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婚約者との会食

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朝食をとるため部屋の外に出ると、驚くことに出会う使用人全てが深く頭を下げ礼儀をつくしてきた。


最初はびっくりして体がビクついたが食堂につく頃には随分慣れた。

これってもしかしてオレが王太子になったせいなのか?

いや。うん・・間違いなくそうだよな。

以前は軽く頭を下げるだけだったのがオレの姿が見えなくまるまでそのままの姿勢のようだし・・



「どうしましたルークさま?」


オレの様子に気付いたシオンが不思議そうな顔をしている。


「いや・・大した事ないんだけど・・みんな態度が変わり過ぎないか?」

「何をおっしゃいますか!ルーク様は王太子。みんなが礼儀をつくし頭を下げるのは当然のことです。」

「まあ、そうなんだけど・・」

「戸惑いになられるのはわかりますが堂々としていればいいのです。ただ、外交の場合は礼儀には礼儀で返してください。それを怠ると国が揺るぎます」


国が揺るぐって、それは言い過ぎだと思うが・・確かに相手が貴族なら礼儀を尽くしてくれているのにこちらが怠るのは失礼だよな・・


「わかった・・気をつける」



と、そうは言ったものの・・・


はあ~・・何かなあ~・・・

気楽だった生活が王太子になったことで窮屈なものへと変わった。

これが一生続くのかと思うと気がめいり、ため息を吐いたのだった。
















朝食を取った後、自室に戻ったオレはこれから先のことを考えていた。

それは婚約のことだ。あの二人はオレのことをどう思っているんだろう。もしかして無理や押し付けられたんじゃないだろうか?

結婚式の前には婚約の儀がある。それはで彼らの気持ちを確認しておきたい。


ドキドキしながらさっきか時計を何度も見るが一向に進んでいない。

まだ約束の時間まで一時間もある。

先に行くにも早すぎる。


「はあ~・・緊張する」


もし彼らに好きな相手がいるな父上にいって言って白紙に戻してもらおう。

今ならまだ間に合う。

でも、もし他のやつとなると・・何かいやなんだよな・・


「はあ~・・」

そんなもんもんとした気持ちのままオレは時間が来るのを待つのだった。






その頃二人はというと―――


「どの服にしよう・・これがいいでしょうかね」

服を引っ張り出し鏡の前でニヤニヤするユリアス。



一方、ラルクは・・・・


「なあ、これでいいか?」

「そうですね・・でもこちらの方が清潔感があっていいのでは」

「う~ん・・・そうだな」





と――――好感度を上げるために衣装選びに専念していた・・・






******************


更新、少し遅れて申し訳ありません。

誤字脱字や魔道具が何なのかとか、描写がわかりにくいとの指摘があり見直しておりました。

少し書き直したりした箇所がありますが、ストーリーとしては何の問題もありませんのでご安心を。

短編ですが、もう少し続きますのでよろしくお願いします


それと、たくさんのお気に入りとご愛読、誠にありがとうございます。
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