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お披露目会での襲撃2
しおりを挟む「バケモノだなんて失礼ね!」
バケモノ扱いされて怒ったルナはお返しとばかりにファイヤーボールを放つ。
規模は小さいが赤と青が入り混じった炎は威力は大きく暗殺者を襲い包み込んだ。
「ぎゃあああああ―――っっ!!」
あっという間に炭消しになり骨も残らなかった。
「相変わらず、ルナのファイヤーボールの威力は凄いな・・・」
「フフフ・・ありがとう」
二人を襲った暗殺者は炭消しと氷漬けになり、全てが終わってから飛び込んできたのはアランだった。
「リオス、ルナ!無事か??」
急いできたのがわかるほど、アランの髪は乱れ額からは汗が流れていた。
「お母さまっ!」
アランの胸に飛び込んだルナは顔を押し付けぐりぐりと頭をこすりつけた。
「ルナ、大丈夫か?」
「はい・・」
「リオスは?」
「大丈夫ですよ」
二人の体を触ってケガがないことを確かめるとホッとしたのか床に膝をついて座り込んだ。
「よかった。護衛が二人が居なくなったと聞いて焦ったぞ。しかしなぜこの部屋にいるんだ?控室は反対方向だぞ」
「えっ?」
「あの、オレたちはこの部屋に案内されたんだけど・・」
「何だと!それじゃあ・・」
考え込むアランに顔を見合わせる二人。これはつまり・・
「その案内した奴の顔を覚えているか?」
真剣な顔に二人は思い出そうとするが顔がぼやけて思い出せない。
「思い出せません・・」
「私もです・・」
「・・・思い出せないってことは隠密魔法か・・」
「それって、相手に顔を認識させないというあの魔法ですか?」
「ああ、そうだ。手がかりはなしか。でも、二人が無事でよかったよ」
ギュッと抱きしめられて二人は嬉しくて笑みを浮かべる。
「お母さま、お父様に報するんですか?」
「ああ、もちろんだ」
二人を隠密魔法で連れ出し暗殺しようとしたことが許さなくて怒りが湧く。
だが、問題はそれだけじゃない。壁の向こうにいる貴族たちも巻き込もうとした行為はアランたちを罠にはめようとしたとしか思えなかった。
一体誰がそんなことを?
思い当たる人物がいないことはないが、こんなことをしても無意味なのは奴らが知っていることだ。
「さあ、行こう。みんなが待っている」
「「はい」」
二人の背中を押して部屋から出ると護衛の二人がホッとした顔になった。
「王子、王女、護衛できずに申し訳ありません」
片膝をついて頭を下げる二人にアランは眉をしかめるが連れ出された後ではどうにもできなかっただろう。
「次はないからな・・」
低い声で睨みながらそう告げたアランに護衛の二人は身を引き締める。
「はい!この身を引き裂かれてもお二人をお守りします」
騎士の誓いを言われてもと二人は思う。
自分たちのほうが強いんだけどなあ――と・・
実際あの場に護衛がいてもどうなっていたかわからない。倒せたかもしれないかもしれないがそうではないかもしれない。
暗殺者の属性は風と火だったおかげで倒すことができた。
だが、もし雷だったら?
重力だったら?
たぶん、倒すことはできずに殺されていたかもしれない。
格下の相手でも油断は禁物よ!
アリアの言葉が頭に浮かぶ。
まあ、5歳でこの実力なら敵う相手はきっと身内だけだろうけど・・
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