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9.物語の最重要人物
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本日は忙しい。
午前は学校に行って、午後からはアルバイトに行く予定だ。
貧乏暇なしという言葉があるが、現実のものになるとはな……。
さて、出発するか。
俺はオンボロ自転車に乗って学校へ向かった。
まだ自転車移動は慣れないな。
高校に到着した。
「……うー、本当に自転車は疲れるな。高校も遠すぎる。そのうち通学だけでこいつは痩せていきそうだな……」
伸びをしながら歩き出すと、誰かに呼び止められた。
「井上くん!おはよ!」
そこにはニコニコ笑った九条エマがいた。
……やはりなかなかの美少女である。
「おう、おはよう。」
そのあとの彼女の言葉に、俺は耳を疑った。
「今日も頑張ろうね、西園寺くん……。」
「おう、頑張ろうな」
……………………ん?
いま、俺のこと西園寺と呼んだのか……!?!?!?
西園寺とは、俺がイケメンだった頃の名前だ。
なんで彼女が俺の昔の名前を知っているのかは分からない。
しかし、九条エマ、彼女がこの物語の最重要人物であることは確定した。
エマは俺に背を向けて先に歩き出している。
これは話を聞くしかない。
「おい!!!!!!九条エマ!!!!待て!!!!!!!なぜその名前を知っている!?!?」
気づくと俺はエマの手を引っ張って大声を出していた。
周りはざわついていた。
それも当然ではある。
デブでブサイクな俺が、美少女の手を引っ張り、大声を出しているのだからな。
全く異常な光景である。
ただ、今はそんなことは言ってられない。
俺は周りに目立たないように体育館の裏にエマを誘導した。
「……どうしたの?もうすぐ授業始まるし、はやくいかないと遅刻しちゃうよ?」
エマは余裕の表情で俺に語りかける。
俺にはそんな余裕なんてない。
早く真相を確かめなくては。
「……おい!!!はやく答えろ!!!お前はどこまで知っているのだ!?!?」
俺は感情を抑えきれずに叫んだ。
「……あなたのことは、学校では井上くん……と呼ばせていただくわ。
ただ、私は昔のあなた、西園寺隼人のことも知っているの。」
エマは相変わらずニコニコしている。
その表情が、今は憎らしく思えてしまう自分がいた。
「……どういうことだ!?お前の知っていることを全て教えろ!!!!!!!!なぜお前が西園寺隼人を知っているのだ!!!!!!」
俺は大声を出していた。もうどうにかなってしまいそうだ。
「……こんなこと言ってもきっと井上くんは信じないと思うけど、知りたいの……?」
「もちろんだ!!!!なんでも信じる!!!!頼むから教えてくれ!!!!!!」
俺はエマにすがった。
すると、エマは信じられないことを話しだしたのだ。
午前は学校に行って、午後からはアルバイトに行く予定だ。
貧乏暇なしという言葉があるが、現実のものになるとはな……。
さて、出発するか。
俺はオンボロ自転車に乗って学校へ向かった。
まだ自転車移動は慣れないな。
高校に到着した。
「……うー、本当に自転車は疲れるな。高校も遠すぎる。そのうち通学だけでこいつは痩せていきそうだな……」
伸びをしながら歩き出すと、誰かに呼び止められた。
「井上くん!おはよ!」
そこにはニコニコ笑った九条エマがいた。
……やはりなかなかの美少女である。
「おう、おはよう。」
そのあとの彼女の言葉に、俺は耳を疑った。
「今日も頑張ろうね、西園寺くん……。」
「おう、頑張ろうな」
……………………ん?
いま、俺のこと西園寺と呼んだのか……!?!?!?
西園寺とは、俺がイケメンだった頃の名前だ。
なんで彼女が俺の昔の名前を知っているのかは分からない。
しかし、九条エマ、彼女がこの物語の最重要人物であることは確定した。
エマは俺に背を向けて先に歩き出している。
これは話を聞くしかない。
「おい!!!!!!九条エマ!!!!待て!!!!!!!なぜその名前を知っている!?!?」
気づくと俺はエマの手を引っ張って大声を出していた。
周りはざわついていた。
それも当然ではある。
デブでブサイクな俺が、美少女の手を引っ張り、大声を出しているのだからな。
全く異常な光景である。
ただ、今はそんなことは言ってられない。
俺は周りに目立たないように体育館の裏にエマを誘導した。
「……どうしたの?もうすぐ授業始まるし、はやくいかないと遅刻しちゃうよ?」
エマは余裕の表情で俺に語りかける。
俺にはそんな余裕なんてない。
早く真相を確かめなくては。
「……おい!!!はやく答えろ!!!お前はどこまで知っているのだ!?!?」
俺は感情を抑えきれずに叫んだ。
「……あなたのことは、学校では井上くん……と呼ばせていただくわ。
ただ、私は昔のあなた、西園寺隼人のことも知っているの。」
エマは相変わらずニコニコしている。
その表情が、今は憎らしく思えてしまう自分がいた。
「……どういうことだ!?お前の知っていることを全て教えろ!!!!!!!!なぜお前が西園寺隼人を知っているのだ!!!!!!」
俺は大声を出していた。もうどうにかなってしまいそうだ。
「……こんなこと言ってもきっと井上くんは信じないと思うけど、知りたいの……?」
「もちろんだ!!!!なんでも信じる!!!!頼むから教えてくれ!!!!!!」
俺はエマにすがった。
すると、エマは信じられないことを話しだしたのだ。
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