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しおりを挟む運ばれてきた料理を食べながら思い出話に花を咲かせていると気が付いたことがある。
オレたちを見る視線だ。
チラチラ見たり、目が合うと真赤になって逸らしたりと不信な行動をとる奴らばかりなのだ。
あ、あれかっ!この学ランのせいか?
うん、そうだよな・・何もしなくても目立つよな・・
やっぱり、脱いだそうがいいかな?
オレの行動に海斗が、首を捻る。
「どうした・・?」
「いや、何か見られてるから気になって・・・」
「・・まあ、目立つもんな」
「やっぱり・・な・・目立つよなこの学ランは」
「・・・・いや、学ランのせいだけじゃないと思うけどな」
オレが学ランを脱ごうかどうか迷っていたせいで海斗の呟きは耳には届かなかった。
「ん・・・?」
だけど、何か気になって口を開こうとしたとき、
それは、起こったーーーー・・
「「「「きゃああああああああああーーーーーーーーっ!!!」」」」
ビックリして喉を詰まらせそうになり慌てて水を飲んだ。
何だこれっ?
歓声でビリビリと窓ガラスが振動している。
何だ、何が起こっている?
両耳を手で塞ぎ海斗を見れば彼も同じような態勢だで顔をしかめている。
状況を理解できなくて周りを見渡せば、食事をしていた生徒が席から離れてドアの方に駆け寄って行くのが見えた。
何だ、誰か有名人でもいるのか?
「せ・・・と・・・・・だ」
「・・・・・?」
海斗が何か言っているのだが、歓声のせいで何を言っているのかさっぱりだった。
きゃあきゃあ叫んでいる生徒や目を潤ませている生徒もいる。
彼らの視線は金ぴかのドア一点に集中していた。
開いたドアから現れたのは、きらびやかな生徒たちだった。
「誰だ・・?」
海斗にすり寄るように耳元で話すと、やっと聞き取れたようで耳打ちしてくれた。
「ありぁ・・生徒会のメンバーだ」
「生徒会・・・・」
そうか、生徒会か・・
ふ~ん・・・
「・・・で、その生徒会が来たくらいで何でこんな騒ぎになってんだ?」
「あいつらが、特別だからだよ」
「特別・・・?」
いまいち把握できないオレに海斗は大きなため息を吐いた。
「まさかと思うが、ここがどういうところか知らねえできたんじゃねえだろうな?」
え、何?その意味ありげな発言は・・?
キョトンとするオレに海斗はやっぱりかと頭を抱えた。
勇人は昔から自身の容姿に無自覚なところがあった。
小学生の頃、誘拐されそうになっときだって海斗が大声を出さなければ今頃・・・・と思うことが何度あったことか・・中学になってケンカをするようになって随分マシにはなったがそれでも相手の意図を読み違い拉致されたことがあった。こっちが大慌てで助けに行くと相手をボコボコにして涼しい顔でジュースを飲んでいる姿を見た時の海斗の気持ちといったら・・・
兎に角、勇人は無自覚で相手にフラグをたてるどうしようもない奴なのだ。
「知らねえで来たんだな・・・・」
じろっと睨まれて勇人の顔が引きつった。
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