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暗中模索
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零時過ぎに、パトロール任務で散っていたECM退魔師らも戻って、報告会議だが。とりあえずの前後の情報と映像記録を相互に伝達する
「やはりネルガルも現場のどこかには見に来てたんだね」
「みたいです~」
「しかし被害がヤバイね、一般職員も被害出たらしいぜ」
「民1警察5か」
「とうとう民間にも出てしまったか…」
「発表はどうしてます?」
「事故、爆発で死亡にする事になります、一般の人目、通行人等からの目撃は無しですがスプラッタになってしまってるのでそういう形になります」
「まあ火事を見た、という通報も入ってるらしいしね」
「夜にやなモノみたお…」
「ですね~…」
「しかしネルガルも来てたというのは収穫なのかな、おそらく指示ではあるんだろうし」
「うん、間違いないよ」
「そうなの?」
「雹とちょっとだけ話した」
「あ、妖怪通信か」
「内容は?」
「んと、雹《お前の指示か》ネルガル《容認した》みたいな感じ」
「そんだけ?」
「ううんまだある、雹《なんでこんな事する》ネルガル《滑稽だろこの生物はよく喚いて鳴く》だって」
「…じゃあ面白がってやってるのか…予想はしてたけど最悪だな」
「そうだね…楽しい事なんかいっぱいあるのに、あの子は知らない。いあ、知ってるんだけど最初の楽しいが今なんだと思う…雹と違ってそれを教えてくれる人が居ないから」
「そっか…どういう経緯で来て、兄さんとどういう繋がりだったのかある程度分かっちゃったな」
「そうだね」
種別的、性格的差異はあるだろうが雹とネルガルは元の本質はそんなに違わない。ただ最初に会った人間と交流の経緯が真逆なのだ、それが今を構成してしまっている
雹は晴海やアスカに助けられた、怒りもせず、どこに捨てるでもなく皆に優しく扱われて交流して沢山プラス感情を覚える事を貰って皆と遊んで楽しいが沢山ある
多分ネルガルにはそれがない、最初に交信し、泰斗と交流したが、おそらく泰斗は「呼び出して命令出来る」と信じたのだから最初から殺されるまであんな扱いだったのだろう
だから人間という生物はかけがえのない存在ではない、居なくなってもなんとも思わないから
その差異の結果、雹はトモダチだから大事、ネルガルは不快なモノという差が出来た、前者には大事なモノだが、後者には使い捨ての玩具みたいなもん、だから今「楽しい」をしているともいう
同時に、これはもうどうにもならない、多分直接対峙して説得しても無理だろう「楽しい事なんかいっぱいあるよこっちにおいで」なんて言っても騙す気か?としか思われない、掛ける言葉も説得する道具も無いだろう
とりあえず遅いので簡易会議は終了解散にし
其々自室に戻って休む、明日もあるから
それから三日空けて日曜、交代休養日なのもあり、午前中に晴海は西、京極に向かう
先日の事件の、影の討伐を見て色々教わりたい事があるからだ、善幸も快く引き受け容認
正午過ぎに京極本家に辿り着いて会談の後
道場へ行き指導を受ける
目的は紙術とかではなくて、一つは霊力のコントロール、そもそも過分に入れて扱いを変えるという発想が無かったので、神宮司の霊刀でこれが可能かどうかなど一通り見せて見解を聴く
二つは、既にメイなどにも指導を受けているが察知、善幸は先の戦いで「相手は霊気の塊であるこれを察知すれば避けられる」とも言っているので、気功の察知術と同じモノであるかの見解
三つは、事態が悪化している、それはネルガルの行動からきているのも明白で、討伐は何れ必要である、最終的に、既にその段階にあると考えているが、こちらからあちらに行く事についてだ
善幸は1,2について、自身の知りえる限りの事を指導するが、1に関しては多く使っても問題が発生しない晴海には簡単だと断言する
簡単に言えば、今使ってる霊刀も始めの発動でニメートルくらい出たが、現在70~80センチに抑えて制御して使ってる、これを意識で同じ形で余分にエネルギー入れて今の形を維持できればいいだけ、同じ形で倍のエネルギーの制御が出来れば何れも可能だそう
では何故その運用が為されないかと言えば、霊力許容量が二倍くらい持っていないと二倍の消費で同じように戦えないからだそう、だからそもそも使い手があまり居ないだけらしい
手法自体は簡単で、現在の70センチ前後の長さの霊刀の状態を維持したまま消費を倍入れても同じ形に維持出来ればよく、この扱いは直接のイメージコントロールと余分に使ってもなんら負担にならない晴海には簡単で、元々霊圧刀は媒体として扱いを簡単にしてある法具だから
実際、霊圧刀での練習は20分くらいでこれを再現出来た
「低く抑えて使うより簡単なんですね」
「それはおそらく晴海様の霊力が多すぎる所以でしょうな」
と言ったがこれはその通りで、多すぎる故に失敗するだけで多く使っても発動するモノに関しては元々問題ない
が、それも厳密に言えば暴発はある。例えば霊圧刀なんも最初に発動成功時にニメートルくらい刃が出たが、それは晴海基準の小であの状態になるのだが、必要以上に入れてとんでもなサイズになるのは、あれも厳密に言えば暴発に近い、事故ってないだけで扱えるサイズに構成されてないから
2の察知に関しても練習方法があるそうで、一部武術でもある、殺気を察知するのと同じやり方で、目隠し状態で殺気の代わりに霊気がつかめればよい、素でいきなりやろうとしても難しいが
「ワシは実戦の中で会得しましたが、武術での気配、殺気を掴むに近い、こればかりは練習して掴むしかありませんが誰でも持ってるモノですからおそらく晴海様にもできます」
「そうですね、兎に角やってみます、中国の気功の先生からも似た技術を習ってるので」
そうして正午に一旦、休憩と昼食をごちそうになり
3の部分も聞く
「以前アヤネからも聞いたことがあるんですが、京極は反面に逆侵攻した事があるんですよね」
「左様です」
「何れネルガルを倒さないと終わらない、とは考えているのですが」
「…そうですな…あまりお勧めは出来ませんが一応空間を維持する秘術はあります、前後の門という業です、これは境界門を開けっ放しにし異界とこちらを維持安定させる物」
「それを使って乗り込んだ」
「はい、中期に今に近い事が起きた。やはりその時も、被害が増え、相手を狙って倒す事ができない、なので強制的に反面に介入し終わらせたという経緯がありますな、ですが結果の云々は不明です、誰も戻らなかったので」
「確かに、今も近い状況にあるのでしょうな…ネルガルを討伐する、が、妖怪は何れにしろ殺しきるのが難しい、逃げるのは反面に帰ればいい、そうなると何時までも終わらない」
「正直、ネルガルとこちらで対するのはもっと機会があると
思ってたんですが…」
「うーむ…確かにこうも連続で一方的に大物を送り込まれると、防衛と言っても被害だけ大きくなりますな…当事者は出てこないとあらば消耗だけ増える」
「実際、先日はかなり被害になっている、僕的には具体的な手を打つべきと考えます」
「それで反面への手段ですか、正直かなり無茶ですな」
「分かっては居ます、地図もないし、どれだけ敵がいるか分からない、どこに逃げたかも分からない、支援も貰えない場所でしょうから」
「全てわかった上で挑むと?」
「他に無ければ」
否定する所は幾らでもある、後継者も定まっていないのにそうするのかとか、敢えて晴海がやる必要があるのかとか、行って見つけて勝てるのかとか、同時に、その決断に至る経緯も十分分かる
善幸は全ての問題を察した上でこれを否定しなかった
「確かに晴海様が現世で最強の退魔師でしょう、ネルガルに勝ち、止める事を目的とすれば他の選択はないのも確か。ワシが行くのが妥当とは思いますが、それでは勝つ可能性は高くない、実際手段はそうないとも言えますな、確率で言えば」
「と僕も思います」
「分かりました、何れの事ですがその時の準備はしておきましょう」
「ありがとうございます」
「ただ、あまり決めつけて、それしかないと覚悟をするのもよくない」
「はい」
として善幸も同意するが、実際問題、過去に行った最終手段と同等に現在が無謀な訳ではない、雹が居るから。
彼女が居れば帰還は可能ではあるし、おそらく間に多く妖怪が居ても全部倒してネルガルに到達する必要もない、問題なのはネルガルとどこまでやれるか、勝てるかの目算が立たないので、これに活路があれば成功し易いともいう
「やはりネルガルも現場のどこかには見に来てたんだね」
「みたいです~」
「しかし被害がヤバイね、一般職員も被害出たらしいぜ」
「民1警察5か」
「とうとう民間にも出てしまったか…」
「発表はどうしてます?」
「事故、爆発で死亡にする事になります、一般の人目、通行人等からの目撃は無しですがスプラッタになってしまってるのでそういう形になります」
「まあ火事を見た、という通報も入ってるらしいしね」
「夜にやなモノみたお…」
「ですね~…」
「しかしネルガルも来てたというのは収穫なのかな、おそらく指示ではあるんだろうし」
「うん、間違いないよ」
「そうなの?」
「雹とちょっとだけ話した」
「あ、妖怪通信か」
「内容は?」
「んと、雹《お前の指示か》ネルガル《容認した》みたいな感じ」
「そんだけ?」
「ううんまだある、雹《なんでこんな事する》ネルガル《滑稽だろこの生物はよく喚いて鳴く》だって」
「…じゃあ面白がってやってるのか…予想はしてたけど最悪だな」
「そうだね…楽しい事なんかいっぱいあるのに、あの子は知らない。いあ、知ってるんだけど最初の楽しいが今なんだと思う…雹と違ってそれを教えてくれる人が居ないから」
「そっか…どういう経緯で来て、兄さんとどういう繋がりだったのかある程度分かっちゃったな」
「そうだね」
種別的、性格的差異はあるだろうが雹とネルガルは元の本質はそんなに違わない。ただ最初に会った人間と交流の経緯が真逆なのだ、それが今を構成してしまっている
雹は晴海やアスカに助けられた、怒りもせず、どこに捨てるでもなく皆に優しく扱われて交流して沢山プラス感情を覚える事を貰って皆と遊んで楽しいが沢山ある
多分ネルガルにはそれがない、最初に交信し、泰斗と交流したが、おそらく泰斗は「呼び出して命令出来る」と信じたのだから最初から殺されるまであんな扱いだったのだろう
だから人間という生物はかけがえのない存在ではない、居なくなってもなんとも思わないから
その差異の結果、雹はトモダチだから大事、ネルガルは不快なモノという差が出来た、前者には大事なモノだが、後者には使い捨ての玩具みたいなもん、だから今「楽しい」をしているともいう
同時に、これはもうどうにもならない、多分直接対峙して説得しても無理だろう「楽しい事なんかいっぱいあるよこっちにおいで」なんて言っても騙す気か?としか思われない、掛ける言葉も説得する道具も無いだろう
とりあえず遅いので簡易会議は終了解散にし
其々自室に戻って休む、明日もあるから
それから三日空けて日曜、交代休養日なのもあり、午前中に晴海は西、京極に向かう
先日の事件の、影の討伐を見て色々教わりたい事があるからだ、善幸も快く引き受け容認
正午過ぎに京極本家に辿り着いて会談の後
道場へ行き指導を受ける
目的は紙術とかではなくて、一つは霊力のコントロール、そもそも過分に入れて扱いを変えるという発想が無かったので、神宮司の霊刀でこれが可能かどうかなど一通り見せて見解を聴く
二つは、既にメイなどにも指導を受けているが察知、善幸は先の戦いで「相手は霊気の塊であるこれを察知すれば避けられる」とも言っているので、気功の察知術と同じモノであるかの見解
三つは、事態が悪化している、それはネルガルの行動からきているのも明白で、討伐は何れ必要である、最終的に、既にその段階にあると考えているが、こちらからあちらに行く事についてだ
善幸は1,2について、自身の知りえる限りの事を指導するが、1に関しては多く使っても問題が発生しない晴海には簡単だと断言する
簡単に言えば、今使ってる霊刀も始めの発動でニメートルくらい出たが、現在70~80センチに抑えて制御して使ってる、これを意識で同じ形で余分にエネルギー入れて今の形を維持できればいいだけ、同じ形で倍のエネルギーの制御が出来れば何れも可能だそう
では何故その運用が為されないかと言えば、霊力許容量が二倍くらい持っていないと二倍の消費で同じように戦えないからだそう、だからそもそも使い手があまり居ないだけらしい
手法自体は簡単で、現在の70センチ前後の長さの霊刀の状態を維持したまま消費を倍入れても同じ形に維持出来ればよく、この扱いは直接のイメージコントロールと余分に使ってもなんら負担にならない晴海には簡単で、元々霊圧刀は媒体として扱いを簡単にしてある法具だから
実際、霊圧刀での練習は20分くらいでこれを再現出来た
「低く抑えて使うより簡単なんですね」
「それはおそらく晴海様の霊力が多すぎる所以でしょうな」
と言ったがこれはその通りで、多すぎる故に失敗するだけで多く使っても発動するモノに関しては元々問題ない
が、それも厳密に言えば暴発はある。例えば霊圧刀なんも最初に発動成功時にニメートルくらい刃が出たが、それは晴海基準の小であの状態になるのだが、必要以上に入れてとんでもなサイズになるのは、あれも厳密に言えば暴発に近い、事故ってないだけで扱えるサイズに構成されてないから
2の察知に関しても練習方法があるそうで、一部武術でもある、殺気を察知するのと同じやり方で、目隠し状態で殺気の代わりに霊気がつかめればよい、素でいきなりやろうとしても難しいが
「ワシは実戦の中で会得しましたが、武術での気配、殺気を掴むに近い、こればかりは練習して掴むしかありませんが誰でも持ってるモノですからおそらく晴海様にもできます」
「そうですね、兎に角やってみます、中国の気功の先生からも似た技術を習ってるので」
そうして正午に一旦、休憩と昼食をごちそうになり
3の部分も聞く
「以前アヤネからも聞いたことがあるんですが、京極は反面に逆侵攻した事があるんですよね」
「左様です」
「何れネルガルを倒さないと終わらない、とは考えているのですが」
「…そうですな…あまりお勧めは出来ませんが一応空間を維持する秘術はあります、前後の門という業です、これは境界門を開けっ放しにし異界とこちらを維持安定させる物」
「それを使って乗り込んだ」
「はい、中期に今に近い事が起きた。やはりその時も、被害が増え、相手を狙って倒す事ができない、なので強制的に反面に介入し終わらせたという経緯がありますな、ですが結果の云々は不明です、誰も戻らなかったので」
「確かに、今も近い状況にあるのでしょうな…ネルガルを討伐する、が、妖怪は何れにしろ殺しきるのが難しい、逃げるのは反面に帰ればいい、そうなると何時までも終わらない」
「正直、ネルガルとこちらで対するのはもっと機会があると
思ってたんですが…」
「うーむ…確かにこうも連続で一方的に大物を送り込まれると、防衛と言っても被害だけ大きくなりますな…当事者は出てこないとあらば消耗だけ増える」
「実際、先日はかなり被害になっている、僕的には具体的な手を打つべきと考えます」
「それで反面への手段ですか、正直かなり無茶ですな」
「分かっては居ます、地図もないし、どれだけ敵がいるか分からない、どこに逃げたかも分からない、支援も貰えない場所でしょうから」
「全てわかった上で挑むと?」
「他に無ければ」
否定する所は幾らでもある、後継者も定まっていないのにそうするのかとか、敢えて晴海がやる必要があるのかとか、行って見つけて勝てるのかとか、同時に、その決断に至る経緯も十分分かる
善幸は全ての問題を察した上でこれを否定しなかった
「確かに晴海様が現世で最強の退魔師でしょう、ネルガルに勝ち、止める事を目的とすれば他の選択はないのも確か。ワシが行くのが妥当とは思いますが、それでは勝つ可能性は高くない、実際手段はそうないとも言えますな、確率で言えば」
「と僕も思います」
「分かりました、何れの事ですがその時の準備はしておきましょう」
「ありがとうございます」
「ただ、あまり決めつけて、それしかないと覚悟をするのもよくない」
「はい」
として善幸も同意するが、実際問題、過去に行った最終手段と同等に現在が無謀な訳ではない、雹が居るから。
彼女が居れば帰還は可能ではあるし、おそらく間に多く妖怪が居ても全部倒してネルガルに到達する必要もない、問題なのはネルガルとどこまでやれるか、勝てるかの目算が立たないので、これに活路があれば成功し易いともいう
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