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国の行く末9
しおりを挟むハイム国王が来ると聞いてアリアは同席することにした。
こんな状況だから見知った顔に和むことはできないが、額から汗を流して謝罪する国王に同情する。
リリアがまともな王女ならこんな再会にはならなかったと思う。
国王の後に控えているのはサラ王女とルイ王子は初めてだが、気になるのは彼らの後にいる仮面の男だ。
ハイム国王の側近はだいたい知っているがあんな怪しい側近はいなかったはずだ。
なんなのよ、あれは?
鑑定をかけててもはね返され正体を探ることができず、不安な気持ちになる。
まさか、ハイム国王がレイルを襲うようなバカなマネはしないと思うが、正体不明な人間がいると疑ってしまう。
「廃嫡と鉱山行きは王族としての罰なら国の罰はどうするつもりだ?本来なら属国とするのが適切だが、そうなると王族は処分することになる」
「処分・・・」
「そうだ。それが適している。皆ここにそろっているしな。」
レイルの言葉にギョッとするもそれは正しい判断だから何も言えない。
でも、それで本当にいいのかと心の中で葛藤する。ここにアランがいればどう判断するだろうか。
アリアが躊躇している間に仮面の男が話し出した。
「お待ちください。レイル国王―――」
その声にハッとしたのはアリアだけではない。レイルも信じられないといった顔で彼を見つめる。
「属国になるからといって王族の処分は不要かと・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・なぜだ?」
「リリア王女のしたことは確かに許されることでまありません。ハイム国王が魔力封じをしなかった責任も重いです。」
「・・・・・それで?」
「ですから、ルイ王子をこちらで預かるというのはどうでしょうか。」
「何っ?」
「預かる、つまりは人質です。ルイ王子が成人するまでこちらで教育するのです。そして、成人したらハイム国王には退位して頂き、ルイ王子が国王に・・サラ王女はこちらの貴族と結婚してもらう。」
「る、ルート殿っ!」
「ハイム国王、これが最適な解決方法です。これなら誰も傷つくことがない。」
「だが・・」
「もちろん慰謝料は支払うことになりますが・・」
「ハイム国王、戦争は止めたほうがいい。」
「―――っ!」
「してもあなたに勝ち目はない」
「だが、ルイを差し出すなどとっ・・」
ハイム国王はルイ王子が虐げられるのではと心配しているのだろう。国を乗っ取ろうとしていたリリアの弟なのだから手を出す人間がいないとは思えないし、されても逃げ場がない。
「しかし・・」
「ハイム国王、私に任すとおっしゃいましたよね?」
「ああ、確かに任せたがこのようなことは想定していなかった」
「父上、私は大丈夫です」
「だが・・」
「レイル国王、私は我が国のためにこの身を喜んで差し出しますので、ルート様の提案を受け入れて頂けないでしょうか?」
頭を深々と下げて懇願する彼の姿は幼いながらも立派な王子の風格だった。
一方レイルはルートの提案に戸惑いながらも彼の正体に狼狽えていた。
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