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始まりの切っ掛け
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二〇××年
少し現代から進んだ近未来の話しである
世界は表層の上では変化も無く、平穏な変わらない日常が続いている様に余人からは見えた。
正確には、それまでもそうだったように一般には「問題ない」と伝えられていた、というだけだ。知らなければ無いと世間は認知する、それが狭い範囲の事件であれば尚更である
物事には裏と表がある
その裏を大昔から担ってきたのが神宮寺一族と呼ばれる者達
、記録の存在する範囲で言えば少なくとも五百年前から存在してきた一派で本家、分家と連なる多くの者が陰ながら世の安然に尽くして来た
少なくとも当事者、当家にとっても
其れは「まだ」平和の世界だったろう
波乱の最初の兆候は同名家の嫡子、晴海という男子が生まれた事、それ自体はめでたい事だ
問題は極稀な時期に力を発揮した事である、これは長い一族の歴史でも初の事であり、当初は誰も気づかなかった、事件が起こるまで
晴海は自身の家の事を殆ど知らなかった。
育てた、というより教育や世話をしたのが乳母の様な女性で
本家・実家から離れた場所で育たった、父にも兄姉ともあまり会わない
とは言え、ちゃんと育てられた事には違い無い
学校にも普通に通ったし、住家は古いがちゃんとした和装の家、教育もどちらかと言えば厳しく、武芸も剣術もやった。
大昔で言う、どこか人質に取られた武家の子供の様な感じだ
当人はそれを不信に思わなかった、実家から離れた田舎に住み、学校に通い、家に帰って剣術の稽古、時に普通の子供として、遊ぶ、他人と比べたら変なのかもしれないが、晴海はそれが普通だったから
彼には兄と姉が居たが、兄弟も同じ様な扱いだ
長男は家の後継者の第一だったので本家で育てられたが
姉も実際は本家に住まず、分家に預けられた
事件が起きたのが晴海十五歳の時である
中学三年の後半の年明け、定期的に交代される、乳母、教育係に代わったのが要因の一つである、そこから二月くらいの事だ
今までの世話人の女性は比較的年齢も高めだったのだが
この時期に充てられた蔡という女性は二十歳で若く、醜美にも優れた者、つまり晴海が「異性」を感じた始めての女性である
学校でも同級生に邪な感情を持った事もなく
接触もあまりしない、恋等想像すらしなかったのに
何時も通りの生活リズム、学校を終え真っ直ぐ帰り、家でも教育兼世話の者の指導だったが。食事をとって風呂に入った後彼女も風呂を使った。
別にヌードではない、出た後着物を纏った姿で
後日の晴海の支度をしてただけだが
晴海は彼女の服の上からの豊満な肉体に興奮したのだ
本来なら其れは起こらないはずだったが
時期と時間が悪く重なった事で起きた
晴海は夜十時には床に入ったが寝付けず、気持ちが高まったまま、明らかに自分で性的に興奮しているのが分った、どうしていいか分らず半時程、悶々としたが深呼吸して彼女の事を頭から外し、どうにか無理矢理寝付く事が出来た
深夜零時の頃だろうか。
晴海は夢の中と現実の中間の様な不思議な感覚のまま
目が覚めかける
この部屋は何時も一人だし誰も居ないハズだ
そう自分の常識では認知しえいる、まだ夢なのだろうかと
だがそれは現実だった、徐々に目が覚め、現実を認知する
(‥え?‥蔡‥?)
そう、暗闇の中、晴海の視界のまん前に居たのは彼女。
丁度仰向けの彼と向き合う様に上に跨り軽く相手から抱くようにうっとりとした上気した顔で対面していた
晴海には何が起きたのか分らない。そんな知識もまだ無かったから、蔡は小さく呻く様な声で激しく呼吸と喘ぎをしていた
「あ‥あっ、ハァ」と
暖かい温めの風呂に入っている様な、それでいてぬるぬるとしたとても気持ちのいい感覚が下半身に続く
「蔡‥何を‥?」
言われて彼女は一応返事はしたが相手に伝える返答ではなかっただろう、相手へなのか自分になのか分らない様な風だった
「あ‥ごめんなさい‥ぼっちゃま‥もう我慢が」
「なにこれ‥、変な感じだ‥蔡‥」
蔡は晴海を夜這いして襲ったのである、彼自身に知識が無い為分らなかっただけ、だが当人が認知していないながらも
その行為はとても気持ちが良い。
暖かくも熱く、ヌメヌメとしたそれでいて様々な突起の様な凹凸が激しく丸ごと上下する肉の穴で性器を扱かれ。その気持ちよさと辛さが混じった刺激に体を捩る
目視でも興奮とむき出しの肉欲が刺激される。
彼女は和服を着たまま布団に潜り込んで来たが、脱いではない
下は裸体で下着を着けていないので、そのまま挿入して騎乗しているだけなので、彼女の裸は見ていないが熱い吐息と呼吸で体を上下に早めに動かし
「あっ、あっ」
という女性の喘ぎを始めて聞いた晴海を高まらせるには十分である
彼女は晴海に好意を持って襲った訳ではない、ただの肉欲である。本来名家の御曹司を世話の者が逆レイプするなどありえないし、そう教育されてもいる
まだ十五の子供を襲うというのもありえないだろうが
それでも自重出来ず、肉欲に彼女が走ったのが彼の「特殊な能力故」であった
晴海も始めての性行為でやばかったが
蔡はそれ以上にやばい
「~~!っダメ!い‥いっちゃう!」
と一旦堪えてから大きく言って騎乗の腰振りを彼女の方から早くし夢中でスパートを掛けた
「まって‥蔡、僕なんか出ちゃう‥」
晴海も苦しく咄嗟に彼女の二の腕を掴んで止め様としたが
それで彼女の制御出来る訳でもなく、相手の耳にも届かず
同時に絶頂を迎えた
「あっ!‥‥っ」と同時に言って
晴海の始めての射精を彼女は膣で受け止めた
彼に前から倒れこみ、絶頂後の余韻に浸った
それでも彼には一般知識から一応は分った
(これが‥性行為?‥なんて気持ちいいんだろう)と
行為が終って数分、蔡は後戯し口で晴海のイチモツを掃除して、ティッシュでふき取り身嗜みを整えてから、晴海のナニを宝物でも扱うかのように愛おしく仕舞い下着に納めて上気した顔のまま「ご、ごめんさない」と言って部屋から出て行った
晴海には初尽くしの事で認知が追いつかないのもあったが
脱力感と気だるさのまま、そのまま何時しか眠っていた
「何で謝ったんだろう?」はそのままに
翌朝には、やはり何時も通りとはいかなかった
晴海も分らない事だらけだが、彼女は彼に朝食を用意して
食べさせた後も終始、俯き加減で無言で
晴海の問いにも明確に返事しなかった
だから晴海もそのまま無理に話せず、そのまま学校へいく
彼女と会ったのはその日が最後だった。
学校を終え、屋敷に帰ったが、もう誰も居なかった
元々晴海と常に誰か一人の世話の者が居るだけの繰り返しの生活であるがこんな事は初である。
やはり「昨日の事が原因なのだろうか?」
とは思ったのだが、彼にはこれをどうこうする手段が無かった何しろ何も知らないのだ
彼が屋敷周りで彼女を探したが当然痕跡もなく
荷物もない、アテも手段もないがそうして行動の四時間後には、また別の世話の者が充てられ屋敷に戻されて終ったのである
些細な事、ではあるが
一方で本家には些細な事では無かった
蔡と晴海の関係は彼が学校に行っている間には伝わる。
正確には当事者自らの口で独白されて明るみになった、だが
本家の晴海の父の耳に入ったのは、前後の事情を周囲の者、側近の女性に直接伝達されての事だ
「何?世話の者が晴海を襲った?」
彼の自室、そこで詳細を聞き流石に驚いたが
想像を超えた話しではあった
「はい、蔡が性的な欲求で晴海様に‥」
「ん?‥つまり襲ったとは姦淫したという事か?」
「左様です、申し訳ありません」
「では‥工作員の類とか、晴海の命を狙ったとかではないのだな?」
「はい」
「ううむ‥どういうことだ‥」
「当人を拘束し、独白しましたが、誰かに命じられたという事ではないようです深夜に突然、耐えられない程の情欲に襲われたと申しておりますので恐らく‥」
「馬鹿な‥まだ晴海は15だぞ?」
「ですが、他に説明が付きませんので‥」
「信じられん‥もう、力を発揮したというのか」
「としか思えません」
「‥ううむ」
そう唸って彼も腕組みして考え込んだが、これが事実とすれば手段はもうある
「まずは調べなければならないな」
「はっ、それにつきましては既に過去の例と照会してありますが、おそらくこれも「篭絡の力」かと、無論断定は出来ませんが」
そう聞いて父親は口元で笑った。大事では無くなったからでもある
「フ‥だとすればくだらんな‥稀な事態には違わぬが」
「はい、ですが詳しい追調査は必要ですので‥」
「うむ、となれば対処は楽だろう、何かあるか?」
「既に男の世話人を変わって充てましたので暫くは」
「うむ」
「で、篭絡の力であれば、調べるにも、イザ事実であったとしても性的に対処出来、尚且つ晴海様に与えて問題の無い女が宜しいかと思います」
「候補は?」
「幾人かは」
「うむ」
「丁度同年ですし、京極 善幸殿の孫娘が適当かと、姦淫の訓練もある程度受けていますし、精神力に秀でていますし、両家に深い恩義もあり、忠誠心もあります仮に失敗して晴海様に篭絡されても、そのまま婚姻させておけば何ら問題もありませんので」
「うむ、それで良い任せる」
「はっ、早速」
そうして翌日に呼び出され本家の屋敷の大きな平間で平伏して礼をしたのが若い女性。
京極 朱音 キョゴクアヤネ、である
対処したのは大家の父ではなく、側近の女性であるが顔を上げず緊張しっぱなしのままで、そのまま命を伝えられる
「大家の慶様の次男、晴海様の事は知っているな?」
「は、はい」
「貴女には晴海様の身の回りの世話と護衛を任せたい」
「え?!」
「不服か?」
「いいえ!しかし宜しいのですか?‥私の様な若輩の半端者が」
「だからこそだ、晴海様と同じ歳であるし、貴女は知学面も優れて居る晴海様は世間には疎い、こちら側の知識等も教える時期だ」
「わ、わかりました」
「委細、事は任せるが、一つだけ必須の事もある」
「それは?」
「毎日の記録を付ける事、報告する事だ」
「はい、それだけで?」
「そうだな‥、隠し立ては良くないので先に示して置くがそなたは京極の血族であり、晴海様とは同年である、故、嫁の候補の一人という事も考えて居る」
「えっ」
「要するに、肉体関係を求められたら応じても構わん、と言う事だ」
「‥なるほど、だから」
「これもちゃんと報告する事、内容ではない、他の男と違う点、不審な点等だ」
「‥もしかして、晴海様は何か特別な?‥」
「察しが良い、だがこれは秘密だ」
「はっ、はい」
「それから、貴女の心配は尤もでもあるのでこちらも
他の候補者の選定を進めている、あくまで最初の、という事だ」
「はっ!」
「何れ現場に出す事も考えて居るので、それは補う。既に今後のスケジュール道具等の用意も進めているので貴女は直ぐにでも同衾してもらいたい」
「はい」
そうしてある程度の事情を説明され、朱音は別室に案内
そこでスケジュールと、とりあえずの荷物を持たされ直ぐ向う事になった、出立は本家屋敷に訪問から一時間という簡易で早い行動である
少し現代から進んだ近未来の話しである
世界は表層の上では変化も無く、平穏な変わらない日常が続いている様に余人からは見えた。
正確には、それまでもそうだったように一般には「問題ない」と伝えられていた、というだけだ。知らなければ無いと世間は認知する、それが狭い範囲の事件であれば尚更である
物事には裏と表がある
その裏を大昔から担ってきたのが神宮寺一族と呼ばれる者達
、記録の存在する範囲で言えば少なくとも五百年前から存在してきた一派で本家、分家と連なる多くの者が陰ながら世の安然に尽くして来た
少なくとも当事者、当家にとっても
其れは「まだ」平和の世界だったろう
波乱の最初の兆候は同名家の嫡子、晴海という男子が生まれた事、それ自体はめでたい事だ
問題は極稀な時期に力を発揮した事である、これは長い一族の歴史でも初の事であり、当初は誰も気づかなかった、事件が起こるまで
晴海は自身の家の事を殆ど知らなかった。
育てた、というより教育や世話をしたのが乳母の様な女性で
本家・実家から離れた場所で育たった、父にも兄姉ともあまり会わない
とは言え、ちゃんと育てられた事には違い無い
学校にも普通に通ったし、住家は古いがちゃんとした和装の家、教育もどちらかと言えば厳しく、武芸も剣術もやった。
大昔で言う、どこか人質に取られた武家の子供の様な感じだ
当人はそれを不信に思わなかった、実家から離れた田舎に住み、学校に通い、家に帰って剣術の稽古、時に普通の子供として、遊ぶ、他人と比べたら変なのかもしれないが、晴海はそれが普通だったから
彼には兄と姉が居たが、兄弟も同じ様な扱いだ
長男は家の後継者の第一だったので本家で育てられたが
姉も実際は本家に住まず、分家に預けられた
事件が起きたのが晴海十五歳の時である
中学三年の後半の年明け、定期的に交代される、乳母、教育係に代わったのが要因の一つである、そこから二月くらいの事だ
今までの世話人の女性は比較的年齢も高めだったのだが
この時期に充てられた蔡という女性は二十歳で若く、醜美にも優れた者、つまり晴海が「異性」を感じた始めての女性である
学校でも同級生に邪な感情を持った事もなく
接触もあまりしない、恋等想像すらしなかったのに
何時も通りの生活リズム、学校を終え真っ直ぐ帰り、家でも教育兼世話の者の指導だったが。食事をとって風呂に入った後彼女も風呂を使った。
別にヌードではない、出た後着物を纏った姿で
後日の晴海の支度をしてただけだが
晴海は彼女の服の上からの豊満な肉体に興奮したのだ
本来なら其れは起こらないはずだったが
時期と時間が悪く重なった事で起きた
晴海は夜十時には床に入ったが寝付けず、気持ちが高まったまま、明らかに自分で性的に興奮しているのが分った、どうしていいか分らず半時程、悶々としたが深呼吸して彼女の事を頭から外し、どうにか無理矢理寝付く事が出来た
深夜零時の頃だろうか。
晴海は夢の中と現実の中間の様な不思議な感覚のまま
目が覚めかける
この部屋は何時も一人だし誰も居ないハズだ
そう自分の常識では認知しえいる、まだ夢なのだろうかと
だがそれは現実だった、徐々に目が覚め、現実を認知する
(‥え?‥蔡‥?)
そう、暗闇の中、晴海の視界のまん前に居たのは彼女。
丁度仰向けの彼と向き合う様に上に跨り軽く相手から抱くようにうっとりとした上気した顔で対面していた
晴海には何が起きたのか分らない。そんな知識もまだ無かったから、蔡は小さく呻く様な声で激しく呼吸と喘ぎをしていた
「あ‥あっ、ハァ」と
暖かい温めの風呂に入っている様な、それでいてぬるぬるとしたとても気持ちのいい感覚が下半身に続く
「蔡‥何を‥?」
言われて彼女は一応返事はしたが相手に伝える返答ではなかっただろう、相手へなのか自分になのか分らない様な風だった
「あ‥ごめんなさい‥ぼっちゃま‥もう我慢が」
「なにこれ‥、変な感じだ‥蔡‥」
蔡は晴海を夜這いして襲ったのである、彼自身に知識が無い為分らなかっただけ、だが当人が認知していないながらも
その行為はとても気持ちが良い。
暖かくも熱く、ヌメヌメとしたそれでいて様々な突起の様な凹凸が激しく丸ごと上下する肉の穴で性器を扱かれ。その気持ちよさと辛さが混じった刺激に体を捩る
目視でも興奮とむき出しの肉欲が刺激される。
彼女は和服を着たまま布団に潜り込んで来たが、脱いではない
下は裸体で下着を着けていないので、そのまま挿入して騎乗しているだけなので、彼女の裸は見ていないが熱い吐息と呼吸で体を上下に早めに動かし
「あっ、あっ」
という女性の喘ぎを始めて聞いた晴海を高まらせるには十分である
彼女は晴海に好意を持って襲った訳ではない、ただの肉欲である。本来名家の御曹司を世話の者が逆レイプするなどありえないし、そう教育されてもいる
まだ十五の子供を襲うというのもありえないだろうが
それでも自重出来ず、肉欲に彼女が走ったのが彼の「特殊な能力故」であった
晴海も始めての性行為でやばかったが
蔡はそれ以上にやばい
「~~!っダメ!い‥いっちゃう!」
と一旦堪えてから大きく言って騎乗の腰振りを彼女の方から早くし夢中でスパートを掛けた
「まって‥蔡、僕なんか出ちゃう‥」
晴海も苦しく咄嗟に彼女の二の腕を掴んで止め様としたが
それで彼女の制御出来る訳でもなく、相手の耳にも届かず
同時に絶頂を迎えた
「あっ!‥‥っ」と同時に言って
晴海の始めての射精を彼女は膣で受け止めた
彼に前から倒れこみ、絶頂後の余韻に浸った
それでも彼には一般知識から一応は分った
(これが‥性行為?‥なんて気持ちいいんだろう)と
行為が終って数分、蔡は後戯し口で晴海のイチモツを掃除して、ティッシュでふき取り身嗜みを整えてから、晴海のナニを宝物でも扱うかのように愛おしく仕舞い下着に納めて上気した顔のまま「ご、ごめんさない」と言って部屋から出て行った
晴海には初尽くしの事で認知が追いつかないのもあったが
脱力感と気だるさのまま、そのまま何時しか眠っていた
「何で謝ったんだろう?」はそのままに
翌朝には、やはり何時も通りとはいかなかった
晴海も分らない事だらけだが、彼女は彼に朝食を用意して
食べさせた後も終始、俯き加減で無言で
晴海の問いにも明確に返事しなかった
だから晴海もそのまま無理に話せず、そのまま学校へいく
彼女と会ったのはその日が最後だった。
学校を終え、屋敷に帰ったが、もう誰も居なかった
元々晴海と常に誰か一人の世話の者が居るだけの繰り返しの生活であるがこんな事は初である。
やはり「昨日の事が原因なのだろうか?」
とは思ったのだが、彼にはこれをどうこうする手段が無かった何しろ何も知らないのだ
彼が屋敷周りで彼女を探したが当然痕跡もなく
荷物もない、アテも手段もないがそうして行動の四時間後には、また別の世話の者が充てられ屋敷に戻されて終ったのである
些細な事、ではあるが
一方で本家には些細な事では無かった
蔡と晴海の関係は彼が学校に行っている間には伝わる。
正確には当事者自らの口で独白されて明るみになった、だが
本家の晴海の父の耳に入ったのは、前後の事情を周囲の者、側近の女性に直接伝達されての事だ
「何?世話の者が晴海を襲った?」
彼の自室、そこで詳細を聞き流石に驚いたが
想像を超えた話しではあった
「はい、蔡が性的な欲求で晴海様に‥」
「ん?‥つまり襲ったとは姦淫したという事か?」
「左様です、申し訳ありません」
「では‥工作員の類とか、晴海の命を狙ったとかではないのだな?」
「はい」
「ううむ‥どういうことだ‥」
「当人を拘束し、独白しましたが、誰かに命じられたという事ではないようです深夜に突然、耐えられない程の情欲に襲われたと申しておりますので恐らく‥」
「馬鹿な‥まだ晴海は15だぞ?」
「ですが、他に説明が付きませんので‥」
「信じられん‥もう、力を発揮したというのか」
「としか思えません」
「‥ううむ」
そう唸って彼も腕組みして考え込んだが、これが事実とすれば手段はもうある
「まずは調べなければならないな」
「はっ、それにつきましては既に過去の例と照会してありますが、おそらくこれも「篭絡の力」かと、無論断定は出来ませんが」
そう聞いて父親は口元で笑った。大事では無くなったからでもある
「フ‥だとすればくだらんな‥稀な事態には違わぬが」
「はい、ですが詳しい追調査は必要ですので‥」
「うむ、となれば対処は楽だろう、何かあるか?」
「既に男の世話人を変わって充てましたので暫くは」
「うむ」
「で、篭絡の力であれば、調べるにも、イザ事実であったとしても性的に対処出来、尚且つ晴海様に与えて問題の無い女が宜しいかと思います」
「候補は?」
「幾人かは」
「うむ」
「丁度同年ですし、京極 善幸殿の孫娘が適当かと、姦淫の訓練もある程度受けていますし、精神力に秀でていますし、両家に深い恩義もあり、忠誠心もあります仮に失敗して晴海様に篭絡されても、そのまま婚姻させておけば何ら問題もありませんので」
「うむ、それで良い任せる」
「はっ、早速」
そうして翌日に呼び出され本家の屋敷の大きな平間で平伏して礼をしたのが若い女性。
京極 朱音 キョゴクアヤネ、である
対処したのは大家の父ではなく、側近の女性であるが顔を上げず緊張しっぱなしのままで、そのまま命を伝えられる
「大家の慶様の次男、晴海様の事は知っているな?」
「は、はい」
「貴女には晴海様の身の回りの世話と護衛を任せたい」
「え?!」
「不服か?」
「いいえ!しかし宜しいのですか?‥私の様な若輩の半端者が」
「だからこそだ、晴海様と同じ歳であるし、貴女は知学面も優れて居る晴海様は世間には疎い、こちら側の知識等も教える時期だ」
「わ、わかりました」
「委細、事は任せるが、一つだけ必須の事もある」
「それは?」
「毎日の記録を付ける事、報告する事だ」
「はい、それだけで?」
「そうだな‥、隠し立ては良くないので先に示して置くがそなたは京極の血族であり、晴海様とは同年である、故、嫁の候補の一人という事も考えて居る」
「えっ」
「要するに、肉体関係を求められたら応じても構わん、と言う事だ」
「‥なるほど、だから」
「これもちゃんと報告する事、内容ではない、他の男と違う点、不審な点等だ」
「‥もしかして、晴海様は何か特別な?‥」
「察しが良い、だがこれは秘密だ」
「はっ、はい」
「それから、貴女の心配は尤もでもあるのでこちらも
他の候補者の選定を進めている、あくまで最初の、という事だ」
「はっ!」
「何れ現場に出す事も考えて居るので、それは補う。既に今後のスケジュール道具等の用意も進めているので貴女は直ぐにでも同衾してもらいたい」
「はい」
そうしてある程度の事情を説明され、朱音は別室に案内
そこでスケジュールと、とりあえずの荷物を持たされ直ぐ向う事になった、出立は本家屋敷に訪問から一時間という簡易で早い行動である
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