上 下
11 / 15

婚約者との会食

しおりを挟む



朝食をとるため部屋の外に出ると、驚くことに出会う使用人全てが深く頭を下げ礼儀をつくしてきた。


最初はびっくりして体がビクついたが食堂につく頃には随分慣れた。

これってもしかしてオレが王太子になったせいなのか?

いや。うん・・間違いなくそうだよな。

以前は軽く頭を下げるだけだったのがオレの姿が見えなくまるまでそのままの姿勢のようだし・・



「どうしましたルークさま?」


オレの様子に気付いたシオンが不思議そうな顔をしている。


「いや・・大した事ないんだけど・・みんな態度が変わり過ぎないか?」

「何をおっしゃいますか!ルーク様は王太子。みんなが礼儀をつくし頭を下げるのは当然のことです。」

「まあ、そうなんだけど・・」

「戸惑いになられるのはわかりますが堂々としていればいいのです。ただ、外交の場合は礼儀には礼儀で返してください。それを怠ると国が揺るぎます」


国が揺るぐって、それは言い過ぎだと思うが・・確かに相手が貴族なら礼儀を尽くしてくれているのにこちらが怠るのは失礼だよな・・


「わかった・・気をつける」



と、そうは言ったものの・・・


はあ~・・何かなあ~・・・

気楽だった生活が王太子になったことで窮屈なものへと変わった。

これが一生続くのかと思うと気がめいり、ため息を吐いたのだった。
















朝食を取った後、自室に戻ったオレはこれから先のことを考えていた。

それは婚約のことだ。あの二人はオレのことをどう思っているんだろう。もしかして無理や押し付けられたんじゃないだろうか?

結婚式の前には婚約の儀がある。それはで彼らの気持ちを確認しておきたい。


ドキドキしながらさっきか時計を何度も見るが一向に進んでいない。

まだ約束の時間まで一時間もある。

先に行くにも早すぎる。


「はあ~・・緊張する」


もし彼らに好きな相手がいるな父上にいって言って白紙に戻してもらおう。

今ならまだ間に合う。

でも、もし他のやつとなると・・何かいやなんだよな・・


「はあ~・・」

そんなもんもんとした気持ちのままオレは時間が来るのを待つのだった。






その頃二人はというと―――


「どの服にしよう・・これがいいでしょうかね」

服を引っ張り出し鏡の前でニヤニヤするユリアス。



一方、ラルクは・・・・


「なあ、これでいいか?」

「そうですね・・でもこちらの方が清潔感があっていいのでは」

「う~ん・・・そうだな」





と――――好感度を上げるために衣装選びに専念していた・・・






******************


更新、少し遅れて申し訳ありません。

誤字脱字や魔道具が何なのかとか、描写がわかりにくいとの指摘があり見直しておりました。

少し書き直したりした箇所がありますが、ストーリーとしては何の問題もありませんのでご安心を。

短編ですが、もう少し続きますのでよろしくお願いします


それと、たくさんのお気に入りとご愛読、誠にありがとうございます。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!

ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。 その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。 しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。 何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。 聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)

婚約破棄だ!〜キレた婚約者が、王子を蹴り潰したら王子がドM化した〜

ミクリ21
BL
タイトルのままです。

【完結】攻略は余所でやってくれ!

オレンジペコ
BL
※4/18『断罪劇は突然に』でこのシリーズを終わらせて頂こうと思います(´∀`*) 遊びに来てくださった皆様、本当に有難うございました♪ 俺の名前は有村 康太(ありむら こうた)。 あり得ないことに死んだら10年前に亡くなったはずの父さんの親友と再会? え?これでやっと転生できるって? どういうこと? 死神さん、100人集まってから転生させるって手抜きですか? え?まさかのものぐさ? まあチマチマやるより一気にやった方が確かにスカッとはするよね? でも10年だよ?サボりすぎじゃね? 父さんの親友は享年25才。 15で死んだ俺からしたら年上ではあるんだけど…好みドンピシャでした! 小1の時遊んでもらった記憶もあるんだけど、性格もいい人なんだよね。 お互い死んじゃったのは残念だけど、転生先が一緒ならいいな────なんて思ってたらきましたよ! 転生後、赤ちゃんからスタートしてすくすく成長したら彼は騎士団長の息子、俺は公爵家の息子として再会! やった~!今度も好みドンピシャ! え?俺が悪役令息? 妹と一緒に悪役として仕事しろ? そんなの知らねーよ! 俺は俺で騎士団長の息子攻略で忙しいんだよ! ヒロインさんよ。攻略は余所でやってくれ! これは美味しいお菓子を手に好きな人にアタックする、そんな俺の話。

恋人が本命の相手と結婚するので自殺したら、いつの間にか異世界にいました。

いちの瀬
BL
「 結婚するんだ。」 残されたのは、その言葉といつの間にか握らせられていた手切れ金の紙だけだった。

婚約破棄?いいえ、それは監禁して愛でたいだけ

ミクリ21
BL
婚約破棄をしたいと言われたリズ。 何故かを聞いたら、王太子は言った。 「君が本当のにゃんこだって知ったんだ。だから、婚約は辞めて今すぐ飼う」 ………はい?

陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)

ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。 僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。 隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。 僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。 でも、実はこれには訳がある。 知らないのは、アイルだけ………。 さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪

婚約破棄だ!しかし、両親からの残念なお知らせ

ミクリ21
BL
婚約破棄を言い出した王子は、両親からの残念なお知らせにショックを受ける。

【BL】水属性しか持たない俺を手放した王国のその後。

梅花
BL
水属性しか持たない俺が砂漠の異世界にトリップしたら、王子に溺愛されたけれどそれは水属性だからですか?のスピンオフ。 読む際はそちらから先にどうぞ! 水の都でテトが居なくなった後の話。 使い勝手の良かった王子という認識しかなかった第4王子のザマァ。 本編が執筆中のため、進み具合を合わせてのゆっくり発行になります。

処理中です...