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騎士団長ラルク

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あの時、相手は誰か最後まで教えてくれなかったが、だいたいの予想はついていた。

前からオレの傍にいた宰相のユリアスか騎士団長のラルクのどちらかと思っていたがまさか二人ともだとは思わなかった。

でも、まあ気心の知れた相手でよかった。


結婚式まで一年あるしその間に色々しなくちゃいけないこともある。決して気楽とはいえないが淡々とこなしていくことにするか。


今はとにかく、眠い。
















「陛下、今何とおっしゃいましたか?」



陛下の執務室に呼ばれ極秘事項だと話された内容に耳を疑った。



「だから、そなたをルークの婚約者に指名すると言っておるのだ」


「私がルーク様のですか?」


「ああ、そうだ。何だルークでは不服か?」


「いえ、そうではありません。大変光栄なことではありますが・・その、私でよろしいのですか?」


「実はまだ極秘だがルークを王太子に指名することとなった。さしてはそなたの力が必要なのだ・・」


「―――っ!ルーク様が王太子にということは、お子を・?・」

「そうだ。ルークに聞いたのがつい先日であっての。そなたの他に宰相のユリアスを指名してある。」

「宰相のユリアス殿を・・」

「ああ、二人でルークの盾となり国を盛り上げていってほしい・・」

「わかりました。この騎士団長のラルク。宰相のユリアス殿と共にルーク様と婚約を結び伴侶となりこの身を捧げることを誓いましょう」

「うむ、頼むぞ。ラルク」

「はい・・しかし第一王子のキース様と第二王子のヒュース様は承諾されているのですか?」

「大丈夫だ。それにあやつらには王位に就くことはできぬ」

「それは何ゆえに?」

「詳しいことは、三人がそろってから話そう」

「わかりました。その時まで・・」


二人の兄を差し置いて王太子に指名されたルーク様。これから発表があるまで護衛を強化した方がいいな。横やりが入るとも限らないし・・しかし、お二人が王位に就けない事情とは何なのか気になるな・・。


まずは宰相のユリアス殿を訪ねるか。色々密談をしなければいけないようだし・・。


国王の執務室を出た足でそのまま宰相の執務室へと向かうのだった。


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