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ルーク、説教される・・・

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会食で二人から求愛を受けたルークは嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

二人が自分に好意を持ってくれているとは持思わなかったからだ。


しかもデートの約束も・・



「フフフ・・楽しみだな~どこに行こう?やっぱり流行りのカフェがいいかな。あそこならバナナもあるだろうし・・」



ベッドでクッションをギュッと抱きしめて悶絶している姿は誰にも見せられないほど情けないものだが、ここは自室誰にも見られることはない。

執事のシオン以外は・・・


「ゴホンっ・・」

「あ・・・」


咳払いをされて慌ててベッドから出ると身だしなみを整えソファーに座りなおした。


「ルーク様、その様子ですとお二人とはうまく行ったようですね?」

「う、うん・・オレは二人には好きな相手がいると思ってたんだけど・・違ってた。」

「ほう・・」


眼鏡をかけ直し興味津々で食いついて来るシオンにオレはちょっと恥ずかしくなった。


「どう違ったのですか?」

「うん・・二人ともオレが好きだって言ってくれた。結婚してください!って・・求愛してくれたんだ」


顔を赤らめてシオンに報告するルークに彼は微笑ましく顔を緩めた。


「それはそれは、おめでとうございます。これで何の問題もなく結婚できますね」

「ああ、ありがとう」


祝福されて嬉しくてっ花のような笑みを浮かべるルークにシオンは親のような気持ちになった。



「それで、今度市井にでかけることにした」

「・・・・・・・・は?今何と言いましたか?」

「だから、市井に・・」



市井に出かけると言った途端シオンの顔色が曇った。


目を閉じて、何か考えているようで、ルークは何かマズイことを言っただろうかと不安になった。

まさか、市井に出かけたらダメとか言わないよな?



「ルーク様、申し訳ないのですが市井への外出は認められません」

「え、でも・・ユリアスが・・」

「たとえ宰相が認めても今のルーク様が外に出られるのは危険すぎます」

「でもっ!」

「王子だったときはできたかもしれませんが、王太子になった以上この件は許可できません」


「でも、ラルクがいるし・・」

「はあ~・・・護衛が彼一人で務まると思っているのですか?王太子の護衛は外では少なくとも十人は必要です」

「えっ?そんなに・・?」

「少なくてもです。その人数で移動となると周りに迷惑をかけることになりますし、もしあなたに何かあったら護衛の者は罰を受けることになります。それでも、行くというのですか?」


「う・・それは」


市井に行きたい気持ちは強いが護衛に迷惑をかけてまで行こうとは思わない。


「・・・わかった」


しょんぼりしているルークにシオン見かねてアドバイスをする。



「市井は無理ですが、今王宮では色んな花が見事に咲いております。軽食を持って出かけてみればいかがですか?」

「・・・そうだな。それもいいな・・うん、そうするよ」


さっきまで沈んでいたのがウソのようにぱあっと明るい笑顔になったのを見てこっちまで嬉しくなる。


さてと、ルーク様を市井に連れ出そうとしたお二人には苦言を称さないといけないですね。

意地の悪い笑みを浮かべてシオンは小さく笑うのだった。


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