オレが受けなんてありえねえ！

９－２

高坂はデートだと偽ったあの日のことを思い出していた。

初めて見る私服姿に興奮したが、オレの肩で居眠りをいた勇人の寝顔にドキドキした。

ああ・・まつ毛が長いなあ～とか、半開きになった唇がエロくて目が釘付けになった。

じーっとみていたら吸い込まれそうで、ハッと気づけばギリギリまで近寄っていて自分でもビックリした。

それに幸村に対するあの洞察力には舌を巻いた。

おまけに長年、敵対とまでいかないが親衛隊との誤解をとき仲直りさせたことに感心した。

本人は自分のことを平凡だと言っていたが、あの容姿でそれはない。

早瀬も五十嵐もあいつにホレているのだから、もうちょっと自覚をもってほしいところだ。

ケンカの腕も超一流だし、未来の風紀委員長だな。


高坂は勇人の未来の姿を想像しながらニマニマしていた。

それを松本が見てげんなりしていたことに気づかずに・・・。






会長との誤解も解けておまけに親睦会なんていうおまけがついたことに

親衛隊隊長である私、真田恭平さなだきょうへいは相良勇人さまに感謝しきれません。

会長は私が隊長に任命される前から孤独でした。

信じていた方に裏切られたことが相当ショックだったようで

あの頃の会長の心は氷のように冷たく閉ざされてしまいました。

それでも、私たち親衛隊は会長を密かにお守りしてきました。

まさか、媚を売っていると思われているとは考えもしませんでしたが・・

そこに弟が入学されると知ったとき、会長の様子が変わりました。

名前だけしか聞いていないようで、一年の名簿から探し出したのは『佐川隼人』。

名前が一致していましたが、彼には両親も兄も健在で会長とは無関係。

そう、佐川は昔の裏切り者と一緒で会長を利用しようと目論んでいたのです。

私は直ぐに警告しました。

しかし、彼は既に会長の恩恵を利用していました。

会長の弟だと偽って、我儘し放題。

一般生徒にまで手を出すようになり、やむを得ず制裁することにしました。

それがあの水族館での制裁です。

会長に近づくな！と警告しましたが嘲笑うという許しがたい仕打ち。

隊員たちはとうとう我慢が出来ず手をあげた時彼は現れました。

佐川の狙いを透かさず見抜き、そして会長が私たち親衛隊もろとも処分しようとしていたことも。

でも、もう大丈夫。和解したのですからこれからは堂々と会長のお傍に居ることができます。

相良勇人さま、私たちの救世主。

これから私たちは会長もあなたもお守りすることを誓います。

生徒会親衛隊総隊長、真田恭平の名に懸けて・・・