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しおりを挟む寮から校門まで約十分。
同じ敷地といってもセキュリティのためか寮と学校の間には柵で囲われていてこの校門を通らないと校舎には入れないようになっている。
でも、その他の施設に行けるようにそれぞれ別の門があるので不自由はないみたいだ。
で・・・
副会長と歩いているのだが・・・・・
先ほどから周りの視線がオレたちに集中している。
それは、副会長に送られているようなのだが
よく見れば、かわいい女の子みたいな奴やイケメンたちが遠巻きに見ているのだ。
しかも、顔を赤らめて・・・
ここって男子校だよな?
これはどう見てもあれだ・・・女子が好きな男子に送る熱い視線だ。
チラリと副会長を見る・・・
昨日も思ったが、イケメン・・いやキレイと言ったほうがいいか
襟足にかかる程度のサラサラの黒髪、整った目鼻。
唇はリップをつけたみたいにプルンとしていた。
ただ、目の下には誤魔化しきれない隈ができていたが・・。
細めの身体だがそこそこ筋肉はついていそうだし、すらりと伸びた長い手足をみてもそこらにいるモデルよりかはカッコイイと思った。
オレの視線に気づいたのか副会長がこっちを見た。
『やべえ・・・』
後ろめたさを感じてつい視線をそらしたが、そんなオレに彼はふわりと笑みを浮かべる。
「フフフ・・どうやらみなさん、あなたに興味があるみたいですね?まあ、その制服だと仕方がないと思いますが」
「え?オレ・・ですか?」
「はい、その制服は一目で外部生だとわかりますし、何よりあなたはキレイですからね」
何を言ってんだ?
お世辞とは受け取れない言葉に顔が引きつる。
「オレが・・・キレイ?」
「おや、もしかしてご自身の容姿に気づいていない?」
「はあ・・・・・・」
歯の浮くようなことを言われて気の抜けた返事をしてしまった。
オレがしたことといったら、ここに入ることが決まってから肩まであった髪をバッサリ切ったくらいだ。
クスクスと笑って何を思ったのかオレの外見について話始める。
「そうですね・・まずその金髪がかった髪ですが太陽の光でキラキラしてとてもキレイです。目も少し吊り上がってネコみたいですし、その唇は甘菓子のように美味しそうで一度ゆっくり味わいたいです。身体も細めでチラリと見える首筋は色気があってすぐにでも押し倒したいですね・・」
かあぁーっと顔が赤くなるのが自分でもよくわかった。
「な、ななな・・何てこといいやがるっ!」
オレの反応が意外だったのか副会長はプッと噴き出した。
「何言ってんですか、ここではこんなのホメ言葉ですよ?」
「はあっ・・ふざけんな!これのどこがホメ言葉なんだよっ!!」
こいつ、真面目な奴だと思っていたのに・・・なんて変態なんだっ!
「照れているんですか?」
「ああっ!誰が照れるかぁっ!!」
話がかみ合わずイラっとしたときだった。
何を思ったのかクイッとアゴを掴まれたら妖艶な副会長の顔が目の前に迫ってきたかと思ったら
『かわいいですね・・』と言われ
そして、オレの唇にプチュッとキスをしてきやがった。
「キャアアアアアああーーーーーっっ!!!!!」
周りの生徒の悲鳴に
プチっと何かがキレた・・・・・・・
気が付けば副会長を突き飛ばし、
得意の回し蹴りが炸裂・・
見事にそれはクリーンヒットした
「あ・・・・やべえ・・・」
いくら正当防衛とはいえのびている奴を見てしまったと思った。
しかも、相手は生徒会の副会長。
転入初日からやらかしてしまったことに舌打ちしてここから逃走した。
そのまま職員室まで行きたかったが・・・
「場所がわからねえ・・・・」
だから近くにいた奴を取っ捕まえた。
「おい、職員室はどこだ?」
男にキスされてキレていたオレの顔が怖かったのか、そいつは真青になって震えながらも教えてくれた。
一応、礼は言った。
そしたら、何故が股間を押さえながら真赤になって走って行った。
青くなったり赤くなったりと、忙しい奴だな。トイレでも我慢していたのかと首を捻りながらオレは先を急いだ。
そんなんで今、職員室の前にいるのだが・・・
「何で、金ぴか?」
ここってホント無駄が多いな・・・。
「まあ、どうでもいいか・・・・」
そうそうこんなのいちいち気にしていたらキリがないからな・・。
うんうん・・無視だ無視・・。
そう自分に言い聞かせてドアをノックした。
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