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崩れていく2
しおりを挟むダグラスに王位継承権がないと知って絶望したフランだったが、カインの話が出たことで僅かな希望を抱いた。
このままカインを加害者に仕立て上げ追放させることができたらもしかしたらダグラスが王太子になるのではないかという愚かな考えが浮かんだのだ。
「どうなのだ。正直に答えよっ!」
「そ、それは・・」
チラッとダグラスの方を見たがショックで今も固まっている。
仕えない奴だな!
と、内心そんなことを呟きながら、これは最後のチャンスだと決行した。
「はい、私は学園でカイン様に虐めを受けました」
「・・・・・」
「ほう・・それはいつどんな風にされたか覚えておるか?」
「はい、あれは入学して間もなくのことです。平民の私が気にいらなかったのでしょう。昼休み中に教室に置いていた教科書を隠され見つけた時はボロボロでした。他にも制服をやぶかれたりしました。」
「そうか、それは大変であったな」
「いえ・・」
「それで、それは誰にやられたのだ?」
「え・・だからカイン様に・・」
「ほう、カインにか?」
「はい・・」
「嘘、偽りはないと誓うか?」
「はい、誓います・・」
「・・・・」
なんだろうこのやり取りは?
まるで尋問のような気が・・・
カイン様から虐めを受けたというのは事実ではない。だが、証拠などダグラス様がいるから何とでもなるとたかをくくっていた。
なのに、そのダグラス様があのような状態では使えない。
どうしよう・・
このやり取りに国王は顔をしかめた。
「カインよ、あのフランが言っていることは事実か?」
「いえ、記憶にありません」
「嘘です。私は確かにカイン様から虐めを嫌がらせを受けました」
「フランよ、それはあり得ないことだぞ?」
「え、どういう意味ですか?」
「・・・カインはまだ学園には行っておらぬ」
――――えっ?
カイン様が・・学園に、行って・・ない?
「―――――っ!!!!」
その言葉が何を意味するかやっと気づいた。
国王は執拗に確認したのはこのためだったんだ
もし、否定いや却下していればこんなことにはならなかった
それに気づかずそれどころかチャンスとばかりに食いつくなんて―――!
私は、何てバカなんだっ!
「フランよ、余が何を言いたいかわかるな?」
冷酷な瞳で睨まれて一瞬で背筋が凍り付いた。
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