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しおりを挟む勇人が坂口を救護室に連れて行った後も、ざわついていたが競技は進行していく。
「えー、と、トラブルもありましたが次の競技にはいりたいのですが変更がございます。次は障害物競走でしたが。玉入れに変更させていただきます。選手のかたは至急集まってください・」
突然、言われた変更は進行に妨げとなりそうだが、何とかそこは上手くいった。
司会者は戸惑いながらも落ち着いていた。いや本当はさっきの勇人の行動に心は悲鳴をあげていた。しかし彼には進行役という使命があった。しかもこれは生徒会長からの指名だった。
元々実行委員会だったが進行役は違う生徒がする予定だったしかしその彼が盲腸で入院したことにより会長が指名したのだ。
入院した彼のためにも失敗するわけにはいかなかった。
しかし、勇人さまがあそこまで鈍い人だとは思わなかった。
救護室に運ばれた坂口は大丈夫だろうか?憧れの勇人さまに姫抱きされて嬉しいとは思うがきっと今頃気を失っているだろうなあとある意味気の毒になった。
音楽がなり選手が入場していく。紅白にわかれ円になって玉を二つ持って準備万端。
ホイッスルとともに一斉に紅白の玉が宙を舞う。
「キャアアアアア―――!」
「こらーっ!まとまて投げろって言っただろうがっ!」
「怯むな!勝つのはオレたち紅組だあああーーっ!!」
と紅組の選手から檄が飛ぶと、白組も負けずと声が飛ぶ。
学生らしい熱気があふれ、みんな熱くなっていった。
救護室でそれを見ていた勇人も興奮して手に汗握るっていうのをやっていた。
「すげえ熱気だな・・」
「そうだな・・」
影山はこの春やって来たばかりの新任の保険医だ。金髪に赤いピアスをしていてうん臭いが晴広とは親友関係で勇人のことも知っていた。
「先生、坂口はどうなんだ?」
「ああ、なんの問題もない。起きたら帰すよ」
「そっか、よかった」
安心している勇人に影山は、これはお前のせいだろうと突っ込みを入れてやりたかったが、晴広がいるこの会場でそんなバカなマネはしたくはなかった。
「だから、お前も帰れっ!」
面倒くさそうに、手でしっしと仕草を見せられて、勇人はムッとしたが確かに長い時間生徒会のテントを離れるわけにはいかなかったので、影山に任せて戻ることにした。
籠の周りに人だかりが出来て、よくみれば何人かの選手が踏み台になってボールを次々に投げ入れていた。
あれって、反則じゃねえのか?
白組がやり始めて、気づいた紅組もやり始めて収集が付かなくなってきた。
土ホコリが舞い全体の様子がよく見えない。
審判も目をこすりながら中に入って行くがホイッスルの音がしないところを見ると反則ではないらしい。
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