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先駆者
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十一月中頃から十二月に入るまで大きな事件も無かったが
晴海ら其々は、遊んでいた訳でもないが
アヤネは秘術を試してみたが「ちゃんと使える」というにはまだ至らず。ただ「どういうモノか」というのは口頭以外で確認は出来た
天恵の月というのは早い話。他の紙術の召喚とそう変わらない、紙犬は呼び出したら一定時間、呼び出し主に従う、実際の訓練を受けた猟犬に近く指示は出来るが基本的に自己判断面がある
天恵の月は構築成功すると、ずっとアヤネについて歩きこれも勝手に自己判断行動するが、違うのは戦闘系ではなく援護系で解除しなければ何時までも稼動するそう
それから意思伝達が可能、ちょっとしたこっちの意思は理解するらしいので生物感もある
まだそこまで力を発揮するほどアヤネ自身に力が無いのだが
見た目は白い紙で折った大きめの蝶や、妖精みたいな姿でサイズも小さく基本的に浮遊して彼女の肩周りをヒラヒラ飛び回る
ちゃんと稼動するには霊力は足りない為、現在はマスコットみたいなモノだが一応どういう効果なのかは、実際呼び出して半分は把握した
「紙犬と違って見た目は可愛いね‥」
「祖父が言うには一度完璧な形で構築・召喚出来れば自己判断であらゆる援護行動を取るそうです。が、残念ながらまだ存在させるだけに留まっていますね」
「つまり、アヤネともう一人援護要員が増えた、みたいな感じか」
「おそらく、ただ、一応現在の状態でも指示は出来ますし小さくて飛べるので斥候的な事は可能ですね。「今は」紙犬でも長時間稼動が可能なんですが見た目が‥」
「明らかにデカイし徘徊してたら怖いよね‥」
たかが式神と云っても、実際はアヤネの霊力次第なので
効果は順次変わる、と云えばいいのだろうか
犬に関しても最初の狛犬は精精数時間稼動で弱いが現在の姿だと2~3倍時間は稼動するらしい、実際の番犬みたいに、部屋に置いておいて皆が寝ている間の監視なんてのも可能ではある
天恵の月は現在の状態でもカメラ付きドローンみたいな事は出来る、目標地点に移動させて状況確認とかだが
一方で晴海も自身の武力の向上等目指してレイナとの手合わせは続けたが、やはり、早々業前が上がる訳ではない、まだレイナと接戦とは成っていないし
逆に晴海は霊力は最初から有り余って持っているので当人自体は伸び白は多く無いとも言える
尤も、晴海自身が強い必要はあまりないのだが、基本的に「指揮官」だから、ただ自分でそう思ってなかっただけだ
名雪が加わって特殊開発部に配属されて暫くの事だが、レイナは高砂の所に行く機会は増えた、というのも名雪は実戦闘力が高いという話しを聞いて
「ぼっちゃんの相手だけだと慣れ過ぎてしまう」
「一人で前線で戦えてる人なら色々手法があるのかな?」
という興味と関心から色々積極的に交流するようになったからだ
高砂の部署なら訓練施設もあり、退魔の先輩で戦い方が同じでこなせているならアタシも得るモノがある、という点、名雪もこれを断らず、積極的に相手を務めた
ただ実際訓練場と専用防具等借り、使わせて貰って手合わせしてみるとかなり差異が大きい、というか我流だが割りと正統派な剣術のレイナからすると無茶苦茶やり難く、一回目はあっさり負ける
簡単に言ってしまえばレイナが構えて上段と中段の間くらいの突き切りの様な踏み込みの一撃を、名雪がコマの様に回転してかわして反撃を貰う。これでヘルムの横から打ち込まれて引っくり返った
「ええ?!」と思わず驚いて口に出る
油断したとか、名雪がめちゃ強いとかそういうのではなく
予想外のカウンターでびっくりして対応出来なかっただけだが
が、二戦目も警戒しながら対峙したが、これもあっさり負ける
今度はレイナの横斬りを武器で受けずに踏み込んで左手刀でレイナの剣を持っている手を払って逆手の武器で反撃される
「ちょっ!?そんなのあり!?」
「誰が剣道をやると云った?実戦だぞ?」
という事らしいのだが、今度は三戦目
「くっそー!」とレイナが早い踏み込み突きを打とうとした途端名雪はバックステップして空振りさせ、隙に武器を投げつけられて面を取られる
「いてぇ!?」
そう、そもそも前提と成る技術その物が違う
「まあ、こんなもんだ」
「ちょっと!ズルくない?!」
「ズルくないぞ、お前は人相手、私は退魔だ」
「は‥‥??」
「別に相手が妖怪なら手段は何でもいいんだ、私はこういうスタイルでそういう技術だ、お前がオカシイんだ」
「いや、まあ、そう云われると‥」
「では、何を習いたいんだ?魔物相手に綺麗に勝つ事か?そんな技術私は持ってないぞ?」
そう言われてレイナもその場に座り込んだ
別にガックリしたとかでもない
「成る程ね、そういう事か‥」
「そう、睦家はお前と同じで京極や藤原の様な特殊な便利な術は無い、だからこういう形に成ってるだけだ、剣術を極めてもどうせ妖怪には勝てない、そういう事なら先輩として教えてやれる」
「しかし、出来るのかなぁ‥」
「そう難しい事ではない、前提と成るモノを少し変えてしまえばいい、あくまで綾辻の者としての形に拘るならそれでもいいが、綾辻でなく、レイナとして前で戦いたいなら出来る」
「そっかー、いや、教えてください」
「うむ」
そうして「退魔専用」の睦流のやり方を学ぶ事になったのだがレイナのベースを変える訳じゃないのでそんなに難しい事ではない
特別訓練が要る訳でもない、妖怪相手の実戦のタブーと効率の口伝がメインである
これを両者で約束組み手の様な感じで一つ一つ形と絶対やってはいけない事を口で説明しながらやるだけだ
「ダメだ、受けるな」
「へ?」
「妖怪は人間とパワーが比較にならないブロッキングはするな。受けた武器と腕ごと折られるぞ」
「ふむ、じゃあどうやって防ぐんだ?」
「受けはやったら負けると思え、避けるか、逸らし以外アウトだ、お前が仮に防げる武具を持っていても同じだ。実際相手はバラバラだし、強さも違う、予想外の上回る攻撃を受けて、防げると思って応じても受けられるとは限らない」
「なるほど」
「剣術の受け流しでも危ない、それに体捌きも加える、最悪受けても体ごと反転させて丸ごと受け流せ、すれば体も武器も壊れない」
「ふむ」
いわゆる拳法でいう流水というやつでボクシングで言うと上体・打撃スウェーバックに近い技術である、これが最低限の壱だそうだ
実際レイナは妖怪との初戦でブロックして武器ごと被弾して負けているので「受けるな」は正しい
二が、レイナとの実際の手合わせの初戦でやった事「交差法」で、避けると攻撃するを同時にやる、なるべくなら分ってても受け無い方が良く、同時に基本的にスピードで上回る相手に対して「避ける→切り返す」という動作では遅い場合も多々ある
これはレイナが元々持っている剣術や武術でも出来る、体の中心線を軸にして、基本的に左右に体を回して回避運動と同時、勢いを使って同時に切り返せばいいのだから
ただ名雪のはもっとオーバーアクションだが、例えば、45度以内の範囲で小さく回って避けるではなく平気で180度くらい回る
しかも、距離と状況に寄っては、側宙したり、バック宙したりしながら、射撃・投擲・切り替えしまでやる、いわゆるスタイリッシュロールとか中国拳法やマーシャルアーツとかの背転脚やサマーソルトキック、ソバットと呼ばれる技の攻防同時にやる技術である
「デキネー‥」とは思ったのだが、まあそこまでド派手にやる事もないだろう、タブーと基本だけやればいいだけだし
もう一つが誰でも出来る事だが「距離」を使う事、遠<中<近接、でリスクが上がるという現代サバイバル戦闘の基本だが
「お主も拘りが無ければ射撃武器を使うべき」とした
「んな事云われてもなぁ‥弓ならやった事あるけど」
「心配いらん、現代では細かい技術は要らんし」
という訳で開発部から「ありますよ、やってみますか?」とドラえもんの如く幾つか提示されたのは、昔で云う所の銃剣
かっこよく言うとガンブレードてやつ
長さは短めのショットガン程度で前半分上に斬り突きの剣がくっついたようなもので同時に単発銃撃出来る武器、ただ重いしデカイしヘタに攻撃の受けに使って破損すると暴発危険もある
「暴発??」
「通常の弾でなくランチャーに近いですからな‥、そのまま誘爆の危険も」
「そんなもん持ち歩けるか!!」
という事でこれは無し
もう一つがペンシルガンてやつ、手の平に収まるサイズで小さく隠し持てる、元々はスパイなんかが使った銃だがこれを改良して作ったらしい。反動と音も小さくこのサイズでも5,6発は撃てる様にしてあるらしい、特殊開発部は当然対魔に基準があるので火薬弾である必要も無く、圧縮エアガンに近く、弾の速度は遅くなるが十分使えるレベルにはしてあるのだが携帯出来るかというとやはり無理があるだろう
「そう考えると神宮寺の武器て公私共に有効だよなぁ‥」
「そうだな。近代武器を実際使うと成ると法的に厳しくなるが神宮寺や京極は普段は武器として認知されないからな」
「刃の無い柄だけと、紙だもんね」
「そういう事だな」
「うーん‥アタシも何か技でこれをクリアしないと遠距離は難しいな‥」
「綾辻にはあるのか?」
「まあ‥秘術の部類に入るけど九十九針ていう霊力技はあるね、ただ、誰も使えないけど‥」
「やはりそこがネックか。私もそうだ」
こうして遠距離戦闘はレイナには難しい事が分り、とりあえず後回しにした。週、2,3回。開発部を往復しつつ名雪にも技術指導を貰う。まあ、アクロバティックなカウンターは無理だが、出来る範囲での型、動作の教示と反復と、実戦練習である
もう一つが往復移動で名雪に乗せてもらった「バイク」である、基本徒歩なレイナは単純に「いいなぁ~かっこいい」とか思って聞いた
「うん?免許?」
「思ったんだけどあると便利よね」
「まあ、そうだな特に都心だと渋滞に掛からないし対魔の捜索でも移動が早いし楽ではある、装備も載せられるし、割りとどこでも停められる」
「だよねぇ‥アタシらて皆学生だし行動範囲というか対応範囲が狭いんだよね」
「ふむ、こちらは公人組織が主体でやっているから対応範囲は広めではあるが、じゃあ現場で発見して対魔事件で実際戦えるかというと微妙だと感じるな、お主が免許習得するのはいいんじゃないか?、まあ、原チャリでもいいだろうが」
「数日で取れるんだっけ?」
「いや、筆記で通ればいいから直ぐだぞ?」
という事で講義を受けつつ、自宅でも軽く勉強、レイナは見た目と違い勉強は普通に出来るので週末に試験場へ行き難なく一発合格する
その後免許を貰ってこれも名雪に見てもらい
50㏄バイクを見繕うが
「うーん‥弱そう‥」という理由で所謂スクーターの類は買わなかった
ここでも「じゃあウチのやつ使います?」という事になったのが特殊開発部である。非常に嫌な予感しかしないのだが
あるにはあるらしい
勿論色々手を加えてあるのだが見た目は「カッコイイ!」と一目ぼれする、フルサイズ50㏄で、中型と余り違いの無いスタイリッシュなツーリングにも行けそうな青バイク
ただ、いつも通り、とんでもない装備が色々付いている訳ではなく、前側に大きな防弾スクリーンと人間の体の部分をブロックするガードが付いていて基本前と横からの被弾を防ぐ様に成っているらしい
デフォルトで高燃焼加速に切り替えるサブタンクや、フロントスクリーンにサーモグラフやナビも付いている。後付けバックパックや長めの武器やらを装填して置ける装備なんかもある
「いいの?」とは云ったが、実際作ったはいいが
乗り手が居ないらしい、という訳で有り難くこれも頂く
晴海ら其々は、遊んでいた訳でもないが
アヤネは秘術を試してみたが「ちゃんと使える」というにはまだ至らず。ただ「どういうモノか」というのは口頭以外で確認は出来た
天恵の月というのは早い話。他の紙術の召喚とそう変わらない、紙犬は呼び出したら一定時間、呼び出し主に従う、実際の訓練を受けた猟犬に近く指示は出来るが基本的に自己判断面がある
天恵の月は構築成功すると、ずっとアヤネについて歩きこれも勝手に自己判断行動するが、違うのは戦闘系ではなく援護系で解除しなければ何時までも稼動するそう
それから意思伝達が可能、ちょっとしたこっちの意思は理解するらしいので生物感もある
まだそこまで力を発揮するほどアヤネ自身に力が無いのだが
見た目は白い紙で折った大きめの蝶や、妖精みたいな姿でサイズも小さく基本的に浮遊して彼女の肩周りをヒラヒラ飛び回る
ちゃんと稼動するには霊力は足りない為、現在はマスコットみたいなモノだが一応どういう効果なのかは、実際呼び出して半分は把握した
「紙犬と違って見た目は可愛いね‥」
「祖父が言うには一度完璧な形で構築・召喚出来れば自己判断であらゆる援護行動を取るそうです。が、残念ながらまだ存在させるだけに留まっていますね」
「つまり、アヤネともう一人援護要員が増えた、みたいな感じか」
「おそらく、ただ、一応現在の状態でも指示は出来ますし小さくて飛べるので斥候的な事は可能ですね。「今は」紙犬でも長時間稼動が可能なんですが見た目が‥」
「明らかにデカイし徘徊してたら怖いよね‥」
たかが式神と云っても、実際はアヤネの霊力次第なので
効果は順次変わる、と云えばいいのだろうか
犬に関しても最初の狛犬は精精数時間稼動で弱いが現在の姿だと2~3倍時間は稼動するらしい、実際の番犬みたいに、部屋に置いておいて皆が寝ている間の監視なんてのも可能ではある
天恵の月は現在の状態でもカメラ付きドローンみたいな事は出来る、目標地点に移動させて状況確認とかだが
一方で晴海も自身の武力の向上等目指してレイナとの手合わせは続けたが、やはり、早々業前が上がる訳ではない、まだレイナと接戦とは成っていないし
逆に晴海は霊力は最初から有り余って持っているので当人自体は伸び白は多く無いとも言える
尤も、晴海自身が強い必要はあまりないのだが、基本的に「指揮官」だから、ただ自分でそう思ってなかっただけだ
名雪が加わって特殊開発部に配属されて暫くの事だが、レイナは高砂の所に行く機会は増えた、というのも名雪は実戦闘力が高いという話しを聞いて
「ぼっちゃんの相手だけだと慣れ過ぎてしまう」
「一人で前線で戦えてる人なら色々手法があるのかな?」
という興味と関心から色々積極的に交流するようになったからだ
高砂の部署なら訓練施設もあり、退魔の先輩で戦い方が同じでこなせているならアタシも得るモノがある、という点、名雪もこれを断らず、積極的に相手を務めた
ただ実際訓練場と専用防具等借り、使わせて貰って手合わせしてみるとかなり差異が大きい、というか我流だが割りと正統派な剣術のレイナからすると無茶苦茶やり難く、一回目はあっさり負ける
簡単に言ってしまえばレイナが構えて上段と中段の間くらいの突き切りの様な踏み込みの一撃を、名雪がコマの様に回転してかわして反撃を貰う。これでヘルムの横から打ち込まれて引っくり返った
「ええ?!」と思わず驚いて口に出る
油断したとか、名雪がめちゃ強いとかそういうのではなく
予想外のカウンターでびっくりして対応出来なかっただけだが
が、二戦目も警戒しながら対峙したが、これもあっさり負ける
今度はレイナの横斬りを武器で受けずに踏み込んで左手刀でレイナの剣を持っている手を払って逆手の武器で反撃される
「ちょっ!?そんなのあり!?」
「誰が剣道をやると云った?実戦だぞ?」
という事らしいのだが、今度は三戦目
「くっそー!」とレイナが早い踏み込み突きを打とうとした途端名雪はバックステップして空振りさせ、隙に武器を投げつけられて面を取られる
「いてぇ!?」
そう、そもそも前提と成る技術その物が違う
「まあ、こんなもんだ」
「ちょっと!ズルくない?!」
「ズルくないぞ、お前は人相手、私は退魔だ」
「は‥‥??」
「別に相手が妖怪なら手段は何でもいいんだ、私はこういうスタイルでそういう技術だ、お前がオカシイんだ」
「いや、まあ、そう云われると‥」
「では、何を習いたいんだ?魔物相手に綺麗に勝つ事か?そんな技術私は持ってないぞ?」
そう言われてレイナもその場に座り込んだ
別にガックリしたとかでもない
「成る程ね、そういう事か‥」
「そう、睦家はお前と同じで京極や藤原の様な特殊な便利な術は無い、だからこういう形に成ってるだけだ、剣術を極めてもどうせ妖怪には勝てない、そういう事なら先輩として教えてやれる」
「しかし、出来るのかなぁ‥」
「そう難しい事ではない、前提と成るモノを少し変えてしまえばいい、あくまで綾辻の者としての形に拘るならそれでもいいが、綾辻でなく、レイナとして前で戦いたいなら出来る」
「そっかー、いや、教えてください」
「うむ」
そうして「退魔専用」の睦流のやり方を学ぶ事になったのだがレイナのベースを変える訳じゃないのでそんなに難しい事ではない
特別訓練が要る訳でもない、妖怪相手の実戦のタブーと効率の口伝がメインである
これを両者で約束組み手の様な感じで一つ一つ形と絶対やってはいけない事を口で説明しながらやるだけだ
「ダメだ、受けるな」
「へ?」
「妖怪は人間とパワーが比較にならないブロッキングはするな。受けた武器と腕ごと折られるぞ」
「ふむ、じゃあどうやって防ぐんだ?」
「受けはやったら負けると思え、避けるか、逸らし以外アウトだ、お前が仮に防げる武具を持っていても同じだ。実際相手はバラバラだし、強さも違う、予想外の上回る攻撃を受けて、防げると思って応じても受けられるとは限らない」
「なるほど」
「剣術の受け流しでも危ない、それに体捌きも加える、最悪受けても体ごと反転させて丸ごと受け流せ、すれば体も武器も壊れない」
「ふむ」
いわゆる拳法でいう流水というやつでボクシングで言うと上体・打撃スウェーバックに近い技術である、これが最低限の壱だそうだ
実際レイナは妖怪との初戦でブロックして武器ごと被弾して負けているので「受けるな」は正しい
二が、レイナとの実際の手合わせの初戦でやった事「交差法」で、避けると攻撃するを同時にやる、なるべくなら分ってても受け無い方が良く、同時に基本的にスピードで上回る相手に対して「避ける→切り返す」という動作では遅い場合も多々ある
これはレイナが元々持っている剣術や武術でも出来る、体の中心線を軸にして、基本的に左右に体を回して回避運動と同時、勢いを使って同時に切り返せばいいのだから
ただ名雪のはもっとオーバーアクションだが、例えば、45度以内の範囲で小さく回って避けるではなく平気で180度くらい回る
しかも、距離と状況に寄っては、側宙したり、バック宙したりしながら、射撃・投擲・切り替えしまでやる、いわゆるスタイリッシュロールとか中国拳法やマーシャルアーツとかの背転脚やサマーソルトキック、ソバットと呼ばれる技の攻防同時にやる技術である
「デキネー‥」とは思ったのだが、まあそこまでド派手にやる事もないだろう、タブーと基本だけやればいいだけだし
もう一つが誰でも出来る事だが「距離」を使う事、遠<中<近接、でリスクが上がるという現代サバイバル戦闘の基本だが
「お主も拘りが無ければ射撃武器を使うべき」とした
「んな事云われてもなぁ‥弓ならやった事あるけど」
「心配いらん、現代では細かい技術は要らんし」
という訳で開発部から「ありますよ、やってみますか?」とドラえもんの如く幾つか提示されたのは、昔で云う所の銃剣
かっこよく言うとガンブレードてやつ
長さは短めのショットガン程度で前半分上に斬り突きの剣がくっついたようなもので同時に単発銃撃出来る武器、ただ重いしデカイしヘタに攻撃の受けに使って破損すると暴発危険もある
「暴発??」
「通常の弾でなくランチャーに近いですからな‥、そのまま誘爆の危険も」
「そんなもん持ち歩けるか!!」
という事でこれは無し
もう一つがペンシルガンてやつ、手の平に収まるサイズで小さく隠し持てる、元々はスパイなんかが使った銃だがこれを改良して作ったらしい。反動と音も小さくこのサイズでも5,6発は撃てる様にしてあるらしい、特殊開発部は当然対魔に基準があるので火薬弾である必要も無く、圧縮エアガンに近く、弾の速度は遅くなるが十分使えるレベルにはしてあるのだが携帯出来るかというとやはり無理があるだろう
「そう考えると神宮寺の武器て公私共に有効だよなぁ‥」
「そうだな。近代武器を実際使うと成ると法的に厳しくなるが神宮寺や京極は普段は武器として認知されないからな」
「刃の無い柄だけと、紙だもんね」
「そういう事だな」
「うーん‥アタシも何か技でこれをクリアしないと遠距離は難しいな‥」
「綾辻にはあるのか?」
「まあ‥秘術の部類に入るけど九十九針ていう霊力技はあるね、ただ、誰も使えないけど‥」
「やはりそこがネックか。私もそうだ」
こうして遠距離戦闘はレイナには難しい事が分り、とりあえず後回しにした。週、2,3回。開発部を往復しつつ名雪にも技術指導を貰う。まあ、アクロバティックなカウンターは無理だが、出来る範囲での型、動作の教示と反復と、実戦練習である
もう一つが往復移動で名雪に乗せてもらった「バイク」である、基本徒歩なレイナは単純に「いいなぁ~かっこいい」とか思って聞いた
「うん?免許?」
「思ったんだけどあると便利よね」
「まあ、そうだな特に都心だと渋滞に掛からないし対魔の捜索でも移動が早いし楽ではある、装備も載せられるし、割りとどこでも停められる」
「だよねぇ‥アタシらて皆学生だし行動範囲というか対応範囲が狭いんだよね」
「ふむ、こちらは公人組織が主体でやっているから対応範囲は広めではあるが、じゃあ現場で発見して対魔事件で実際戦えるかというと微妙だと感じるな、お主が免許習得するのはいいんじゃないか?、まあ、原チャリでもいいだろうが」
「数日で取れるんだっけ?」
「いや、筆記で通ればいいから直ぐだぞ?」
という事で講義を受けつつ、自宅でも軽く勉強、レイナは見た目と違い勉強は普通に出来るので週末に試験場へ行き難なく一発合格する
その後免許を貰ってこれも名雪に見てもらい
50㏄バイクを見繕うが
「うーん‥弱そう‥」という理由で所謂スクーターの類は買わなかった
ここでも「じゃあウチのやつ使います?」という事になったのが特殊開発部である。非常に嫌な予感しかしないのだが
あるにはあるらしい
勿論色々手を加えてあるのだが見た目は「カッコイイ!」と一目ぼれする、フルサイズ50㏄で、中型と余り違いの無いスタイリッシュなツーリングにも行けそうな青バイク
ただ、いつも通り、とんでもない装備が色々付いている訳ではなく、前側に大きな防弾スクリーンと人間の体の部分をブロックするガードが付いていて基本前と横からの被弾を防ぐ様に成っているらしい
デフォルトで高燃焼加速に切り替えるサブタンクや、フロントスクリーンにサーモグラフやナビも付いている。後付けバックパックや長めの武器やらを装填して置ける装備なんかもある
「いいの?」とは云ったが、実際作ったはいいが
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