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しおりを挟むまさか土田が鼻血を出して倒れるとは思っていなかった。油断したのは自業自得だが勇人のあのメイクした容姿は破壊力が半端なかった。しかもナース姿だ。あれは反則だと誰もが思うだろう。
最近、高坂さんと両想いになったから手を出す奴らはいないと思うが、今日のあの姿をみて何とも言えなくなってしまった。
海斗の中で警報が鳴りやまない。
あれは危険だ!目を離すな―――と・・・
「これは高坂さんに報告した方がいいな。後で面倒にまきこまれるのはごめんだし・・・」
厄介な親友に海斗は諦めのため息を吐いたのだった。
女神さまだ―――
女神さまが降臨なさった―――
女神さまが―――
ナース姿の勇人はかわいらしくて胸がどきどきした。
短い丈のスカートから伸びた細い足
くびれのある腰
細い肩
襟元から見える鎖骨
恥ずかしそうに口を噛み目を潤ませて視線をこちらに向ける
ドクン!―――・・
心臓を鷲掴みにされたような衝撃を受けた
体育祭でのあの女王様姿も半端がなかったが、これは聖女、いや女神さまのように色気を放ち空気が一変した。
ぼやける視界に映ったのは心配そうに覗ききんでいた女神さまの顔だった。
「気が付いたか?」
嬉しそうに微笑んでいる女神さまに股間がズキンと痛くなった。
いや、まさか・・・
彼を女神さまを対象として反応していることに戸惑った。
しかも、半勃ちではなく―――完勃ち・・・
カーッと顔が赤くなるのを感じた。
しかも女神さまに、恐れ多くも・・・
ひ、膝枕!
女の子にされたことがないからその感触はわからないけど、少し硬くていい匂いがした。
ふにゃふにゃ―――だ
もう感情がまとまらなくて頭の中がパンクしそうだ。
「委員長・・・?」
いつまでたっても返事をしない土田に勇人はキョトンとしている。
「大丈夫か?頭でも売ったか?」
そういって頭を撫でてくれる手が心地よくて、自分に好意を寄せてくれているのではないかと勘違いしそうになる。
わかっている―――
勇人さまは『高坂さまの恋人』―――
だけど――
だけど、高坂さまよりももっと早く前に―――
もしかしたら自分のものにできたのではないかと―――
そんな小さな欲望が膨れ上がる
『ダメだ』―――
何を考えているっ!
勇人さまは特別な方―――
何もない自分とは違う!
彷徨うこの気持ちは
『恋』―――か?
それとも―――『憧れ』なのか?
視線が合う―――
意識が沈んでいく
寝不足だったのが、今きたか・・
いいや、このまま―――もう少し彼を独占しておこう
目が覚めれば、もう彼に触れることはできないのだから・・・
眠る土田がそんなことを考えているとは知らず、海斗が来るのを待ち続ける勇人であった。
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