの年月が経てば子供は老人になっている。
それだけじゃない。局長は見るからに四十を超えている。五十年前では存在すらしていないはずだ。
「娘は当時の医療技術では治せない病に伏していてな。父親はどうにかして娘を救おうとし、我らを発見した。恐らく呪力の力で娘の病を治そうと考えていたんだろうが、それは叶わなかった。なぜだか分かるか?」
局長の問いに、今の俺には答えられなかった。
「答えは簡単。父親と娘を殺したからだ。封印から解放されたと同時に、助手だったこの男の肉体を奪ってな」
「……えっ」
「何を驚いている? 低俗な人間如きが、この王に命令などおこがましいだろ?」
科学者とユニを殺したのは局長で、本当は科学者の助手だった……? じゃあ、この人もユニと同じで……。
理解が追いつかないのに、局長は続けた。
「だが科学者は小賢しくも抵抗を続け、駒のほとんどをこの国の首都にばらまいた。愚か者なりの無駄な足掻きだったよ」
「だから、西橋都に悪鬼が出没するようになったのか……」
「それから私は、偽りの記憶と命をユニに与え、正義の名の元に駒を集めさせた。科学者のデータを基に作ったブレスレットを用いてな」
俺は不意に、ブレスレットに顔を向ける。
「しかし死人には扱えない代物でな。どうにかしようと考えた結果、ある事に気付いたのだよ。ユニの代わりを探そうと」
局長は立ち上がり、炭となったアンタレスの亡骸を撫でる。
「そして二つ目。君の両親を殺すよう命じたのは、私だ」
「…………ッ!!」
「一人の男の欲望によって親を亡くし、世間から孤立する事で精神を衰弱させ、未知の力への抵抗を消し、自分と同じ境遇の少女と出会わせて戦う理由を操作する」
紛うことなく、俺のことだ。両親を亡くし、周囲から距離を置き、頼る者のいない時にユニが現れた。それからユニの為ならばと鎧騎士になった。
「じゃあ……今まで俺はずっと」
「そう。私の掌の上で踊っていたのだよ。全ては今、この時の為に!」
感極まった局長の声と共に、女王の駒が紅い光を放ち始めた。
部屋全体が揺れ出す。これは地震ではない。この建物の地下から、巨大な物がせりあがってきてる揺れだ。
「祝うがいい! 我らが望んだその時だ!」
「何をするつもりだ!?」
「遍く愚か者共よ、見るがよい! 今こそ、我が理想郷の創世である!」
「世界が終わり、全てが生まれ変わる……」
「全てが浄化され、救われる……!」
西橋都の各地に散らばる王の思想に共感した信徒たちが持つ兵士が一際紅く、強烈な光を発した。
今この瞬間、駒を通じて全員の想いはひとつとなった。
王の見る世界を、全員が共有していた。
世界が生まれ変わる。王の慈愛を受けた者のみが、全知全能ともいえる領域に至り、いまだかつてない法悦に包まれた。
そして──駒を持たない人間は消滅した。だがその精神は呪力となって、王に宿る。
王が目覚める。
この日。
西橋都から人間が消えた。
記憶喪失も関係してると思うが、ユニは悠斗を知ってなおもいつも通りに接してくれた。彼女にとっては当たり前な事も、それだけで救われた。
哀憐、同情、嘲笑。親のいない異端児に降り注ぐ理不尽に耐える日々において、ユニの存在がどれほど希望を与えてくれたか。
最初は作り笑顔ばかり浮かべる彼女に苛立ち、荒んだ言動を取ることもあった。相手の顔色を伺って遠慮する態度が癇に障る事もあった。
だが、徐々に自然な笑顔を見せてくれるようになり、年相応な態度を取るようになった。
気付けば、ユニに惹かれていた。
学校から帰れば「おかえり」と言ってくれた。
毎日、温かい食事と笑顔で出迎えてくれた。
ラーメンばっかり食べる俺を叱ってくれた。
無茶する俺を心配してくれた。
頑張ったら、俺を褒めてくれた。
普通の家族ならば、それは当たり前な事かもしれない。しかし、両親のいない俺にとってはどれも新鮮なものだった。
ユニの何気ない行動が、俺に希望を与えていた。
両親からの愛に渇望していた俺は、ユニからの愛を欲した。
だから、鎧騎士になった。
鎧騎士となって戦えば、ユニは褒めてくれる。心配してくれる。叱ってくれる。もしかしたら……愛してくれるかもしれない。
不純だと思う。私利私欲の為に力を求めるなんて、俺が最も忌み嫌う存在と大差ない。
俺は、必死に自分の欲望を隠し続けてきた。一人でも多くの人を守り、救う事がユニの為だと思い込んで、戦ってきた。
そして今日、俺は『ユニが欲しい』と欲張った。
これは、その報いだろうか。
目の前で、愛する人が刺されたのは。
「っぁぁぁぁぁあああああ!」
ユニの絶叫が響き渡り、鮮血が迸る。
剣はユニの体を貫通し、血にまみれた刃が胸の中心から生えている。
あまりの出来事に、悠斗は放心して声すら出せない。
「悪く思わないでくれたまえ」
ユニの背後から声が聞こえる。見ると、背後の闇と同色のローブをまとい、姿を闇と同化させた一人の男が立っていた。
黒ローブの男。もしや、駒を奪った犯人か? 駒を奪い、今度はユニの命を奪うつもりなのか?
黒ローブ男が乱暴に剣を引き抜く。剣に支えられていたユニの体が倒れ伏す。床に血だまりが広がってゆく。
黒ローブ男はその背中に歩み寄り、羽織られた上着を力任せに引き裂くと、肌に刻まれた深い傷に、男は右手を突っ込んだ。
そして。
ユニの体から手を引っこ抜いた。何かを握っている。
黒ローブ男は、悠斗に見えないように取り出した物を確認して、ゆっくりと頷く。
「素晴らしい出来だ」
暗がりとローブによって見えないが、男はいま喜んでいる。ユニを殺して……。
「貴っ……様!」
ユニを殺された怒りから、護身用に渡されていたリボルバーを抜き、黒ローブ男へ発砲する。
だが、度重なる疲労と動揺と暗がりによって照準が定まらず、弾は男ではなくローブを射抜いた。ローブは射抜かれた衝撃でめくれるが、男の顔は暗がりで見えない。
「殺害を躊躇わずに頭部狙い。いい判断だ」
二発目を撃つ直前、男は言った。
「惜しむならば、不完全なメンタルコントロール。動揺から照準がズレている」
悠斗は男の言葉を無視して、トリガーを引く。今度は頭部ではなく胴体を狙う。
弾は左肩に命中するも、男は意に介さずに淡々と続けた。
「命中率の低い頭部を避け、範囲の広い胴体に狙いを変えるか。それならば照準がズレても外れる事はない」
弾は確かに命中した。左肩から出血しているのに、男は痛がらずにこちらを見下ろしている。
「くっ……‼︎」
もはや狙いすら定めずに連射する。三発中二発は胸と右足に命中したが、一発は男から大きく逸れてしまい、汚れた窓を勢いよく割った。
割れた窓から月明かりが差し込み、暗い室内を照らす。
悠斗は即座にシリンダーを開き、空薬莢を排出。腰のホルダーからスピードローダーを差し込み、ローダー後部の摘みを操作してロックを解除。シリンダーを戻し、すぐさま銃口を男に向ける。
差し込む月明かりが、男の顔を照らし出す。
そして──明らかになった素顔を見て、悠斗は動きを止めた。
「あなたは……なぜ、こんな所に」
男の顔を凝視しながら、悠斗は力なく呟く。
男は鋭い視線──壁すら射抜きそうな目力で悠斗を見据えると、わずかに口角を上げる。
「北条から受けた傷が塞がっている。そうか……君もようやく到達したのか。歓迎しよう、我が同胞よ」
問いを無視した返答を、悠斗は気にせずに問い続ける。
「答えろ! なんであんたがここにいる! なんでユニちゃんを殺した!」
両手でグリップを握り、震える銃口を男の顔に向ける。
「大事の前の小事だ。この娘のお陰で我らの悲願が叶うのだから喜べ、同胞よ」
「訳の分からない事を言うな!」
「何を言う。忘れたのか、我々の夢を?」
自分ではなく違う者と話してるかのように、会話が成立しない。
ユニを殺された怒りが更に増し、悠斗は男の胸ぐらを掴み、叫ぶ。
「いいから答えろ! なんでユニちゃんを殺したんだ! 局長!」
男──地方警察局長・中谷翼は、胸ぐらを掴まれているのに、表情を変えずに淡々と告げた。
「……直に触れて分かった。君は出来損ないのようだ」
「だから……俺の質問に答えろよ!」
ユニの命になど眼中にない、そう思わせる態度に怒鳴り、顔面に向けて拳を振るう。
拳は局長の顔に当たり、眼鏡を叩きおる。鼻からわずかに血を垂らすも、局長は気にせず続ける。
「常人を超える代謝機能と身体機能を有しながらも自我を保つ少年……変身による耐性が原因か?」
「……くそッ‼︎」
局長から手を離し、未だ血を流すユニに駆け寄る。
「しっかりしろユニ! 死んじゃ駄目だ!」
必死に呼びかけるも、身動きひとつ取らない。
傷を塞ごうにも傷口がデカすぎる。病院で手術しなければ治せない。
だがここは樹海の中で、病院まで一時間以上掛かる。救急車を呼んだとて間に合わない。
どうすればいい──そうやって悩む間にも、ユニの命は死に近づいていく。
こうなれば一か八かの賭けに出るしかない。
背中の傷口に右手を重ね、身体中にある呪力を集中させる。呪力は淡い光となって右手に宿る。
呪力の真価たる『想像を具現化』させる力を使い、傷口を塞ぐ。成功する保証のない賭けだが、今はこれにすがるしかない。
──絶対に治す! 俺の命に変えても、ユニだけは!
ユニは俺に生きる理由を与えてくれた。全てを無くした俺に愛情を注いでくれた。
「君は絶対に死なせない……。俺は……俺はまだ、君に何も返せてないんだ。だから、絶対に助ける。助けてみせる!」
光が一際強く輝く。それにつられ、傷口が少しずつだが塞がっていく。
やがて傷口が完全に塞がると光は消え、強い倦怠感が込み上げてくる。
緊張の糸が切れた途端、疲れと共に汗が出てきた。
しかし安心するのは早い。傷口は塞いだが、これで終わりじゃない。
血液が不足すれば酸素配給が行われずに死んでしまい、仮に回復しても生活が困難になる。急いで輸血しなければいけない。
幸い俺とユニの血液型は同じだ。呪力を上手く使えば輸血キットなしでも可能なはず。
自分の左手首を嚙み破るべく口に咥える。そんなことをしても足りないのは解っているが、ユニを助ける為に自分の全てを注ぎ込まずにはいられなかった。たとえそれで、自分の命が尽きようとも。
犬歯が皮膚に食い込み、肉と一緒に引きちぎりかけた、まさにその瞬間。
「無駄だ。辞めたまえ」
今の今まで静観していた局長が、悠斗の行動を止めようと肩を掴んできた。
局長の手を振り解き、悠斗は怒鳴る。
「邪魔するな! あんたの相手をしてる暇はないんだよ!」
「そうはいかない。出来損ないとはいえ、君は貴重な存在だ。傷つく姿は見たくない」
「ユニちゃんを殺したくせに何を!」
「仕方なかったんだ。怒らないでくれ」
ユニを殺した事に罪悪感を微塵も感じてない局長に、もはや怒鳴る気力すら湧かず、またもや胸ぐらに掴みかかる。すぐにリボルバーを顎に突きつけ、殺意に満ちた目で睨みつける。
「もう喋るな。本気で殺すぞ?」
この距離なら外さない。この男とて、頭を撃たれればひとたまりもないはず。
左肩と胴体を撃たれても平気な姿には驚かされたが、そんな事どうでもいい。とにかく今は、この男を黙らせる方が先決だ。
俺は不意に、視線を左肩に移す。
出血は止まっている。傷は思ったより深くなかったのだろう。
……ちょっと待て。
ここに局長がいる事に驚いて忘れていたが、なぜ銃で撃たれても痛がらないんだ? 普通ならば悶えるが、局長は何事もないかのように話し続けていた。
もう一度、左肩を見る。
そこで悠斗は、とんでもないのを目の当たりにする。
左肩に空いた傷が無くなっている。さっきまで確かにあった傷が、たった数秒目を離した隙に塞がったのだ。
不可解な言動。修復の速度。別人のような態度。理解不能な行動。
嫌な直感が脳裏をよぎり、悠斗は右目の『コンタクトディスプレイ』を起動。局長の顔を凝視する。
次々と表示される情報をスルー。最後に『呪力の有無』について表示される。
「……ッ‼︎」
信じられない結果に驚くも、すぐに軽蔑の眼差しで局長を睨む。
呪力の有無『有』。つまり、依代。
リボルバーを顎に突きつけたまま、悠斗は呟く。
「信じたくは……なかった」
「その言い方。気付いていたのかな?」
悠斗の呟きを、局長は鋭く指摘した。
「疑ってはいました。でも証拠がなかった」
初めて会った時から放つ異様な雰囲気。俺を知ったような言動。対悪鬼用の特殊部隊など、地方警察局長というだけでは説明できないほどの、手回しの良さ。
不自然なまでの動向に疑いはした。けど──。
「信じたかった。あなただけは違うって」
この人は警察官として、市民の安全を考えていた。俺の身勝手な行動を真正面から咎めてくれた。
ユニ以外で初めてだった。
信じたいと思えた。なのに……
「でも、裏切った。あなたは俺とユニちゃんを騙して、その命を奪った!」
その信頼を、愛する者を奪い、殺される形で奪われた。それが何よりも許せない。
だが、局長は悠斗の怒りなど眼中にないとばかりに淡々と告げた。
「信じてたなんて、よく言えるね。本当は信じてなかったくせに」
「なんだと……?」
「信じてなかったから、今回の作戦に私を呼ばなかったんだろ?」
嫌な所を突かれた事よりも、作戦の事がバレてる方が、悠斗にとっては衝撃だった。
「信じてると口で言うのは簡単だ。しかし本当は信じてないから、重要な場面で私に頼らない。そういう面では、君も私を裏切っているじゃないか」
「……確かに、あんたの言う通りだよ」
ここで無意味な言い訳を並べるぐらいなら、素直に認めよう。
「だから俺も、あんたの裏切りをこれ以上咎める気はない」
「なら銃を下ろしてくれないか? 顎が痛いよ」
「断る」
局長を信じきれなかった負い目はある。しかし、だからといってユニの件は許せない。
「なぜユニちゃんを殺した」
「全ては我らが悲願のため」
また同じ答えに苛立つ気持ちを抑え、続けて訊く。
「なんで止めた」
「無意味だからさ」
「……それは、助からないって意味か?」
もし肯定しようものならば、局長の頭を吹き飛ばす。そうでもしなければ、自分の中の憎しみが晴れる気がしない。
いつの間にか震えは収まっており、指はトリガーを添えられている。
ほんの少し力むだけで殺せる。普通ならば躊躇う状況なのに、不思議と落ち着いている。
自分の変貌っぷりに少し驚き、すぐに胸の奥にしまう。今は局長の返答を聞くのが先だ。
そんな悠斗の葛藤を知る由もない局長は、なぜか口角を上げ、予想に反する返答をした。
「元々死んでるからさ」
「…………はっ?」
「その娘は最初から死んでいる。今更何をしようが無駄だ」
「何言ってんだあんた」
最初からユニは死んでいる。局長が口にした衝撃の事実を、俺は微塵も信じなかった。
「信じられないなら、彼女に触れてみなよ」
「…………」
今すぐトリガーを引いて殺そうかと思ったが、局長の言葉が妙に引っかかる。
一旦局長から銃を離し、ユニの手を取る。
「……な⁉︎」
驚きのあまり、声が漏れる。
氷のように冷たく、硬い。これではまるで──。
浮かび上がる先を全力で否定しながら、手首に指を置いて脈を測ると、微弱ながら動いている。
まだ生きている。なのに体は死人のように冷たい。
何がなんだが分からず、再度局長に詰め寄る。
「これはどういう事だ。あんたは、何を知ってる」
「だから言ってるだろ。その娘は既に死んでいると」
「質問に答えろ! 何を知ってるかを聞いているんだ!」
求める答えと違った苛立ちから、局長の頭をグリップで殴りつけた。
局長は血を滴らせるも、やはり何事もなかったように続けた。
「愛する者を目の前で失えば錯乱するもの。君の苛立つ気持ちも分かる。しかし、いくら否定しても現実は変わらない」
「答えになってないんだよ!」
「既に答えは出ている。その娘……ユニは死人だとね」
厳しい現実を語られ、一瞬全身から力が抜ける。その隙に局長に突き離され、ユニの隣で力なく膝をつく。
ユニの死を受け入れ始めた自分が嫌になりつつ、すがるようにユニの手を握る。
「嘆くことはない。死人とは言え、役に立てて死ねたのだ」
「……なんだと」
「本当に感謝しているよ。この娘のお陰で、我らの悲願が叶うのだから」
そう言うと局長は、右手を開き、ユニから取り出した物を見下ろした。如何に傷つけようが眉一つ動かさなかった顔が、その時だけは笑っている。
「それは、なんだ……?」
不気味なまでに吊り上がった口角に恐怖し、俺は息を呑みながら訊く。
すると局長は、またしても予想外な返答をした。
「死体だった娘を動かしていた物だ」
握り拳から露わになった物を見て、俺は言葉を失った。
そこにあったのは駒。俺とユニが必死に集めている呪物だった。
しかもこれは、上級の駒『女王』。未だ発見されていなかった駒が、なぜユニの中に。
「いい機会だ。君には二つの真実を教えてやろう」
訳が分からず思考が停止する俺に、局長は顔を覗き込ませながら言った。
「一つ目は、ユニは駒を発見した科学者の娘だ」
「なッ……⁉︎ ユニが、科学者の娘だと……」
思わず驚きの声が漏れてしまったが、それは仕方のない事だった。
駒が発見されたのは今から五十年前。当時のユニが何歳かは知らないが、それだけの年月が経てば子供は老人になっている。
それだけじゃない。局長は見るからに四十を超えている。五十年前では存在すらしていないはずだ。
「娘は当時の医療技術では治せない病に伏していてな。父親はどうにかして娘を救おうとし、我らを発見した。恐らく呪力の力で娘の病を治そうと考えていたんだろうが、それは叶わなかった。なぜだか分かるか?」
局長の問いに、今の俺には答えられなかった。
「答えは簡単。父親と娘を殺したからだ。封印から解放されたと同時に、助手だったこの男の肉体を奪ってな」
「……えっ」
「何を驚いている? 低俗な人間如きが、この王に命令などおこがましいだろ?」
科学者とユニを殺したのは局長で、本当は科学者の助手だった……? じゃあ、この人もユニと同じで……。
理解が追いつかないのに、局長は続けた。
「だが科学者は小賢しくも抵抗を続け、駒のほとんどをこの国の首都にばらまいた。愚か者なりの無駄な足掻きだったよ」
「だから、西橋都に悪鬼が出没するようになったのか……」
「それから私は、偽りの記憶と命をユニに与え、正義の名の元に駒を集めさせた。科学者のデータを基に作ったブレスレットを用いてな」
俺は不意に、ブレスレットに顔を向ける。
「しかし死人には扱えない代物でな。どうにかしようと考えた結果、ある事に気付いたのだよ。ユニの代わりを探そうと」
局長は立ち上がり、炭となったアンタレスの亡骸を撫でる。
「そして二つ目。君の両親を殺すよう命じたのは、私だ」
「…………ッ!!」
「一人の男の欲望によって親を亡くし、世間から孤立する事で精神を衰弱させ、未知の力への抵抗を消し、自分と同じ境遇の少女と出会わせて戦う理由を操作する」
紛うことなく、俺のことだ。両親を亡くし、周囲から距離を置き、頼る者のいない時にユニが現れた。それからユニの為ならばと鎧騎士になった。
「じゃあ……今まで俺はずっと」
「そう。私の掌の上で踊っていたのだよ。全ては今、この時の為に!」
感極まった局長の声と共に、女王の駒が紅い光を放ち始めた。
部屋全体が揺れ出す。これは地震ではない。この建物の地下から、巨大な物がせりあがってきてる揺れだ。
「祝うがいい! 我らが望んだその時だ!」
「何をするつもりだ!?」
「遍く愚か者共よ、見るがよい! 今こそ、我が理想郷の創世である!」
「世界が終わり、全てが生まれ変わる……」
「全てが浄化され、救われる……!」
西橋都の各地に散らばる王の思想に共感した信徒たちが持つ兵士が一際紅く、強烈な光を発した。
今この瞬間、駒を通じて全員の想いはひとつとなった。
王の見る世界を、全員が共有していた。
世界が生まれ変わる。王の慈愛を受けた者のみが、全知全能ともいえる領域に至り、いまだかつてない法悦に包まれた。
そして──駒を持たない人間は消滅した。だがその精神は呪力となって、王に宿る。
王が目覚める。
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西橋都から人間が消えた。
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