オレが受けなんてありえねえ！

１２．争奪戦！

海に向かう先に勇人の姿が見えた。

声をかけようと思ったが周りには複数の親衛隊がいたのでやめた。

それに後から見る勇人の姿を観察するのも悪くない。

黒地に赤いロゴのサーフパンツがよく似合っている。

太陽の光が薄い生地のパーカー姿彼の華奢な身体のラインを映し、茶色い髪が透けて金色に見えた。


ドクン―――


鼓動が大きくなる

キレイだと、思った。


見とれていたんだと思う。

だから気が付いた。

昨日までなかった、

彼の耳に光る――金色のピアスに・・


誰かにもらったのか？


そう思うと心穏やかにはしられない。

ギュッと胸が苦しくなった。

それを知りたくて

ビーチに入ると彼の隣を陣取った。

といっても、パラソルやリクライニングチェアがあるから実際は少し離れているが・・

サングラス越しから勇人をチラリと見る。

いつ聞こうかと躊躇していたら副会長や親衛隊が話かけていて、なかなかチャンスが巡ってこない。


クソッ！早く勇人から離れろよっ！

おい、連れて行くなよっ！

二人に誘われて海に入ろうとしたが

急いで戻って来たかと思ったら


パーカーを―――脱いだ・・


思わずガン見してしまった。

だって・・・

白い肌にピンク色の乳首！

―――エロい！！

何と言うか、とにかく

ものすごく、エロくて・・


気が付いたら・・周りの奴らが鼻血を出してバタバタと倒れていった。

それは、不覚にもオレも同じで・・・

ボタボタと大量にだしてしまい・・・結果、貧血をおこして倒れた。

傍で勇人が必死で何か言っていたが意識がとんで理解できなかった。




情けない―――！



高坂理人、一生の不覚・・で、ある。


あ、でも倒れる前に勇人にパーカーを着るように言えたので、それは良しとしよう。