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23.海斗の災難8

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更新が遅れ気味ですみません。パソコンのキーボードが動かなくてペンタッチで入力していたのですが、やっと直ったので更新を進めていけます。

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顔を見合わせながら苦笑した二人は今度こそ仲直りができますようにと願わずにはいられなかった。


そして、ひと足早くエレベーターを降りたのは勇人だった。棟の外に出て両手を高く上げて体の筋肉を解すと首をポキポキと鳴らして近くのベンチに腰掛けた。

風が頬を撫でて気持ちがいい。背もたれに体を預け空を見上げると雲が途切れて太陽の光が差し込み眩しくて目を細めた。

そこに影ができて、海斗が来たことを知る。


「勇人・・話って何だ?」


内容はわかっていたが一応確認するように話かけてみた。

すると、笑みを浮かべてまっすぐに海斗を見つめると・・・

『わかっているくせにと・・』―――と

言われているような気がした。


「海斗・・オレが悪かった。お前の言うようにできるだけ自信の存在に自覚を持つように気をつける。」


勇人の覚悟に海斗はやっとわかってくれたのかと安心して大きなため息を吐いた。


「・・・わかってくれればいい」

「そうか、よかった・・お前とケンカしてずっとイライラして周りに迷惑をかけたけど、これで元通りだな・」


うれしそうに笑う勇人にそれはそれでダメなんじゃないかと言いかけたがその言葉を呑み込んだ。

これ以上ケンカをする意味もないしな。



だから―――「そうだな・・」と、そう呟いたのだった。


その後は、たわいもないことを話て盛り上がっているところを夏樹が迎えに来るまでずっと続いたのだった。






そして―――二人がいなくなった後。

物陰に隠れていた写真部の大山はカメラも手にして震えていた。

「やったっ!スクープだっ!!」


満面の笑みで駆け出して行ったことに生徒会も風紀委員も誰一人として気づかなかった。




翌日の掲示板には・・・



勇人さまと謎の生徒の熱愛発覚!!





と―――でかでかと張り出され、SNSには二人の仲睦まじい写真が制裁されていたそうだ。

勇人はスマホを手にして怒り心頭で、海斗はボーゼン。

恋人であるはずの高坂はこの日一日中不機嫌で取り締まりに容赦がなかったらしい。

一方、坂田は「当初の目的はどうしたんだ?」と、画面を見て突っ込みを入れていた。



そして、写真部はというとこんな騒ぎを起こした責任を問われて『廃部』となった。

生徒会の怒りをくらったのだから当然のこと。

ちょっと考えればわかることだというのに、スクープに目がくらんで判断を誤った。

最初の目的通り、風紀委員の新人を記事にしていれば何の問題もなかったはずだ。

それを欲張ったのが悪い。

自業自得である―――




「何でだよおおおおお―――っ!!」




ただただ、大山の悲痛な叫びがこだましたのだっった。





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