78 / 225
12-4
しおりを挟む走り去った和也を、面倒くさい奴だと認識しつつオレはそのままパーティーを抜け出して部屋に戻った。
色んなことがあって疲れてしまった。
だけど、オレの頭の中は高坂さんのことでいっぱいだ。
ノーマルだったはずなのに周りの影響ってすごいなと思う。
ソファーに座ってシャツのボタンを外しそのまま脱ぎ捨てる。
シャワー室で熱いお湯を浴びながら今後のことを考える。
夏樹兄さんのこと、父さん母さんのこと、幸村家のこと・・。
オレって、本当に幸村家に居てもいいんだろうか?
晴広兄さんは快くオレを迎え入れてくれたけど・・
夏樹兄さんは、オレが弟だと知ったらどう思うだろう?
黙っていたことに腹を立てないだろうか?
いくら考えても答え何か出て来ないと分かっているけど・・
不安で不安で仕方がない・・。
自分で名乗り出るといいながらも、拒否されるのが怖いなんて・・
オレってこんなんだったけ?
はあ~・・
ダメだ・・考えれば考えるほどドツボにはまって行く。
頭をブンブン振り凹む気分を浮上させようとした。
だけど・・失敗して自己嫌悪
なんて悪循環だ
そんな時、誰かがドアをノックした。
慌ててバスローブを羽織りドアを開けたらそこには副会長の姿があった。
オレはなぜこの時相手を確認しなかったのかと後悔した。
なぜなら副会長はドアを開けたと同時に部屋に押し入ってきたから・・
「ちょっと!」
「・・・」
無言でソファーに押し倒される。
「うわっ!」
見下ろすその瞳には色気を帯びていた。
これは・・ヤバい。
今のオレはバスローブ・・当然、下は裸である。
貞操の危機にダラダラと冷や汗が流れ顔が引きつる。
「ええっと、副会長・・?」
なるべく刺激しないように声をかけるが、返って来た言葉は想定外なもの。
「・・・です」
「え・・?」
「浩太です・・」
ーーーえ?
それって浩太って呼べっとことか?
いや、年上でみんなのアイドルを名前呼びするにはさすがに抵抗がある。
それに、親衛隊に知られたら・・・オレは袋叩き・に?
でも、今のこの状況では従わないわけにはいかない、か?
「こ、こう、た先輩・・」
思わず先輩ってつけたけどそれでもよかったのかふわりっと笑った。
ホッとしたが、でもこの状況はかわらないわけで・・
「ええっと、浩太先輩、どいてくれませんか?」
「‥イヤです」
「え?あの~・・この体勢は困るんですが・・」
何が困るかって言えば、副会長の顔が近いんだよっ!
息遣いさえ感じるこの距離にキレイな顔がある。
サラリと落ちる髪、長いまつ毛ピンク色の唇はしっとりと濡れていて、その唇が今にもオレの唇に触れそうだと思ってたら、
そのままゆっくりと降りて来た―ーー
0
お気に入りに追加
2,180
あなたにおすすめの小説
平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜
ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。
王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています!
※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。
※現在連載中止中で、途中までしかないです。
私の事を調べないで!
さつき
BL
生徒会の副会長としての姿と
桜華の白龍としての姿をもつ
咲夜 バレないように過ごすが
転校生が来てから騒がしくなり
みんなが私の事を調べだして…
表紙イラストは みそかさんの「みそかのメーカー2」で作成してお借りしています↓
https://picrew.me/image_maker/625951
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
王道にはしたくないので
八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉
幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。
これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。
親衛隊総隊長殿は今日も大忙しっ!
慎
BL
人は山の奥深くに存在する閉鎖的な彼の学園を――‥
『‡Arcanalia‡-ア ル カ ナ リ ア-』と呼ぶ。
人里からも離れ、街からも遠く離れた閉鎖的全寮制の男子校。その一部のノーマルを除いたほとんどの者が教師も生徒も関係なく、同性愛者。バイなどが多い。
そんな学園だが、幼等部から大学部まであるこの学園を卒業すれば安定した未来が約束されている――。そう、この学園は大企業の御曹司や金持ちの坊ちゃんを教育する学園である。しかし、それが仇となり‥
権力を振りかざす者もまた多い。生徒や教師から崇拝されている美形集団、生徒会。しかし、今回の主人公は――‥
彼らの親衛隊である親衛隊総隊長、小柳 千春(コヤナギ チハル)。彼の話である。
――…さてさて、本題はここからである。‡Arcanalia‡学園には他校にはない珍しい校則がいくつかある。その中でも重要な三大原則の一つが、
『耳鳴りすれば来た道引き返せ』
俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き
toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった!
※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。
pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/100148872
病んでる僕は、
蒼紫
BL
『特に理由もなく、
この世界が嫌になった。
愛されたい
でも、縛られたくない
寂しいのも
めんどくさいのも
全部嫌なんだ。』
特に取り柄もなく、短気で、我儘で、それでいて臆病で繊細。
そんな少年が王道学園に転校してきた5月7日。
彼が転校してきて何もかもが、少しずつ変わっていく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最初のみ三人称 その後は基本一人称です。
お知らせをお読みください。
エブリスタでも投稿してましたがこちらをメインで活動しようと思います。
(エブリスタには改訂前のものしか載せてません)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる