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歴史的背景
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翌、月曜の9時くらいに起きて、善幸にも昼朝食を勧められマリや京極の縁者とも同席し雑談しながら進める
京極の縁者だが善幸以外の同席は小さい子だったりする、一応紹介されるが善幸の孫、つまりアヤネの妹だそう
「天音です、はじめまして」とあいさつされた
アヤネの五歳下で12歳なので小6、この子もちゃんと指導を受けていてこちらも有望だそう
屋敷を出る所でマリと別れ、一人行動に戻る
無人タクシーを拾って、座席で本家に電話を入れて向かう。13時には泰斗の屋敷の方に着いて兄とも面会した
泰斗の屋敷は古風な和装屋敷で神宮司本家からは10キロ程離れている、人員も8名いてそこそこの広さもある
「直接の話とはどうした?」
「西に用事があってついでに知りたい事もあったので各家を回って聞いてるだけですね」
「ふむ、で神宮司で分からん事でもあるのか?」
「ええと、本家に残ってる資料とか読みたいんですが兄さんの所にありますか?」
「いや、オレの屋敷には無いな、本家の方に大体あるだろうあちらに行け」
「もう使えるんですか?」
「一応掃除というか、リフォームばりに改修してある何しろの惨事だったからな…それに、何れにしろ本家屋敷のが使い易い」
「じゃあ後々あちらに戻るのですか?」
「分からんな、オレには必要ないが次代には必要だろうからな、まあ、セキュリティや連絡網やら改修の必要もあるが」
「ですね…本当に一般家屋とそんなに変わらないし」
「うむ、分かるか?」
「ECMと比較すれば、ですね、あっちはセンサーとか警報とかセキュリティとか段違いに充実してますし…」
「うむ」
「ああ、話が逸れましたね、関連した事ですがECMの方で使える土地建物とかどれくらいあるのかも把握したいので」
「そういう事なら構わんよ、まあ、お前も直系親族だしな、そういうのを把握しておく必要もあろう、一応法人に近くあるので神宮司保持の土地建物は譲る譲らないの話でもないが」
「なるほど」
「正直、把握しきれんほどアチコチにあると言えばある自分で調べてこっちに言えばいい」
「はい、支部を拡大する際に使い易いのがあればですが」
「ああ、本家の方は綺麗にしてあるし、管理人員を置いてある行けば分かるだろう、連絡を入れておく」
「はい、有難うございます」
と許可をとって本家に向かう
そうして本家に久々に帰ってきたが、あんな事件があった場所というのは感覚的にはあるが視覚的には全くない
外観も庭も綺麗であるしただ人は少なく、玄関で迎えた管理の若い女性、以前は和装のいかにも古めかしい恰好の人が多かったが今はそういう人物もいないし、内部も5人しかいないらしい
「お待ちしておりました晴海様、ご案内します」
と案内した女性も現代のOLの秘書みたいなスーツの人だ
「今は本家に人が少ないんですね」
「ええ、内部の管理や掃除に三人、警備に二人だけです」
「でも関係者?なんですよね?」
「そうです、神宮司の本家、泰斗様や晴海様以外の人員は直系ではない家の遠縁とか元々補佐の為に継続した家系の者で構成されています」
「こちらです」と地下に降りて、彼女はタブレットのようなモノでデータを出し、降りて左の仰々しい扉を開けて案内した
「これは…」晴海もそう呟いて驚いたがそれもそのはず和装の地下部屋で、広さは50畳くらいあるだろう、そこに本棚に整頓された書籍がズラっと並ぶ
「好きにしろて感じだったけど、これは多すぎるなぁ」
「いえ、以前はただまとめて保存してあるだけでしたが今は全てデジタル管理と複写してあります、ある程度観覧して頂き通達してもらえば電子書籍としてファイル転送します」
「そうなんだ…凄いな、それも兄さんの?」
「そうとも言いますがそうでないとも言います《一々やり方が古臭く手間ばかり多い現代のやり方に変えろ》という指示がありましたので、支家の部会のようなモノで話合いまして、こうなりました」
「へえ…、ちなみにだけど支家てどういう位置付けなんですか?」
「ええと、神宮司は元々退魔の最前線家だったのはご存じですね?」
「はい、初代~の特殊な個人能力で対処してたとか」
「その後、四家が加わり、神宮司その物は手法や術の伝授を四家にあったものを伝え拡大し、本家自体も特殊な個の能力で対応する時代は終わりました。その経過の中、本家神宮司は血統を伝える事とその手法や技術の保存、全体戦略を決める大御所のような役割に変化していきましたが、その際神宮司本家、例えば初代から二代の直系外の親戚の類が今でいう事務方のような役割を担当する方向になりました」
「なるほど、一族ではあるんだけど本家は初代からの伝統とか技術とか血統とかを維持する役割で、雑事の類が増えたので元々の例えば初代の親戚、叔父とか兄弟とか分れて担当補佐する事になったと」
「はい、時代が進み初代からの親戚も本家とは言えないくらい血筋的には離れていく、なので、本家直系のみ血統を維持継続を行い、それ以外の親族は輪にある間、執事専門のような形になっています」
「ええと、じゃあ君も?」
「一応そうなります、家系としては大分離れておりますので親族とも言い難いですが神宮司の輪に残った遠い親戚という感じでしょうか?」
「そうなんだ…、でも部会て事は規模自体は大きいの?」
「そうですね、まだ6家くらい補佐の専門としてあります、人数で言うと、事情を完全に把握して関わっている者でも百人以上は居ます」
「それは知らなかったな…、えっと名前を聞いても?」
「私ですか?一ノ瀬 生良と申します、一応一ノ瀬家は神宮司の補佐家としては比較的大きな役割を担っております、主に財政、資産運用、処理や税方面、法律等です」
「メイン秘書みたいな?」
「そうですね、荒事にはあまり関わっていませんが、何れにしろお見知り置きを」
「うんよろしく」
「で~ちょっと気になったんだけど」
「はい?」
「もしかして神宮司なら、僕の要請とかも検討してくれるの?」
「ええ、もちろんです、直系の跡継ぎ候補ですから大抵の事は可能です」
「じゃあ連絡先もらっていい?」
「はい、どうぞ」としてキラのメアドも貰う
そうして書籍を指定、神宮司の業とか家系図とか。資産の類を言うとキラがモバイルで呼び出し、案内し、晴海が現物をパラ読みして必要なモノを絞る
電子ファイルで見れるという事で10冊程指定し
その場で晴海のモバイルに転送してもらった
「ただ、これらの電子ファイルは開く一回毎にパスが必要です」
「まあ、そうですよね」
とパスも口頭で伝えられ、読むのは後でいいかとして一旦屋敷に戻り、客間に案内されてお茶と菓子を出されたので頂きつつ貰ったファイルを軽く閲覧する
「神宮司も法人化してるとも言ってたけど、そうでない持ち物も滅茶苦茶多いな…」
「運用的に有効なモノは法人格になっています、あまり使ってないモノは個人資産になってます」
「この辺の管理も大変なんだな…」
「故に、私たちのような者も必要と成っています」
「なるほどね」
「あれ??なんで僕の資産データまであるんだろ」
「慶様が随時晴海様に移譲されてました」
「ええ⁉そうなの?」
「生前贈与のような形になってます、一応これらも我々の方で管理運用しております、知りませんでしたか?一般的に言えば晴海様も結構な富豪ですが」
「初めて聞いたよ…」
と興味本位で漁っていくと、関東から関西までかなりの土地建物と株式預金など保持してる
「遊んでる土地建物が多いので我々の方でこれも整理・運用するよう指示を受けています、現在総資産で言えば現金含めて50億くらいありますよ」
「…なんか知らない所でえらい事になってるんだな…まあ、親心なんかもしれないけど」
そうして見ていくと法人側としての神宮司と自分のモノとしての土地でもそれなりに使えそうなモノが多い、そもそもの目的がECMの支部拡大で
横浜支部のような体制を広げる事なのだが。東西に良い場所が複数あるのだがECMの形のまま拡大するにしても、何れ四家の輪に近くなるか戻す事になるとは想像していたので、これはどの道、神宮司の法人として所持するモノを使った方が
いいのかもしれないが
「支家て他の家でも聞いたことあるような、各家にあるのかな」
「はい、形態は其々ですが、神宮司の様にあくまで本筋は本家で決定機関としてあり、それ以外の親族は武や雑事や商売など分割している場合がありますが、京極の様に善殿の直系がトップでそれ以外は輪にあるけど好きに商売している派と
あくまで退魔の一派として尽くす親族でない大小の支家なんかで構成されている形態もありますね」
「ああ、輪にあっても途中から決まり事みたいのも緩和された、とか言ってたような」
「そうですね、その結果、本家に尽くせ、これを守れ、という集団ではなくなっている、ですが、自由にしてよいとし後も愚直に本家に尽くす家もあります、なので四家其々の下や輪にある支家でも武に強いとか、商売に強いとか、忠誠心があるとかかなりバラバラです、何れ事態に対しては共闘という所は違いないですが」
「神宮司の支家はもっと近い感じになるのかな」
「そうです、神宮司は本家、つまり晴海様とかに負担を与えない為に、より支家の行動が多いです、他の家はフランチャイズグループ的というか、神宮司は同じ本社内で部署を担当しているに近い。極端ですが今代表代行は泰斗様ですがオーナーというか、社長みたいな感じです、こうすると言えば我々が会議して可能な限り、要望に適うように動くだけです、出来た果実を召し上がればよい」
「なんか極端に偉そうだなぁ…」
「まあ、我々的には逆に楽ではあるんですけどね、方針があって我々が達成をする、これは単純ではありますし」
「なるほど」
「ところで護衛とか警備の人員もそうなんだよね」
「基本的にはそうですね、元々武力に自信のある家もあるので、実際支家では一般社会側でSPとかを商売運用している所もあります。ただ退魔でどうかというのもありますので、この専門家も支家で育成というか、教練している部署もあります。退魔に関してはそれほど人員は居ませんが」
「ああ、そんな事も言ってたな…神宮司は退魔とかはそんなにやってないとか」
「他四家と違い簡易な術が逆に神宮司本家にありませんので、支家にもあまりないという事にはなりますね」
「四家には神宮司から伝授された秘術類があるけど神宮司の支家にはないのか…」
「一応あります、獅童家が退魔では神宮司の代理の感じになります、今は曖昧ですが」
「そうなんだ」
「京極の一派なら善幸さんから伝授出来る、手法も簡単なモノもある。でも神宮司は僕用の武具とか手法しかないからその輪に居る補佐家に使えないので一般的な戦闘訓練しかないみたいな?」
「そうですね」
「これも考慮の余地ありか、しかし、それだと自分らが困るんじゃないのかなぁ…」
「それはありますが、神宮司本家が前線に出る訳ではないので、あくまで将軍、司令官、手足として我々や四家があるので」
「確かに」
「ですが一応例外的ですが獅童家もその範囲ですね、神宮司の支家輪にありますが、独立した存在で他支家の部会とも連携していないですが、神宮司の直接管轄にあるという」
「大昔の神宮司のトップと友人関係にあったそうだしね、要するに直属で動かせる親衛隊みたいな扱いなのか」
「近い感じです、で我々は比較的歴史前期から様々な運用をやっておりこの扱いと輪は強固です、一応総称して《執権部会》と呼ばれる事もあります」
「そういうのがあるとも知らなかったなぁ…しかし。獅童家を僕の組織に入れたけど、同時本家親衛隊を切り離したような事になってると考えると不味かったかなぁ…」
「表面上はそうですが、近代では獅童家は屋敷の外の哨戒とか外出の際の少数護衛な役割しかやっていなかったので、おそらくそこまでではないかと」
「あんまり良い役割は与えられてない感じではあったね、当事者がそう考えてたし」
その後ファイル検索から一応武具も閲覧し、地下の保存庫で実物も見るが、武具その物は古い訳ではなく数も種類も予備もそこそこある
使い手が晴海しか居ないので、そういう人物が登場した場合に使うので殆どが保存になってはいるが
もう一つ、考えたのは「京極には紙術という誰でも使えるようにしか簡易な業があり、これを輪にある者には伝えてもよい」という所で
各家にある秘術もそもそも元は神宮司の初期に伝えられた物な訳でこれを現代でも出来ないかな?という考えもあった
簡単に言えば「過去そうした伝授はしていたのだから僕が覚えてこれを四家に渡しても強化されるんじゃない?」という考え方である
例えば神宮司の本家に初代~が使った、簡易で有効な京極の紙犬みたな誰でも効果を発揮する召喚術みたいのがあればこれを基本線にして、教えを広げて対処することになれば、かなり全体強化が進むからだ
京極の縁者だが善幸以外の同席は小さい子だったりする、一応紹介されるが善幸の孫、つまりアヤネの妹だそう
「天音です、はじめまして」とあいさつされた
アヤネの五歳下で12歳なので小6、この子もちゃんと指導を受けていてこちらも有望だそう
屋敷を出る所でマリと別れ、一人行動に戻る
無人タクシーを拾って、座席で本家に電話を入れて向かう。13時には泰斗の屋敷の方に着いて兄とも面会した
泰斗の屋敷は古風な和装屋敷で神宮司本家からは10キロ程離れている、人員も8名いてそこそこの広さもある
「直接の話とはどうした?」
「西に用事があってついでに知りたい事もあったので各家を回って聞いてるだけですね」
「ふむ、で神宮司で分からん事でもあるのか?」
「ええと、本家に残ってる資料とか読みたいんですが兄さんの所にありますか?」
「いや、オレの屋敷には無いな、本家の方に大体あるだろうあちらに行け」
「もう使えるんですか?」
「一応掃除というか、リフォームばりに改修してある何しろの惨事だったからな…それに、何れにしろ本家屋敷のが使い易い」
「じゃあ後々あちらに戻るのですか?」
「分からんな、オレには必要ないが次代には必要だろうからな、まあ、セキュリティや連絡網やら改修の必要もあるが」
「ですね…本当に一般家屋とそんなに変わらないし」
「うむ、分かるか?」
「ECMと比較すれば、ですね、あっちはセンサーとか警報とかセキュリティとか段違いに充実してますし…」
「うむ」
「ああ、話が逸れましたね、関連した事ですがECMの方で使える土地建物とかどれくらいあるのかも把握したいので」
「そういう事なら構わんよ、まあ、お前も直系親族だしな、そういうのを把握しておく必要もあろう、一応法人に近くあるので神宮司保持の土地建物は譲る譲らないの話でもないが」
「なるほど」
「正直、把握しきれんほどアチコチにあると言えばある自分で調べてこっちに言えばいい」
「はい、支部を拡大する際に使い易いのがあればですが」
「ああ、本家の方は綺麗にしてあるし、管理人員を置いてある行けば分かるだろう、連絡を入れておく」
「はい、有難うございます」
と許可をとって本家に向かう
そうして本家に久々に帰ってきたが、あんな事件があった場所というのは感覚的にはあるが視覚的には全くない
外観も庭も綺麗であるしただ人は少なく、玄関で迎えた管理の若い女性、以前は和装のいかにも古めかしい恰好の人が多かったが今はそういう人物もいないし、内部も5人しかいないらしい
「お待ちしておりました晴海様、ご案内します」
と案内した女性も現代のOLの秘書みたいなスーツの人だ
「今は本家に人が少ないんですね」
「ええ、内部の管理や掃除に三人、警備に二人だけです」
「でも関係者?なんですよね?」
「そうです、神宮司の本家、泰斗様や晴海様以外の人員は直系ではない家の遠縁とか元々補佐の為に継続した家系の者で構成されています」
「こちらです」と地下に降りて、彼女はタブレットのようなモノでデータを出し、降りて左の仰々しい扉を開けて案内した
「これは…」晴海もそう呟いて驚いたがそれもそのはず和装の地下部屋で、広さは50畳くらいあるだろう、そこに本棚に整頓された書籍がズラっと並ぶ
「好きにしろて感じだったけど、これは多すぎるなぁ」
「いえ、以前はただまとめて保存してあるだけでしたが今は全てデジタル管理と複写してあります、ある程度観覧して頂き通達してもらえば電子書籍としてファイル転送します」
「そうなんだ…凄いな、それも兄さんの?」
「そうとも言いますがそうでないとも言います《一々やり方が古臭く手間ばかり多い現代のやり方に変えろ》という指示がありましたので、支家の部会のようなモノで話合いまして、こうなりました」
「へえ…、ちなみにだけど支家てどういう位置付けなんですか?」
「ええと、神宮司は元々退魔の最前線家だったのはご存じですね?」
「はい、初代~の特殊な個人能力で対処してたとか」
「その後、四家が加わり、神宮司その物は手法や術の伝授を四家にあったものを伝え拡大し、本家自体も特殊な個の能力で対応する時代は終わりました。その経過の中、本家神宮司は血統を伝える事とその手法や技術の保存、全体戦略を決める大御所のような役割に変化していきましたが、その際神宮司本家、例えば初代から二代の直系外の親戚の類が今でいう事務方のような役割を担当する方向になりました」
「なるほど、一族ではあるんだけど本家は初代からの伝統とか技術とか血統とかを維持する役割で、雑事の類が増えたので元々の例えば初代の親戚、叔父とか兄弟とか分れて担当補佐する事になったと」
「はい、時代が進み初代からの親戚も本家とは言えないくらい血筋的には離れていく、なので、本家直系のみ血統を維持継続を行い、それ以外の親族は輪にある間、執事専門のような形になっています」
「ええと、じゃあ君も?」
「一応そうなります、家系としては大分離れておりますので親族とも言い難いですが神宮司の輪に残った遠い親戚という感じでしょうか?」
「そうなんだ…、でも部会て事は規模自体は大きいの?」
「そうですね、まだ6家くらい補佐の専門としてあります、人数で言うと、事情を完全に把握して関わっている者でも百人以上は居ます」
「それは知らなかったな…、えっと名前を聞いても?」
「私ですか?一ノ瀬 生良と申します、一応一ノ瀬家は神宮司の補佐家としては比較的大きな役割を担っております、主に財政、資産運用、処理や税方面、法律等です」
「メイン秘書みたいな?」
「そうですね、荒事にはあまり関わっていませんが、何れにしろお見知り置きを」
「うんよろしく」
「で~ちょっと気になったんだけど」
「はい?」
「もしかして神宮司なら、僕の要請とかも検討してくれるの?」
「ええ、もちろんです、直系の跡継ぎ候補ですから大抵の事は可能です」
「じゃあ連絡先もらっていい?」
「はい、どうぞ」としてキラのメアドも貰う
そうして書籍を指定、神宮司の業とか家系図とか。資産の類を言うとキラがモバイルで呼び出し、案内し、晴海が現物をパラ読みして必要なモノを絞る
電子ファイルで見れるという事で10冊程指定し
その場で晴海のモバイルに転送してもらった
「ただ、これらの電子ファイルは開く一回毎にパスが必要です」
「まあ、そうですよね」
とパスも口頭で伝えられ、読むのは後でいいかとして一旦屋敷に戻り、客間に案内されてお茶と菓子を出されたので頂きつつ貰ったファイルを軽く閲覧する
「神宮司も法人化してるとも言ってたけど、そうでない持ち物も滅茶苦茶多いな…」
「運用的に有効なモノは法人格になっています、あまり使ってないモノは個人資産になってます」
「この辺の管理も大変なんだな…」
「故に、私たちのような者も必要と成っています」
「なるほどね」
「あれ??なんで僕の資産データまであるんだろ」
「慶様が随時晴海様に移譲されてました」
「ええ⁉そうなの?」
「生前贈与のような形になってます、一応これらも我々の方で管理運用しております、知りませんでしたか?一般的に言えば晴海様も結構な富豪ですが」
「初めて聞いたよ…」
と興味本位で漁っていくと、関東から関西までかなりの土地建物と株式預金など保持してる
「遊んでる土地建物が多いので我々の方でこれも整理・運用するよう指示を受けています、現在総資産で言えば現金含めて50億くらいありますよ」
「…なんか知らない所でえらい事になってるんだな…まあ、親心なんかもしれないけど」
そうして見ていくと法人側としての神宮司と自分のモノとしての土地でもそれなりに使えそうなモノが多い、そもそもの目的がECMの支部拡大で
横浜支部のような体制を広げる事なのだが。東西に良い場所が複数あるのだがECMの形のまま拡大するにしても、何れ四家の輪に近くなるか戻す事になるとは想像していたので、これはどの道、神宮司の法人として所持するモノを使った方が
いいのかもしれないが
「支家て他の家でも聞いたことあるような、各家にあるのかな」
「はい、形態は其々ですが、神宮司の様にあくまで本筋は本家で決定機関としてあり、それ以外の親族は武や雑事や商売など分割している場合がありますが、京極の様に善殿の直系がトップでそれ以外は輪にあるけど好きに商売している派と
あくまで退魔の一派として尽くす親族でない大小の支家なんかで構成されている形態もありますね」
「ああ、輪にあっても途中から決まり事みたいのも緩和された、とか言ってたような」
「そうですね、その結果、本家に尽くせ、これを守れ、という集団ではなくなっている、ですが、自由にしてよいとし後も愚直に本家に尽くす家もあります、なので四家其々の下や輪にある支家でも武に強いとか、商売に強いとか、忠誠心があるとかかなりバラバラです、何れ事態に対しては共闘という所は違いないですが」
「神宮司の支家はもっと近い感じになるのかな」
「そうです、神宮司は本家、つまり晴海様とかに負担を与えない為に、より支家の行動が多いです、他の家はフランチャイズグループ的というか、神宮司は同じ本社内で部署を担当しているに近い。極端ですが今代表代行は泰斗様ですがオーナーというか、社長みたいな感じです、こうすると言えば我々が会議して可能な限り、要望に適うように動くだけです、出来た果実を召し上がればよい」
「なんか極端に偉そうだなぁ…」
「まあ、我々的には逆に楽ではあるんですけどね、方針があって我々が達成をする、これは単純ではありますし」
「なるほど」
「ところで護衛とか警備の人員もそうなんだよね」
「基本的にはそうですね、元々武力に自信のある家もあるので、実際支家では一般社会側でSPとかを商売運用している所もあります。ただ退魔でどうかというのもありますので、この専門家も支家で育成というか、教練している部署もあります。退魔に関してはそれほど人員は居ませんが」
「ああ、そんな事も言ってたな…神宮司は退魔とかはそんなにやってないとか」
「他四家と違い簡易な術が逆に神宮司本家にありませんので、支家にもあまりないという事にはなりますね」
「四家には神宮司から伝授された秘術類があるけど神宮司の支家にはないのか…」
「一応あります、獅童家が退魔では神宮司の代理の感じになります、今は曖昧ですが」
「そうなんだ」
「京極の一派なら善幸さんから伝授出来る、手法も簡単なモノもある。でも神宮司は僕用の武具とか手法しかないからその輪に居る補佐家に使えないので一般的な戦闘訓練しかないみたいな?」
「そうですね」
「これも考慮の余地ありか、しかし、それだと自分らが困るんじゃないのかなぁ…」
「それはありますが、神宮司本家が前線に出る訳ではないので、あくまで将軍、司令官、手足として我々や四家があるので」
「確かに」
「ですが一応例外的ですが獅童家もその範囲ですね、神宮司の支家輪にありますが、独立した存在で他支家の部会とも連携していないですが、神宮司の直接管轄にあるという」
「大昔の神宮司のトップと友人関係にあったそうだしね、要するに直属で動かせる親衛隊みたいな扱いなのか」
「近い感じです、で我々は比較的歴史前期から様々な運用をやっておりこの扱いと輪は強固です、一応総称して《執権部会》と呼ばれる事もあります」
「そういうのがあるとも知らなかったなぁ…しかし。獅童家を僕の組織に入れたけど、同時本家親衛隊を切り離したような事になってると考えると不味かったかなぁ…」
「表面上はそうですが、近代では獅童家は屋敷の外の哨戒とか外出の際の少数護衛な役割しかやっていなかったので、おそらくそこまでではないかと」
「あんまり良い役割は与えられてない感じではあったね、当事者がそう考えてたし」
その後ファイル検索から一応武具も閲覧し、地下の保存庫で実物も見るが、武具その物は古い訳ではなく数も種類も予備もそこそこある
使い手が晴海しか居ないので、そういう人物が登場した場合に使うので殆どが保存になってはいるが
もう一つ、考えたのは「京極には紙術という誰でも使えるようにしか簡易な業があり、これを輪にある者には伝えてもよい」という所で
各家にある秘術もそもそも元は神宮司の初期に伝えられた物な訳でこれを現代でも出来ないかな?という考えもあった
簡単に言えば「過去そうした伝授はしていたのだから僕が覚えてこれを四家に渡しても強化されるんじゃない?」という考え方である
例えば神宮司の本家に初代~が使った、簡易で有効な京極の紙犬みたな誰でも効果を発揮する召喚術みたいのがあればこれを基本線にして、教えを広げて対処することになれば、かなり全体強化が進むからだ
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