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しおりを挟むお互い顔を見合わせて、何かを決意したのか頷く。
「勇人さま。この手紙は親衛隊で預かります。それとここで詳しいことは言えませんが勇人さまのフォローをさせていただくことになりました」
「フォロー・・・?」
「はい、今は時間がありませんので・・放課後、親衛隊室に来ていただけますか?」
「うん、まあ・・いいけど」
「ありがとうございます。では、私、遠山がお迎えにあがりますので教室でお待ちください」
「わかった・・」
二人はそう言った後、他の親衛隊と手紙を回収していく。その様子を周りの生徒たちは眺めていたが、同情や好意的な奴ばかりではなく、中には鋭い眼光を飛ばす奴もいた。
それがオレに対してではなく、親衛隊に向けていることにイヤな感じがした。
親衛隊の扱いが緩和されたとはいえ、中にはまだ敵対心を持っている奴もいる。そいつらが彼らに危害を加えないとは言い切れない。
「何も、なければいいけど・・」
おおかた片付いたところで、礼を言って教室へと足を向けた。
しかし、何であんな手紙が?
転校した当時は珍しさから教室を覗く物好きもいたが、手紙は初めてだった。
しかし、何なんだこいつらは?
靴箱を離れてから、ぞろぞろと後から突いて来る奴らが段々増えて来てうっとおしくて仕方がない。
数人だったのが今は数十人となり通行の妨げにもなり兼ねない状況にイライラしてきた。
走って振り切るか?
それとも、注意したほうがいいか?
このまま教室まで無視して行くか?
色んな考えが頭の中でぐるぐると回る。
走って振り切ろうとすれば廊下が混乱して怪我人が出るかもしれない。
注意すれば、歯向かう奴が出るかもしれない。
誰のにも迷惑をかけず、怪我人も出さないとなれば・・・このまま無視するのが一番いいか。
「はあ~・・・何でこうなったかな~」
独り言をつぶやき、あきらめてこのまま教室まで行くことに決めたのだった。
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