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実際問題、関東圏では全県に地下鉄無人車両もあれば車にしてもオートドライブが整備されているのでタクシーで移動もそんなに不自由はない
横浜支部も市街ど真ん中にあるので5分歩いて地下鉄を使って戻る、既に時間は22時でこの路線もそうお客も多くなく座席もまばらでモバイルで情報整理しながら移動する
乗ってから10~12分くらいだろうか。ゴーグルに霊力値表示がされ
「え!?」と思って反射的に距離と方角を焦点する
というのも予め設定してある霊力値の大きい数字を告知するようにしてある、一般人でも多い人は多いので100前後でも探す様にすると混ざって探知自体しなくなるからだ
「200~300が4!?」
なのだが本件に関しては予報は入らない
「放置は出来ないな…こんな事は始めてだし」と思い
丁度川崎を過ぎた所で、おそらく方角から現場だろうと考え天空橋~羽田ターミナル方向に乗り換えて向かいつつ、本部とも連絡を取ろうと無線を入れる。受けたのは凛だが彼女もこの事態に驚いていたようだ
「近辺に予報は発生してませんが…どういう事でしょう」
「分からないけど多分探知システムの問題かも。今地下を移動してるから」
「不味いですね…大雑把にでも範囲地点が分からないと封鎖がし難い」
「おそらくだけど第三ターミナル駅付近かも、この時点で予報無して事は地下道だと思う、数値と方角はある程度指しているのでこのまま現場に向かう」
「1人では危険です」
「分かってる、けどこんな場所で大きい霊力値、複数出たら不味い。もしそのまま餌場になったらとんでもない事になる」
「わ、わかりました。周辺路線と地下の退避対応をします、援護…も、ECM本部にアヤネさん。菜摘さんが現場近くに居る様なので回しますので無理はなされないように」
「菜摘さんがいるのか」
「何故か浮島辺りに居ますね…」
「分かった兎に角頼む」
「はい」
この会話から三分後には晴海の乗ってきた地下鉄も緊急停止
「事故対応の為、地下路線は一つ前の駅に戻ります」というデジタル表示版が出て晴海だけその場に降りる
更に二分後には無人駅に私服警官も現れ、身分証を呈示して誘導路に案内される
「E案件で範囲緊急退避対応が出されました、周囲一キロに進入禁止設定されているので我々も入れませんが。時間が時間とは言え、現場付近に利用者や市民が居るハズです」
「分かりました」
「一応、指示板とデジタル音声告知で駅周辺の利用者も自主退避に成っていますが…」
「いえ、兎に角行ってみます、何れにしろE案件専門部署が何れ来ると思うので」
「はっ」
と、土管の様なニメートル四方の通路に入り走って移動する、もうそれ程距離は無いので急げば7~8分だろう
ただ、この時点で現場の地下駅では事態が起こっていた「近くに居る」の通りで菜摘が先に到着・突入しており職員や自主退避の利用者の殆どは自動列車で戻るルートに乗り退避しているが監視カメラ映像から人間の逃げ遅れが幾らか居るらしい
構内にある数値は遠距離に300×3 中距離に路線側に移動する対象が1デジタル処理した情報俯瞰図で3の方は散会状態から1の方へ向かっているので、おそらく前者は妖怪の類だろう
丁度中間点の地上出入口に菜摘が居る為、即地下エスカレーターを駆けて降り西退避指示が示されている方向へ遠ざかる1の側を追い、改札を飛び越えてホームに入るが遠目で直ぐ確認して当事者の所へ駆け寄る
ホームの隅で蹲っている、おそらく15歳前後だろう制服姿の女の子
「大丈夫ですか?!」と強く言って抱き起こしたが対象者は大分混乱しているらしく半泣きでガタガタ震えていて応答はまともに出来ない
「皆急に居なくなって…黒いのが…」
とは一応独り言のように説明しているが、この場合、グラスの情報処理のが正確で判断し易い。
地上側エスカレーターと路線がY字に成っておりY字の両方から数字と水色の塊が接近してくる、ただ、速度は速くない
この際、彼女に自分でY字下方向の指定退避路に逃げろというのは無理だろう、足元がおぼつかないし自力で歩けない。
ある種の覚悟を決め、鈍足前進してくる相手と女の子の間に陣取り、抜刀し札も逆手に持ちつつ構えた
相手は女のコが云った通り、黒い、姿を現したままカサカサと歩いて来る、サーモも要らない。裸眼で見えるし、数字も300前後の×3
黒いというより闇とか影の印象が強くイマイチぼんやりしてるというのだろうか、横に楕円の黒い丸に八本の足で、おそらく三メートルくらいの蜘蛛の形をしている
それがホームの円筒の壁や床に張り付いて歩いて来る。端的に言って大分キモイ
相手も対象物と前に居る菜摘を見つけて速度を上げてカサカサ接近してくる、蜘蛛らしく糸を吐いたりもしない、足を使って急加速して飛びついて口と足で突いてくる感じだろうが
菜摘は高速で突っ込んでくる相手を刀で突きを入れるように蜘蛛に当てて打ち返すように7~8m吹き飛ばして下げさせ、蜘蛛もクルクル回って天井に張り付いて睨み合いの間になった
物理的にはありえない事だろう、50キロ前後の菜摘が片手突きで三mはあろう相手を打ち返して吹き飛ばすなんて
そう、これが睦の秘技の一つ「打真」。晴海が使う霊刀の業を簡易にしたモノだ
触媒経由、つまりこの場合武器に付与固定化し、打刀として効果を齎す付与業で、付与した力に応じて一定時間媒体に反発力を生む為。物理的抗力に頼らず、この様に殴ったり防御受けしたりが可能になる
簡易に、という通りで、元々晴海が霊圧刀で使っている刀身を作って斬る、飛ばす、防ぐ、の三法の三つを其々分割し一つの業として確立したものだ
とは言え、効果はやはり使い手の霊力に依存する為、どこまで継続防衛出来るかは何とも言えない。
打真は一回発動から効果が消失するまで60秒前後で、今は数字で言えば自身の霊力を30程度使っている。単純計算で4分くらいしか防衛出来ないだろう
そもそも業自体が。「媒体に反力を付与している」だけなので攻防にしても弾いているに過ぎないのでダメージ自体は相手にあんまり出ていない
モーションは殴っているのだが、物理的に殴っている訳ではなく、当たる所から磁力反発の様なモノが発生して相手は吹っ飛んでいる
防御も受けてはいるのだが、ぶつかる直前に相手が弾かれているから
そうして菜摘は離れては飛び掛かってくる蜘蛛を打ち返しながら、その場で防衛を続ける。ただ少なくともD・Cランク程度の妖怪を1人で3匹防いでいるので途轍もなく有効な業には違いない。ダメージその物は与えられていないだけで
蜘蛛の連続的突撃を20回打ち返して防ぎ、3分稼いだが、このままでは援軍が来るまでもたない。
やむなく打真を解いて、札術の防御符を左手に発動し、防御しながら下がる。こちらの方が霊力の消費が少ない為だ
接敵から3分40秒。晴海が間に合う、退避を示された路線方向、つまり南西側退避路からホームに侵入
目視で状況を確認・即断し「菜摘さん!屈んで!」と叫びながら、3匹に集られている状況、蜘蛛に向けて走りながら牽制の射撃刀を遠距離から払う
刀身が当たる前に菜摘に集っていた蜘蛛は四方に飛ぶように散会回避してまた壁や天井に張り付いて間を取ったが、晴海も構わず相手を退けるように霊刀を斬り飛ばして打ち込み、下がった相手と菜摘の前に出て構える
実際、射撃刀は目視出来る程度の速度なので速くはない、ボールを全力で投げるのとそんなに変わらないので精々時速100㎞くらいなのでこういう比較的動きの速い相手にはそこまで当たらない
「は、晴海様…」と云った菜摘も霊力残り少なく片膝体勢から動けず、一般市民の該者であろう制服の子も腰が抜けたように尻もち状態から動けない
直ぐに壁と天井に居る蜘蛛に向き直って睨みつけた、そう怒っていたのである。自分の事は耐えられる、でも仲間への加害は許せないそういう怒りのが晴海は強い
相手に向かって連続射撃しつつ、隙を見ては飛び掛かってくる蜘蛛を打ち返すも、中々当たらない。
ゴキブリと同じで細かい足の動きで直進から反射的に斜め後ろや横に避けるので打つにしろ斬るにしろ回避してくるし、斬っても外皮の硬さもあり完全に殺傷するに至らない
それでも一匹は飛び掛かってくる所にタイミングを合わせてカウンターで切り返し、片側二本脚を両断し撤退させ、一応二対一状況には成った
蜘蛛も作戦を変える、というより本能的な行動なんだろう
一匹が晴海に飛び掛かり、もう一匹は左横壁を走って晴海の左横をすり抜けた
「不味い!菜摘さん側に!?」と晴海も思い右の刀で前の相手を防ぎ打ち返しながらも左横をすり抜けていく蜘蛛に左手で掴もうとした。略、こちらも反射、本能的な行動である
勿論、手で届く訳がないし、仮に掴めても止められる訳がないのだが、次の瞬間事件が起きる
横をカサカサ走り抜けた蜘蛛と晴海の間に一瞬、空間波紋の様なモノと「ドン!」という音が発生し、蜘蛛が横壁に何か重いモノで殴られたように吹っ飛んで裏返って壁にめり込んだ
その場に居た全員「は⁈」としか言いようがない
その「何か」は相当な威力があったらしく、蜘蛛が壁に裏返って埋ったままジタバタしながら動かなく成って行く。
最終的にはボトッと落ちて、崩れるように黒い細かい粒子逃げ惑うように四散して姿自体も消失した
が、その数秒後には晴海も腰砕けになり膝を突き、動けなくなる「なんだ…⁈」と自身でも原因が分からない、そしてまだ一匹残っている
幸い、次点で他の援軍が間に合う。残り一匹が前傾して飛び掛かかったが晴海に到達する前に横から白いオオカミが体当たり、反対側の線路壁まで蜘蛛を吹っ飛ばした
本部・支部付近に居て最も移動が早いのがアヤネである
オオカミは壁に張り付いた蜘蛛に有無を言わさず飛び掛かり両方で暫く噛みつき合いに成っていたがやがて諦めたらしく蜘蛛も後退してそのまま路線奥にカサカサ逃げていき消えた
アヤネも駆け寄り、天啓の月と共に晴海の回復に来るがどこか被弾した訳ではない
「多分…霊力の使い切りだと思う…」
言われてゴーグルを起動して晴海を測るが確かに現在数値は極端に少なく30以下にまで低下している。計測不能な程、霊力の多い晴海がここまで疲弊するのは初である
「晴海様の霊力が此処まで減るなんて…一体何が??」
「僕はいい、勝手に回復すると思う、それより菜摘さんらを」
「は、はい」
とアヤネも菜摘と少女の方へ行き天啓の月での回復に中り、周囲を線量計で捜査と共に紙犬にも探させるが、敵らしき者は無く終わった事を確認
晴海も菜摘も基本的に物理的被弾はないので問題ない、少女の方は意識が無く、足に捻挫がある程度なので一応コレの治療するが後の事のが問題だろう。
やむを得ない状況とは言え戦闘も妖怪も明確に見てしまったのだから
更に5分後にはE専門であろう警察が到着。地下路線ホームでも検証が始まるが基本的に妖怪の死体の類は出ないので情報封鎖や事情聴取であるが、保護された一般人少女は意識不明のまま緊急車両で移送された
晴海らもそう時間も掛からず回復した為、事情聴取というか
一連の流れを説明し。開発部の車両も到着したので、これでアヤネと晴海も
菜摘は自分の車が有る為そっちで別に戻る事になる、後は警察組織等に任せて大丈夫だろう
「助かったよ二人とも」
「いえ」と少なく交わしてとりあえず退避する事とした
横浜支部も市街ど真ん中にあるので5分歩いて地下鉄を使って戻る、既に時間は22時でこの路線もそうお客も多くなく座席もまばらでモバイルで情報整理しながら移動する
乗ってから10~12分くらいだろうか。ゴーグルに霊力値表示がされ
「え!?」と思って反射的に距離と方角を焦点する
というのも予め設定してある霊力値の大きい数字を告知するようにしてある、一般人でも多い人は多いので100前後でも探す様にすると混ざって探知自体しなくなるからだ
「200~300が4!?」
なのだが本件に関しては予報は入らない
「放置は出来ないな…こんな事は始めてだし」と思い
丁度川崎を過ぎた所で、おそらく方角から現場だろうと考え天空橋~羽田ターミナル方向に乗り換えて向かいつつ、本部とも連絡を取ろうと無線を入れる。受けたのは凛だが彼女もこの事態に驚いていたようだ
「近辺に予報は発生してませんが…どういう事でしょう」
「分からないけど多分探知システムの問題かも。今地下を移動してるから」
「不味いですね…大雑把にでも範囲地点が分からないと封鎖がし難い」
「おそらくだけど第三ターミナル駅付近かも、この時点で予報無して事は地下道だと思う、数値と方角はある程度指しているのでこのまま現場に向かう」
「1人では危険です」
「分かってる、けどこんな場所で大きい霊力値、複数出たら不味い。もしそのまま餌場になったらとんでもない事になる」
「わ、わかりました。周辺路線と地下の退避対応をします、援護…も、ECM本部にアヤネさん。菜摘さんが現場近くに居る様なので回しますので無理はなされないように」
「菜摘さんがいるのか」
「何故か浮島辺りに居ますね…」
「分かった兎に角頼む」
「はい」
この会話から三分後には晴海の乗ってきた地下鉄も緊急停止
「事故対応の為、地下路線は一つ前の駅に戻ります」というデジタル表示版が出て晴海だけその場に降りる
更に二分後には無人駅に私服警官も現れ、身分証を呈示して誘導路に案内される
「E案件で範囲緊急退避対応が出されました、周囲一キロに進入禁止設定されているので我々も入れませんが。時間が時間とは言え、現場付近に利用者や市民が居るハズです」
「分かりました」
「一応、指示板とデジタル音声告知で駅周辺の利用者も自主退避に成っていますが…」
「いえ、兎に角行ってみます、何れにしろE案件専門部署が何れ来ると思うので」
「はっ」
と、土管の様なニメートル四方の通路に入り走って移動する、もうそれ程距離は無いので急げば7~8分だろう
ただ、この時点で現場の地下駅では事態が起こっていた「近くに居る」の通りで菜摘が先に到着・突入しており職員や自主退避の利用者の殆どは自動列車で戻るルートに乗り退避しているが監視カメラ映像から人間の逃げ遅れが幾らか居るらしい
構内にある数値は遠距離に300×3 中距離に路線側に移動する対象が1デジタル処理した情報俯瞰図で3の方は散会状態から1の方へ向かっているので、おそらく前者は妖怪の類だろう
丁度中間点の地上出入口に菜摘が居る為、即地下エスカレーターを駆けて降り西退避指示が示されている方向へ遠ざかる1の側を追い、改札を飛び越えてホームに入るが遠目で直ぐ確認して当事者の所へ駆け寄る
ホームの隅で蹲っている、おそらく15歳前後だろう制服姿の女の子
「大丈夫ですか?!」と強く言って抱き起こしたが対象者は大分混乱しているらしく半泣きでガタガタ震えていて応答はまともに出来ない
「皆急に居なくなって…黒いのが…」
とは一応独り言のように説明しているが、この場合、グラスの情報処理のが正確で判断し易い。
地上側エスカレーターと路線がY字に成っておりY字の両方から数字と水色の塊が接近してくる、ただ、速度は速くない
この際、彼女に自分でY字下方向の指定退避路に逃げろというのは無理だろう、足元がおぼつかないし自力で歩けない。
ある種の覚悟を決め、鈍足前進してくる相手と女の子の間に陣取り、抜刀し札も逆手に持ちつつ構えた
相手は女のコが云った通り、黒い、姿を現したままカサカサと歩いて来る、サーモも要らない。裸眼で見えるし、数字も300前後の×3
黒いというより闇とか影の印象が強くイマイチぼんやりしてるというのだろうか、横に楕円の黒い丸に八本の足で、おそらく三メートルくらいの蜘蛛の形をしている
それがホームの円筒の壁や床に張り付いて歩いて来る。端的に言って大分キモイ
相手も対象物と前に居る菜摘を見つけて速度を上げてカサカサ接近してくる、蜘蛛らしく糸を吐いたりもしない、足を使って急加速して飛びついて口と足で突いてくる感じだろうが
菜摘は高速で突っ込んでくる相手を刀で突きを入れるように蜘蛛に当てて打ち返すように7~8m吹き飛ばして下げさせ、蜘蛛もクルクル回って天井に張り付いて睨み合いの間になった
物理的にはありえない事だろう、50キロ前後の菜摘が片手突きで三mはあろう相手を打ち返して吹き飛ばすなんて
そう、これが睦の秘技の一つ「打真」。晴海が使う霊刀の業を簡易にしたモノだ
触媒経由、つまりこの場合武器に付与固定化し、打刀として効果を齎す付与業で、付与した力に応じて一定時間媒体に反発力を生む為。物理的抗力に頼らず、この様に殴ったり防御受けしたりが可能になる
簡易に、という通りで、元々晴海が霊圧刀で使っている刀身を作って斬る、飛ばす、防ぐ、の三法の三つを其々分割し一つの業として確立したものだ
とは言え、効果はやはり使い手の霊力に依存する為、どこまで継続防衛出来るかは何とも言えない。
打真は一回発動から効果が消失するまで60秒前後で、今は数字で言えば自身の霊力を30程度使っている。単純計算で4分くらいしか防衛出来ないだろう
そもそも業自体が。「媒体に反力を付与している」だけなので攻防にしても弾いているに過ぎないのでダメージ自体は相手にあんまり出ていない
モーションは殴っているのだが、物理的に殴っている訳ではなく、当たる所から磁力反発の様なモノが発生して相手は吹っ飛んでいる
防御も受けてはいるのだが、ぶつかる直前に相手が弾かれているから
そうして菜摘は離れては飛び掛かってくる蜘蛛を打ち返しながら、その場で防衛を続ける。ただ少なくともD・Cランク程度の妖怪を1人で3匹防いでいるので途轍もなく有効な業には違いない。ダメージその物は与えられていないだけで
蜘蛛の連続的突撃を20回打ち返して防ぎ、3分稼いだが、このままでは援軍が来るまでもたない。
やむなく打真を解いて、札術の防御符を左手に発動し、防御しながら下がる。こちらの方が霊力の消費が少ない為だ
接敵から3分40秒。晴海が間に合う、退避を示された路線方向、つまり南西側退避路からホームに侵入
目視で状況を確認・即断し「菜摘さん!屈んで!」と叫びながら、3匹に集られている状況、蜘蛛に向けて走りながら牽制の射撃刀を遠距離から払う
刀身が当たる前に菜摘に集っていた蜘蛛は四方に飛ぶように散会回避してまた壁や天井に張り付いて間を取ったが、晴海も構わず相手を退けるように霊刀を斬り飛ばして打ち込み、下がった相手と菜摘の前に出て構える
実際、射撃刀は目視出来る程度の速度なので速くはない、ボールを全力で投げるのとそんなに変わらないので精々時速100㎞くらいなのでこういう比較的動きの速い相手にはそこまで当たらない
「は、晴海様…」と云った菜摘も霊力残り少なく片膝体勢から動けず、一般市民の該者であろう制服の子も腰が抜けたように尻もち状態から動けない
直ぐに壁と天井に居る蜘蛛に向き直って睨みつけた、そう怒っていたのである。自分の事は耐えられる、でも仲間への加害は許せないそういう怒りのが晴海は強い
相手に向かって連続射撃しつつ、隙を見ては飛び掛かってくる蜘蛛を打ち返すも、中々当たらない。
ゴキブリと同じで細かい足の動きで直進から反射的に斜め後ろや横に避けるので打つにしろ斬るにしろ回避してくるし、斬っても外皮の硬さもあり完全に殺傷するに至らない
それでも一匹は飛び掛かってくる所にタイミングを合わせてカウンターで切り返し、片側二本脚を両断し撤退させ、一応二対一状況には成った
蜘蛛も作戦を変える、というより本能的な行動なんだろう
一匹が晴海に飛び掛かり、もう一匹は左横壁を走って晴海の左横をすり抜けた
「不味い!菜摘さん側に!?」と晴海も思い右の刀で前の相手を防ぎ打ち返しながらも左横をすり抜けていく蜘蛛に左手で掴もうとした。略、こちらも反射、本能的な行動である
勿論、手で届く訳がないし、仮に掴めても止められる訳がないのだが、次の瞬間事件が起きる
横をカサカサ走り抜けた蜘蛛と晴海の間に一瞬、空間波紋の様なモノと「ドン!」という音が発生し、蜘蛛が横壁に何か重いモノで殴られたように吹っ飛んで裏返って壁にめり込んだ
その場に居た全員「は⁈」としか言いようがない
その「何か」は相当な威力があったらしく、蜘蛛が壁に裏返って埋ったままジタバタしながら動かなく成って行く。
最終的にはボトッと落ちて、崩れるように黒い細かい粒子逃げ惑うように四散して姿自体も消失した
が、その数秒後には晴海も腰砕けになり膝を突き、動けなくなる「なんだ…⁈」と自身でも原因が分からない、そしてまだ一匹残っている
幸い、次点で他の援軍が間に合う。残り一匹が前傾して飛び掛かかったが晴海に到達する前に横から白いオオカミが体当たり、反対側の線路壁まで蜘蛛を吹っ飛ばした
本部・支部付近に居て最も移動が早いのがアヤネである
オオカミは壁に張り付いた蜘蛛に有無を言わさず飛び掛かり両方で暫く噛みつき合いに成っていたがやがて諦めたらしく蜘蛛も後退してそのまま路線奥にカサカサ逃げていき消えた
アヤネも駆け寄り、天啓の月と共に晴海の回復に来るがどこか被弾した訳ではない
「多分…霊力の使い切りだと思う…」
言われてゴーグルを起動して晴海を測るが確かに現在数値は極端に少なく30以下にまで低下している。計測不能な程、霊力の多い晴海がここまで疲弊するのは初である
「晴海様の霊力が此処まで減るなんて…一体何が??」
「僕はいい、勝手に回復すると思う、それより菜摘さんらを」
「は、はい」
とアヤネも菜摘と少女の方へ行き天啓の月での回復に中り、周囲を線量計で捜査と共に紙犬にも探させるが、敵らしき者は無く終わった事を確認
晴海も菜摘も基本的に物理的被弾はないので問題ない、少女の方は意識が無く、足に捻挫がある程度なので一応コレの治療するが後の事のが問題だろう。
やむを得ない状況とは言え戦闘も妖怪も明確に見てしまったのだから
更に5分後にはE専門であろう警察が到着。地下路線ホームでも検証が始まるが基本的に妖怪の死体の類は出ないので情報封鎖や事情聴取であるが、保護された一般人少女は意識不明のまま緊急車両で移送された
晴海らもそう時間も掛からず回復した為、事情聴取というか
一連の流れを説明し。開発部の車両も到着したので、これでアヤネと晴海も
菜摘は自分の車が有る為そっちで別に戻る事になる、後は警察組織等に任せて大丈夫だろう
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