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庭園で・・・
しおりを挟むルークたちが王宮の庭園にやって来たのは約束してから随分経ってからだった。
咲き誇る色とりどり花の中央には白い石で建てられた休憩所があり、床は円形で天井はアーチ形、壁は細い柱でできており周りからは見えないようになっていた。
そこは激務である王族の憩いの場になっていた。
そして今、二人と一緒に軽食を取っているのだが、三人掛けのイスの真中にルーク左にラルク、右にユリアスと挟まれて彼はドキドキしていた。
「えっと・・ラルク自分で食べるから・・」
「私の手から食べるのはおイヤですか?」
しゅんとした顔でみつめられて心が揺るがないはずかない。
「う・・」
仕方なく口を開けると、嬉しそうに笑い手にしているサンドイッチをオレの口元に運んでくれた。
ムニュムニュと食べると、今度はユリアスがサラダを刺したフォークを持って待っていた。
「野菜もどうぞ・・」
「・・・うん」
それも食べると嬉しそうにするもんだから、さっきからオレの心臓は大きくなりっぱなしだ。
顔も赤くなっている自覚はある。
お互いの気持ちを確認してから彼らの態度は変わった。どう変わったかというと過保護になった。
まず、毎朝挨拶をしに来るようになった。
忙しいはずなのに、たった「おはようございます」を言いに部屋を訪れるのだ。
昨日は少し起きるのが遅くなってしまい目が覚めると間地かにユリアスの顔があってびっくりして情けないが悲鳴をあげるところだった。
ホントに勘弁してほしい。心臓が止まるかと思った。
ラルクはラルクで朝食を取ろうと部屋を出たらなぜか居るし。夜通し護衛をしてたと聞いたときは愕然とした。
ドアにはオレが特殊な魔法をかけている。というのも以前、何を思ったか使用人に夜這いをかけられたことがあったのだ。
それ以来、オレの許可がないと開かないようにした。今は自由に出入りできるのは執事のシオンとユリアスとラルクだけだ。
シオンがいなくても身の回りのことは自身でできるし。
「ルーク様・?」
ちょっと思い出していた間にいつの間にか両手を二人に取られていた。別に取るだけならいいんだけど、撫でられたり指を絡まれたりして恥ずかしくて顔が火照る。
「ちょ・・ちょっと」
ユリアスが絡めた手の甲に愛おしそうに唇を落とす。ラルクは自身の頬に抱きよせるように摺り寄せた。
何なんだ、この砂を吐くような甘々ムードは?
逃げ出したいっ!
でも・・甘い瞳で見つめられたら―――
「愛してます・・」
「お慕いしております・・」
二人が居ればもう何もいらない―――
そう思ってしまうほど、心が満たされていくのを感じた。
「オレも―――・・」
満面の笑みで呟くと
「では、その証をください」
「・・・・へっ?」
え、人が幸福感に浸っているというのに「その証」って何?
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