オレが受けなんてありえねえ！

１８－３５

体育祭をサボっているのかと思ったが、彼はあいつらがここにいるのを咎めてした。それを頭に置くと参加資格がないように聞こえなくもない。

もしかして、謹慎とか停学とかそんな奴らなのか？

でも、風紀委員をしていた時はそんな奴らはいなかったと思う。

じゃあ、あいつらは何者なんだ？

ここからすぐに飛び出して彼に問いただしたいという欲求にさらされるが、何かマズイような気もする。


「とにかく、自分の教室に戻れっ」

「でも、今は自由時間だし・・」

「自由時間でもここに来るのは止めろ！あいつに見つかれば退学になるぞ」

「・・ハハハ・・まさか」

金髪が頬を引きつらる。冗談だろ？とも言いたげだが、彼は首を横に振る。


「冗談だと思うか？あいつにあんなことをしておいて？」


その言葉にへらへらしていたあいつらが黙り込む。

目を泳がせてまるで何かに怯えているようだ。


「思い出したか？」

「・・イヤ別に忘れていたわけじゃ・・」

「・・そうか、だったらここから立ち去れっ！」

「・・わ、わかったから・・そう睨むな」

「ちっ・・・」

「クソっ！」


ブツブツ文句を言いながらも奴らは立ち去る。それを確認してから彼も戻って行った。

一人残された勇人は何とも言えない気持ちになり立ち尽くした。


奴らは誰だ？

なぜ、彼はあんな態度を？

あいつにあんなことって・・何があった？


別に人のプライベートに首を突っ込むつもりなどないが、風紀委員長の彼があんな態度をとったことがすごく気になった。


誰かを庇っているのは明らかで・・それはもしかしたら・・中原のことか？

そう思うと胸がキリキリと痛み泣きたくなった。

オレが入り込む隙はないのか？

―――と・・・。


「高坂さん・・」


勇人は静かにその場から離れ更衣室のテントへと駆け込んだ。

涙がポロポロこぼれて手で何度も擦り取った。

綱引きの歓声が響く中、唇を噛み声を堪えて泣いた。